著者
岡本 隆明
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.181-188, 2016

京都府立総合資料館では,所蔵している東寺百合文書の全点をデジタル化し,Webで公開している。利用を促進するため,クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに依拠し,適切なクレジットを表示すれば自由に複製や再配布ができるという利用条件にしたことで,これまで東寺百合文書とはあまりかかわりのなかった分野からも関心を集めた。「『東寺百合文書』や古文書とはどういったもので,これまではどのように利用されていたのか」から始め,それをデジタル化してWebで公開し現在に至るまでの概要を紹介する。
著者
小関 敏彦
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.165-171, 2016

科学技術の進展はしばしば新しい材料の登場や材料の進化によって促されるが,材料の開発には多くの時間と費用が必要である。特に長期の信頼性が要求される構造材料は膨大な時間と費用をかけて開発・実装されてきた。科学技術の進展や産業の競争力強化,安心で安全な社会の実現には新たな材料の開発の効率化が鍵である。その実現に向け,これまで蓄えられてきた多くの材料の知やデータと計算科学を組み合わせて材料の組織や特性,性能を予測する「マテリアルズインテグレーションシステム」の構築を内閣府の「SIPプロジェクト」の中で進めている。この動きはわが国だけでなく米国や欧州でも活発である。本稿では材料の組織や特性,性能を記述するデータについて構造材料を例に概説するとともに,それを活用したマテリアルズインテグレーションシステムの構成,そのためのデータベース構築の課題を述べる。
著者
田中 政司
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.172-180, 2016

ジャパンナレッジは事典・辞書を中心に日本語コンテンツを検索・閲覧できるデータベースサービスである。サービス開始から15年が経過し,大学や公共図書館を中心に世界約800の機関で利用されるサービスに成長した。本稿では,ビジネス的な側面からみたサービスの取り組みと経緯を紹介しつつ,今後,サービスが目指す方向性について紹介する。
著者
小関 敏彦
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.165-171, 2016

科学技術の進展はしばしば新しい材料の登場や材料の進化によって促されるが,材料の開発には多くの時間と費用が必要である。特に長期の信頼性が要求される構造材料は膨大な時間と費用をかけて開発・実装されてきた。科学技術の進展や産業の競争力強化,安心で安全な社会の実現には新たな材料の開発の効率化が鍵である。その実現に向け,これまで蓄えられてきた多くの材料の知やデータと計算科学を組み合わせて材料の組織や特性,性能を予測する「マテリアルズインテグレーションシステム」の構築を内閣府の「SIPプロジェクト」の中で進めている。この動きはわが国だけでなく米国や欧州でも活発である。本稿では材料の組織や特性,性能を記述するデータについて構造材料を例に概説するとともに,それを活用したマテリアルズインテグレーションシステムの構成,そのためのデータベース構築の課題を述べる。
著者
永野 博
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.147-155, 2016

インダストリー4.0は,急激に発展してきた情報通信技術が製造技術と融合して起こる第4次産業革命に積極的に対応していくための政策である。ドイツはこの政策により,ソフトウェア分野に強い米国に負けることなく,自国製造業の世界での持続的発展の実現に狙いを定めている。ビッグデータを取り扱う技術の進展は単なる産業の革命ではなく,あらゆる社会システムの変革を迫るものであり,インダストリー4.0は社会のシステムをすべて変革する導火線となろう。しかし,どのような世界に直面するのかは想像しにくい。インダストリー4.0は国民に次の世界は何かを考えさせ,それに対応するのではなく,それを作る過程に参画し,そこから率先して裨益することを目的とした政策といえる。
著者
永野 博
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.147-155, 2016

インダストリー4.0は,急激に発展してきた情報通信技術が製造技術と融合して起こる第4次産業革命に積極的に対応していくための政策である。ドイツはこの政策により,ソフトウェア分野に強い米国に負けることなく,自国製造業の世界での持続的発展の実現に狙いを定めている。ビッグデータを取り扱う技術の進展は単なる産業の革命ではなく,あらゆる社会システムの変革を迫るものであり,インダストリー4.0は社会のシステムをすべて変革する導火線となろう。しかし,どのような世界に直面するのかは想像しにくい。インダストリー4.0は国民に次の世界は何かを考えさせ,それに対応するのではなく,それを作る過程に参画し,そこから率先して裨益することを目的とした政策といえる。
著者
細川 聖二
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.156-164, 2016

