著者
西山 克 Masaru Nishiyama
出版者
関西学院大学人文学会
雑誌
人文論究 (ISSN:02866773)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.18-38, 2010-02

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著者
石井 倫子
出版者
日本女子大学
雑誌
日本女子大学紀要. 文学部 (ISSN:02883031)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.1-12, 2003-03-20
著者
佐々木宏夫
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
日本オペレーションズ リサーチ学会第51回シンポジウム『ゲーム理論と離散数学の出会い』予稿集 (2004年3月)
巻号頁・発行日
pp.25-43, 2004
被引用文献数
1

Gale-Shapley(1962)の公刊以来、マッチング問題に関して多方面の理論研究が行われている。一方、Roth(1984)による米国の医学部卒業生の研修先を決定するメカニズムが、この問題の現実への興味深い適用例であることの発見は、マッチング問題がゲーム理論における数少ない実証研究のテーマになりうることを示唆している。本研究では、早稲田大学高等学院から早稲田大学各学部等への配分メカニズムがゲール=シャプレイ・アルゴリズムの現実への適用例であることを明らかにした上で、具体的に得られた各プレイヤーの選好順位にもとづいて、この文脈における戦略的操作不可能性(strategy-proofness)の概念の含意を検討した。
著者
大中 浩行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.30, pp.37-42, 2001-03-22

2000年5月から7月にかけて発生した、rh-AB型血液患者の手術に対して献血による協力を呼びかけるメールが転送される現象を事例に、インターネットにおけるチェーンメールの社会的影響について調査を行った。Web上のBBS(掲示板)に転載されたメールを収集し、内容を分析することによって、伝播過程の分析を行った。今回の事例は「善意のチェーンメール」として社会問題化したが、短期間に多数に情報を伝達する行動は、善意・悪意を問わず社会問題化するリスクを孕んでおり、転送者の社会的地位なども考慮にいれた研究が課題となっている。This paper is case study on social influence of chain letters calling for blood donation. A lot of Japanese Internet users joined forwarding this chain letters from May 2000 to July. This study appears process of forwarding chain letters through collecting chain letters contributed to Bulletin Board System(BBS) in World Wide Web(WWW). This case had become social problem regarded as "No harm chain letters", but communicating to large members and short term is high risk action. It is important to research on Information transmitting considering social position of players.
著者
藤川 賢
出版者
環境社会学会
雑誌
環境社会学研究
巻号頁・発行日
no.18, pp.45-59, 2012-11-20

本稿では,公害に関する被害構造論の知見をいかして,福島第一原子力発電所の事故をめぐる今後の被害拡大とその予防の可能性を考察する。被害構造論では,加害構造ともむすびついた被害の潜在化を指摘しているが,福島原発事故においても,健康被害と派生的被害の両方で潜在化の恐れがある。それについて,被害構造に関する先行研究と,福島県内でのヒアリング結果を照らしながら,被害と加害の関係を論じている。そのなかで,とくに社会的な視点から重要なのは,福島原発事故をめぐる避難がさまざまな関係性を分断していると同時に,それが自分自身の選択の結果として受け止められる傾向である。それによって,苦渋の選択を迫られてジレンマにおちいる人もいれば,物理的な分断に関連して地域の信頼関係が崩れる場合もある。こうした点は,原子力施設の立地や存廃問題が,地域内での対立をもたらしながら,立地地域が施設の存続を希望するかのような状況をつくりだしてきたことと深くかかわっている。原発事故の被害地域や原発立地地域の人たちは,ベックが個人化論に関して指摘したのと似た不本意な選択を強いられている。今後,被害者の孤立や問題の風化を防ぐためには,選択の強要を受けること自体が被害であることを社会全体が認識して,加害側の構造を見直し,それを是正するための社会的責任を明確にする必要がある。
著者
山本 裕之 小寺 香奈 YAMAMOTO Hiroyuki KOTERA Kana
出版者
岩手大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
岩手大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13472216)
巻号頁・発行日
no.8, pp.67-80, 2009

