2 0 0 0 OA 言論叢

著者
西村茂樹 稿
出版者
西村茂樹
巻号頁・発行日
vol.[5], 1800
著者
佐々木 加奈子
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学 (ISSN:21872775)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.1-14, 2018

<p>東日本大震災後に開始された地域情報のアーカイブ活動には,以前から複数の問題が指摘されてきた。これに加えて,近年,多くの震災アーカイブが「あの時,どう避難したのか」という被災上の教訓の伝達に焦点を当てすぎており,その土地に生きた人々の多元的なライフストーリーが省略されているとする指摘が現れた。先行研究の分析は,しかしながら,多元的なライフストーリーの生成プロセスの理論化がまだ十分ではない。佐々木(2016)では,福島県双葉郡浪江町民に焦点をあてて多元的なライフストーリーの生成を実際に試みており,「協働」の場を設定することで,その中での相互行為の中から多元的なライフストーリーが語られうることを実証的に示している。しかし,なぜその結果が得られるのか等は明らかにされていない。本論文では,行為を演技として捉えるゴフマンの演劇論的アプローチの役割概念を用いて,その仕組みを明らかにした。協働の場では,多層的なオーディエンス構造とオーディエンス・パフォーマー間の親密な関係性によって,チームパフォーマンスが促された。その際,参加者たちは自由に自身の役割を見出すことができ,メディアが設定する避難者像から距離を取ることができ,これにより新たな語りの発現に至った。</p>
著者
大塚 公彦 工藤 照三 滝口 俊男 大熊 浩
出版者
特定非営利活動法人 日本咀嚼学会
雑誌
日本咀嚼学会雑誌 (ISSN:09178090)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.11-16, 1997

本研究はガム咀嚼のリラックス効果の研究の一環として, その効果が予想される成分と香料を含んだガム (特性リラックスガムII) を試作し, そのガムの有効性をみるため市販されているガム (リラックスガムI: 商品名リラックス,(株) ロッテ製) を対照として実験調査を行い評価したものである.<BR>実験の内容についてはリラックス状態を2つの方法により捉えた.第1は大脳におけるα波の出現量, 第2は計算作業量である.被験者は健常な19~21歳の男女各6名, 計12名を用いた.<BR>測定項目は通常時の脳波と計算作業をコントロールとしてガム咀嚼後の脳波と計算作業およびガム咀嚼後の脳波と計算作業とした.実験結果, α 波の出現量はコントロールを基準としガム咀嚼後は平均5.1%の増加, ガム咀嚼後は12.1%の増加が認められた.また, 作業量についてはコントロールを基準としガム咀嚼後は6.4%の増加, ガム咀嚼後は16.9%の増加が認められた.<BR>これらの結果からリラックスガムの咀嚼行動は大脳におけるα波の出現量を増加させることや作業量の増加に効果があることが認められた.このことはガムの咀嚼行動がヒトに対するリラックス効果やそれによる集中力の向上に影響を与えたことであり, とりわけその傾向はリラックスガムに顕著にみられた.
著者
藤丸 麻紀 フジマル マキ Maki Fujimaru
雑誌
和洋女子大学紀要. 人文系編
巻号頁・発行日
vol.45, pp.85-99, 2005-03-31

現在歯止めがかからない少子化の進行に対し、従来以上に包括的な政策として平成14年に発表された「少子化対策プラスワン」の内容を検討すると、大きく分けて、仕事と子育てとの両立支援(政策Aとする)、子育て費用軽減サービス(政策B)、出生力増加の基盤づくり(政策C)の3つの分野から成っている。また、少子化の要因を示す統計からは、仕事と子育てとの両立が難しい中で育児費用負担が大きいという「経済的要因」と、晩婚化・晩産化のために出生力が低下しているという「高齢要因」が大きなネックとなっていることが分かる。そこで本稿では、今後の少子化対策としては、政策Aの公的保育サービス(保育料金の公的負担)と、政策Cの供給サイドの少子化対策が重要であると考え、理論モデルを用いて政策の効果の分析を行なった。その結果、政策Aについては「保育サービスの拡充と費用補助」を行い、育児と仕事の両立という選択肢が妨げられないような支援を行なうこと、および政策Cについては「出生力増加のための不妊治療の負担補助」などの対策が必要であると言える。今後は、本稿のモデルや仮説に合わせた実証分析を充実させ、各政策の効果の測定を行なう予定である。
著者
十返舎一九 著
出版者
江島伊兵衛
巻号頁・発行日
vol.2編 上, 1881
著者
村木 桂子 ムラキ ケイコ Muraki Keiko
出版者
同志社大学日本語・日本文化教育センター
雑誌
同志社大学日本語・日本文化研究 = Bulletin of Center for Japanese Language and Culture (ISSN:21868816)
巻号頁・発行日
no.16, pp.17-42, 2019-03

