著者
田中 達
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.231-234, 1965-03-01

新生児の生理的な尿の組成については, 現在迄いくつかの報告がみられるが, 未だに定説はなく, また我が国ではまだその報告もすくない. そこで私は主に生後10日目迄の, 新生児548例(未熟児104例を含む)の自然尿について, Ames社製の試験紙或は試験錠剤を使用して尿中の蛋白・糖・pH. アセト酢酸とアセトン・ビリルビン・フェニールケトン・赤血球を夫々検査し次の如き結果を得た. 蛋白尿は33.0%, 糖尿は99%, アセト酢酸或はアセトン尿は1.8%, ビリルビン尿は22.5%, フェニールケトン尿は10.5%, 赤血球尿は6.4%を夫々示し, また平均pHは5.9であった. これらは何れも生後1〜3日目に最も多く現れて, その後次第に減少し成熟児では生後11日目以降ではいづれの反応も陰性であった. しかし未熟児では生後11日目以降でも各反応について陽性をみたものがかなりあり, 特に生下時体重2,000g未満のものでは生後10日目以内でも成熟児に比して陽性を示す例が多く, また生後かなりの日数をすぎても未だに陽性を示したものがあった.
著者
坂口 英継
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.60, no.9, pp.733-736, 2005-09-05
被引用文献数
1

心室細動と呼ばれる不整脈は心臓突然死の主因になっており, その発生メカニズムの解明, および細動を除去する有効な除細動法の開発が急務となっている.この高頻度で不規則な振動は, 心室内を旋回するスパイラル波動が複雑に分裂して生じると考えられている.非線形物理学の立場からスパイラル波動の不安定化のメカニズムおよびスパイラルカオスを除去する方法を考察する.
著者
伴野 豊 藤井 博 河口 豊 日下部 宜宏 竹村 洋子
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

本研究では九州大学大学院農学研究院附属遺伝子資源開発研究センターに保存される世界最高水準のカイコ突然変異体の有効利用と効率的保存を目的として行った。その目標は次の3点にあった。1、DNAレポジトリーの確立(遺伝子資源の有効利用)2、精子レポジトリーの構築(効率的保存)3、遺伝子資源の情報発信(情報レポジトリー)上記3項目に関する達成度は以下の通りである。(1、DNAレポジトリー)約450系統を網羅するDNAレポジトリーを計画通り構築した。各系統に関して10個体を個別に保存し,系統内の多型解析を必要とする研究にも対応したレポジトリーとなり、既に国内・外の研究に活用されている。これまでは研究者が飼育を必要としていた為に利用が限定されていたが桑の確保などの必要がなくなり、利用が拡大している(2、精子レポジトリー)本課題では精子を採取する過程と人工授精の過程に極めて高度なテクニックを有する為に、研究分担者である竹村が開発した技術を扱う事が可能な人材の育成に時間を要した。このために目標の全系統の精子レポジトリー構築には至らず、30系統に留まった。今後、技術の改善に努める必要がある。(3、情報レポジトリー)2005年3月までに報告されたカイコの突然変異遺伝子に関する情報の収集を行った。その結果、カイコ突然変異遺伝子に関しては2005年3月までに報告されている全てについて遺伝子記号,遺伝子名,形質特徴,文献引用が一覧出来るデータベースを構築し、「カイコ突然変異体利用の手引き2005」を刊行した。以上,DNA,精子,情報という3つ事項のレポジトリー化が計られ,カイコ遺伝子資源を効率的に活用・保存できる基盤が出来上がった。
著者
関場 武
出版者
慶應義塾大学国文学研究室
雑誌
三田國文 (ISSN:02879204)
巻号頁・発行日
no.3, pp.45-66, 1985-03 (Released:1985-00-00)

資料紹介
著者
脇田 博文
出版者
龍谷大学
雑誌
龍谷紀要 (ISSN:02890917)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.115-131, 2008-01

