著者
吉井 伸一郎 河内 佑美 吉村 真弥
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.293, pp.55-60, 2009-11-12

一見ランダムなデータセットの中にも,ある普遍的な特徴が潜む,複雑なシステムが自然界には多数散見されている.何らかのフィードバックループを伴うことにより自己組織化するプロセスは,構成要素の詳細に関わらず生じうる.特に,ネット空間においては,膨大なインタラクションから集合知と呼ばれる創発的なインテリジェンスが形成される事例が数多く知られている.本報告では,こうしたユーザインタラクションを活用した"crowd computing"型のシステムアーキテクチャーについて解説し,実際に,レコメンデーションと呼ばれる商品・情報の推薦サービスへの応用事例を示す.1年半に及ぶ長期運用結果をもとに,著者らが開発した複雑ネットワークのコミュニティ分割手法によるアプローチが優れた特性を有することを示す.
著者
中野 嘉弘
出版者
北海道情報大学
雑誌
北海道情報大学紀要 (ISSN:09156658)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.89-101, 1991-09

An insider's look at computing in the troubled USSR from the "BYTE" journal (USA) and other stories concerning Dr. A. P. Ershov and soviet-made computers from the "bit" journal (Japan) are told here. Quite recently, two pieces of advertisement for a Personal Computer from Soviet-Swiss joint venture "SERVKO" and a russian Terminal System TBCO-1 from "ELECTRONMASH" Co. appeared on the Soviet monthly journal "SPUTNIK": "В IBM PC XT/AT "СЕРВКО" решит любые Ваши проблемы!" Советско-Швейцарское Предприятие "ТВСО-1, ВСего лишъ Один Терминал" Электронмаш
著者
岡崎 隆 山本 美枝
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.73-76, 2005
被引用文献数
3

地球上の異なる二地点での金星の太陽面通過時間差を測定することによって金星視差を求め,ケプラーの第三法則を援用して太陽視差,地球-太陽間距離を得ることができる。百数十年ぶりにこの現象が起こる時期に,ハレーが提案したとして知られる太陽視差測定法を振り返り,理科教育教材として取り上げるいくつかの視点を検討する。
著者
梶野 洸 坪井 祐太 佐藤 一誠 鹿島 久嗣
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

教師付き学習における教師データをクラウドソーシングを利用して作成する試みが広まっている.このようなデータは信頼性が低いため,真の教師データの推定や,このデータを用いた識別器の学習に関する研究が行われているが,真の教師データが一部存在する場合の研究は行われていない.本研究ではクラウドソーシングで得られた教師データと真の教師データを併用して直接識別器を構成する手法を提案し,その性能を検証する.
著者
神保格 著
出版者
厚生閣書店
巻号頁・発行日
vol.尋常1学年, 1930
著者
活人社 編
出版者
活人社
巻号頁・発行日
1914
著者
高橋 大介 金田 康正
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.7, pp.2074-2083, 1998-07-15
参考文献数
26
被引用文献数
6

本論文では,分散メモリ型並列計算機により高精度の円周率を高速に計算する方法について述べる.高精度の円周率は,Gauss?Legendreの公式およびBorweinの4次の収束の公式を用いると効率良く計算できることが知られている.これら2つの公式には平方根や4乗根,そして逆数計算が含まれているが,それらの計算はNewton法を適用することで,多倍長数の加減乗算に帰着させることができる.n桁どうしの多倍長乗算は高速Fourier変換(FFT)を用いればO (nlognloglogn)で行えるが,多倍長乗算の主要部分であるFFTの計算および多倍長数の加減乗算における正規化の部分を並列化した.その結果,1024プロセッサから成る分散メモリ型並列計算機HITACHI SR2201で515億桁余りの円周率の計算が検証時間を含めて66時間11分で終了した.This paper discusses the fast multiple-precision calculation of π on distributed memory parallel processors.It is well knowen that the multiple-precision π can be efficiently computed by the Gauss-Legendre algorithm and the Borweins' quartically convergent algorithm.Although two algorithms include the square root,4th root and reciprocal calculation,these calculations can be reduced to the multiple-precision addition,subtracion and multiplication by using Newton method.Multiple-precision multiplication of n digits numbers can be realized with the computational complexity of O(nlognloglogn)by using fast Fourier transform(FFT).Calculation of FFT which is crucial to the multiple-precision multiplication and normalization of the multiple-precision addition,subtraction and multiplication can be parallelized.More than 51.5 billion decimal digits of π were calculated on the distributed memory parallel processor HITACHI SR2201(1024PEs)within computing elapsed time of 66 hours 11 minutes which includes the time for the verification.
著者
藤田 洋子 竹内 翔大 川波 弘道 松井 知子 猿渡 洋 鹿野 清宏
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.3, pp.1-6, 2010-02-05

