著者
橋本 光弘 三浦 健司 村岡 裕明 中村 慶久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MR, 磁気記録 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.301, pp.17-22, 2002-08-30
被引用文献数
1

垂直磁気記録においてメディアノイズは転移性ノイズが支配的であるため、そのノイズ電圧実行値は線記録密度の平方根に比例して増加すると考えられるが、実際には高記録密度時に飽和する傾向を示す。この現象について、再生過程、磁化状態の両面から検討した。その結果、再生過程の影響はみられなかったが、磁化状態についてMFM像より高記録密度時にビット突き抜け起きていることを確認し、ノイズ特性との相関を調べたところ、比較的良い一致を示した。さらに、ビット付き抜けが再生信号に与える影響を調べたところ、信号の減衰も引き起こしていることが示唆された。
著者
山下 寛樹 石田 利恵子 斉藤 達也 以頭 博之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.2, 1995-03-27

デバイスの微細化や回路の高速化に伴って、α線によって発生するノイズ電流による回路特性への影響は益々増大する。特に、バイポーラ型論理回路では、動作速度が速いため、回路が追随する時間帯のノイズ電流が問題となる。そこで、我々はこの時間帯にα線によって発生するノイズ電流の増倍現象を回路的な観点からその取り扱いについて検討を行なった。
著者
山田 弘明 YAMADA Hiroaki
出版者
名古屋大学文学部
雑誌
名古屋大学文学部研究論集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.5-24, 2003-03-31 (Released:2007-12-18)
著者
赤嶺 健治 赤嶺 健治
出版者
琉球大学法文学部
雑誌
琉球大学語学文学論集 (ISSN:03877957)
巻号頁・発行日
no.33, pp.p1-18, 1988-12

1887年に出版された小説『牧師の責任』はウイリアム・ディーン・ハウエルズの関心が個人的問題から社会的問題へ移行したことを示す最初の作品であり、トルストイの人道主義の影響を反映している。この小説の中でハウエルズは新約聖書の「へブル人への手紙」やトルストイによって示された兄弟愛の教えに基づく彼独自の「連帯意識の思想」(the doctrine of Complicity)を主人公 Sewell牧師のロを借りて展開させている。田舎育ちの Lemuel Barker は Sewell牧師の過失によりボストンでの文筆活動に対する過大な期待を抱くようになり、ボストンへ出て来て牧師を訪ねるが、牧師は自らの過ちに気付きながら、Lemuelに故郷へ戻るように勧めるため、牧師に裏切られたと思い込んだ Lemuel は牧師宅を飛び出し、大都会の様々な誘惑やわなに翻弄されながら階層化されたボストン社会に対する不満と幻滅を募らせていき、結局は故郷へ戻ることになる。牧師は Lemuel の逆境について良心のとがめを感じ、埋め合わせに自分の教会での説教の中で日々の生活の中ですべての人が兄弟愛を実行するよう熱烈に訴える。このように実行力に欠ける Sewell牧師に理想的な人の道を説かせることにより、ハウエルズは組織化された宗教の無力さを批判すると同時に「連帯意識の思想」に基づく社会改革の必要性を訴えると言う二つの目的を果たしている。
著者
五十嵐 顕人
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2002-03

平成12-13度科学研究費補助金(基盤研究(C)(2))研究成果報告書 課題番号:12650064 研究代表者:五十嵐顕人 (京都大学情報学研究科助教授)
著者
村田 昭治
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.178-196, 1959-06-25

It cannot be said that Francois Quesnay has ever developed a commercial theory deserving of the name. The reason why I am particularly interested in his reference to commerce is based on the fact that we can understand the general view of the Physiocrates regarding function and significance of commerce in economic circulation through his treatment of commerce. Quesnay, in his famous articles, "Du Commerce" etc., emphasizes the economic significance of "commerce." However, it must be remembered that his definition on commerce is sometimes broad or narrow in its meaning. In part I of the paper, the writer will consider the unproductivity of commercial industry for the reason that it does not produce "produit net." Therefore, agriculture is the fundamental industry of the country, where liberty and security are its chief requisites. In part II and III, Quesnay's view concerning commerce and price will be examined. He made a sharp distinction between commerce as a profit-making activity of merchants (le commerce revendeur) and pure commerce (le change qui se fait entre le vendeur de preiere main et acheture-consommateur.) Such a clear distinction as to commerce is expressed in the various parts of his works. And he put much stress upon the importance of the economic function which plays an active role in establishing "le bon prix." Lastly, the writer tries to make some additional remarks on Quesnay's explanation on the free play of commerce which is synonymous with free competition, while the mercantilistes believe that the country would be prosperous only by nationalism and state-regulation. Generally speaking Quesnay's analysis on commerce has a little Worth, theoretically, and his viewpoint about it has an important influence, even today, upon the establishment and development of the economic theory of commerce.
著者
廣瀬 謙造
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.127, no.5, pp.362-367, 2006 (Released:2006-07-01)
参考文献数
18

