著者
小池 誠
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:21888663)
巻号頁・発行日
vol.2019-SLP-128, no.11, pp.1-3, 2019-07-12

マイクロ波聴覚効果を応用することにより,受信者の頭部に直接,音声メッセージを伝える無線通信が実現するとされている.本稿では,搬送波の周波数そのものがマイクロ波聴覚効果を発現するのでなく,搬送波として作用する2つの周波数の差分がマイクロ波聴覚効果を発現させる.具体的には,2つの周波数を搬送波とする1本のミリ波ビームを受信者の頭部に照射して,マイクロ波聴覚効果により頭部が音声を復調する.搬送波の予想及び検出が困難となり,検出を回避することができる.
著者
谷川 惠一 キャンベル ロバート 中村 康夫 久保木 秀夫 鈴木 淳
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館報 (ISSN:03864790)
巻号頁・発行日
no.53, pp.1-20, 1999-09-01

魯庵の夢中村真一郎氏旧蔵・日本漢詩文コレクションデータベースのCD-ROM出版について文献資料部事業報告研究情報部事業報告整理閲覧部事業報告彙報評議員等名簿集会等予告 シンポジウム コンピュータ国文学 特別展示・公開講演会 国際日本文学研究集会新ホームページのお知らせ文庫紹介31:諏訪市図書館新収資料紹介44:和学者書簡集閲覧室利用案内人事異動秋季学会開催一覧
著者
飯澤 理一郎 Riichiro Iizawa
雑誌
産研論集
巻号頁・発行日
vol.41, pp.19-29, 2011-02
著者
野本 和幸
出版者
国際基督教大学キリスト教と文化研究所
雑誌
人文科学研究(キリスト教と文化) = Humanities: Christianity and Culture (ISSN:00733938)
巻号頁・発行日
no.48, pp.55-101, 2016-12-15

フレーゲは、第一に、「数とは何か」という問いに対し、自ら考案した記号言語により、史上初の高階述語論理の公理体系化を達成し、その論理的基礎から、数論全体を論理的に導出しようと試みた。第二に、その体系構成の「予備学」として、日常のドイツ語をいわば「メタ言語」に用い、当の記号言語自身の統語論についてのメタ的説明や、自らの論理的カテゴリー区分(対象と型つきの概念・関係)、意味論的区別(意味と意義等)を解明し、第三に、全欧規模で数学者・論理学者・哲学者と充実した誌上および書簡論争を行った。 以上の論理学・数学基礎論上の仕事に加え、フレーゲは意味と意義の区別をはじめ、現代の意味論・言語哲学の原型を与えた。
著者
田中 翼 古川 聖
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.1308-1318, 2013-04-15

本稿では,多声音楽の自動作曲において新しい旋律スタイルを自動生成する手法を提案する.本手法において旋律スタイルは,書き換え規則の集合からなる文法として表され,その文法規則は遺伝的機械学習システムであるクラシファイアシステムを用いて生成される.これまでの文法的なアプローチの自動作曲研究においては,多声音楽をいかに文法的に扱うかという問題や,オリジナルな旋律スタイル自体を自動生成する問題はあまり重点的に研究されてこなかった.そこで本稿では,多声音楽の生成過程を,各旋律が互いに参照し合いながら,声部間での書き換え規則の非同期的な適用によって成長していくプロセスとしてモデル化を行う.そしてモデルの要素としての文法規則をクラシファイアシステムを用いて自動生成することで,新しい旋律スタイルを創発させる手法を提案する.生成楽曲の評価実験の結果,文法ルール数を小さく設定することが複数の観点からの高評価につながることや,各声部が別々のルールに基づく「複数スタイル」の楽曲が「旋律の動きの豊かさ」において高評価を得ることが明らかになった.
著者
奥中 康人 オクナカ ヤスト
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.19, pp.49-68, 2019-03-31

『陸海軍喇叭譜』が制定される1885年12月以前には、陸軍はフランスのラッパ譜を、海軍はイギリスのラッパ譜を用いたことが知られているが、それ以上の詳細は判っていなかった。しかし、近年発見された3点の手書きの陸軍ラッパ譜(靖国偕行文庫所蔵のタイトルの無い2点と、名古屋鎮台のラッパ手が記した『喇叭記帳』)によって、その実態を解明できることになった。調査の結果、日課号音、招呼、敬礼、教練のためのラッパ信号(約70曲)については、ほぼフランスのラッパ譜に由来することを確認することができる(例えば、「起床」« Le Réveil » や、「礼式」 « Aux champs » など)。しかし、軍隊内の組織に対して付与された約30曲の隊号(例えば、「鎮台一聯隊」など)、敬礼のための「靖国神社参拝式」については、日本で創作された可能性が高い。また、2000小節を超える長大な行進曲も日本でアレンジされていたと考えられる。3冊の楽譜資料は、明治前期におけるフランス音楽受容の広がりをよく示している。
著者
高瀬 英希
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.440-441, 2020-04-15

