著者
井上 俊也
出版者
日仏経営学会
雑誌
日仏経営学会誌 (ISSN:09151206)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.1-12, 2018 (Released:2019-09-12)
参考文献数
5

日本とフランスは20世紀末から21世紀初めの25年間にサッカーワールドカップ、夏季オリンピック・パラリンピック、ラグビーワールドカップというメガスポーツイベントを開催しているが、これらのメガスポーツイベントに使用する大規模なスタジアムの建設とその利活用については大きな違いがある。 日本では多くのスタジアムがサッカーワールドカップのために建設されたが、その後のメガスポーツイベントで継続的に使用されているものは少ない。一方、フランスでは一連のメガスポーツイベントでは継続して同じスタジアムを使用している。 また、2020年の東京オリンピック・パラリンピックのメイン会場として建設される新国立競技場については設計、建設段階にも問題が生じたが、定常的に使用するクラブがなく、オリンピック・パラリンピック後の利活用についても大きな課題となる。フランスでもサッカーワールドカップのメイン会場として混乱の末にスタッド・ド・フランスが新設された。このスタッド・ド・フランスもサッカーワールドカップ後に定常的に使用するクラブがなかったが、どのように課題を解決してきたかを取り上げ、日本のスタジアムの建設と利活用について提言する。
著者
社本,康広
出版者
土質工学会
雑誌
土と基礎
巻号頁・発行日
vol.42, no.8, 1994-08-01
著者
小西 瑞穂 山田 尚登 佐藤 豪
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.29-38, 2008-09-01 (Released:2008-10-24)
参考文献数
29
被引用文献数
9 2

自己愛人格傾向がストレスに脆弱な素因であるかを検討するために,大学生174名(男性72名,女性102名)を対象として縦断的調査を行った。自己愛人格傾向の高い者は最近1ヶ月以内のストレッサー経験量が多いと精神的健康が低下するという仮説を立て,精神的健康のネガティブな側面をストレス反応,ポジティブな側面をハッピネスとして測定した。階層的重回帰分析の結果,自己愛人格傾向の高い者がストレスイベントを多く経験した場合,男性では抑うつ反応および自律神経系活動性亢進反応,女性では身体的疲労感が増加し,一方ストレスの少ない状況ではこれらのストレス反応が自己愛人格傾向の低い者や平均的な者に比べて最も少なかった。つまり,自己愛人格傾向には個人の精神的健康を部分的に支える働きがあるが,それはストレスの少ない状況に限定されたものであり,ストレスの多い状況ではストレス反応を生起しやすい,ストレスに脆弱な素因と考えられる。
著者
Tadafumi Sugimoto Atsushi Mizuno Daisuke Yoneoka Shingo Matsumoto Chisa Matsumoto Yuya Matsue Mari Ishida Michikazu Nakai Yoshitaka Iwanaga Yoshihiro Miyamoto Koichi Node
出版者
The Japanese Circulation Society
雑誌
Circulation Reports (ISSN:24340790)
巻号頁・発行日
vol.4, no.8, pp.353-362, 2022-08-10 (Released:2022-08-10)
参考文献数
15
被引用文献数
3

Background: Although reductions in hospitalizations for myocardial infarction and heart failure have been reported during the period of COVID-19 pandemic restrictions, it is unclear how the overall number of hospitalizations for cardiovascular disease (CVD) treatment changed in the early stages of the pandemic.Methods and Results: We analyzed the records of 574 certified hospitals affiliated with the Japanese Circulation Society and retrieved data from April 2015 to March 2020. Records were obtained from the nationwide Japanese Registry of All Cardiac and Vascular Diseases–Diagnosis Procedure Combination database. A quasi-Poisson regression model was used to estimate the number of hospitalizations for CVD treatment. Between January and March 2020, when the number of COVID-19 cases was relatively low in Japan, the actual/estimated number of hospitalizations for acute CVD was 18,233/21,634 (84.3%), whereas the actual/estimated number of scheduled hospitalizations was 16,921/19,066 (88.7%). The number of hospitalizations for acute heart failure and scheduled hospitalizations for valvular disease and aortic aneurysm were 81.1%, 84.6%, and 83.8% of the estimated values, respectively. A subanalysis that considered only facilities without hospitalization restrictions did not alter the results for these diseases.Conclusions: The spread of COVID-19 was associated with a decreased number of hospitalizations for CVD in Japan, even in the early stages of the pandemic.

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著者
幸田成友 著
出版者
大岡山書店
巻号頁・発行日
1928
著者
丹波 嘉一郎 秋元 哲 村橋 昌樹
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.499-501, 2022 (Released:2022-08-28)
参考文献数
4

栃木県の透析施設で透析医療を行っている医師を対象に,透析中止や導入差し控えならびに緩和ケアについてのアンケート調査を行った.21 施設に35 通送付し,20 名(57.1%)から有効回答を得た.透析導入差し控えの経験があると答えた医師,透析中止の経験があると答えた医師いずれも18 名(90%)であった.末期腎不全患者の症状緩和にオピオイドを用いた経験のある医師が14 名(70%)だった.末期腎不全患者に対して緩和ケアが関わることに賛成もしくは大賛成が17 名(85%)を占めた.多くの透析医は,保存的腎臓療法(CKM)や透析中止についての経験があり,緩和ケアの介入を望んでいるとみられた.
著者
福田 由紀 内山 和希
出版者
法政大学文学部
雑誌
法政大学文学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Letters, Hosei University (ISSN:04412486)
巻号頁・発行日
vol.70, pp.89-100, 2015-03-15

本研究では,印刷物とタブレット,パソコンディスプレイといった表示媒体の特性が校正読みにおける誤字脱字検出や内容理解にどのような影響があるのかを検討した。大学生に文章を提示し,文章中の誤字脱字検出課題と内容理解課題を課した。また,表示媒体に関する主観的な印象評価や慣れに関して尋ねた。その結果,実験参加者の各媒体への慣れの程度は同様であった。誤字脱字検出数は,印刷物条件≒タブレット条件>パソコン条件の順で有意に高かった。一方,内容理解に関しては有意な差は認められなかった。さらに印象評価を因子分析した結果,「読書しやすさ因子」,「見やすさ因子」「疲れにくさ因子」が抽出された。「読書しやすさ因子」のみ,印刷物条件≒タブレット条件>パソコン条件の順で有意に評価が高かった。誤字脱字検出数に影響を与える要因を特定するために重回帰分析を行った結果,「操作性の高さ」と「疲れにくさ因子」がポジティブに影響していた。これらの結果より,各媒体への慣れの程度が同じ場合には,操作性の優れた印刷物やタブレットがパソコンディスプレイよりも校正読みの成績にポジティブな影響を与えることがわかった。