研究論文(Article)このほど、京都の北野天満宮(北野社)を描いた屏風が新たに見出された。本論で取り上げる二曲屏風の《北野社頭図屏風》(個人蔵、以下新出本と称す)がそれで、北野社の結構のみならず、門外で喧嘩沙汰に及ぶ人物や、南蛮風の胴服を着用する人物を描く点が目を引く。このような描写内容などから、本図が十六世紀中頃から十七世紀にかけて成立した「近世初期風俗画」と呼ばれる作品群の一例であることは明らかである。しかし、近世初期風俗画の歴史それ自体が極めて複雑な様相を呈しており、本図がどのような位相・系譜に属するものであるかは、容易に見極めがたい。そこで、本論では、新出本に描かれた地理的状況、点景人物の姿態や着衣の描写に注目して、いつ頃の景観を描いているのかを考察することを通じて、本図が近世初期風俗画の歴史の中でどのように位置づけられるのかを明らかにすることを目的とする。そのため、まず新出本の概要について述べ、つぎに北野社を描く絵画には三つの系譜があることを確認する。そのうえで、その中の一つ風俗図の系譜をさらに「洛中洛外図」系、「名所風俗図」系に分け、それぞれ二作品(合計四作品)を選んで、北野社の建物の配置および歌舞伎小屋の様子を比較分析する。その結果、新出本は、慶長十二(1607)年の社殿再建以降の景観を描いており、北野社頭で遊楽に興じる人々を描いた一連の北野社頭図ともいうべきジャンルに該当することから、この新出本も当初は六曲一隻であった可能性に言及する。さらに、喧嘩沙汰の人物の姿態や着衣を分析した結果、新出本の景観年代は、元和元(1615)年のかぶき者の風俗取り締まりを上限とし、寛永(1624~43)前半ごろを下限とすることを指摘する。おわりに、以上のことを踏まえて、本図は、かぶき者を画中に描き込んで過ぎ去った戦乱の世への追憶を感じさせることによって、伊達を称揚する人々に向けて描かれた風俗画であった可能性を指摘する。巻末ページの執筆者「村木 桂子」の表記に誤りあり (誤)「日本語・日本文化教育センター 嘱託講師」→(正)「グローバル・コミュニケーション学部 嘱託講師」
著者
Nitta Atomu Sawauchi Daisuke Chen Yongfu Akahori Hirokazu Yamamoto Yasutaka
出版者
Research Faculty of Agriculture, Hokkaido University
雑誌
Journal of the Research Faculty of Agriculture, Hokkaido University (ISSN:13456601)
巻号頁・発行日
pp.7-20, 2019-03

The purpose of this study is to determine whether climate change will increase or decrease agricultural net revenue in Japan as a whole. This study conducts the first Ricardian model analysis of this issue and finds that agricultural net revenue will decrease across Japan by the end of the twenty-first century. The impacts of climate change are quite different in different regions of the country;an increase in agricultural net revenue is predicted in the northern municipalities, whereas agricultural net revenue is predicted to decline in many other municipalities.
著者
松崎 裕子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.34-39, 2019-01-01 (Released:2019-01-01)

