著者
飯田 嘉宏 筒井 健太郎
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.55, no.509, pp.194-199, 1989-01-25

The effect of ultrasonic wave application on film boiling heat transfer is investigated. A series of heat-transfer experiments are carried out using a fine heater made of a 0.20-mm-dia. horizontal platinum wire, which is immersed in saturated ethyl alcohol and exposed to a 28 kHz ultrasonic wave. The heat-transfer coefficient increases with the increase of power supplied to a ferrite-type vibrator and it is doubled for the maximum in this experimental condition. The minimum heat-flux point is also improved. At a lower degree of superheat than the MHF line, nucleate boiling and film boiling coexist separately along the platinum wire with a high reproducibility. The film boiling configuration is also observed through photograpty. Under a high intensity of ultrasonic wave, many tiny bubbled begin to generate and the shapes of large bubble becomes rather irregular.
著者
林田 理惠
出版者
大阪外国語大学
雑誌
大阪外国語大学論集 (ISSN:09166637)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.1-25, 1992-09-16

笑い声、泣き声、叫び声、呻き声、話し声、あくび、いびき、くしゃみ……一言で人が発する音と言っても千差万別だ。その千差万別の音をどのように表現し分けるか--それはその言語の担い手である民族の歴史と文化に多くがささえられている。『ロシア語の音の世界(1)』(論集第5号(1991年)所収)では、ロシア語の音響意味場の全体的な構造分析と、小意味場のひとつである動物音響語の具体的分析、それらの語と、対応する日本語の語群との対照分析を試みた。本論文では以上の作業をさらに展開して、音響語の中でも最も重要な位置を占める、ロシア語の人間音響語(特に動詞を中心に)の小意味場の構造分析、さらに対応する日本語の人間音響語との(paradigmatic、syntagmatic両面からみた)対照分析を試みる。人間音警語は、他の意味場(「心の動き」「ことば」「からだ」等)との関わりが非常に深い。その関わりがパラダイムのみならず、連辞面でどのような表われかたをするかに特に注目したい。
著者
太郎良 信
出版者
文教大学
雑誌
文教大学教育学部紀要 (ISSN:03882144)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.59-70, 2000

千葉春雄主宰『綴り方倶楽部』(1933年4月創刊,東宛書房)は小学校の児童と教師を読者対象とする月刊雑誌であり,1930年代から40年代初頭にかけた時期の生活綴方運動において,児童にとっては綴方や児童詩の学習教材として,教師にとっては綴方教育実践の交流の場として重要な役割を担ったものである.だが,これまで終刊時期すら不明のままにされてきたことにみられるように,その全貌は明らかにされてはいない.本稿は『綴り方倶楽部』に関する先行研究の到達点と問題点の検討を通して全貌解明の必要性を明らかにするとともに,『綴り方倶楽部』についての現段階での調査を踏まえて同誌の発行状況を概観したものである.本稿において,『綴り方倶楽部』は1933年4月号以降,1937年7月から1938年1月までの7ヶ月の休刊期間をはさんで,1942年4月号まで少なくとも通算99号が発行されたことを明らかにした.また,改題後継誌『学芸少国民』と再改題後継誌『少国民文学』の発行状況に関しても言及した.
著者
榊原 悠紀田郎
雑誌
齒科學報 (ISSN:00373710)
巻号頁・発行日
vol.100, no.5, pp.501-505, 2000-05-30
著者
藤田 和弘
出版者
筑波大学
雑誌
筑波大学リハビリテーション研究 (ISSN:09178058)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, 1999-03-16

平成元年度に設立された本リハビリテーションコースは、今年度で10周年を迎えた。本誌の発行は8巻目になる。設立まもない時期は、諸般の事情から研究誌の発行が難しく、2回休刊したからである。第1巻から第8巻までの本誌を比較してみると、量的にも質的にも発展してきているというのが実感である。 ...
著者
広川 美津雄 井上 勝雄 高橋 克実
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.21-28, 2002-11-30
被引用文献数
1

近年、製品デザインの現場やデザインマネジメントの立場から、デザインコンセプト策定の重要性が増大している。本研究は、橋梁という特殊な領域におけるデザインコンセプト策定についての先行研究の考察を基礎に、工業デザインの分野において曖昧に使われてきたデザインコンセプトの内容を明らかにし、工業製品のデザインコンセプト策定の方法に関する提案を行った。策定方法は、まずデザイナーが、製品開発の時系列的視点で製品価値を再構成することによってデザインコンセプトを設定する。次に、現在デザインしようとしている製品に求められる要件のうち、評価を定めたり、合意したりすることが困難な要件に対して、デザインコンセプトによって方向性を示す。このような製品価値主導のデザインコンセプト策定により、製品全体の新しい価値を明確にすることができ、以後に続く設計をリードし、製品開発の全体をコントロールできる。
著者
安井 皓一
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.45-50, 2000-01-31

