著者
大石 拓 森澤 豊 安枝 浩 秋山 一男 脇口 宏
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.1163-1167, 2004
被引用文献数
2

症例は11歳女児と10歳男児の姉弟である. それぞれ1999年5月と10月に気管支喘息を発症した. 劣悪な家族環境と発症年齢が高いことから心因性の喘息発作が疑われていた. 母親も2001年から喘息発作が出現した. 詳細な病歴聴取の結果, 室内清掃がなされておらず, ゴキブリが多数生息していることが判明した. CAP-RASTでは3例ともゴキブリが陽性反応を示したことから, ゴキブリが主要アレルゲンの気管支喘息と考えられた. 本邦では喘息も含めたゴキブリアレルギーはあまり認知されていない. 本邦においても喘息のアレルゲンとしてゴキブリの存在を念頭におくべきであると考えられた. 1964年にBerntonらが最初にゴキブリアレルギーを報告して以来, 海外では多数の基礎, 臨床研究が報告され, アメリカの都市部で救急外来を受診する喘息児の多くはゴキブリが主要アレルゲンであることが報告されている. しかしながら, 本邦ではゴキブリアレルギーの認知度は低い. 今回, 心因性喘息と考えられていたがゴキブリが主要アレルゲンと考えられた気管支喘息姉弟例を経験したので報告する.
著者
渡辺 健 和田 一郎
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土質工学会論文報告集 (ISSN:03851621)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, 1983-06-15

アースアンカーの利用が本格的に実用化され始めた当初から, アンカー体から地盤への力の伝達は引張り杭の力の伝達機構と同じものか・単位面積当りの周囲摩擦抵抗はどの程度か・経時的にアンカー周辺の土はクリープあるいはそれに近い状態が起こらないか, 等の問題点があった。本論では, アンカー導入当初および現在のアースアンカーに関する調査, 試験について述べている。まず, 代々木公園および市ケ谷濠における導入の実状すなわち, アースアンカーによる土留め支保工が最良であるとした経過を説明し, 引張り材の検査, 注入用モルタルの配合と注入量の検査, 外殻モルタルの加圧力の決定について述べられている。次に, 土質工学会の基準案による検査・試験方法のうち, グラウト材や引張り材の検査, 削孔・グラウトの注入等の施工管理, そして引抜き・引張り・確認・特殊の各試験で構成される耐力試験について詳述している。最後に, 現時点における検査・試験の状況について, 交通営団で行ったものを例にとって説明して, 今後の検討点に, 地震時のアンカー体の動的挙動の問題があると示唆して終えている。
著者
荒井 浩道
出版者
駒澤大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究の成果は、認知症高齢者をかかえた家族を支援するソーシャルワークの技法として、ナラティヴ・アプローチの有効性を検証したことである。本研究ではアウトリーチによる家族支援における面接場面と、社会資源としての認知症家族会のミーティング場面の2点に着目し、ナラティヴ・アプローチによる支援の可能性を検討した。ソーシャルワークの技法としてナラティヴ・アプローチを位置づけることで、地域社会における総合的かつ包括的な実践モデルとなることが示唆された。
著者
Sasaki Yohei Komatsu Katsuko Takido Michio TAKESHITA Kazuo KASHIWAGI Harutsugu NAGUMO Seiji
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Biological & pharmaceutical bulletin (ISSN:09186158)
巻号頁・発行日
vol.30, no.8, pp.1511-1515, 2007-08-01
参考文献数
13
被引用文献数
1 4