近現代の日本では官民を問わず,「活動の過程で作成あるいは受領した記録を管理する」という,固有の組織内機能,すなわちレコードキーピングに関わる機能の十分な発達が見られなかった。しかし,2009年に「公文書等の管理に関する法律」が制定されて以降,レコードキーピングに携わるアーキビストやレコード・マネージャーの職務に関する議論も進みつつある。本稿では公文書管理を専門とするアーキビスト,社会運動に関わる記録資料を管理するアーキビスト,レコード・マネジメントとアーカイブズ管理を対象とする独立コンサルタント,企業アーカイブズ振興に携わるアーキビストの4つの事例を紹介し,日本におけるアーキビストとレコード・マネージャーのキャリアパス形成の未来について展望する。
著者
小山 友 Tomo OYAMA
出版者
東洋英和女学院大学大学院
雑誌
東洋英和大学院紀要 (ISSN:13497715)
巻号頁・発行日
no.9, pp.95-112, 2013

The rise of the new radical right in Western European political parties started in the late 1980s and is now expanding across Europe. While causes of the rise of the new radical right vary in each county, a common characteristic of many radical right parties is their exclusive stance toward the immigration issue. Has the expanding support for these radical right parties across Europe resulted from anincreasing sense of xenophobia among European citizens against immigrants? Or has it resulted from the radical right parties' usual tactic of gaining public support by expressing negative opinions on the immigration issue in order to acquire political legitimacy? This paper aims to clarify the rise of the radical right in the Netherlands in and after 2000. Focusing on two parties, Lijst Pim Fortuyn and Partij voor de Vrijheid, the study identifies characteristics of the radical right in Netherlands. Especially, it reviews and examines changes in Dutch society, including globalization and the expansion of the EU since the 1990s, in order to trace structural changes in the Dutch political system and examine the ways in which such changes are linked to the rise of the radical right. The paper also examines causes of the expansion of public support for the new radical right: whyit has been able to gain public support by proclaiming itself to be anti-immigration and anti-Muslim, despite the fact that most radical right candidates have historically been avoided by most citizens and treated as fringe candidates since the Second World War. In addition, the paper clarifies how the immigration issue in Dutch society has affected the radical right and how the radical right has gainedthe support of voters, including the arguments used by the radical right to acquire political legitimacy for its anti-immigration and anti-Muslim stance.

2 0 0 0 OA 工事年鑑

著者
清水組 編
出版者
清水組
巻号頁・発行日
vol.昭和11年版, 1940
著者
瀬尾 理利子 久野木 順一 真光 雄一郎
出版者
日本腰痛学会
雑誌
日本腰痛学会雑誌 (ISSN:13459074)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.144-148, 2004 (Released:2008-02-06)
参考文献数
6

【緒言】近年,整形外科領域において超音波診断法が徐々に普及してきた.骨盤輪不安定性に対する超音波診断法の可能性について調査した.【対象および方法】14名の成人女性を対象とし,超音波検査を用いて恥骨結合を描出し,安静時と運動による画像の変化を調査比較した.【結果】画像で恥骨は高輝度,恥骨結合は無エコー部を呈した.股関節伸展位,左右股関節屈曲位の画像で,恥骨間距離や恥骨の高さに変化が確認された.【考察】妊婦の腰痛として骨盤輪不安定症は重要な疾患である.評価法としてX線検査が一般的であるが,妊婦では被爆の問題からX線検査には限界がある.今回の調査で,肢位による画像の変化を認め,超音波検査により骨盤輪の不安定性を診断できる可能性があることが示唆された.超音波検査にて,骨盤不安定性を評価する有効性ついては検討の余地があるが,今後手技の確立を要する.
著者
山中 努 土方 嘉徳 西田 正吾
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.22, pp.1-8, 2009-11-13

