著者
引間 紀江
出版者
国立女性教育会館
雑誌
NWEC実践研究
巻号頁・発行日
vol.5, pp.54-63, 2015-02-27
著者
吉岡 豊 森 寿子
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.109-115, 1992

迂回反応が多くみられた健忘失語の1例に対し喚語訓練を行った。線画カードを提示し,喚語できない時は迂回するよう教示し,それでも喚語できない時は迂回的ヒントを提示した。結果は以下のようであった。1.訓練終了後,訓練語では即時正答数が有意に増加したが,非訓練語では有意に増加しなかった。2.即時正答が増加するにつれ,迂回反応は減少していった。3.迂回反応とヒントの両方で正答に至る傾向が高くみられたのは,形態・属性に関する叙述であった。4.喚語の改善に伴い,仮名自発書字も改善した。以上の結果から,迂回反応を用いた訓練法が有効であることが示された。また,単語の視覚イメージの強化が喚語の改善に有効と思われた。さらに仮名書字障害の改善から,迂回反応のメカニズムについて考察した。
著者
柴原 一友 但馬 康宏 小谷 善行
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.12, pp.3328-3342, 2006-12-15

本論文では将棋を解く研究への布石として,引き分けを効率的に証明するためのGHI 問題回避法を提案し,3x4 の将棋の解を求めた.オセロや囲碁に比べ,将棋は小さな盤面に対する解を求める研究は少ない.将棋は局面がループするため,引き分けを含めた解を得ることが困難である.そこで,詰将棋で効果をあげたPDS 探索を用いて,効率的に引き分けを証明する方法を提案する.実験の結果,3x4 将棋のすべての解を得た.
著者
世利 彰規
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:21888957)
巻号頁・発行日
vol.2015-CH-106, no.6, pp.1-5, 2015-05-09

本発表ではロシア語で書かれたソーシャルメディアを用いた言説分析の経過を報告する.今回は,ツイッターを資料として用いる.まず先行する電子化されたロシア語の言語資料について紹介する.次にツイッターからデータを取得する上で使用した API やツールについて説明する.さらにロシア語を分析する上での,ロシア語の文法に関わる固有の問題について述べる.最終的に 「日本」 というキーワードで検索して取得したツイートを数量や共起頻度などの角度から分析し,ツイッターを使用するロシア人がもっている日本についてのイメージを取り出すことを目指す.
著者
清 雄一 大須賀 昭彦
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.1377-1387, 2015-05-15

保有している個人に関する情報データベースを他事業者と共有する場合,プライバシへの配慮が必要である.l-多様性等の一般的な匿名化技術では,データベースから個人を特定できる識別子を除外し,擬似識別子(QID)を一般化することで,攻撃者が各個人の属性値を推定することを防ぐ.通常,匿名化は一度のみ行われ,匿名化されたデータベースが複数のデータ利用者に共有され得る.したがって,あるデータ利用者が特に分析を行いたいQIDが完全に一般化されてしまい,まったく分析ができなくなってしまう可能性がある.本研究では,QIDを一般化せず,センシティブ属性にダミーの要素を追加することで,l-多様性を実現する.したがって各データ利用者は,好きなQIDに基づいて自由に分析を行うことが可能となる.提案手法が,既存のl-多様性に関する手法と比べてプライバシと有効性について高いトレードオフを取れることを,実データを用いたシミュレーションによって示す.
著者
岩本 拓也 小倉 加奈代 西本 一志
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2012-HCI-150, no.16, pp.1-8, 2012-10-25

恋人間の愛着行動 (いわゆる 「いちゃいちゃ」) は,幸福感を得るためや相手との関係をより良いものにするために重要な行為である.恋人達の多くは,常に愛着行動をとりたいと願っている.しかしながら公共空間では,目の前にパートナーがいるにもかかわらず愛着行動を行うことができない.従来の恋愛支援技術の研究は,遠距離恋愛者を対象に研究開発が進められてきたが,近距離恋愛者に対しても支援すべき課題が残されていると考える.そこで我々は,公共空間内での対面状況において,周囲に不快感を与えることなく愛着行動を行えるメディアの研究開発を進めている.本稿では,このメディアの実現に向け,どのような種類の行動を伝え合うことが有効かに関する基礎的検証を行う.
著者
滝沢 武信
雑誌
情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.79(2003-GI-010), pp.63-70, 2003-08-04

