著者
土肥 正 海生 直人 尾崎 俊治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.213-220, 1997-01-25
被引用文献数
2 1

データフロッピーディスクの最適1/Nバックアップ手続きに対する一般的方法について議論する. 最初に障害発生時間が一般分布に従う場合において, 期待費用関数を最小にする最適バックアップ方策が唯一存在するための条件を解析的に導出する. 次に障害発生時間分布が未知の場合において, 故障データから直接最適バックアップ方策を推定する2種類のノンパラメトリックな方法を提案する. 最後に数値例において, 推定されたバックアップ方策の漸近的な性質を比較し, 故障データ数と最適方策の推定精度との関係について調査する.
著者
長谷川 信
出版者
青山学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究の目的は、通信機工業の勃興期であった明治期を対象に、沖牙太郎と岩垂邦彦の企業者活動に焦点を当てることによって、当該期における通信機ビジネスの特徴を明らかにすることである。本研究は、まず、沖電気の創立者である沖牙太郎の企業者活動について分析した。これまで沖牙太郎は、「技術国産主義」を掲げる経営者として海外企業との競争的な側面が注目されてきた。しかし、ウエスタンエレクトリック社が日本に派遣した社員・カールトンの書簡などから沖牙太郎の行動を再検討すると、沖牙太郎はウエスタンエレクトリック社との提携に合意しており、提携が成立しなかった要因はむしろウエスタンエレクトリック社の判断にあったことが明らかになった。また、沖牙太郎はウエスタンエレクトリック社製品の輸入を中心とした輸入ビジネスを積極的に推進し、それによって通信機ビジネスの成長が可能になったのである。このように、沖牙太郎の金業家活動は、従来の「技術国産主義」という範囲では理解できない、柔軟かつ積極的な内容であった。一方、日本電気(NEC)の創立者である岩垂邦彦は、沖牙太郎のビジネスとウエスタンエレクトリック社との仲介役を果たしつつ、独自のコンサルティング能力によってウエスタンエレクトリック社の信認を得て、最終的には、ウエスタンエレクトリック社の子会社である日本電気の設立を任された。沖牙太郎が創業した沖商会と岩垂邦彦が創設した日本電気は、競争と協調のなかで通信機ビジネスの発展をもたらした。通信機ビジネスの発展は、沖牙太郎と岩垂邦彦という2人の異なったタイプの企業家の存在が、相乗効果を持つことによって促進されたのである。なお、本研究の成果の一部については、企業家研究フォーラム全国大会(2004年7月4日)において報告をおこなった。
著者
田中 悟 林 秀弥
出版者
東京大学社会科学研究所
雑誌
社會科學研究 (ISSN:03873307)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.135-162, 2010-01-27

本稿では, わが国のパテントプールに対して競争政策上問題とされたリーディングケースである「パチンコ機特許プール事件」(平成9年8月6日公正取引委員会勧告審決)についての法と経済学的接近が行われる. そこでは, この事件に対する公正取引委員会勧告審決が認定した事実そのものに遡って, パテントプールがもたらした競争上の効果についての検討が加えられる. 本パテントプールが形成された歴史的経過とその変遷が吟味された後, パテントプールに集積された特許権をめぐる特許引用関係を用いたネットワーク分析を通じて, これらの特許権の性格が検討される. こうした分析を通じて, パテントプールに集積された特許権がパチンコ機製造にとって必要不可欠なものであり, 公取委審決で問題とされたパテントプールを通じた参入排除が実効性を有していたことが明らかとされる.これらの帰結をベースにして, 本パテントプールに関して行われた審決の独占禁止法および競争政策上の意味についての考察が行われる.
著者
高階 絵里加
出版者
京都大學人文科學研究所
雑誌
人文學報 = The Zinbun Gakuhō : Journal of Humanities (ISSN:04490274)
巻号頁・発行日
vol.101, pp.19-35, 2011-03

明治期の洋画家である高橋由一の油彩作品にっいては, 近年, その革新性のみならず, 江戸美術とのつながりにみられるような伝統的側面も研究されてきている。由一の風景画のなかでも, 明治14-5年ごろの制作とされる《山形市街図》は, 同構図の写真との影響関係から, 従来, 伝統的風景表現を脱した写実的絵画とみなされてきた。本小論では, この《山形市街図》が, 写真にもとづきながらも, 遠近法の消失点に中心モティーフを置く独特の手法において, 江戸名所絵の伝統を踏襲していることを指摘する。また, 群童にはない空の表現や点景人物の加筆などの点においても, 広重のような江戸の浮世絵風景版画の描き方とのっながりが見られることを考察する。
著者
有働 武三 遠竹 恭子 市川 洋一
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.493-501, 1980-12-01