近年 Web 上で使用できる地図アプリケーションや GPS 機能が付いた携帯電話が普及しつつある.また twitter や場 log のように GPS 情報を付加して周囲の状況をテキストで送ることができるサービスが登場しつつある.これらにより時空間情報を伴うテキストデータが増加しつつある.この大量の情報をうまく活用できればイベント会場の管理者や災害時における自治体のオペレータのように,ある特定の地域の状況を把握する事が必要となる業務において,より迅速で正確な状況把握を実現する事ができると思われる.そこで本研究では時空間情報を伴う大量のテキストデータを業務上必要な観点から要約し,その情報を地図上で可視化するシステムを設計する.Map applications on the web or mobile phones with GPS capabilities have become widely used. Furthermore, users can send surrounding circumstances via email with GPS information by using twitter. So text-data with temporalspacial infomation is increasing. In business that they have to understand local conditions like venue administrator or operators of local governments in disaster, they can use this information for understanding circumstances faster and more accurately. In this study, we extract important information for this business from large amounts of text data with temporal-spatial information and design a system that visualizes the information on the map.
著者
佐々木 健 北村 美穂 倉田 啓一 渡邊 克巳
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

今日,情報システムには少なからずユーザとの音声対話機能が実装化されている.音声エージェントに対するユーザの愛着は,情報システムの利用を求める際に重要な役割を果たすと考えられる.本研究では,会話の丁寧さに着目し,丁寧さの異なる数種類の呼びかけ語が音声エージェントへの愛着形成にどのような影響をもたらすか検討した.実験参加者は,バーチャル運転システムを通して,丁寧な呼びかけ語 (『すみません』)と丁寧でない呼びかけ語 (『あのー』)を話す音声エージェントと会話し,それぞれのエージェントに対する印象を評価した.その結果,丁寧な呼びかけ語の『すみません』は「打ち解け感」と「控えめさ」の評価を高めたが,エージェントへの愛着を直接示す「好ましさ」にはほとんど影響がなかった.しかし一方で,「好ましさ」と「打ち解け感」,「控えめさ」の間に強い相関が見られたことから,呼びかけ語は「打ち解け感」,「控えめさ」を通じてエージェントへの「好ましさ」を変化させる可能性があると考えられる.本結果は,呼びかけ語の丁寧さを適切に選択して使用することによって,ユーザと音声エージェント間の愛着形成が促進される可能性を示唆する.
著者
Masao Daimon Hiroyuki Watanabe Yukio Abe Kumiko Hirata Takeshi Hozumi Katsuhisa Ishii Hiroshi Ito Katsuomi Iwakura Chisato Izumi Masunori Matsuzaki Shinichi Minagoe Haruhiko Abe Kazuya Murata Satoshi Nakatani Kazuaki Negishi Ken Yoshida Kazuaki Tanabe Nobuhiro Tanaka Kotaro Tokai Junichi Yoshikawa The JAMP Study Investigators
出版者
日本循環器学会
雑誌
Circulation Journal (ISSN:13469843)
巻号頁・発行日
vol.72, no.11, pp.1859-1866, 2008 (Released:2008-10-24)
参考文献数
20
被引用文献数
73 168

Background Normal values for echocardiographic measurements and the relationship between these parameters and age in a large Japanese population are still unknown. Methods and Results A total of 700 healthy Japanese aged 20-79 years underwent 2-dimensional and Doppler echocardiography at collaborating institutions. The respective mean values obtained in men and women were as follows: septal wall thickness, 0.9±0.1 and 0.8±0.1 cm; posterior wall thickness, 0.9±0.1 and 0.8±0.1 cm; left ventricular (LV) diastolic diameter, 4.8±0.4 and 4.4±0.3 cm; LV systolic diameter, 3.0±0.4 and 2.8±0.3 cm; LV diastolic volume, 93±20 and 74±17 ml; LV systolic volume, 33±20 and 25±7 ml; LV ejection fraction, 64±5 and 66±5%; maximum left atrial (LA) volume, 42±14 and 38±12 ml. Aortic root diameter, LV wall thickness, and LV mass slightly increased with age, whereas indexed LA volume did not vary with age. Diastolic parameters assessed by mitral inflow and mitral annular velocities declined with age, as previously reported. Conclusions Normal values of echocardiographic measurements in a large Japanese population are reported for the first time; several systolic and diastolic parameters varied with age. These results provide important reference values that should be useful in routine clinical practice as well as in clinical trials. (Circ J 2008; 72: 1859 - 1866)