1920年代にC.アイヴズ、A.ハーバらによって実践された4分音などの微分音は、その後のヨーロッパ音楽において現代的奏法の中でも重要項目として扱われてきた。彼らが微分音に挑戦した当時のヨーロッパは平均律(12等分平均律)の概念が席巻して既に久しい。かつてのヨーロッパで長期にわたって繰り広げられてきた音律論争において、それぞれの音律の間に存在した非常に小さなどツチ(音高)の差は、19世紀という様々な調性を用いた時代の要請に応えて12等分平均律という画期的な妥協案に収れんした。西洋音楽文化の外にある各民族音楽の音律を除外して考えれば、微分音とはいったん世界標準として目盛りが敷かれた平均律からあらためて外れたピッチ、または音程のことを指す。 とはいえ、オルガンのように一度調律したらそうたやすくは調律が崩れないような楽器はわずかであり、それどころか多くの楽器では奏者がその場で随時楽器のピッチをコントロールしながら演奏する。19世紀に作られたキーをたくさん持つ木管楽器や、H.シュトルツェルなどが発明したヴアルヴをもつ金管楽器群は、それ以前の楽器に比べて格段に多くのピッチを安定させながら自在に鳴らせるように設計されている。が、その中で奏者はさらに楽器の精度と共に自らの耳と発音テクニックによって出来るだけ「正しい」ピッチを作り出そうと技術を磨いた。しかし実際の演奏では厳格に正しく、19世紀以降の「半音階の分かりやすい知的モデル」である平均律に即した音律で演奏されるわけではない。音楽のイントネーションに合わせて、あるいは奏者や楽器自体のコンディションに即して、平均律から大きく外れないピッチを作りながら演奏されるのが常である。したがって、例えばある音が僅かに数セントの単位で平均律からずれたからといってもそれは「ある音」の範囲を越えず、微分音の概念で語られるわけではない。 つまりこれらのような木・金管楽器は、音楽的内容に即して随時平均律から逸脱して演奏されることを前提としながらも、平均律を原則として作られている。したがって、そのような楽器であえて微分音を作り出すことは矛盾であるが、楽器の構造上は不可能ではない。すなわち、楽器はそのように作られてはいないが不可能ではないのである。 20世紀後半になって微分音が作品の中で頻繁に使われ始めると、各楽器の現代奏法を解説する書物には必ずといってよいほど微分音の運指表が掲載されるようになった。特に木管楽器の書物では多くのキーの組み合わせによって膨大な微分音の可能性が提示されている。金管楽器においては、楽器の機構上木管楽器のように膨大な微分音が作り出せるわけではないが、それでも実用的な量は作り出せる。しかしそのための資料が木管楽器ほど多いわけではない。そこで本稿では、金管楽器の中でも特に現代奏法に関する資料がほとんど書かれていないユーフォニアムにおいて、これまで存在しなかったこの楽器のための汎用的な微分音スケールを提示することを目的とした。
著者
金 洛年
出版者
土地制度史学会(現 政治経済学・経済史学会)
雑誌
土地制度史学 (ISSN:04933567)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.48-67, 1992

This paper elucidates one of the characteristic features of Japanese colonial rule over Korea, focusing on capital flows between the two economies. First, an attempt is made to estimate how much and in what sector capital investments were made from Japan to Korea in each phase of the colonial period. Based on these estimates significant findings include the followings: 1) In the early phase of colonial rule the Government-General took the lead in capital investments from Japan in areas such as railroad construction and the implementation of plans for increasing rice production. However, private direct investments increased rapidly beginning in the 1930s mainly in manufacturing and electric power industry. This process speeded up the transformation of the Koran economy into an integral part of the Japanese one. 2) During the Pacific War the financial institutions of Korea rapidly increased their purchases of securities, most of which were issued by Japanese government. This suggests that the role of financial institutions as principal agents of capital import was now reversed. 3) The increase of both capital inflows and outflows during the war indicates merely the transfer of purchasing power, which was not allowed to be realized by compulsory deposit and investment regulation policies. The result was a reallocation of resouces in Korea for war-related purposes. An attempt is also made to show how Japan could accelerate capital export to her colony. This paper emphasizes the role played by 1) the Korean monetary system, in which her currency was pegged to the Japanese one at an equal rate of exchange and in which the issue of the former is allowed on the basis of the latter, and by 2) the almost total dependence of Korea's trade structure on Japan. These two factors enabled Japan to accelerate capital export to Korea in spite of the shortage of foreign exchange reserves, particularly under the managed currency system. This resulted in expanded equilibrium within the Japanese colonial empire, as long as Japan's productive capacity was expanding. However, when it reached its upper limits during the war, Japan's capital exports under the trade control led to inflation in Korea.
著者
西村 典子 中村 豊 恩田 哲也 伊藤 栄治
出版者
東海大学
雑誌
東海大学スポーツ医科学雑誌 (ISSN:09153659)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.100-106, 2006-03-31

The purpose of this study is to report the factors of circulatory disturbances in the fingers of baseball players and the symptoms of those and to investigate the incidences by the administration of a questionnaire. The respondents were 804 players belonging to clubs in junior high school, high school, and universities. According to questionnaires, 202 players (25.1%) were aware of circulatory disturbances in their fingers, and there were most replies having circulatory disturbances in the catching hand with index finger. Especially players of a position with much catching balls frequency, such as a catcher and a first baseman, seem to have the high rate of having circulatory disturbances from repetitive ball impact. No relation to their positions, the appearances of circulatory disturbances in the fingers was remarkably increased from 4 to 7 years from beginning baseball that suggested this period would be needed the device and the measure of practice method for prevent or relief from repetitive ball impact. The various factors seem to be relative causing the appearances of circulatory disturbances in the fingers, such as years of experience playing baseball, their position, their using globes or mitts, temperature, ground condition, smoking custom and so on.

48 0 0 0 IR 公共心と愛国心

著者
中村 清
出版者
宇都宮大学
雑誌
宇都宮大学教育学部教育実践総合センター紀要 (ISSN:13452495)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.215-226, 2003-04-01

教育改革の一視点として公共心と愛国心の育成があげられることが多い。たしかに、最近の若者の利己主義の傾向を考えれば、公共心の育成は重要である。しかし、これを安易に愛国心と結びつけることは危険である。愛国心は、ともすれば国家単位での集団的利己主義に陥るからである。本来の公共心は、特定の人間集団を越えて人間一般に貢献する精神である。愛国心も、この意味での公共心の具体例となる必要がある。