著者
石川 智子
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2002-03-25

新制・課程博士
著者
出口 雅敏
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第43回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.159, 2009 (Released:2009-05-28)

サウンドデモは政治的表現を祝祭的次元において発信することで、一定の成功を収めてきた。だが近年は、警察や機動隊の過剰警備に包囲されがちである。こうした状況において、直接行動の現場を支配する「戦闘機約」に働きかけ、それを覆すような祝祭的戦術の駆使もみとめられ始めた。本発表では、サウンドデモの祝祭的次元についての検討を通じて、現代社会における示威行動の文化とその表現型式の特質について考察する。
著者
佐藤 哲
出版者
一般社団法人日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:09172246)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.421-433, 2006-12-25

This paper presents numerical solutions for relativistic dynamics by the Symplectic Integrator (SI) and Totally Conservative Integrator (TCI), and proposes Symmetric TCI (S-TCI) for improving the TCI. For some kinetic problems, the TCI is more efficient than the SI, e.g. faster calculation and higher accuracy. However, some inaccuracy results by the TCI for relativistic dynamics are indicated. To overcome its problem, time-reversal S-TCI is derived based on composition methods with the adjoint method. Numerical solutions by S-TCI show greatly improvement compared with the ordinary TCI.
著者
加藤 博 岩崎 えり奈
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.255-269, 2014 (Released:2015-09-30)
参考文献数
6

エジプトでは, 2011年の「1月25日革命」 (エジプト革命) 以来, 政局は混迷を深め, 逆転に次ぐ逆転, 逆説的展開が繰り返されている. その中で浮き上がってきたのは, 政治の正当性をめぐる街頭での抗議行動 (街頭政治) と選挙での投票行動 (選挙政治) との対立である. 本稿は, この対立に注目し, それぞれの政治行動の担い手を分析することによって, エジプト革命の行方に見通しをつけるために執筆された.依拠するデータは, 2008年から12年までの革命前後において著者たちが独自に実施した4回の意識調査, とりわけ12年における第4回目の意識調査のデータである. このデータを使って, 街頭政治と選挙政治の担い手を分析した結果, 革命後の「民主化」過程で実施された一連の選挙の中で都市住民を中心に「新たな選挙参加者」が形成されたこと, そして, 彼らの投票行動における流動的な性格がイスラム政党の躍進と革命の変質をもたらしたことが明らかとなった.また, この「新たな選挙参加者」の流動的な性格は, 一時的貧困を特徴とするエジプトにおける貧困の構造的な脆弱性に根差していた. つまり, エジプトでは慢性的な貧困層と一時的な貧困層が併存するが, 前者は農村部, とりわけ上エジプト地方に滞留し, 後者は都市部にみられる. そこから, 同じく経済のグローバル化に直面しながらも, 地方住民が投票行動においてブレなかったのに対して, 都市住民はその時々の情勢でブレやすい政治行動パターンを取ることになった.
著者
稲葉 奈々子
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.210-223, 2014 (Released:2015-09-30)
参考文献数
34

新自由主義的な政策に基づく住宅など社会保障の市場化に抗して活動を開始した「DAL (住宅への権利運動)」を中心に, フランスの反グローバリズム運動を分析することが本稿の課題である. 社会保障の市場化は, 社会運動の古いテーマであった再分配の問題をふたたび表舞台に引き出した. 社会保障の市場化によって社会的排除を経験したのは, まず貧困層の移民家族であった. DALの担い手はフランスの旧植民地出身の移民一世が9割以上を占める. DALの運動は, グローバルな規模の構造的不平等を指摘し, 植民地出身者の毀損されたアイデンティティの承認と, 公正な分配を求める運動を連動させて展開する可能性があった. しかし実際には, 新自由主義的な政策が社会の領域をも市場原理で席巻していくことへの異議申し立てとして展開した. 市場経済至上主義に対して「万人にアクセス可能な公共性」を掲げたため, 運動はミドルクラスの支持を得て, 住宅への権利を保障する複数の重要な法律の制定が実現した. そこに植民地主義的な権力関係を問題にするアイデンティティの政治が入る余地はなく, また担い手の移民たちも生活の改善のために勤勉に働く1世で, 「普通の生活」の実現が運動参加の動機であった. 結果として反グローバリズム運動を新自由主義に適合的な行為者が担うという矛盾がみられ, また, 構造的な不平等の是正は実現しなかった.
著者
山田 信行
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.179-193, 2014 (Released:2015-09-30)
参考文献数
24

