著者
藤本 和栄
出版者
佛教大学
雑誌
佛教大学大学院紀要. 社会福祉学研究科篇 (ISSN:18834019)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.45-62, 2013-03-01

日系ブラジル人子どもの生活課題を明らかにし,支援の方策を,多文化ソーシャルワーク,ブラジル人コミュニティ,地域学習室の取り組みを通して検証し,様々な協働を通して生まれた新しいきざしから,子どもたちが健やかに育つ支援の方策について考察をこころみることを目的とする。本研究では,日系ブラジル人が集住している都市の行政機関,ブラジル人学校,国際交流協会,ブラジル人コミュニティ,NPO,市民団体等の現地調査により,日系ブラジル人特有の課題とその具体的支援について聞き取りを行ってきた。調査結果と,日系ブラジル人及び,子どもたちの新たな活動にも注目し,子どもたちの夢の実現に向けての共生の方策を検討していく。
著者
Takaaki KAJITA
出版者
日本学士院
雑誌
Proceedings of the Japan Academy, Series B (ISSN:03862208)
巻号頁・発行日
vol.86, no.4, pp.303-321, 2010 (Released:2010-04-19)
参考文献数
39
被引用文献数
2 14 2

Neutrino oscillation was discovered through studies of neutrinos produced by cosmic-ray interactions in the atmosphere. These neutrinos are called atmospheric neutrinos. They are produced as decay products in hadronic showers resulting from collisions of cosmic rays with nuclei in the atmosphere. Electron-neutrinos and muon-neutrinos are produced mainly by the decay chain of charged pions to muons to electrons. Atmospheric neutrino experiments observed zenith-angle and energy dependent deficit of muon-neutrino events. Neutrino oscillations between muon-neutrinos and tau-neutrinos explain these data well. Neutrino oscillations imply that neutrinos have small but non-zero masses. The small neutrino masses have profound implications to our understanding of elementary particle physics and the Universe. This article discusses the experimental discovery of neutrino oscillations.(Communicated by Masatoshi KOSHIBA, M.J.A.)
出版者
京都大学大学院人間・環境学研究科
雑誌
人環フォーラム (ISSN:13423622)
巻号頁・発行日
vol.34, 2015-03-10

<巻頭言> 或る汽水湖の記憶 / 内田 賢徳
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
vol.第4巻 (働くものから見るものへ), 1965
著者
樋渡仁 岩村相哲 新井克也
雑誌
デジタルプラクティス
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.227-234, 2011-07-15

本論文では,我々のクラウドコンピューティング環境において,多数のHDDが故障した事例を取り上げ,故障実績を調査した.この故障実績をもとに,HDDの寿命分布を求め,代表的な寿命分布をあてはめた.赤池の情報量基準(AIC)を用い,適合度を評価すると,ワイブル分布(形状母数α=1.508)が最も良くあてはまることが分かった.この結果から,交換用HDDの必要数を推定する手法を提案した.さらに,RAIDコントローラが保持するHDDの状態とHDDの平均寿命について調査した.コマンド中断数,メディア故障数,接続失敗数とHDDの平均寿命に有意な相関関係があり,幾つかの仮定の下で我々のHDDの故障物理が速度過程モデルに従うことが分かった.この結果から,メンテナンス時にHDDの余命を推定し,予防的に交換する手法を提案した.
著者
カオタン 和田康孝 近藤正章 本多弘樹
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2013-HPC-141, no.20, pp.1-8, 2013-09-23

将来の HPC システムでは,消費電力がシステム設計や実効性能を制約する最大の要因の一つになると考えられている.運用時のピーク消費電力が電力制約を超えないことを保証する従来の設計思想では,アプリケーションを今後の大規模システムに対してスケールさせることは難しいとの認識のもと,我々は,ピーク消費電力が制約を超過することを積極的に許容し,適切に電力性能ノブを調整しつつ限られた電力資源を有効に使用して高い実効性能を得る電力制約適応型システムと,その実現に必要となる電力マネージメントフレームワークの研究開発を実施している.このような電力制約適応型システムにおいては,アプリケーション実行時の電力消費状況を観測し,また柔軟に電力制御を行える環境が必須となる.近年の Intel 社のプロセッサには RAPL (Running Average Power Limit) と呼ばれるプロセッサと DRAM の消費電力を観測・制御するインタフェースが備えられている.本稿ではこの RAPL を用い,アプリケーションを実行させた際の消費電力計測と制御を行い,HPC システムに用いられる計算機の電力計測特性について調査する.また,ノード全体の電力の柔軟な計測を可能とするべく,RAPL の計測値を用いてノード全体の電力のモデリングを行う.実験の結果,RAPL により高い精度でプロセッサや DRAM,またノードの消費電力を観測できることがわかった.
著者
浅井 史敏 加藤 行男 仲野 和彦 仲野 道代
出版者
麻布大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

我々は犬歯周病の人獣共通感染症としての可能性ならびに全身疾患との関連性を明らかにすることを本研究の目的とした。家庭内で飼育されている犬から口腔スワブサンプルを採取し、PCR法により10種の人歯周病菌および1種の犬歯周病菌の存在の有無を解析した。P. gulaeは解析した100頭以上の犬のほとんどで検出された。P. gulaeについて線毛遺伝子(fimA)の配列を解析したところ、3タイプに分かれ、これらをA, B, C型と命名した。C型の毒性はA型およびB型よりも強力であった。P. gulaeのC型とある種の循環器疾患との相関が見出された。
著者
田中 英高
出版者
大阪医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

ODは起立循環反応が異なる4つのサブタイプがこれまでに報告されている。我々は非侵襲的連続血圧・心拍反応と近赤外分光計による脳血流を評価し、さらに新しい2つのサブタイプ、すなわちHyper-response型、脳血流低下型の存在を見出した。OD症状を持つ疾患群478名における各サブタイプの頻度は、起立直後性低血圧22.8%、体位性頻脈症候群20.7%、遷延性起立性低血圧5.0%、神経調節性失神1.0%、Hyperresponse型9.4%、脳血流低下型5.6%であった。新しいサブタイプはODの15%を占めると考えられ、新しい診断・治療法の開発が必要である。MemCacによる自律神経機能解析では、POTSは立位で著しい低下を認め、迷走神経活動の異常減少が推測された。Head-uptilttrainingを実施したところ、POTSにおいて治療効果を認め、起立後の心拍増加の改善、起立時間の延長を認め、臨床的に有用と考えられた。