This paper investigates language education policies in the European Union (EU) through Slovenia. Slovenia has made steady progress towards democracy and a market economy since it became independent along with the disintegration of the former Yugoslavia in 1991, joined the EU in 2004, and instituted the euro in 2007. It is a small but typically multicultural and multilingual country, where language education policies play an important role in integrating and developing the nation. Along with the rapid progress of globalization, proficiency in foreign languages has not only become an indispensable tool of communication but represents tolerance towards those who are different and helps effect peaceful coexistence. With increased spatial and social mobility, Japan is also likely to become increasingly multicultural and multilingual and must deal with language education policies including the Japanese language. This paper is composed of the following issues: the general background of Slovenia, the educational system, the language education policy, teacher training, and assessment of language education. In conclusion, research results are discussed and ways to improve Japanese language education policies are suggested.
著者
水島 徹 難波 卓司
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug delivery system (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.106-112, 2011-03-31

2010年問題の本質は, 大手製薬企業における主力医薬品の特許切れではなく, それに代わる新薬開発の停滞である. この主な原因は臨床試験で予想外の副作用が発見され, 多額の費用を投じて開発した医薬品を発売できないことである. そこでわれわれが注目しているのは, ヒトでの安全性が確認されている既存薬(臨床で使われている医薬品)の作用を最新の研究手法を用いて網羅的に解析し, 新しい薬理作用を発見し別の疾患治療薬として開発する研究(ドラッグリプロファイリング研究(DR研究))である.<br>DR研究の利点は, 臨床試験が予期せぬ副作用で失敗する確率が格段に低いこと, および医薬品開発にかかる時間とコストを削減できることである.

1 0 0 0 IR かりん 第5号

出版者
京都大学人間・環境学研究科総合人間学部図書館
雑誌
かりん (ISSN:18834167)
巻号頁・発行日
vol.5, 2012-12-01

人環・総人図書館の一年間<巻頭言>ロンドンの中のスクエア、スクエアの中のイギリス / 間宮 陽介 [p.1]<声>知的刺激との出会い方 / 米重 大海 [p.2]<声>僕とトロント、ときどき京都。 / 橋井 崚佑 [p.3]<私の進む道を決めた一冊>数学の冒険 / 立木 秀樹 [p.4]<私の進む道を決めた一冊>ドイツ悲劇の根源 / 道籏 泰三 [p.5]<私の進む道を決めた一冊>地球の科学 大陸は移動する / 石川 尚人 [p.6]<自著を語る>一人称小説とは何か : 異界の「私」の物語 / 廣野 由美子 [p.7]<自著を語る>スラヴ語入門 / 三谷 惠子 [p.8]<特別図書紹介>平成22-23年度 特別図書 [p.9]<特別図書紹介>「フランス小説に描かれた日本」Le Japon dans la littérature française : de la fin du XIXe siècle au début du XXe siècle / 西山 教行 [p.10]<特別図書紹介>Documentary Educational Resources:"!Kung series", "India series" / 金子 守恵 [p.12]<特別寄稿>フラミンゴの舞台裏 / 澤西 祐典 [p.14]寄贈図書 [p.16]大型コレクション [p.17]情報収集のコツ [p.18]図書館の活動 [p.20]
著者
藤倉 まなみ
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.408-414, 2012

環境政策の進展に必要な要素にはa)社会の要請,b)他法令で未対応,c)原因と被害の因果関係の科学的な解明,d)対策の技術的・経済的実行可能性がある.悪臭防止法施行40年をふり返り,悪臭ではこれらの要素に関連してどのような判断や対応がとられてきたかを示した.
著者
藤倉 まなみ
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.408-414, 2012

環境政策の進展に必要な要素にはa)社会の要請,b)他法令で未対応,c)原因と被害の因果関係の科学的な解明,d)対策の技術的・経済的実行可能性がある.悪臭防止法施行40年をふり返り,悪臭ではこれらの要素に関連してどのような判断や対応がとられてきたかを示した.