著者
宮崎 正弘 池原 悟 横尾 昭男
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.743-754, 1993-04-15
被引用文献数
14

機械翻訳システムにおいて、大規模辞書を効率的に構築し、維持管理することはきわめて重要である。本論文では、機械翻訳システムの解析辞書(日本語辞書)と変換辞書(対訳辞書)にどのような基準、条件で見出し語を収録したらよいかについて論じ、各種辞書の単語収録単位の違いを吸収するものとして単語結合型辞書引きを提案した。複合語は短単位語(語基)を組み合わせて数限りなく生成される。従って、このような複合語は、解析辞書には原則として収録せず、複合語は語基の組合せとして、その内部構造を解析する。一方、変換辞書には目的言語に応じて適切な訳を生成するため語基のほかに複合語を収録し、複合語の内部構造の解析により生成された部分複合語を基に、複合語内の語基を組み合わせて変換辞書引きを行う。この過程により、複合語は変換辞書にある見出し語の最適な組合せに再構成される。本方法により、数限りなく生成される複合語を原則として解析辞書に収録する必要がないので解析辞書のコンパクト化が図れ、解析辞書と変換辞書の独立性を確保でき、大親模辞書の効率的な構築・維持管理が可能になると共に、日本語の複含語に対する解析と変換処理の調和が実現できた。
著者
大前 百子 塩野 英昭 澁谷 昌孝 渡邉 真哉 五十嵐 孝義 齋藤 仁弘 西山 實
出版者
社団法人日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.133-140, 1996-02-01
被引用文献数
3

本実験はクラウンの合着時の浮き上がり量を最小限に抑える目的で,市販のグラスアイオノマーセメントの粉末を超微粉砕機によって微細化した微粉末セメントの諸物性を検討したものである.この結果,物理的性質の観点からは微粉末セメントは,被膜厚さの改善が認められたが,圧縮強さは低下し,硬化時間はやや延長した.また金型を用いたクラウンの浮き上がり量は大幅に改善され,保持力は市販品と同程度の値を示した.
著者
伊藤 隆二
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会関東支部会報 (ISSN:13416359)
巻号頁・発行日
no.4, pp.5-8, 1989-12-07

ある特定のイネ品種の細胞を培養して植物体を再生させた場合、その植物体は原品種と同じものになると考えるのが常識であろう。ところがプロトプラストから植物体を再生させる過程において、おそらく突然変異が起こったのであろう、原品種と異なる変異体が生じ、その中から良いものを選び、悪いものを捨てるという、従来の育種の操作を進めることによって原品種と性質の異なる新品種を生むことができたのである。植工研では、わずか3年間でコシヒカリのプロトプラスト培養から新品種を作出し、平成元年2月3日「初夢」の名で農林水産省に品種登録の申請を行った。そこで、この奇妙な方法で新品種を作出した経緯、新品種「初夢」の特性、細胞培養利用のイネ育種の特徴等について述べることとする。
著者
小倉 久和
出版者
日本熱帯農業学会
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.235-238, 1999-09-01
著者
竹本 哲行
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.223-226, 2008-04-15

おどり仕立てポットハボタンの仕立て枝術の開発を目的として,ハボタンのポット栽培における摘心時期,摘心強度,摘心時の摘葉枚数,切除する葉の部位の違いおよび品種が草姿に及ぼす影響について検討した.'初夢'を供試し,7月上旬に播種した場合,強摘心することで,分枝位置が低く,鉢上げ4週間目に摘心することで,側枝長が短くなり,コンパクトな草姿となった.さらに,摘心時に葉身と葉柄を含む全葉を摘心後の上位葉位から3枚摘葉することで,側枝数が3本程度となることが明らかとなった.摘葉により側枝数の増加が認められた品種は'駿河の初日','冬紅','初紅'および'初夢'の4品種であった.
著者
金子 峰雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DC, ディペンダブルコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.448, pp.19-24, 2005-11-24

多くの高位合成システムでは, 演算スケジュールの終了後に資源割り当てを行うため, 資源割り当て時に生存期間が全て確定しており, 衝突のない資源共有が容易に行われる.これに対して, 資源割り当てをスケジュールに先行させる, あるいは資源割り当てとスケジュールを同時進行的に最適化する合成手法においては, 資源割り当て時にデータや演算の生存期間が確定しておらず, 不用意な資源共有はスケジュール不能な解を生成してしまう.この論文では, スケジュール解の存在を保証する資源割り当てについて考察を行っている.ここではessential lifetime overlap (ELO)と呼ばれる不可避なlifetime overlapを定義・導入し, それらの極小集合であるMinELOが単一プロセッサスケジュール解から抽出できるとを明らかにした.実際の資源割り当てにあたっては, このMinELOだけに注意して資源共有を行うことで, スケジュール可能性を保証できる.
著者
大川 博史 西門 秀人 山内 寛紀 寺井 秀一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.658, pp.47-54, 2000-03-02
被引用文献数
4

アプリケーションプログラムをリアルタイム実行するマルチプロセッサLSIを自動生成する環境の研究を行なっているが、今回、そのスモールセットの開発を行った。ターゲットアプリケーションは、アッセンブラにて記述された128ポイント高速フーリエ変換プログラムであり、これを、遺伝的アルゴリズムを使って、メッセージパッシング型マルチプロセッサに最適スケジューリングした。また, その要素プロセッサ(PE)は、DLXアーキテクチャを改良した32ビットマイクロプロセッサであり、ハードウェア記述言語SFLにて記述されている。そして、上記スケジューリング結果から、対応するプロセッサ間結合と各プロセッサでの実行プログラムを同時生成した。また、上記プロセスにて自動生成したSFL記述のマルチプロセッサシステムを、Velilog-HDLに変換し、Verilog環境下にて論理合成、レイアウト設計を行なった。