実環境で,音声認識を用いた音声情報案内システムを稼動させる場合には,雑音などの音声以外の入力やユーザ同士の背景会話などが混入されてくることがある.これらの入力はシステムの誤作動・誤認識を引き起こし,システムの応答性能を低下させる原因となる.そのため,システムへの入力として適当な入力 (有効入力) と不適当な入力 (無効入力) の識別を行い,無効入力を棄却することにより,無効入力に対する応答処理を行わないことが重要となる.一般的に有効入力と無効入力を識別には音響的特徴が用いられる.しかし,入力音の音声認識結果から得られる言語的な情報を使うことにより,無意味な認識結果が出力される雑音の識別に加え,システムのタスクの言語的な特徴を反映させた有効入力,無効入力を識別することが可能になると考えられる.そこで本稿では,Bag-of-Words (BOW) を特徴量とした Support Vector Machine (SVM) による無効入力の識別を検討した.実環境音声認識システム 「たけまるくん」 の入力データを用いた実験では,GMM に基づく無効入力の識別と比べ,分類誤り率を 23.30% から 15.90% に削減することができた.また,BOW に GMM から得られる音響尤度,発話時間や SNR を組み合わせた手法についても検討した.その結果,分類誤り率を 13.60% まで削減することができた.On a real environment speech-oriented information guidance system, a valid and invalid input discrimination process is important as invalid inputs such as noise, laugh, cough and meaningless utterances lead to unpredictable system responses. Generally, acoustic features such as MFCC are used for discrimination. Comparing acoustic likelihoods of GMMs (Gaussian Mixture Models) from speech data and noise data is one of the typical methods. In addition to that, using linguistic features, such as speech recognition result, is considered to improve discrimination accuracy as it reflects the task-domain of invalid inputs and meaningless recognition results from noise inputs. In this report, the authors propose to introduce Bag-of-Words (BOW) as a feature to discriminate between valid and invalid inputs. Support Vector Machine (SVM) is also employed to realize robust classification. Experiments using real environment data from the guidance system "Takemaru-kun" were conducted. By applying BOW and SVM, the classification error rate (CER) is reduced to 15.90% , from 23.30% when using GMMs. In addition, experiments using features combining BOW with acoustic likelihoods from GMMs, SNR and duration were conducted, improving the CER to 13.6% .

5 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1889年10月10日, 1889-10-10
著者
三宅 立記 今城 哲二 佐藤 忍 井藤 敏之 横塚 大典 辻畑 好秀 植村 俊亮
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.89-101, 2000-03-15

既存の企業情報システムを安価に再構築するインフラとして Web を利用するイントラネットの導入が急速に進行している.しかし,企業情報システムのイントラネット化には,システム開発の面で次のような問題がある.()システム開発を行うための技術としてHTML,Java等をシステム開発者が新たに習得する必要がある.()COBOL,PL/I等の正確な精度を保証する10進演算機構が利用できないため,金額処理を伴ったシステム開発が困難.()従来のクライアントサーバシステムや端末に比べてレスポンスが悪い.COBOLスクリプトは,これらの問題を解決するために日立製作所と日立ソフトウェアエンジニアリングが共同開発したスクリプト言語であり,次のような特長を有する.()企業内の情報システム部門で最もよく利用されているCOBOL85をベースにWebに必要な機能に絞り込んだ言語仕様.()メインフレーム系のCOBOLと同一精度の10進演算機能をサポート.()既存のCOBOL処理系の長所,短所の分析に基づいた効率のよい実装.これにより次の成果を得た.()金額計算など誤差の許されない分野の業務を Web上で心配なく稼動可能とした.()テストデバッガやカバレージのサポートにより大規模な開発プロジェクトでの利用を可能にした.()プログラムの保守性を向上する日本語プログラミング機能をサポートした.()優れた実行性能を実現できた.The introduction of intranet which allows to access Web technology is rapidly growing as the infrastructure to restructure existing business information systems within a reasonable cost. However, in terms of system development, use of intranet on the business systems poses the following problems. (1)The system developers must learn new technology such as HTML and Java as the technology for system development. (2)As the decimal arithmetic functions, which guarantee the precision such as in COBOL and PL/I, are not available, it is difficult to develop systems that involves accounting processing. (3)The response time might exceed those of the existing Client and Server systems or terminals. COBOL Script, which is a script language developed jointly by Hitachi Ltd. and Hitachi Software Engineering Co., Ltd. to solve these problems, has the following features. (1)The language specification, which consists of required functions for Web computing, is a subset of COBOL85, which is the most frequently used programming language in business information analysis of the pros and the cons of the COBOL processing system. We obtain the following results; (1)Applications requiring high precision such as accounting processing can be operated on Web. (2)The test debugger and the coverage functions make it possible to use in a large development project. (3)The Japanese programming facility provides good maintainability. (4)Good performance is achieved.
著者
加藤 信子 鷲見 孝子 上野 良光
出版者
東海学院大学・東海女子短期大学
雑誌
東海女子短期大学紀要 (ISSN:02863170)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.49-56, 1993-04
被引用文献数
1

