著者
長岡 壽男
出版者
大阪青山大学『大阪青山大学紀要』編集委員会
雑誌
大阪青山大学紀要 = Journal of Osaka Aoyama University (ISSN:18833543)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.67-83, 2013-03-31

The number of professional baseball fans in Japan has greatly increased by the following three reasons: 1)Japanese professional baseball teams have recently become quite strong and competitive internationally; 2) uniquely Japanese baseball culture has permeated throughout Japan; and 3) each professional baseball team has its own homebaseball stadium where the players receive enthusiastic support from their fans in the stand. These reasons worked synergistically to give rise to vigorous and loud yelling from the stand in every ball game. Local fan’s yelling necessarily reflects each local dialect. In the present paper, the author attempted to collect and survey yelling words spoken in Osaka dialects by spectators in the stand of baseball stadiums in Kansai areas. These yells were categorized according to the purpose of yelling, and their words were evaluated to demonstrate how effectively those dialectal expressions were utilized. Yelling in baseball games plays an important role to enkindle the atmosphere of a baseball game. On the other hand, there is also a problem of inappropriateness arising from careless usage of unsuitable expressions in a yell.Inappropriate yells should be minimized to keep other fellow-fans’ ball game watching pleasant.
著者
建部 正義
出版者
中央大学経済研究所
雑誌
中央大学経済研究所年報 (ISSN:02859718)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.207-231, 2016-09-30

ベン・バーナンキの『危機と決断―前FRB議長ベン・バーナンキ回顧録―』(小此木潔訳、角川書店、2015年)が出版された。 筆者は,拙稿「バーナンキは変節したのか―『連邦準備制度と金融危機』を読む―」(『東京経済大学会誌―経済学―』第277号,2013年2月,に所収,後に,拙著『21世紀型世界経済危機と金融政策』新日本出版社,2013年,に収録)のなかで、バーナンキの『連邦準備制度と金融危機―バーナンキFRB理事会議長による大学生向け講義録―』(小谷野俊夫訳,一灯舎,2012年)を参照しつつ,以下のように結論づけた。 はたして,バーナンキは,FRB議長に就任し,その経験を積むことによって,マネタリスト的見地から変節するにいたったのであろうか。まさに,そのとおりである。筆者は,理論的にはともかくとして,実践的には疑いもなくかれは変節したと考えている。 本稿の課題は,以上の結論を,バーナンキの新著『危機と決断』を読み解きつつ,再確認することにあったが,その課題を完全に果たすことができた。 要するに,バーナンキは,FRB議長に就任し,金融危機に対処するなかで,理論的にはともかく,実践的には,否,理論的にさえ,疑いもなくマネタリストの立場から伝統的なセントラル・バンカーの立場に変節するにいたったというわけである。
著者
山根 信二
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.29, pp.199-204, 2018-08-12

教育のゲーミフィケーションとしてのクエスト授業 (Quest–based Learning) について,北米の実施例をモデルとしてローカライズおよび支援システムの試実装と中間評価を行った.まずクエスト授業と支援システムについて整理し,次に北米のゲーム産業と大学教育との連携によるクエスト授業の事例について述べる.必要とされる機能を実現するために従来の LMS のモジュールを拡張することでクエスト授業を支援する学習管理システムを構築した.プロトタイプ評価として,北米の大学におけるゲーム開発・プログラミングの QBL 科目の日本版の教材を開発・試運用して評価を行なった.ゲームデザインの観点から,クエスト学習支援するマップ機能を新たに考案し開発を行った.最後に今後の課題について議論を行う.
著者
小池 誠
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2016-MUS-111, no.35, pp.1-7, 2016-05-14

科学界は電波が聞こえないというパラダイムが支配している.しかしながら,マイクロ波は電波の一種であるが,矩形波のときに音として聞こえる現象が繰り返し報告されている.そこで,電波が聞こえないという旧来のパラダイムから電波が聞こえるという新たなパラダイムに転換することが求められる.このような視座に立脚して,パルス波形のマイクロ波が聴覚を刺激する現象について概説するとともに,気導,骨伝導及びマイクロ波聴覚効果を統一する理論的枠組みを提示する.
著者
鈴木 宏彰 米谷 嘉朗 森 達哉
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2019論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.111-118, 2019-10-14

現代のプログラミング言語は国際化が進み,プログラミング言語の構文要素としても ASCIIで定義される文字集合「以外」の文字を使える規格が増えている.それらの規格では変数名や関数名などの識別子としてユニコードで定義された様々な文字を使うことができる.プログラミング言語で使用できる非 ASCII 文字集合の中には,アルファベットと外見上の見分けのつかない文字が存在する.例えば ASCII 文字集合に含まれる ‘a’ に対する,キリル文字の ‘а’ はその一例である.このように外見が類似した文字をホモグリフと呼ぶ.プログラムの変数名を構成する ASCII 文字を対応するホモグリフに置換すれば,ソースコードの外見を変えずに異なる挙動を示すプログラムを生成することができる.本研究はこのような背景のもと,非 ASCII 文字を識別子として用いることができるプログラミング言語,エディタや開発環境におけるユニコードで構成される構文要素の表示状況,非 ASCII 文字を識別子として用いているプログラムの例を調査する.また非ASCII 文字のホモグリフを悪用した「ホモグリフ攻撃」の実現可能性を評価する.
著者
服部 龍二
出版者
総合政策学部
雑誌
総合政策研究 = Japanese Journal of Policy and Culture (ISSN:13417827)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.111-128, 2020-03-01

