著者
パワーズ H.ハイウォーター
出版者
大同工業大学
雑誌
大同工業大学紀要 (ISSN:02855372)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.21-31, 1997-12

1915年. T. S.エリオットは「J.アルフレッド・プルーフロックの恋歌」と題する詩を発表したが,今日この作品は,その後の英米文化及び文学の中で支配的になったように思われる精神的不安を認めかつ描いた作品としての基調音を示している。本作品では,主人公ハートは,プルーフロック同様,人間精神の基本的特徴である高尚な善意に対する信頼を必要とする決断を下すことができないようである。彼は姦通の罪を犯し,内部に偽りを秘めながら,生活し続けることもできるが,この行為を妻に告白するのが唯一の救いであると感じている。彼は大きな危機にさらされる。なぜなら,妻のグレイシアにこのことを打ち明けるのは,結婚生活並びに彼女への誠実な愛の破局を意味するからである。最終的には,ハートは一つの決心をする。この決心はおそらく人間精神の普遍的真実に基づくものであろう。この選択は彼が実際に取ることのできる唯一の選択であることが彼には明白に分かっている。

2 0 0 0 OA 粋興奇人伝

著者
仮名垣魯文
出版者
丸屋徳蔵
巻号頁・発行日
1863
著者
高橋 清
出版者
太成学院大学
雑誌
太成学院大学紀要 (ISSN:13490966)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.67-72, 2014-03

本研究は2012年9月1日〜10月14日まで開催された,関西学生バスケットボールリーグ戦4部リーグで太成学院大学バスケットボール部が対戦した11試合を対象とし,「攻撃回数」,「2Pゴール成功率」,「3Pゴール成功率」,「リバウンド獲得数」,「ターンオーバー数」が試合にどのような影響を及ぼすかについて,分析を試みたものである。 その結果,2012年度関西学生バスケットボールリーグ戦4部リーグでの太成学院大学バスケットボール部の戦いが明確になった。「攻撃回数」においては,目標数値の76.0回を上回る,76.8±5.8回であった。「2Pゴール成功率」,「3Pゴール成功率」は,2012年度のチームの特徴を活かした,オフェンスを展開することが数値より認められた。「リバウンド獲得数」においても,日々の取り組みが数値として認められた。「ターンオーバー数」では,フェンダメンタルの重要性が再確認された。この結果は,太成学院大学の競技レベルを把握できるとともに,今後の練習プログラムの設定やコーチングに役立つと考えられる。
著者
望月 正哉 澤海 崇文 瀧澤 純 吉澤 英里 Mochizuki Masaya Yoshizawa Eri Takizawa Jun Sawaumi Takafumi ヨシザワ エリ サワウミ タカフミ モチズキ マサヤ タキザワ ジュン
出版者
大阪大学大学院 人間科学研究科 対人社会心理学研究室
雑誌
対人社会心理学研究 = Japanese journal of interpersonal and social psychology (ISSN:13462857)
巻号頁・発行日
no.17, pp.7-13, 2017-03

原著In recent years, some forms of interpersonal communication among the youth are labeled as "ijiri". The current paper investigates what characteristicsijiri is perceived to have, in comparison with similar types of behavior, teasing and bullying. We identified conceptual characteristics of each behavior in an open-ended preliminary survey. In a following study, we asked participants to rate to what degree each feature would characterize each of the three kinds of behavior while taking an observer's perspective. Results revealed that ijiri was perceived to be different from teasing and bullying based primarily on intention of the behavior: ijiri was perceived to carry more positive features such as the provider's and receiver's mutual intention to get closer to each other while less holding negative characteristics such as malicious and contemptuous attitudes toward the receiver.近年、若年者を中心とした対人コミュニケーションのなかでいじりという言葉が用いられる場面がある。本研究では、対人行動におけるいじりとはどのような特徴をもつ行動と認識されているのかについて、類似する行動と考えられるからかいやいじめとの比較を通じて検討した。初めに自由記述による予備調査を実施し、いじり、からかい、いじめがもつ概念的特徴を見出した。そのうえで、本調査では、第三者の立場から、いじり、からかい、いじめにおいて、それらの概念的特徴がどの程度あてはまるのかを評価させた。その結果、いじりは他の2つの行動に比べ、好意や互いが仲良くなりたいといった肯定的な特徴をもちつつ、悪意や受け手をバカにするといった否定的な特徴をもたないと評価されていた。このことから、いじり行動はからかいやいじめ行動と比較して、それぞれの意図性などをもとにして異なる特徴をもつと認識されていることが示された。
著者
岩澤 勝巳
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.127, 2016