黄色ブドウ球菌が高塩濃度下においても発育しうるという, いわゆる耐塩機構を有していることはよく知られている. しかしこの特性は, 例えばそのあらゆる細胞機能が高塩環境下に依存しているような,好塩菌(halophilic bacteria)とよばれるー群の細菌類が示す属性とは明らかに異なっている. その機構の本質は今日, 本菌の細胞膜を構築する脂質成分の変動にもとづく, いわゆるバリアーとしての膜機能の変化にあるものとされている. 本研究は黄色ブドウ球菌の菌体外酵素および毒素の合成・分泌と,本菌の耐塩機構との関係を解析することを目的として進められた. 膜機能として最もー般的な呼吸およびエネルギー転換系が, 本菌の菌体外ヌクレアーゼおよびα-溶血毒素産生におよぼす影響を, 各種阻害剤に対する動態から追求し, 既に知られた本菌の耐塩機構に関係した事実とともに解析を試みた. その結果, これらの菌体外タンパクの産生は, とくにその分泌の過程において本菌の呼吸機能と密接な関係にあること, またその合成はいずれもATP産生糸に依存しているが, それぞれの合成が構成的(ヌクレアーゼ)か誘導的(α一毒素)かという特徴によってエネルギー産生過程に対する依作性を異にしているように思われた. このことは耐塩性のみならず, 通性嫌気性菌(facultative anaerobe)としての本菌の生理機能を論ずる上に極めて與味深い現象といえる.
著者
山田 健太 ジネ パトリック ボルツ セバスチャン モンターニュ ケビン 酒井 康行 フォーミー ドミニク ラジャブプール アリ 金 範埈
出版者
Institute of Industrial Science The University of Tokyo
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.345-349, 2011

インキュベーター内で細胞集団の培養と局所加熱が可能なマイクロヒーターデバイスをMEMSプロセスにより製作した.デバイス上の微小領域の温度を液中での蛍光温度計測と有限要素法による加熱シミュレーションにより比較し, 加えて, 赤外線熱顕微鏡によりその過度現象を計測した.細胞の加熱実験では, 細胞をデバイス上で培養し, 加熱を行った.その結果, 単一細胞レベルでの熱ショック応答の誘導の可能性に加え, これまで確認されていなかった細胞間コミュニケーションによる熱ショックタンパク質の発現についても確認する事が出来る可能性が示された.[本要旨はPDFには含まれない]
著者
紫加田 知幸 櫻田 清成 城本 祐助 生地 暢 吉田 誠 大和田 紘一
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.34-45, 2010 (Released:2010-05-13)
参考文献数
42
被引用文献数
20 29

室内において,八代海における主要な植物プランクトンの異なる水温,塩分および光強度条件下における増殖特性を調べ,現場において各種の動態とそれらの環境条件との関係を調査した。水温および塩分に対する増殖応答特性は種によって異なっていたが,増殖のために要求する光強度はいずれの種でも大差なく,ほとんどの供試生物の増殖速度は 80 μmol m-2 s-1 で飽和した。現場における季節的な種変遷パターンは水温および塩分の変化と,短期的な動態は水中光の強度の変化と同調していた。
著者
Xavier Olive
出版者
Kyoto University
巻号頁・発行日
2011-03-23

新制・課程博士
著者
矢崎 正保
出版者
社団法人日本動物学会
雑誌
動物学雑誌 (ISSN:00445118)
巻号頁・発行日
vol.37, no.435, pp.17-26, 1925-01-15

從來本邦にはMicrocoleopteraの中で、最微小種を含むPtiliidae科に關しての研究は一つもない。又之に屬する種類を紹介せられたものも全くない。私は茲に本科の一屬Acrotrichisに屬する一新種を報告し、併て邦産既知種全部を列擧して參考に供し度いと思ふ。 此の報告をなすに當つて恩師岡島教授の懇切なる指導と好意とに對して謹んで深謝の意を表する次第である。