This paper introduces an interview with Yoji Okabe, former Sumitomo Bank senior managing director. Okabe was a friend of Masataka Kosaka (1934-1996), a professor of Kyoto University. Okabe and Kosakaattended a private school named Rakuhokukai for five years before entering Kyoto University. Okabe and Kosaka engaged in merger of alumni associations of Kyoto Daiichi Junior High School and Rakuhoku High School, when they were students of Kyoto University. Okabe and Kosaka got acquainted with Eiichi Nagasue, the representative on the side of the Kyoto Daiichi Junior High School. Nagasue became the chairperson of the Democratic Socialist Party. Okabe and Kosaka kept in touch with Nagasue even after graduating from the university. Kosaka visited home of Okabe in London when Okabe worked abroad. Their wives were also good friends.
著者
浅岡 章一 山本 隆一郎 西村 律子 野添 健太 福田 一彦
雑誌
江戸川大学紀要 = Bulletin of Edogawa University
巻号頁・発行日
vol.32, pp.145-152, 2022-03-15

これまで反応時間の計測を伴う認知課題は,専用ソフトウェアがインストールされたPC を用いて実験室等において実施されることが殆どであった。しかし,近年では無料で利用可能な認知課題作成ソフトウェアPsychoPy と,認知実験用サーバーサービスであるPavlovia を組み合わせることなどにより,参加者に自身のPC を用いてインターネットブラウザを通じたオンラインでの認知課題参加を求めることが可能となってきている。本稿では,このPsychoPy とPavlovia の利用に関する著者らの近年の取り組みについて報告するとともに,これらを大学での研究および教育に継続的に利用していくにあたっての管理・運営上の課題についても考察した。
著者
小林 大祐
出版者
東洋学園大学
雑誌
東洋学園大学紀要 = Bulletin of Toyo Gakuen University (ISSN:09196110)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.63-78, 2021-02-15

本稿はドイツの住民投票制度を対象として、地方自治体の意思決定にどのような影響を与えているかについて検討するものである。まず、ドイツの住民投票制度について、日本の制度と対比しながら説明する。そのうえで、ドイツの住民投票制度を分析した先行研究を繙き、拒否権、地方自治体の政治構造、発議や住民投票の数ならびに要件が鍵となる要素であることが抽出される。これらに基づいて、具体的なドイツの住民発議と住民投票のデータを分析していく。その結果、住民発議の対象の広さが数に大きく作用すること、地方自治体の人口規模が数に大きく作用すること、また地方自治体の政治構造が強く作用しており、地方自治体における政治アクターが競争的であれば、住民発議の数が多くなることが明らかになった。
著者
藤津 裕亮 山本 真行 Fujitsu Hiroaki Yamamoto Masa-yuki
出版者
宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所(JAXA)(ISAS)
雑誌
平成28年度宇宙科学に関する室内実験シンポジウム 講演集 = Proceedings of 2017 Symposium on Laboratory Experiment for Space Science
巻号頁・発行日
2017-02

平成28年度宇宙科学に関する室内実験シンポジウム (2017年2月27日-28日. 宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所(JAXA)(ISAS)相模原キャンパス), 相模原市, 神奈川県
著者
堀川 祐里
出版者
中央大学経済研究所
雑誌
中央大学経済研究所年報 (ISSN:02859718)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.337-368, 2017-10-10

本稿は,戦時期に盛んになった「女子労務管理研究」について,特に労働科学研究所で行われた研究を中心に考察していくものである。 戦時期において,経済的必要性からは賃労働をする必要がない階層の未婚女性を労働現場に引き出すため,「女子労務管理研究」が盛んに行われるようになる。 その担い手のうちでも労働科学研究所の古沢嘉夫は,労働力を提供しながらもその労働環境を配慮されることなく酷使されていた,既婚女性労働者の保護という視点を持っていた。動員政策以前から,経済的な必要性により賃金労働をしていた既婚女性は,動員政策上は動員の対象ではなかったため,その保護は等閑視された。そのため,「女子労務管理研究」において,古沢のように階層を視野に入れ,生計を維持するために働かなければならないような既婚女性労働者の分析がなされているものは限られる。 しかしながら,古沢には戦時下における研究の諸制約もあった。「女子労務管理研究」に見られる研究者の制約は,彼らの戦時下における葛藤を浮かび上がらせている。
著者
魚住 惇
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.125-131, 2022-02-15

Scrapboxにて教材を公開し,Scratchでプログラミング演習を行い,ロイロノートで提出を行うという,高等学校普通科の情報科目「情報の科学」の授業実践報告である.本実践により,生徒が自分のペースで演習を進められるようになり,個別最適化することができた.また,生徒らが互いに教え合うようになり,自然と協働学習が行われるようになった.そして,ロイロノートの提出箱という機能を利用することで,同じ課題を解いたプログラムであっても生徒によってブロックの組合せがまったく違ったものとなったことが共有できた.解答を共有することで,生徒同士の学び合いにつながった.新しく登場したツールを組み合わせることで,新しい授業の形態を模索した実践報告となっている.
著者
大泰司 章
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.7, pp.708-713, 2020-06-15

PPAP(【P】asswordつきzipファイルを送ります,【P】asswordを送ります,【A】n号化,【P】rotocol)とはなにか,その歴史をひもとく.また,ISMSやプライバシーマーク対策として流行したという都市伝説があるが,それが本当かどうかについても考察をする.どうすればPPAPをなくすことができるか,そのために今後起こしていくアクションについて述べる.
著者
成田 健太郎
出版者
埼玉大学教養学部
雑誌
埼玉大学紀要. 教養学部 = Saitama University Review. Faculty of Liberal Arts (ISSN:1349824X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.41-68, 2018

This paper is the first part of an annotated English translation of the section “Calligraphy 書” of the Taiping yulan 太平御覽.