千葉県では、県中部~南部を中心にイノシシが生息域を拡大し、農作物の被害が大きな問題となっている。一方、千葉県では放置された竹林が周囲に拡大し、これらの竹林がイノシシの隠れ場所・餌場になって生息域の拡大要因の1つになっている可能性が指摘されている。そこで、対策の基礎資料とするため、モウソウチク林におけるイノシシの出没状況を無人センサーカメラで調査するとともに、イノシシによる掘り返し等の食害状況を調査し、隣接した人工林と比較することで、モウソウチク林の餌場としての評価を行った。 調査の結果、イノシシは人工林に比べてモウソウチク林に年間を通して多く出没し、特に晩秋と春に多く出没した。一方、掘り返しは夏と晩秋~春に多く認められ、夏には新しく伸長した地下茎を、晩秋~春にはまだ地下にあるタケノコを掘り出して食害していた。このことから、モウソウチク林は周辺に餌が多い秋などの時期を除いて、イノシシの重要な餌場になっていると考えられた。

2 0 0 0 OA 尚泰侯実録

著者
東恩納寛惇 著
出版者
櫛引成太
巻号頁・発行日
1924
著者
寺田 好秀
出版者
日本情報教育学会
雑誌
情報教育ジャーナル (ISSN:24326321)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.66-69, 2018 (Released:2018-12-04)
参考文献数
8

本稿では,『慶應義塾家計パネル調査』の2015年調査を利用し,インターネットの利用が人々に幸福感を与えているかどうかを,幸福度研究の視点から明らかにする.「幸福度」を被説明変数とした順序プロビット・モデルによる推定の結果,「インターネット利用」の係数が正の値を取り,0.1%水準で有意であった.このことから,インターネットの利用は人々に幸福感を与えており,2015年1月時点の我が国においてはインターネット・パラドックスが生じていないことが明らかになった.
著者
尾形 典男
出版者
中央公論新社
雑誌
中央公論 (ISSN:05296838)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, 1964-03
著者
鳥越 皓之
出版者
コミュニティ政策学会
雑誌
コミュニティ政策 (ISSN:1348608X)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.52-65, 2005 (Released:2014-07-31)
参考文献数
6

現在のコミュニティ施策として、市民による参画と協働が期待され、実践されてもいる。ある住民がコミュニティ活動に熱心に参加したら、行政は評価し、また、そのような参加者の多いコミュニティを望ましいコミュニティと見なしている。そのこと自体は否定すべきではないが、私は人類学者ジーン・レイブと認知科学者エティエンヌ・ウェンガーが「学習」の研究から使い始めた「実践コミュニティ」 (Community of Practice) という考え方が従来のコミュニティ政策の考え方と異なっており、その違いが今後の政策に役に立つのではないかと思い始めた。その考え方は、市民がコミュニティに貢献するという従来の考え方ではなく、コミュニティが住民に価値あるものを与えるという考え方である。彼らはフィールド調査からそのようなことを得たと言う。本稿では、彼らの考え方に依拠しつつ、もう一歩進み、コミュニティが文化を所有しており、その文化を市民が享受しているという考え方を、神戸市の事例を用いて証明しようとした。レイブとウェンガーが使っているキーワードとして「正統的周辺参加」 (Legitimate Peripheral Participation) という概念があるが、神戸市の事例では、それを子どもたちに当てはめて考えてみた。
著者
竹谷 喜美江
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.110, pp.2020, 2018-11-30 (Released:2018-12-07)

名古屋大学附属図書館では,平成29 年度に特定基金「附属図書館支援事業」(名古屋大学基金)を立ち上げ,基金獲得の仕組みや広報手段を検討し,デジタルサイネージや古本募金,クラウドファンディング,寄附特典である「蔵書票」の公募など,自主財源を多角的に受容できる様々な取組を実施してきた。ここでは,それらの取組ひとつひとつについて紹介する。なかでも,企業広告を掲載したデジタルサイネージの設置は,国立大学附属図書館では初の試みであるため,他の取組より詳細に紹介する。