著者
Masaru Ito Yusuke Funahara Seiji Saiki Yoichiro Yamazaki Yuichi Kurita
出版者
Fuji Technology Press Ltd.
雑誌
Journal of Robotics and Mechatronics (ISSN:09153942)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.231-239, 2019-04-20 (Released:2019-04-20)
参考文献数
15
被引用文献数
12

Japan’s construction industry has a shortage of workers and skilled operators, and the number of operators of hydraulic excavators has actually been decreasing. In addition, the operation of hydraulic excavators is complicated and non-intuitive, so learning and maintaining the skill requires a considerable amount of time and experience. One technology that could solve this problem is the tele-operated hydraulic excavator, but the most common type of tele-operated system is difficult for ordinary hydraulic excavator operators to use. The introduction of operation simulators would be effective, but simulators have to be large and expensive if the interface is reproduced in life size. In this paper, we propose a cross-platform system for operating not only a tele-operated hydraulic excavator but also a hydraulic excavator operation simulator. The cross-platform system uses a tele-operated cockpit with feedback and an interface that gives the operator the sensation of sitting in an actual hydraulic excavator. The cockpit consists of a three-dimensional visual information system using stereo videos and a head mounted display, a motion simulator seat that reproduces the vibration and tilting of the operator’s seat of a hydraulic excavator, and a lever unit used in actual hydraulic excavators. With the cross-platform system, an actual hydraulic excavator can be remotely controlled, and the same cockpit can also be used as a training simulator. One can therefore use the system as an inexpensive means of acquiring and maintaining operation skills. We have successfully produced this proposed system and checked its functions, confirming that it works practically.
著者
田村 賢哉 井上 洋希 秦那 実 渡邉 英徳
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.128-131, 2018-09-03 (Released:2018-05-18)
参考文献数
10
被引用文献数
1

「デジタルアーカイブ」の多様化により,これまで利用側であった非専門家である市民が積極的にアーカイブズに取り組む可能性を有している.そうした背景から本発表では,デジタルアーカイブにおける市民参加の新しいアプローチとして,ヒロシマ・アーカイブなどの「多元的デジタルアーカイブ」の複数の活動の特徴を述べ,それらの有機的な制作環境の実態について言及した.そうした実践からデジタルアーカイブの社会に及ぼす影響について考察を行い,デジタルアーカイブの新しい研究領域として「参加型デジタルアーカイブズ」を述べる.
著者
田嶋 玲
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2019, 2019

1.はじめに<br> いわゆる「民俗芸能」についての研究は、1990年代以降その様式や内容に着目した研究に代わって、現代における村落社会の変化に伴う文化変容や観光資源化プロセスなどが主要なテーマとなった。特に、演劇に分類される民俗芸能については、芸能の担い手である演者の実践に注目した研究がなされてきた。一方、上演を成立させるもう一つの「担い手」である観客や上演の主催者については、まだ議論の余地があるといえる。また、地理学ではこれまで特に神楽が議論の対象となってきたが、同じく演劇性をもった民俗芸能である地芝居(農村歌舞伎)に触れているものは少ない。<br> そこで、本研究では著名な地芝居の一つである「檜枝岐歌舞伎」を例に、上演を支える構造とその変遷を公演記録をもとに分析し、地芝居の上演をめぐる環境の変化を明らかにする。<br><br>2.研究対象の概要と方法<br> 檜枝岐歌舞伎は、福島県檜枝岐村で江戸時代から現在まで伝承・上演が続けられてきた地芝居の一つである。上演は村民による一座「千葉屋花駒座」がボランティアで運営しており、出演者もほとんどが村民である。現在では観光化が進み、村の重要な観光資源ともなっている。<br> 檜枝岐歌舞伎は村内での上演が活動の中心となっているが、村外での上演も過去から現在まで幅広く行われている。本研究では特に村外で上演を行った場所と、上演の開催名目や主催者に注目する。一座関係者から提供を受けた公演記録帳3冊からこれらの点を分析し、その対象期間は提供資料に記載された範囲の1967年11月から1996年9月までとした。<br><br>3.上演場所の変化とその要因<br> 1960年代終盤から1980年代までの村外上演は、旧伊南村や旧南郷村、石川町など同じ福島県内や、新潟県旧入広瀬村や旧守門村、群馬県片品村や栃木県栗山村など、比較的檜枝岐村に近接した町村部での開催が中心となっていた。その開催名目や主催者を見ていくと、1970年代初頭までは祭礼に招かれての上演がいくつか見られた。しかしそれ以降は、敬老会や高齢者福祉施設での上演が増加していった。これは、会津地方周辺における地芝居を取り巻く社会的状況の変化が要因と考えられる。高度経済成長期以降、それまで村落地域の一般的な娯楽であった地芝居は、テレビなどの新しい娯楽の登場や担い手となる若者の流出で、幅広い世代が楽しめる娯楽としての地位を急速に失っていった。その結果、次第に観客は高齢者層中心となっており、その状況が反映されたものと推察される。<br> その後、1980年代後半以降の村外上演は、県内の都市部や他の都県での開催が増加していった。その名目も、フェスティバルや民俗芸能の上演を目的とした大会が中心であり、「伝統文化」としての扱いを受けることが一般的となった。これは檜枝岐歌舞伎が観光化し、外部に広く知られる民俗芸能となったことが要因と考えられる。檜枝岐歌舞伎は1960年代後半から徐々に観光資源として扱われはじめ、村内での上演に多くの観光客が集まるようになった。そして1980年代には村内での上演に800人以上を集客するまでになり、福島県を代表する伝統文化として注目が集まっていたことが窺える。<br> こうして檜枝岐歌舞伎の外部公演を支える観客や主催者は、娯楽や祭礼の一要素としての上演を期待する村落地域の住民から、「伝統文化」の上演を期待する都市住民へと変化していったといえる。
著者
坂本 正路
出版者
東京基督教大学
雑誌
キリストと世界 : 東京基督教大学紀要 (ISSN:09169881)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.81-112, 2009-03