細胞内カルシウムは,筋収縮,神経伝達物質放出,シナプス可塑性,発生分化,免疫といった様々な生理機能の制御において重要な役割を果たす.その細胞内動態は,蛍光プローブを用いたイメージングにより解析されており,時間,空間的に特徴的なパターンを持つことが示されている.特徴的な時間的パターンとしてカルシウム振動が挙げられる.これはカルシウム濃度上昇が間欠的かつ律動的に起こる現象である.また,空間的パターンとして,カルシウム濃度上昇が細胞内あるいは細胞間を波状に広がるカルシウム波と呼ばれる現象が知られるようになった.ここで,2つの問題が存在する.ひとつは,どのような機構でこのような複雑な時間空間パターンが形成されるのかという問題であり,もう一つは,そのようなパターンが下流のシグナル分子によってどのように解釈されるのかという問題である.我々は,カルシウムの上流・下流にある分子の動態をイメージングすることがこの問題を解くうえで有効であると考えた.これまでに上流分子についてはカルシウムストアからのカルシウム放出を制御するIP3のイメージング法を開発した.その結果,IP3もカルシウム同様複雑な細胞内動態を示すこと,さらに,カルシウムとIP3には相互フィードバック的な制御が存在することを見出した.また,小脳プルキンエ細胞内のIP3動態を解析し,AMPA型受容体の下流においてIP3が産生される新しい経路が発見された.カルシウムの下流にある分子としては,転写因子であるNFATの細胞内動態を可視化し,カルシウム濃度上昇によってNFATが核内に移行する時間経過を詳細に解析することに成功している.この解析によって,カルシウム振動が効率的にNFATの移行を起こすことを明らかにした.以上のように,イメージングはカルシウムシグナルの時間空間的側面を解析することに有用である.
著者
田口 哲也 ソルト ジョン
出版者
同志社大学
雑誌
文化情報学 (ISSN:18808603)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.37-42, 2007-03

2006年1月28日にタイのナショナル・アーチスト(日本の人間国宝に相当する)である伝統音楽家、ジャエン・クライシトン氏とのインタヴューを世界で最初に行った。これはそのときの模様を忠実に再現した記録である。インタヴューを行ったのはマハチューラロンコン大学、タマサート大学などで比較宗教学や哲学を講じた経験のあるハーバード大学ライシャワー研究所のジョン・ソルト博士。通訳を担当したのはバンコクのイタリア大使館勤務、ソムスリ・ポップピプグトラ氏で、同志社大学文化情報学部の田口哲也が同行した。ジャエン氏はどのようにして伝統音楽の道を選ぶようになったのか、また、どのような経緯でナショナル・アーチストの栄冠を獲得したのか、また、珍しいヨーロッパ、アメリカ公演のときの模様、タイの伝統音楽の特徴、さらには現在の音楽状況などについて詳しく語っている。
著者
黄瀬浩一 百田 賢一 杉山 淳一 馬場口 登 手塚慶一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.34, no.8, pp.1716-1730, 1993-08-15
被引用文献数
5

印刷文書こ記録された情報を計算機を介して有効利用するためには、文書中の文字を認識し、論理構造により構造化するという文書画像理解が不可欠となる。一般に、文書の論理構造は、章、節などの論理オブジェクトの木構造として表現され、文書のレイアウトとともに、コンテントとも深い関連性を持つものである。したがって、文書画像理解のロバスト性を向上させるためには、いずれか一方ではなく、両者を知識として蓄え、協調的に使用することが望ましい。本論文では、仮説駆動型の処理戦略の導入により、この目標の達成を試みる。本手法では、まず文書のレイ・アウトに関する知識を用いて、論理オブジェクトの領域を抽出する。ここで、抽出結果に複数の可能性が残る場合には、互いに矛盾する仮説として生成する。生成された仮説は、依存関係を保持する依存関係データベースにより記録・管理され、処理の制御に使用される。また、処理の途中で発見された仮説の矛盾は矛盾データベースに記録され、探索空間の削減に用いられる、次に仮説の依存関係、矛麿を考慮しつつ、コンテントに関する知識を用いて仮説を検証する。本手法では、単語の接続性、単語列の矛盾という二つの概念を導入し、知識を表現する。縦書き名刺100枚を対象とした仮説生成検証実験から、文字の摘出率93.0%、論理オブジェクトの抽出率92.6%、コンテントの同定率86.8%を得、本手法の有効性を確認した。