自動車デザインの現場において, CADプロセスが導入されて以来約20年となる。それ以来デザイン創作活動におけるデザイナーのあり方, モデラーのデザイン支援のあり方が大きく変化してきた。本論では, まず自動車デザインにおけるモデラーの歴史を振り返り, CAD導入以降のデザインプロセスから現在のCADデザインプロセスヘの移行を解説する。そして現在の自動車デザインが直面しているCADデザインプロセスにおけるモデラーにかかわる諸問題(時間と工数の問題, 品質の問題, コスト面の問題, マネージメント上の問題, CADモデラーの資質の問題)を論じ, それらの諸問題の対処法を考察し, さらに今後の提案として, CADデザインプロセス活用における自動車モデラーの課題と役割を論説する。
著者
仲谷 尚郁
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 特集号 (ISSN:09196803)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.8-15, 2003-09-30
被引用文献数
1
著者
貞森 紳丞 濱田 泰三 安部倉 仁
出版者
広島大学歯学会
雑誌
広島大学歯学雑誌 (ISSN:00467472)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.152-155, 2002-12-01
被引用文献数
1
著者
西尾 茂文 坂口 和貴
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.53, no.490, pp.1781-1787, 1987-06-25
被引用文献数
1

This paper presents experimental results on the real value of the minimum-heat-flux (MHF) -point temperature for subcooled pool boiling of water from a horizontal cylinder and an advanced form of the correlation for subcooled film-boiling heat-transfer proposed in the previous paper. First, experiments to observe the collapse process of film boiling were conducted by using a high speed video. The experimental results show that the collapse mode is classified into the propagative collapse with a precursory local-collapse and the coherent collapse. Second, the propagation velocity of collapse front and the mean surface temperature upon the local collapse followed by the propagative collapse were measured. The experimental results show that, for higher propagation-velocities, the MHF-point temperature decreases and approaches the value upon coherent collapse which has only a slight dependence on liquid subcooling. Finally, an advanced form of the correlation for subcooled film-boiling heat-transfer reported in the previous paper is proposed. This equation is in good agreement with the present data of of water at subatmospheric pressures and the existing data of liquid sodium and freon R-11 at atmospheric pressure and pressurized water.
著者
岡田 往子 平井 昭司
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.249-254, 1993-04-05
被引用文献数
6 3

半導体構成材料として広く利用されている高純度Al中のUとThを陰イオン交換分離法とLaF_3共沈分離法を伴う放射化学中性子放射化分析法(RNAA)を用いて定量した.次に試料溶液を陰イオン交換樹脂に流して, U及びThの分析目的核種である^<239>Np及び^<233>Paを吸着させ, 主な不純物を選択的に分離した.次に9MHCl-5MHFて^<239>Np及び^<233>Paを溶離した後, LaF_3共沈で^<239>Npと^<233>Paとを沈殿させ, わずかな不純物からの分離を行った.その後, 濾紙に捕集した沈殿物のγ線測定をした.より低レベルの分析を可能にするために, 試料重量の増加を現在放射化分析ではん用されている原子炉の中央実験管のカプセルに入る最大10g程度まで行い、それに伴う自己遮へい効果及び自己吸収効果の検討を行った.結果として, 試料重量の増加による照射時の自己遮へい効果はなかった.測定時の自己吸収効果は機器中性子放射化分析(INAA)では試料重量による補正が必要となった.10g程度の試料でRNAA法で定量し, Uで2〜9ppt, Thで9〜14ppt程度の分析が可能となった.
著者
松尾 有香 芝 〓彦 万代 倫嗣
出版者
社団法人日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.870-880, 1995-10-01
被引用文献数
3

部分床義歯の支台装置としてコーヌスクローネが長期間にわたって適切な機能を果たすことが明白となり,今日臨床で広く適用されるようになった.しかし外冠前装部に陶材の適用が困難なため末だ審美性の問題が解決されず残されている.本研究は,コーヌスクローネの外冠前装部に陶材の適用可能な合金を開発するための当教室の一連の研究であり,本論文ではCo-Cr-Ti合金に微量添加物としてZrを用いた,Zrの添加量と合金の物理的性質,機械的性質および陶材焼付強度について検討したものである.
著者
山中 正樹
出版者
桜花学園大学
雑誌
桜花学園大学研究紀要 (ISSN:13447459)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.A23-A37, 2001-03-31

「千羽鶴」は、戦後川端文学の中でも特に高い評価を得た作品である。発表直後から、川端のいわゆる「古典回帰宣言」の文脈の中で、日本の古典や伝統美を描いた作品であると論じられて来た。確かに「千羽鶴」には「美しい」ものが描かれている。しかし同時に「醜い」ものも「美」と同様、あるいはそれ以上に描き出されている。いままでの<読み>では、「醜」は「美」をきわだたせるための相対的要素であるという視点からの論及が多かった。しかしそれは「醜い」ものを「美しいもの」に転化する、あるいはそう見せてしまう川端の戦略によるものである。「千羽鶴」の基底部には「ちか子のあざ」という「醜い」ものが厳然としてあり、それが菊治の意識を<呪縛>すると同時に、読者の<読み>すらも支配しているのである。本稿は、そうした「醜」というコードから「千羽鶴」を読み直す試みである。