憲法89条には「公の支配に属しない慈善事業に対し、これ(公金)を支出してはならない」いう条文があるため、キリスト教社会事業が國の補助金を受けるのは誤りであるという論がある。しかし、同じ条文の許にある私学が国の補助金を受けることが認められているのならば、キリスト教社会事業も同じように受ける事が出来ると考える。キリスト教社会事業には自由権があり、法の規制は受けないが、施設利用者にも宗教に対する自由権が存在するので、その権利を侵害しない範囲での自由権である。89条は「慈恵事業」から「社会事業」への条文の訂正、あるいは20条の補足的条文であるので削除も考えられる。
著者
リヒタ ウヴェ 渡部 貞昭 Uwe Richter Sadaaki Watanabe
出版者
岩手県立大学総合政策学会
雑誌
総合政策 = Journal of policy studies (ISSN:13446347)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.251-254, 2003-09-30

2002年1月21日、連邦憲法裁判所(BVG)は、連邦政府、連邦参議院、連邦議会が前年に提出した極右政党ドイツ国民民主党の禁止の申請に関する、2002年2月に定められた口頭弁論の日程をすべて中止した。理由は、申請側の全部で14名におよぶ証人のうちの1名が、憲法擁護機関がNPDの内部に保持した長年のスパイであったことであった。この政治的スキャンダルで、今やNPDの禁止ではなく、ドイツの情報機関、およびその極右政党内部に存するスパイの役割が問われることになった。Am 31.1.2002 kippte das Bundesverfassungsgericht (BVG) uberraschend alle fur Februar 2002 angesetzten mundlichen Verhandlungstermine uber den ein Jahr zuvor von Bundesregierung, Bundesrat und Bundestag eingereichten Antrag auf ein Verbot der rechtsradikalen Nationaldemokratischen Partei Deutschlands (NPD). Der Grund : einer der insgesamt 14 Zeugen der Antragsteller war gleichzeitig ein langjahriger Spitzel des Verfassungsschutzes innerhalb der NPD. Der politische Skandal war da : statt dem NPD-Verbot standen nun die deutschen Geheimdienste auf dem Prufstand und die Rolle ihrer Agenten innerhalb der rechtsradikalen Partei
著者
小林 好紀 川井 安生 山内 秀文 土井 修一 則元 京 佐々木 光 OHTA Shosuke ITO Ryosuke 三浦 泉
出版者
秋田県立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1997

木材乾燥の前処理として古くから行われている水中貯木処理が、乾燥性や水分透過性の改善に寄与する理由を科学的に解明し、難乾燥材とされるスギ材の実用的な乾燥前処理技術として利用するために、6年間に及ぶ長期間の研究を行った。得られた結果は以下の通りである。(1)水中微生物の木材への活性水中貯木過程において、3ヶ月ごとに貯木池より回収したスギ素材丸太内における水中微生物の消長を追跡観察した。その結果、水中および散水貯木の開始とともに、まず辺材含水率が増加し、続いて移行材のそれが増加し、18ヶ月後には心材含水率が約150%近くまで増加し、水中微生物を含んだ貯木池の水分が丸太内部まで浸透したことを意味している。(2)貯木処理開始とともに辺材への水中微生物の侵入が観察された。移行材への浸入は貯木処理開始後2週間で観察され、辺材および移行材へ水中微生物が容易に浸入することが明らかになった。しかし、心材への浸入にはばらつきが見られた。水中貯木期間の長期化に伴って、すなわち、水中微生物の素材丸太中への浸入に伴って、参謀内のデンプン粒の減少、有縁壁孔の崩壊など木材組織に変化が生じた。(3)水中あるいは散水貯木処理期間に比例して、遠心分離機による脱水性の向上が見られた。とくに辺材と心材におけるそれの増加が大きく、含水率増加、組織構造の変化と関連があることが推測された。しかし、繊維方向あるいは放射方向のいずれにおいても吸液量の大きな増加は見られなかった。(4)長期間にわたって水中貯木されたスギ丸太内から7種類の水中微生物が観察され、それらが細胞内容物の消滅あるいは有縁壁孔壁の崩壊に関与している様子が確認された。水中微生物をスギ材にアタックさせると乾燥性が改善されることが明らかになった。とくに3年以上の貯木処理によって乾燥速度が著しく増加した。水中貯木期間の増加に比例して乾燥速度が増加した。とくに、48ヶ月以上の処理によって乾燥日数は約1/2に短縮された。(5)乾燥期間が長くなることによって、材色の変化が観察された。明度が向上するが赤みが減少し、また、黄味が増加した。したがって、長期間の貯木処理はスギ特有の心材色を失うことになる。しかし、長期間の水中貯木処理による強度の低下はほとんど観察されなかった・
著者
小塩 海平
出版者
岩波書店
雑誌
図書
巻号頁・発行日
no.807, pp.33-39, 2016-05