「組込みシステム」は,各種の情報機器に組み込まれて,特定の機能を実現するための制御を行うコンピュータシステムである.古くは1980年代頃から使われていたこの研究対象について,出自や歴史を紐解き,また近年取り巻く潮流を俯瞰し,組込みシステムはどこから来てどこへ向かうのかについて思索を巡らせてみる.そして,近年の問題領域の複雑化に対応するためにSIGEMBの有志でまとめた「湯河原宣言2018」を紹介する.これらを踏まえた上で,研究領域と課題が多岐に渡るITシステムである組込みシステムの30年後のあるべき姿はどのようになっているのかを予想してみたい.
著者
川部 裕幸
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.117-145, 2000-03-30

浮世絵の一つに「疱瘡絵」と称されるものがある。疱瘡絵はかなり特殊な浮世絵である。疱瘡(天然痘)にかかった病人への見舞い品として贈られたり、病人の部屋に貼られるという用途に限って用いられた浮世絵である。また、疱瘡絵は、全面、濃淡二種の赤色のみで摺刷されているという、際立った特徴を持つ。
著者
川野 陽慈 山野辺 一記 栗原 聡 Yoji Kawano Ituki Yamanobe Satoshi Kurihara
雑誌
SIG-SAI = SIG-SAI
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.1-8, 2018-03-01

現在,世界的にゲーム市場が拡大し必要なシナリオも増加している.シナリオライターの負担軽減と物語多様性の担保という観点から,シナリオ自動生成システムの開発が必要であると考えられる.そこで本研究では,シナリオの8割以上が当てはまるシナリオ構造である13フェイズ構造を活用し,それによるシナリオ作成一連の工程をすべて自動化,シナリオを生成するシステムASBS(Automatic Scenario Building System)の開発を行う.今回は,シナリオ作成に必要な,プロットの生成自動化をASBSによって行った.
著者
林 隆嗣
出版者
こども教育宝仙大学
雑誌
こども教育宝仙大学紀要 = Bulletin of Hosen College of Childhood Education
巻号頁・発行日
vol.11, pp.21-30, 2020-03-04

The purpose of meditation is to obtain a cessation of suffering along with the alteration of consciousness. While the ideal developments of mind and the positive outcomes of meditation are exclusively discussed in the Buddhist texts, the Visuddhimagga and Pāli commentaries notice the actual problems such as ten kinds of ・ impediment (palibodha) which the meditator need to sever before starting meditation and the eighteen kinds of unfavorable monasteries, which are called fault (dosa). A noisy environment created by worshipers and others hinders the meditator from concentrating his mind. External stimulation does not only break up the meditation, but sometimes provokes rather unpleasant reactions. Improper conditions, both physical and mental, during the meditation also have a mischievous influence on the meditator’s mind. Imbalance of five faculties also induces mental disorders. When unpleasant reactions appears in a meditator’s mind, one of the effective method of selfcare solution is considered to be scolding, talking to, convincing himself and pulling him back to the ordinary perception. In this paper, we consider the methods of handling such troubles during the meditation in Theravāda Buddhism.
著者
高本 香織
出版者
麗澤大学大学院言語教育研究科
雑誌
言語と文明 = Language & Civilization (ISSN:21859752)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.29-45, 2015-03-31

平成20 年に経済連携協定(EPA)に基づく外国人看護師候補者・介護福祉士候補者の受け入れが始まり、日本で働く外国人ケアワーカーの存在が学術的・社会的関心を集めている。本稿では異文化間ケア先進国であるアメリカの事例を中心に、海外で働く外国人看護師を対象とした異文化適応研究を調査した。その結果、受け入れ国や看護師の出身国・言語・人種に関わらず、異文化間ケアの現場における看護師の適応プロセスには共通の課題が存在することが改めて確認できた。なかでも言語とコミュニケーション(非言語コミュニケーションも含む)は最も重要な課題であった。さらに、看護師に期待される仕事、そして患者や患者家族のあり方といった異文化間ケアの現場における看護のあり方の文化的差異も課題であることがわかった。今後の研究においては、受け入れ国の文化と出身国の文化に特有の事例や現象について理解を深めることも重要であることが示唆された。
著者
笠原 義晃 松本 亮介 近藤 宇智朗 小田 知央 嶋吉 隆夫 金子 晃介 岡村 耕二
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2018-IOT-40, no.2, pp.1-6, 2018-02-26

インターネットを介して多種多様なサービスが提供されるようになり,そのサービス基盤となるホスティングやクラウドサービスには高効率化,耐障害性,負荷変動への耐性,柔軟性,セキュリティなどさまざまな要件が求められている.本研究では,これらの問題を解決するため FastContainer と呼ぶ軽量コンテナに基づくシステムアーキテクチャの改良を進めており,特にオートスケーリングのために必要な状況検知やリソーススケジューリング機能の研究開発のため,パブリッククラウド上にテスト環境を構築している.本論文では FastContainer の概要とテスト環境の詳細,現状と今後の課題について述べる.