著者
塩月 亮子
出版者
日本橋学館大学
雑誌
紀要 (ISSN:13480154)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.49-66, 2008-03-01

本稿では、沖縄における死の変容を、火葬の普及、葬儀社の出現、葬儀時の僧侶への依頼という3つのファクターから考察することを試みた。その結果、沖縄では近代化が進むなか、特に1972年の本土復帰以降、火葬場が多数設置されて火葬が広まり、土葬や洗骨の風習が廃れていったこと、および、今ではその多くが入棺が済むとすぐ火葬場へ行き、そこに隣接する葬祭場で告別式をおこなうという順番に変わったことを明らかにした。また、葬儀社の出現が、葬儀の均一化・商品化、仏教との提携をもたらしたことを指摘した。さらに、このような変化は、伝統的に死の世界を扱い、憑依などを通して人々に生々しい死を提示してきた民間巫者であるユタと、それらの慣習を否定し、新たに死の領域に介入し始めた僧侶との深刻なコンフリクトを生じさせていることも示した。沖縄におけるこのような葬儀の本土化・近代化は、すべて生者の側からの利便性・効率性の追求、換言すれば、死者や死の世界の軽視にほかならない。そのため、沖縄でも、これまでみられた生者と死者の密接な関係が失われ、今後は日本本土と同様、死の隠蔽・拒否が強まるのではないかということを論じた。
著者
高橋 夕子 岡部 忠志 沖村 幸枝 本田 孝行 加藤 祐美子 川上 由行
出版者
Japanese Society of Environmental Infections
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.270-274, 1999-11-30 (Released:2010-07-21)
参考文献数
23
被引用文献数
1

日常業務における看護婦の手の細菌汚染状況を調べ, ゲル状および液状アルコール性消毒剤の消毒効果について検討した. まず, 女性2名, 男性1名で消毒剤の消毒効果について検討した. 両消毒剤とも女性ではメーカ推奨量で十分な効果が得られた. 手の大きい男性では不十分であったが, 増量することにより十分な消毒効果が得られた. つぎに看護婦8名を対象とし, 引継ぎ, 検温, 清潔業務別に細菌汚染について検討した. どの業務においても看護婦の手は10種類以上の細菌に汚染されており, 水を使用する清潔業務において最も強い細菌汚染が認められた. 院内感染で問題となるMRSAや.Pseudomonas aeruginosa汚染も単発的に認められた.Bacillus属を除く細菌に対して液状消毒剤, ゲル状消毒剤共に良好な消毒効果が得られた. 医療従事者は常に自らの手が細菌に汚染されていると考えるべきであり, 患者に接する場合, 安価な液状消毒剤, ベッドサイドで使用できるゲル状消毒剤を使い分けることにより, ある程度院内感染を防ぐことが可能であると考えられた.
著者
粕田 晴之 福田 博一 林 和 相賀 美幸 島崎 則子 越智 芳江
出版者
Japanese Society of Environmental Infections
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.132-135, 1999-05-20 (Released:2010-07-21)
参考文献数
28

本邦での手術時手洗いはスクラブ剤を使用したブラシングを中心に行われてきたが, この方法は皮膚を損傷するおそれのあることと手洗い時間が長いという欠点を有している.我々は, 先に看護婦を対象としグローブジュース法を用いて擦式エタノール薬を併用した短時間手洗い法の有用性について報告したが, 今回は医師を対象として検討した.手洗い前の片手当り手指生菌数が104cfu以上で, 「現行の手洗い法: 4%クロルヘキシジンを用い, 素洗いと3回のブラシングで計8分間の手洗い」と「新しい手洗い法: 4%クロルヘキシジンを用いた揉み洗い2回と爪周囲のブラシング1回, 0.2%クロルヘキシジン添加エタノール液を用いたラビング1回で計4分間の手洗い」を2回づつ実施できた外科系医師28名を対象とした.指数減少値からみた減菌効果が, 「現行の手洗い法」では手洗い直後および3時間後が1.49±0.66 (M±SD) および0.99±0.71であったのに対し, 「新しい手洗い法」ではそれぞれ1.61±0.55および1.44±0.52と高い値を示し, 3時間後では両者に有意差が認められた (p<0.05).「新しい手洗い法」は, 揉み洗い中心の短時間で簡便な方法であるにもかかわらず, 手洗い直後ばかりでなく, 手袋をして3時間後にも引き続き殺菌効果を持続する有用な手洗い法であることが示された.
著者
木村 達雄
出版者
筑波大学
雑誌
筑波フォーラム (ISSN:03851850)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.104-107, 1996-11
著者
岩沢 久彰 解良 芳夫
出版者
日本爬虫両棲類学会
雑誌
爬虫両棲類学雑誌 (ISSN:02853191)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.73-89, 1980-07-30 (Released:2009-03-27)
参考文献数
30
被引用文献数
2 19

