著者
石内 征夫
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.15, no.6, pp.382-386, 1976-12-15 (Released:2018-05-31)

可燃性液体の引火点を求める,次の推算式を提出した. 非会合性:TF={Tb0.119+(0.0656)(N/B)-0.119-0.185}1/0.119 会合性:TF={Tb0.105+(0.0570)(N/B)-0.105-0.142}1/0.105 TF:引火点[。K],Tb:標準沸点[。K],B:全圧[mmHg],N:可燃性液体1モルを完全に燃焼させるに必要な酸素の理論モル数. 二成分系以上の場合には,Nの代わりに,ΣyiNiを用いて,上式により推算できる.計算図表を,図1,図2に与えた. 計算値と実測値とは,よく一致しており,有用と考えるが,ハロゲン化合物には,その化学的抑制作用のために適用できない.
著者
山下 利恵子
雑誌
福祉社会学部論集 = Quarterly journal of welfare society (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.13-23, 2019-02-01

わが国の総人口は、今後さらに減少し、また少子高齢化が進展することが見込まれている。とくに2025年には、いわゆる団塊の世代がすべて75歳以上の後期高齢者となる。このため医療・介護ニーズの増大や複雑化に対応可能な提供体制を構築していくことが不可欠である。2018年度の診療報酬改定は、地域包括ケアシステムの構築・推進をキーワードとしたものであったが、それはサービスの量.質の保証が前提とされなければならない。効率化・適正化のもと、単に医療費抑制のみに誘導されることがないように検証していくことが必要である。The total population of our country is expected to decline further, and it is expected that the declining birthrate and aging population will progress. Especially in 2025, so-called baby-boomer generation will be late elderly people over 75 years old. Therefore, it is indispensable to establish a supply system that can cope with the increasing needs and complexity of medical and nursing care needs. The revision of medical fee remuneration for 2018 was based on the construction and promotion of regional inclusive care system as a keyword, but it must be based on the guarantee of quantity and quality of service. It is necessary to verify so as not to be induced solely by suppression of medical expenses simply by making it more efficient and appropriate.
著者
藪内 英子
出版者
日本細菌学会
雑誌
日本細菌学雑誌 (ISSN:00214930)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.505-548, 2003-08-25 (Released:2009-02-19)
参考文献数
227

古来, 炭疽は畜産に甚大な被害を与えたのみならず, 農工業食品などを介してヒトの散発症例, 大・小規模の集団発生を記録してきた。近年先進国では恣意的でない炭疽症例は, ヒト・家畜ともに激減したが, 炭疽の病原菌 Bacillus anthracis はその病原性, 芽胞の耐久性と製造・運搬・撒布の容易さなどから生物兵器として密やかな脚光を浴びて来た。2001年9月のニューヨークでのハイジャック機自爆テロに引き続いて実行されたB. anthracis 芽胞を混じた白色粉末郵送による生物テロは, 改めて世界の耳目をこの菌に惹き付けた。今後の不測の事態に備えるため, 我々はこの菌種についてあらゆる意味での性格を熟知し対応策を立てておかねばならない。炭疽が疑われる患者の臨床検査から患者の迅速診断と迅速治療, 毒素の作用機序と分子生物学, 毒素の解毒方法, ワクチンならびに同種受動免疫抗体の開発・実用化など多岐にわたる知識と技術を具えた研究者群を確保していただきたい。この総説では1864年の Davaine の論文から始めて2003年の Colwell の論説まで引用した。Bacillus cereus group の菌種の分類学上の問題点が未解決である事, 公的統計として発表されていない明治以降の本邦炭疽症例, 旧ソ連軍事施設からの芽胞漏洩による大惨事とその隠蔽, 多様な臨床病型などを比較的詳述した。毒素に関する記述を簡単な引用に留めた部分も少なくないが, 炭疽毒素の抗腫瘍効果も含めて, この総説から何かを得て下されば幸甚である。
著者
都島 梨紗
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.92, pp.175-195, 2013-07-25 (Released:2014-07-28)
参考文献数
22
被引用文献数
2

本稿の目的は,少年院収容を経験した元非行少年の視点から,少年院教育について描き出し,社会から少年院へと移行する際の適応方法を明らかにすることである。そのうえで,少年院と非行仲間集団との連続性を示していく。 少年院研究は,少年院を「管理・運営」する立場から,少年たちの自己が変容していたという前提のもとに行われてきていた。そのために,非行少年が少年院をどのように経験していたのかという知見や,少年院の教育を経ても変容しなかった場合どのような帰結に至るのか,という知見が不在であった。そこで本稿では,非行少年の少年院生活に対する態度と非行仲間集団への意味づけに着目し,少年が少年院において実行した2つの調整の事例を取り上げた。そして少年院における調整は,少年院教育を維持しながら,非行仲間との関係性を維持する方法であることを明らかにした。 本稿を通して得られた最大の知見は,少年が実行する調整によって,少年院と非行仲間という,相反する性質を持つ両者との関係性が見事に維持されているということである。その結果少年は,少年院収容によって一旦は地元社会から切り離されるものの,地元社会から施設への移行のみならず,施設から地元社会への移行をも可能にしているのである。したがって,非行少年と仲間との関係性は少年院退院後も継続しうるものとして捉えた上で,処遇プログラムを考案していく必要があるだろう。
著者
岡村 等
出版者
早稲田大学法学会
雑誌
早稲田法学会誌 (ISSN:05111951)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.141-164, 2016
著者
金子 明雄
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.1-15, 2000

明治後期から大正期の大学において、日本文学の研究・教育と創作とがどのような関係にあったかを考える。大学文科における研究・教育がこの時代に何をどのように再生産しようとしたかを見ると、創作・批評の再生産と教育システムの再生産、研究の再生産が、それぞれ独自の<場>を構成しつつも、<文学>という名の下にあたかも一つのものであるかのような様相を示していたことがわかる。このことが今日の文学研究・教育の位置を決定する重要な条件となっている。
著者
仏書刊行会 編
出版者
仏書刊行会
巻号頁・発行日
vol.第138巻 本光国師日記 第1(崇伝撰), 1922