主として1990年代後半以降, とりわけ先進社会においては, グローバル化のもとで労働運動の再活性化が指摘されるようになり, その1つのタイプとして社会運動ユニオニズムが注目を集めている. 本稿においては, 社会運動ユニオニズムの特徴を確認したうえで, 「コーポレート・キャンペーン」にみられるように, このタイプの労働運動が私的な労使関係に「公共性」をもたせることをその戦術として採用していることに注目する. この労働運動が志向する社会制度の形成・改変にあたって, あらゆる社会勢力に利害関心をインプットする回路を開いている資本主義国家の構造的特質を利用して, 「フォーラム型」労働運動のかたちをとって, 広範かつ継続的な組織連携を戦略として採用していることを強調したい. そのうえで, 資本主義社会における国家との関連において, 「公共圏」概念を再検討し, 社会運動ユニオニズムが, 労働運動としてふたたび「公共圏」 (「労働者的公共圏」) を形成する性格を回復していることを明らかにする.
著者
BUCKLAND Rosina
出版者
International Research Center for Japanese Studies
雑誌
Nichibunken Japan review : bulletin of the International Research Center for Japanese Studies
巻号頁・発行日
vol.26, pp.259-276, 2013

This article examines the final period of shunga, customarily defined as erotic imagery produced by the woodblock-printing technique. It takes up artist who continued the earlier traditions of shunga (such as Kawanabe Kyosai and Tsukioka Yoshitoshi) and those who developed new modes (among them, Tomioka Eisen). The new Meiji administration was anxious to suppress material it deemed inappropriate, and new censorship legislation was introduced in 1872. However, the clandestine production and sale of shungacontinued until the early 1900s. As was always the case, quality varies, but the best Meiji era shunga is distinguished by fine draughtsmanship and deluxe printing effects. As part of modernization, women gained new, more visible roles in society and these were quickly taken up as characters in shunga. Japan's engagement in hostilities with first China and then Russia provided the impetus for the further production of erotica to supply to troops. Yet, by this point such material was seen as a potential embarrassment to the nation, and its suppression thereafter intensified. At the same time, the shifting role of the naked body within visual culture had a major impact on shunga, and rival rechnologies, such as photography and lithography, were supplanting woodblock-printing. The result was the emergence of a new genre of sex-related imagery, which, when compared with shunga, is marked by its directly explicit nature and a lack of humour.
著者
筒井 知己 金井 節子
出版者
東京聖栄大学
雑誌
聖徳栄養短期大学紀要 (ISSN:02866366)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.1-7, 2004-12-20

強力小麦粉の0.5〜1.5%をクロレラ粉末で置き換えたクロレラ粉末添加小麦粉を調整し、その物理的特性を測定するとともに、各小麦粉を用いて製パン試験を行い以下のような結果を得た。(1)クロレラ粉末添加小麦粉の水分吸着量は、クロレラ粉末添加量が増加するにつれ、徐々に増加した。多重バイト試験では、クロレラ粉末を添加すると生地の圧縮に対する応力は多少増加した。生地の附着力は、クロレラ粉末の添加量が増加するにつれ徐々に低下した。(2)各小麦粉を用いた製パン試験では、クロレラ粉末の添加量が増加するにつれてパンのローフボリュームも徐々に増加した。しかしクロレラ粉末1.5%添加小麦粉のパンは多少内層の気泡が大きく、きめの粗いパンになった。(3)においセンサーでの各パンの香りの分析結果では、クロレラ粉末を添加するとChan.2の出力電圧比が減少し、Chan.1の出力電圧比が、大幅に増加した。(4)各パンの官能検査の結果、各パンの総合評価値には、4種の試料間で有意差があった。クロレラ0.5%添加小麦粉とクロレラ1.0%添加小麦粉を用いたパンは食感、味でそれなりの評価を得ていた。
著者
野本 真由美
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.77, no.3, pp.265-269, 2015-06-01 (Released:2015-10-01)
参考文献数
15

従来の痤瘡治療は毛包漏斗部の角化異常および皮脂分泌の亢進に対する薬剤やアクネ菌に対する抗菌薬が中心に用いられている。しかし,再発を繰り返す難治性の患者は,治療に十分満足しているとは言い難い。また痤瘡は顔面に好発することから患者の心理負担も大きく,短期での治療効果がより一層求められる疾患と考える。十味敗毒湯に配合される桜皮には皮膚線維芽細胞からのエストロゲン産生誘導作用が報告されており,従来治療とは異なるアプローチが期待される漢方薬である。そこで従来治療では難治な尋常性痤瘡患者 122 例を対象に,短期治療を目的として,桜皮配合の十味敗毒湯を治療開始時から通常量の 1.5 倍量 (9.0 g/日)で 3 週間投与し,有用性を検討した。評価方法は患者の満足度を重視して,3 つの項目「①皮疹数の減少,②再発率の低下,③再発しても治癒までの期間が短い」のいずれかが確認された場合を「改善」とし,「改善」「不変」「悪化」の3 段階で判定した。その結果,79.5%の改善率が認められた。また他の漢方薬から変方した患者の改善率は 78.4%であった。なお本剤に起因すると思われる副作用は認められなかった。以上のことから,難治な尋常性痤瘡に対し短期間での治療効果を期待するには,薬剤の適正量を考慮することが重要であり,桜皮配合の十味敗毒湯を治療開始時に高用量で投与し,症状の改善に応じて適宜減量することが有用であると考えられた。
著者
勝本 雅和 大西 麻未
出版者
研究・技術計画学会
雑誌
年次学術大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.29, pp.913-916, 2014-10-18

一般講演要旨