A table for the normal stages of the development of the Japanese lungless salamander, Onychodactylus japonicus, is presented. Adult males and females, collected in Hinoémata, Fukushima Prefecture, in the breeding season, were injected with frog pituitaries, and oviposition was induced. The number of eggs laid by one female was 11 on the average. The eggs are pale yellow in color and ca. 5mm in diameter. The temperature of the water in which the materials were kept was maintained at 10±1°C. The progress of development is remarkably slow. Under the present conditions, the embryos hatched at the age of 142 days on the average. In contrast to most amphibian species, the 3rd cleavage is meridional and the 4th one is latitudinal. Under field conditions, the period of larval life is fully 2 years, and the body size of metamorphosing larvae is 7-10cm in total length. The process of development from fertilization till the completion of metamorphosis is divided into 72 stages. External characteristics in each stage are described in tabular form, and illustrated with sketches.
著者
吉次 俊英
出版者
日本経営者団体連盟出版部
雑誌
経営者
巻号頁・発行日
vol.20, no.6, pp.48-53, 1966-06
著者
岩澤 久彰 山下 香
出版者
日本爬虫両棲類学会
雑誌
爬虫両棲類学雑誌 (ISSN:02853191)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.39-62, 1991-12-31 (Released:2009-03-27)
参考文献数
17
被引用文献数
56

A table for the normal stages of development of a hynobiid salamander, Hynobius nigrescens Stejneger, is presented. The materials used in the present study were collected from a breeding pond in Iwamuro-mura, Niigata Prefecture. The eggs were ca. 2.6mm in diameter. The larvae were fed on Tubifex. Under a constant temperature of 17°C, the larvae metamorphosed at the age of 80 days. and the total length of these metamorphosed animals was 53.4mm on the average. The ratio of body length, measured from the tip of the snout to the posterior angle of the vent, to total length in the metamorphosed animals was 58.3% on the average in 63 individuals. The process of development from just after spawning till the completion of metamorphosis is here divided into 73 stages. External characteristics in each stage are described in tabular form, and illustrated with sketches.
著者
江 東林
出版者
東京大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1999

本年度では、デンドリマールテニウムポルフィリン錯体中心のルテニウム上で、赤外照射により酸素分子の活性化が触媒的に起こるという特異な現象を見いだした。一連のサイズの異なるデンドリマールテニウムポルフィリン錯体をピリジンと共存させ、系内に酸素をバブリングしながら、赤外線を照射した。その結果、サイズの大きなデンドリマールテニウムポルフィリン錯体の系では、酸素添加反応が起こり、触媒的にピリジンオキシドを与えました。これに対して、サイズの小さなデンドリマールテニウムポルフィリンを用いた場合、ピリジンオキシドの生成は全く観察されなかった。また、基質として、ジメチルスルファイドを用いた場合も、上述と同じ現象が観察された。詳しい検討から、サイズの大きなデンドリマールテニウムポルフィリンは赤外線捕集アンテナとして機能し、吸収した赤外線エネルギーをコアに送り込み、化学反応を引き起こすということが分かった。これは、今まで全く利用されることのなかった赤外線を用いた分子状酸素活性化のアプローチであり、新しいタイプの人工光合成と言える。
著者
生田 幸士
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.141-146, 2008 (Released:2010-12-13)
参考文献数
21

新原理と新概念にこだわったマイクロ・ナノマシン技術と,数ミクロンの細胞から深部臓器まで,異なるスケールの生体を対象とした未来医用ロボティクスの世界を述べる.光で造り,光で動かすナノマシンについては,素材,作製手法,駆動制御からリアルタイムの力計測まで完成し,今や細胞の力学特性も精密に測定できるようになった.さらに,化学 ICと名づけたマイクロプラントや生分解性の人工毛細血管デバイスまで到達した.
著者
Yanyan CHENG Jiangdong XUE Chunyu YAO Li Gao Dexing MA Yan LIU Zhigang ZHANG
出版者
公益社団法人 日本獣医学会
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
pp.13-0004, (Released:2013-04-16)
被引用文献数
3 7

The objective of this study was to evaluate the possible protection of resveratrol against lung injury induced by arsenic trioxide (As2O3). Twenty-four healthy Chinese Dragon-Li cats of either sex were randomly divided into four groups: control (1 ml/kg physiological saline), As2O3 (1 mg/kg), resveratrol (3 mg/kg) and resveratrol (3 mg/kg) + As2O3 (1 mg/kg). The resveratrol + As2O3 treated-group was given resveratrol 1 hr before As2O3 (1 mg/kg) administration. We found that pretreatment with resveratrol in a clinically comparable dose regimen can reversed the changes in morphological and biochemical parameters induced by As2O3 in lung. Resveratrol treatment also up-regulated the activities of antioxidant enzymes, and attenuated As2O3-induced increases in reactive oxygen species, 8-hydroxydeoxyguanosine and malondialdehyde production in lung. In addition, resveratrol attenuated the As2O3-induced reduction in the ratio of reduced glutathione to oxidized glutathione, the content of total glutathione and lung arsenic burden. These findings indicated that resveratrol can give a significant protection against As2O3-induced oxidative damage.
著者
石井 公成
出版者
駒澤大学
雑誌
駒沢短期大学研究紀要 (ISSN:02866676)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.103-110, 1995-03

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1904年05月23日, 1904-05-23

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1915年07月08日, 1915-07-08