電子ジャーナルの安定的利用と長期的保存に対応するため,世界中の図書館や出版社がさまざまなアーカイブ・プロジェクトに取り組んでいる。本稿では,グローバルなダーク・アーカイブの代表的な事例として,学術コミュニティー(大学図書館,出版社)による共同運営事業であるCLOCKSSについて,どのような仕組みでアーカイブを実現しているのか,その概要を説明するとともに,日本において国立情報学研究所や大学図書館がCLOCKSSに参加し,電子ジャーナル等の長期的保存の一翼を担うに至った経緯について紹介する。
著者
大村 明雄 伊勢 明広 佐々木 圭一 新坂 孝志 長谷部 由美子
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.195-207, 1995-08-31
被引用文献数
5 6

最近のウランおよびトリウム同位体分析への質量分析計技術の導入は,<sup>230</sup>Th/<sup>234</sup>U年代測定法の精密化とともに,必要試料の大幅減量や適用範囲の<sup>14</sup>C法による測定年代域への拡張も可能にした.一方,従来のαスペクトル法でも,測定機器類の計数効率や安定性の向上と,試料の放射化学的処理法の改良によって,測定誤差がTIMS法の4~5倍にまで改善された.今では,最終間氷期最盛期相当の測定値(約125ka)の誤差が,95.5%の確率を意味する2σの統計誤差で表示しても,TIMS<sup>230</sup>Th/<sup>234</sup>U法では約1ka(1%),αスペクトル法でもおおよそ5ka(4%)と,以前に比べ格段に小さくなった.しかし,そのような年代値を,みかけ上誤差が小さいからというだけで,そのまま信用することはできない.本論では,真に信頼できる年代値を得るには,最良の試料を用いることが不可欠であるという立場から,試料が<sup>230</sup>Th/<sup>234</sup>U法固有の前提条件と必要条件を満たすことを検証するための方法を提示し,さらに<sup>230</sup>Th/<sup>234</sup>U法の信頼性を高めるための方策を論じた.
著者
米沢 昭一 畦地 速見 中村 久 鈴木 勝夫 二宮 幾代治
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.169-182, 1968

抗生物質を混合し, 化学療法剤として応用する傾向は近年盛んで, 国の内外を問わず, 特に動物薬において著るしい。これら混合抗生物質製剤の分離定量については, これまで, 各種試験菌のうち原株を使用して, 各種抗生物質と混合されたペニシリン (PC) の分離定量1)をはじめ, ジヒドロストレプトマイシン (DSM) 3), フラジオマイシソ (FM) 4), ロイコマイシン (LM) 4), クロルテトラサイクリン (CTC) 2)およびバシトラシン (BC) 3)についての試験をおこない, その成績は過去数回にわたつて, 目本化学療法学会に報告した。しかし, 試験菌原株のものつ抗生物質分離能力には, おのずから限度があるので, この限界を越えた高い濃度の抗生物質が混入されたばあい, 混合試料のままでは, 定量したい目的の抗生物質のみの力価を確実に証明することが不可能なばあいが生じてくる。<BR>このように, 混合抗生物質の濃度が増大したばあい, その混合抗生物質に対する試験菌の耐性度を上げることによつて, 目的とする抗生物質の分離は容易になるわけである。われわれは, このような意図に基づいて, 耐性という特殊能力をもつ試験菌の育成と, その応用方法に関する試験をすすめてきた。<BR>獲得させる耐性の程度は, 混入を予想される抗生物質の量によつて左右されるが, われわれは試験菌の活力が著るしく阻害されない限り, できるだけ高度の耐性を付与することにつとめた。しかし, 抗生物質の種類や, 試験菌によつて, 耐性がなかなか高まらないものと, 比較的早く高まるもの, または天井知らずの上昇性を示すものなどがある。また, ある程度高い耐性を付与しても, 普通寒天継代をつづけるとき, 急速に低下してしまうもの, または非常に安定しているものなどがある。<BR>われわれは, 高度の耐性を付与した, しかも安定性を兼ねそなえた4種のDSM耐性株について, DSMと混合する他の抗生物質の分離定量試験をおこない, 実用的に応用価値の高い成績を得たのでその概要を報告する。
著者
長山 格
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
2016

This paper describes a high performance parallel image retrieval system for mechanical drawings management. The system is designed with PC-cluster that consistes of one master node and eight slave nodes. In order to achieve a higher performance, parallel processing and precise searching process are introduced to the proposed system. The parallel processing uses many rotated templates of a target symbol to perform pattern matching by each slave node. The precise searching is newly designed by analyzing our previous study for image retrieval of mechanical drawings. Object detection in many kind of images continues to be one of the most common application for image processing and understanding. We first discuss some essential issues to be considered conventional object detection with large digital images. Experimental results by using the proposed system are also described. The good performance of the system is shown.