第13回世界コンピュータ将棋選手権が2003年5月に開かれた.今回は60チームの申し込みがあり,実参加者数は45である.コンピュータ将棋の実力も大いに上がってきており,上位入賞ソフトはアマチュア4段階の強さがある.この報告では第13回世界コンピュータ将棋選手権における将棋ソフトウエアの実力について考察する.
著者
大岩元 高嶋 孝明 三井 修
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.772-779, 1983-11-15

日本語入力は 日本のオフィスオートメーションにおける最重要課題の一つであるが タイプライタの使用に慣れないために キーボード入力が必要以上に嫌われている.タッチタイプに関する山田らの研究に基づいて 一般人の使用にもたえると同時に 入力専門家の高速入力にも使える 多ストローク直接入力方式の可能性について検討し 30キー鍵盤を用いた一つの入力コード体系TUTコードを提案する.カナのコードは50音表の「行」と「段」の構造を利用して 体系的に設計してあるので 左手で「行」 右手で「段」を指定することにより 全部で16個のキーだけを用いて 濁音 半濁昔 よう音を含むすべてのカナを入力することができる.したがって 3時間の練習でカナをブラインド・タッチで入力することが可能となり カナ漢字変換の入力を一般人が効率的に行うことができる.漢字は残りのキーを用いて 725字を2ストロークで さらに1 800字を3ストロークで入力する.コードの設計にあたっては 連想は排して 文字の出現頻度と指の動きやすさのみを考慮して行った.とくに2ストローク入力については2字続きの文字組の出現頻度まで考慮したので 熟語が打ちやすいという特長が生まれた.これによって 入力専門家による高速入力が可能になると期待される.
著者
安岡 孝一
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:21888957)
巻号頁・発行日
vol.2015-CH-106, no.2, pp.1-8, 2015-05-09

「パソコンのキーボードのキーの配列が不自然だと思ったことはありませんか」 から始まる読売新聞記事 (2015年3月2日) に反論を試みた.記事のごく一部は訂正されたものの,反論の大部分は徒労に終わり,「連続して打つ頻度の高い文字を遠ざける並び方に変えた」 というガセネタが,再々流布される結果となった.このような局面において,人文情報学に何ができるのか,問題提起と考察を試みる.
著者
野呂 良瑛 中村 遼 大崎 博之
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2015-IOT-28, no.16, pp.1-6, 2015-02-26

近年,データを送受信するホストではなく,送受信されるデータを主体としたネットワーク (データセントリックネットワーク) の一つとして CCN(Content-Centric Networking) が注目されている.本稿では,多段キャッシュネットワークにおけるキャッシュのヒット率を解析的に求める近似アルゴリズム MCA (Multi-Cache Approximation) を利用することにより,任意のネットワークトポロジにおける CCN の性能を解析する.複数のルータと,複数のリポジトリから構成される CCN ネットワークを対象とし,エンティティがコンテンツを要求してからコンテンツを取得するまでに要する時間 (コンテンツ配送遅延),コンテンツ取得のスループット,ルータやリポジトリが故障する場合にエンティティがコンテンツを正しく取得できる確率 (可用性) を解析的に求める.さらに,いくつかの数値例により,ネットワークのトポロジが CCN の有効性に与える影響を調査する.その結果,CCN では,リポジトリに近いルータほど,コンテンツのキャッシングによる性能向上の恩恵 (コンテンツ配送遅延の短縮および可用性の向上) を受けることがわかった.
著者
金森 一真 早川 栄一
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB)
巻号頁・発行日
vol.2015-EMB-36, no.28, pp.1-6, 2015-02-27