Kuma-zasa is Japanese folk medicine derived from plants of genus Sasa, family Bambusaceae. Although the plants of origin of Kuma-zasa were reported to be Sasa palmata, S. senanensis, S. yahikoensis, and S. kurilensis, authentication of those plants was difficult because of similarity in morphology. Several methods for the classification of genus Sasa are available, but none involve a genetic approach. Here, we performed the genetic profiling of genus Sasa, including the four species used medicinally. Thirteen sequences were observed in chloroplast DNA intron between rbcL and ORF106 and partial ORF106 regions of 34 specimens of 16 Sasa species and one specimen of Phyllostachys pubescens. We observed differences in alignment in this region among the specimens. The analyzed lengths varied from 759 to 821 bp depending on the specimen. There were nine base substitutions, eight successive thymines or adenines, and one to three repeat units of 31 bp. Moreover, we could not find species-specific alignment: different alignments were observed in specimens of the same species, while the same alignment was observed in specimens of different species. In the phylogenetic tree reconstructed by maximum parsimony analysis, medicinally used species did not form a cluster, although most of them were positioned close to each other. The genetic profiling of Sasa species would be of use in determining the botanical origin of the herbal medicine derived from the leaves of Sasa plants.

1 0 0 0 OA 時局の重大性

著者
陸軍省新聞班 編
出版者
陸軍省新聞班
巻号頁・発行日
1937
出版者
尚兵館
巻号頁・発行日
1938
著者
沈 樹忠
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.121, no.3, pp.570-578, 2012-06-25 (Released:2012-07-09)
参考文献数
41
被引用文献数
1

中国南東部,浙江省の煤山採石場には一連の古生代ペルム紀/中生代三畳紀の見事な連続層が露出している。この地層断面はペルム紀末の大量絶滅のパタンと原因を解明するため世界で最も詳しく研究されてきた。多産する化石の層序に加えて,凝灰岩の正確な年代測定や炭素同位体比層序が明らかにされている。中でも,国際地質科学連合で承認された2つの地層境界の世界模式標準層序セクション・地点を含むDセクションは,重要である。最近,煤山ジオパークがオープンした。
著者
細木 俊宏 高橋 邦明 村山 賢一 細木 俊宏
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

高齢化社会のモデルとして豪雪・過疎地である中郷村を選び、松之山町で成功した自殺予防介入方法を異なる地域で用いることによって、有効な自殺予防介入を検証した。平成13年(平成12年度)から3回にわたって、対象者である60歳以上の中郷村村民全員(1684〜1688人)に新潟大学方式自己記入式うつ病尺度(SDS)を配布し、SDSを回収した。回収されたSDS点数をもとに、うつ状態や自殺の危険性を評価するためにDCRによる診断面接を行なった。2年目からは積極的な介入を行なうため、自責感、焦躁感、希死念慮の有無が自殺の危険性と関連している質問項目として5つを選び、診察対象者を絞り込んだ。対象者を精神科医師が診断面接し、うつ状態や自殺の危険性を評価し、自殺予防介入方法としてその妥当性を検討した。また啓蒙活動としてうつ病について講演をおこなった。平成12年度〜14年度の3年間で8名が自殺したが、7名のSDS点数は60点未満であり、診断対象から外れていた。また1名は絞込み項目で点数が低いことから診察対象から除外された。そのためSDSの総得点、絞り込むための項日は自殺既遂者を特徴づけるものとはいえなかった。しかし自殺既遂者によるアンケート結果から、自分が社会や家族にとって必要とされるか、仕事を気楽にできるか、充実した人生であるか、頭はすっきりしているか、息苦しいか、動悸がないか、などへの回答が自殺既遂者と非既遂者で異なる傾向があった。現時点まで介入前後における中郷村の自殺率の変化は認められない。啓蒙活動の継続や地元スタッフ参加協力による共同活動を通して、地域における自殺予防介入の重要性とその必要性についてある程度の理解が得られた。しかしうつ病の早期発見、早期治療から自殺を予防していくためには今回用いた手法の限界、絞込みや訪問診察などの介入方法、評価方法に改善すべき点があると考えられた。
著者
田中 早苗
出版者
中央公論新社
雑誌
中央公論 (ISSN:05296838)
巻号頁・発行日
vol.115, no.4, pp.164-169, 2000-03

1 0 0 0 OA 淡路名鑑

著者
宗田五百彦 編
出版者
朝日出版社
巻号頁・発行日
1924