著者
菊地 重仁 仲田 公輔
出版者
青山学院大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は、カロリング期の文書、とりわけ命令書を含む書簡形式の文書を政治的コミュニケーションという観点から分析し、同文書群をもって形成・維持される政治的ネットワークを通じ、政治的秩序が創出・維持ないし再生されていく様態を明らかにすることを目的とした。これらの文書の生成プロセス、文書類型、使用文脈や機能、書式・物的形態、自称と他称に関する用語法などを分析し、発給者・送付者と受取人との関係性の構築あるいは強化、さらにはこうした1対1の関係では完結しない、例えば読み上げられた文書内容を耳にする人々をも含めたより広範なコミュニケーションの可能性をも指摘した。
著者
楯 真一
出版者
広島大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

酵母基本転写因子 Tfa2 を対象として,Mediator サブユニット Gal11 結合を担うintrinsically disordered (ID)領域(Tfa2-mbd: Tfa2 mediator binding domain)の立体構造解析を,13C 検知および 1H 検知多次元 NMR スペクトルにより行った.ID 領域特有のNMR シグナルの重なりを,シグナルの分散の良い 13Cおよび 15N の化学シフト軸で展開する 3D スペクトルを用いることで効率的にシグナル帰属をすすめた.その結果,Tfa2-mbd は,(1)過渡的に低存在率の3本の helix からなる構造を取ること,(2)この過渡的立体構造形成は,ホモ二量体構造形成と連動すること,(3)さらに,過渡的に形成される Tfa2-mbd は,Gal11 との結合に不可欠であることを明らかにした.今回の研究を通して,Tfa2 の ID 領域が過渡的に形成する低存在率構造が,Gal11 を介した基本転写因子のリクルートメントに関わることを示した. ID 領域の過渡的構造形成を利用する機能制御機構という新しい機能的側面を明らかできた.
著者
菊地 晶裕
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

セレノプロテインP(SeP)は糖尿病病態を形成するヘパトカインである。本研究ではSePの立体構造情報を基盤としてSeP阻害剤の候補化合物を見出すことを目標とした。結晶化を行うため、ヒト血漿から高純度に天然型SePを精製する手法の確立し、あわせて、システイン置換体SePの発現・精製手法も確立することが出来た。研究期間内に良質な結晶を得るには至らなかったが、ホモロジーモデリングからSePの立体構造モデルを提示することが出来た。また、骨格筋ではLRP1がSePの取り込み受容体として機能すること、骨格筋に取り込まれたSePは運動抵抗性を誘導する要因となっていることを解明することが出来た。
著者
岡田 清
雑誌
成城大學經濟研究
巻号頁・発行日
no.130, pp.1-21, 1995-10
著者
瀬理 祐 庄田 宏文 松本 功 住田 孝之 藤尾 圭志 山本 一彦
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.154-159, 2014 (Released:2014-06-30)
参考文献数
39
被引用文献数
2

関節リウマチ(rheumatoid arthritis; RA)は全身の慢性,破壊性の多関節炎を主症状とする代表的な自己免疫疾患である.病態形成において様々な遺伝,環境因子の関与が示唆されているが,依然として詳細な機序は不明である.最近,RAの疾患感受性遺伝子として約100種類が報告されたが,Peptidylarginine deiminase type4(PADI4)はRAのgenome-wide association studyによってnon-MHC遺伝子のRA感受性遺伝子として本邦より初めて報告され,様々な疾患の遺伝学的解析と併せてRAとの特異的な関連が示唆されている.現在,PADI4はアジア人や欧米人の一部でもRAとの関連が示され,アジア人ではanti citrullinated peptide antibody(ACPA)の有無に関わらず骨破壊の危険因子となることも報告された.PADI4遺伝子はシトルリン化による翻訳後修飾能を有するPAD4蛋白をコードする.PADI4は骨髄球,顆粒球といった血球系細胞で特異的に発現している.PADI4のRA感受性ハプロタイプではmRNAの安定性が増すことでPAD4蛋白が増加することが示唆されている.従来,RAにおけるACPAの特異性から,PAD4蛋白の増加に伴うシトルリン化蛋白の過剰産生とACPAの誘導といった仮説が注目されてきた.しかし,PADI4は核内移行シグナルを有することで様々な遺伝子発現の制御やneutrophil extracellular trapsの形成に関与し,RAの病態形成において多彩な役割を担う可能性が示唆される.本項ではPADI4の機能とRAにおける役割のまとめ,考察を行う.
著者
[Bruce] Alberts ...
出版者
Garland Science
巻号頁・発行日
2013
著者
磯田道史著
出版者
文藝春秋
巻号頁・発行日
2013