組込みコンピュータの高性能化とネットワークに接続可能なインタフェースが搭載されたことにより,センサ機器を利用したWebサービスの開発が盛んになっている.従来の組込みシステム開発では,ターゲットデバイスの性質に応じて複数の言語や開発環境を用いることから,開発効率が低いという問題がある.本研究は,Web 開発に適した軽量言語を組込み開発に適用し,ネットワーク接続された組込み機器群のシステム開発を容易にする開発環境を提供する.上記の問題に対して,本環境では Web との親和性の高い JavaScript を記述言語として採用し,サーバ上で動作する開発環境およびデバイス制御ライブラリ群を用意することで,単一の言語環境で複数の機器の制御を可能とした.制御ライブラリには,開発の抽象度に応じた API の提供,サーバ上でセンサ機器の制御を行うための JSON を中心としたデータ通信機構を提供した.
著者
福山 雅深 大岩 美春 山井 成良 北川 直哉
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2015-IOT-28, no.2, pp.1-6, 2015-02-26

近年,金融機関や政府,地方行政団体等に詐称したメールを送信して,不正に金銭を窃取する事例が多く発生しており,メールの差出人や内容の信憑性を確保することが求められている.DKIM は送信ドメイン認証技術の一つであり,送信側が付加した電子署名をメール受信時に検証し,送信されたメールが正当な送信者から改竄なく配送されたかを判断することができる.しかし,DKIM 検証機構は,特に受信サーバ側ではそれほど普及していない.本論文では,通常メールサービス提供者の受信サーバで行う検証処理を,メールサービス利用者が設置した POP プロクシを用いて検証し,その結果を各ユーザに通知するシステムについて報告する.
著者
遠山緑生 田尻慎太郎 岩月基洋 岡本潤 木幡敬史 白鳥成彦
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.129-138, 2015-04-15

本稿では,社会科学系の小規模大学である嘉悦大学において著者らが取り組んできた「デジタルネイティブ世代の学生が,正課の内外共に大学において積極的にICTを使いこなすようになること」を目標とした教育改善の取り組みについて,ICTリテラシー教育のカリキュラム設計とICT利用環境整備の双方の観点から紹介する.ICTリテラシー教育の内容を全面的にアクティブラーニングによる問題解決型のものに刷新するとともに,これを支えるインフラとしてのICT利用環境は,BYODとクラウドサービスの徹底活用を基本方針とし,従来型のPC教室やオンプレミス型サーバを廃止・縮小した環境を整備した.
著者
近藤 理恵 黒木 保博 朴 志先 桐野 匡史
出版者
岡山県立大学保健福祉学部
雑誌
岡山県立大学保健福祉学部紀要 = BULLETIN OF FACULTY OF HEALTH AND WELFARE SCIENCE, OKAYAMA PREFECTURAL UNIVERSITY (ISSN:13412531)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.87-94, 2015-03-12

本研究は、2013 年12 月に韓国において行った面接調査をもとに、近年の韓国の養子縁組政策の動向について明らかにすることを目的とした。面接対象は、「中央養子縁組センター」、「ホルト児童福祉会」、「東方社会福祉会」、「未婚母子家族福祉施設」であった。韓国では、民間団体による養子斡旋が活発であるが、2011年の養子縁組特例法の全面改正以降、①裁判所が養子縁組に関与したり、②子どもが自らの出自を知ることができるシステムがより一層整備されたり、③養子縁組に関わるケース・マネジメントが確立されたことにより、以前よりも養子縁組をされる子どもの権利が擁護されるようになったことが明らかとなった。また、韓国では、非婚の母親と子どもへの差別が強いため、彼女たちが生きにくい状況があるが、今後、養子縁組政策と並行して、非婚の母親と子どもが安心して暮らせるシステムづくりを推進していく必要があることが明らかとなった。
著者
西崎 真也
雑誌
情報処理学会研究報告プログラミング(PRO)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.32(1991-PRO-001), pp.21-28, 1991-04-26

線形論理の枠組のもとで継続つきプログラムについて考察した。継続つきプログラミング言語から線形論理への変換を定義し、継続プリィミティブ call/cc が証明ネットで記述でき、線形論理が継続つきのプログラムを記述する能力があることを示した。継続つきプログラムの特徴として、計算結果が評価戦略に依存することがあるが、この変換は評価戦略に関する情報を付加する。