油脂の加熱による酸化をごま油の抗酸化力で抑制するには,サラダオイル・てんぷら油・コーン油にどの程度の割合で添加すればその効果を得ることができるか種々な配合油脂を調製し,180℃で5分間および10分間加熱した時の油脂の酸化を過酸化物価(POV)の測定によって検討した。 1.サラダオイル・てんぷら油・コーン油の各単独油脂の加熱によりPOV値と2%,5%,7%,10%のごま油を添加して過熱した油脂のPOV値に大きな差はなく,10%以下のごま油添加では油脂の酸化防止は低かった。 2.サラダオイルに対しては,50%以上のごま油配合で酸化は抑制された。この効果はてんぷら油より高かった。また,加熱時間が短時間であるほどごま油の酸化抑制効果は高い。 3.てんぷら油に対しては,50%以上のごま油配合で酸化は抑制されるが,その効果はサラダオイルと比較して低かった。また,加熱時間が長時間になれば,さらに抑制効果は低くなった。 4.コーン油に対しては,50%ごま油添加で最も酸化安定性が高い油脂となり,ごま油より酸化されなかった。ごま油添加量10%のとき最も酸化し,90%でごま油とほぼ同様となり,添加量が油脂の酸化防止に影響した。 また,ごま油・コーン油(1 : 1)は5分加熱より10分間加熱の方に酸化防止の効果が,強く現れた。 5.ごま油とコーン油のアルカリ安定脂質の含量はサラダオイル・てんぷら油より多く,脂肪酸含量はサラダオイル・てんぷら油より少なかった。ステロールは4油脂いづれにも含有された。 今後,アルカリ安定脂質,脂肪酸組成,ステロール組成などについても検討したい。
著者
高田 義広 鳥居 宏次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-コンピュータ (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.77, no.9, pp.646-655, 1994-09-25
被引用文献数
6

ソフトウェア開発管理の観点から,プログラマの能力を客観的,正確,かつ,容易に測定する方法が要求されている.この問題に対して,本論文ではキーストロークからプログラマのデバッグ能力を測定する方法を提案する.ここで言うデバッグ能力とは,ソフトウェア故障を発見してからその原因を修正するまでの時間的効率である.提案する方法では,まず,キーストロークを監視して,各時刻のプログラマの活動を分類する.次に,得られた活動系列にプログラマモデルを適合させることによって,プログラマの特徴を表すパラメータを抽出する.このプログラマは,活動系列をマルコフ過程とみなして定義した.最後に,それらパラメータからデバッグ能力の評価値を算出する.主な評価値は,1個の欠陥の修正に要する時間の推定値Dである.適用実験の結果から,本方法が実際のソフトウェア開発において有効に働くことがわかった.特に,生産性に関する尺度(共通な仕様に対するプログラムの作成時間)とDとの間に強い相関が見出せた.
著者
小池 佑二
出版者
東海大学
雑誌
東海大学紀要. 文学部 (ISSN:05636760)
巻号頁・発行日
vol.80, pp.138-122, 2004-03-30

16,17世紀に編纂されたアステカの文書には,スペイン人による征服前の出来事が記されているが,その中には日食の記述もしばしば見られる。それらの日食を,0ppolzer著『食宝典』と照らし合わせて,その信憑性を吟味するのが本論の第1の目的である。日食に関する記述のある文書として,Codice Aubin,'Anales de Cuauhitlan','Anales de Tlateolco', Relaciones originales de Chalco Amaquemeacanを採り上げ,そこに記録されている日食が,『食宝典』に掲載されているどの日食に当たるかを検証した。その結果,日食中に「星が全て現われた」等の誇張とも思われる表現があるにしても,大半の記述は正しいことが判明した。幾つかの記述についてはそれに相当する日食が現実には起こっていないが,それは,単なる記録の誤りか,予測したのだが,現実には起こらなかった(あるいは雨天ないし曇で見えなかった)日食を記したのではないかと推定される。次に,メキシコの先住民が,日食や月食に対してどのような観念を抱いていたかを,当時の記録から探るのが第2の目的である。彼らは,日食・月食を不吉な前兆とみなし,人間の生け贅を捧げたりもした。前述の文書では,征服後の時期についてはほとんど日食の記述が見られない。それは,征服後にはキリスト教宣教師が先住民の改宗に努め,太陽崇拝と関わる土着の風習である人身供犠を禁止したので,先住民は日食に関する記録を残さなくなったためだと考えられる。