著者
山﨑 久道 小川 千代子 飯尾 淳 李 東真
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント : 記録管理学会誌 = Records management : journal of the Records Management Society of Japan (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
no.70, pp.57-74, 2016-03

わが国の研究開発においては、STAP問題に見られるように、研究倫理のあり方と研究におけるデータや記録の適正な管理、利用が大きな問題になっている。これまで、研究ノートの「不備」や「正しい書き方」などを指摘する文献は数多くあるものの、研究における記録管理のあり方やプロセスを示し考察した文献は少ない。今回は、最新の情報技術の動向もにらみ、実際に研究を進める研究機関の立場からもこの問題をとらえ、記録管理についての知見がこの問題にどのように貢献できるのかを検討した。その結果として、以下の諸点を提言した。(1)科学の手法の変遷や研究分野の特徴に見合った情報の管理の必要性を追究する。(2)情報通信技術の進化を見据えて、データ取扱いの技術的側面と倫理的側面の検討と研究における情報取扱いのガイドラインの作成を行う。(3)研究現場での「アーカイブ」概念の意義と必要性を啓蒙する。(4)実務面での実験ノート作成・管理などの実践的手法の提唱と普及に着手する。(5)研究開発を効果的に支援できる「理系分野に強い」データ管理、記録管理の専門家の育成を目指す。(6)記録管理を実行することが研究の不正防止のみならず、効率や品質の向上に資することを証明して、そのことを社会に広く周知する。
著者
山本 洋之
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.461-466, 2018 (Released:2018-07-06)
参考文献数
17

〔目的〕スラックラインは綱渡り様のベルト上で歩行等の運動を行うもので,バランス能力向上効果が注目されているが,その要因の検証は不十分である.今回,スラックラインによる運動が体平衡機能に与える影響について検討した.〔対象と方法〕対象は健常な男子9名とし,スラックライン上での歩行等の練習を行う前と練習後に重心動揺を測定し,総軌跡長,外周面積,矩形面積,実効値面積と単位面積軌跡長を比較検討した.〔結果〕面積に関する値は減少していったが,総軌跡長は練習開始後では減少したが中間以降では変化が少なかった.単位面積軌跡長は増加の傾向を示した.〔結語〕単位軌跡長は固有受容器との関係があると考えられている指標であり,スラックラインでの運動は体平衡機能に影響があることが示唆された.
著者
安部 明 岩田 博武 石川 正夫 西川 誠
出版者
一般社団法人日本応用地質学会
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.29-50, 1971-03-01
被引用文献数
1 2

昭和45年7月1日の集中豪雨によって,千葉県の南部では,山地の崩壊と流出土砂によるダムアップがもたらす河川災害が発生した.この報告においては,山地の崩壊についての発生機構を現地における地形・地質の関連からあきらかにするとともに,河川災害が河川の中〜上流域に集中するにいたった,河川災害の発生機構について推論するものである.
著者
岡本 浩一 杉森 伸吉
出版者
東洋英和女学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

東京都と神奈川県に在住する成人を対象に、1500通の調査冊子を発送し、551人から回答を得た。リスク認知については、「恐れ」因子と「未知性」因子の2因子による相関構造が見出され、slovicらによる従来からの知見が認識された。また、社会的信頼感は、一般因子の存在が示唆された。リスク認知の2因子と、社会的価値観の種々のスコアとの相関を調べたところつぎのような結果が得られた。(1)政治的効力感の高い人ほどリスクの恐れが強く、リスクの未知性を高く感じている。(2)平等主義的価値観の強い人ほど、リスクの恐れが強く、逆に、権威主義的価値観の強い人ほどリスクの恐れが低い傾向があった。(3)リスクの統制感スコアの高い人ほど、リスクの未知性を低く感じる傾向があった。(4)社会に対する信頼感の高い人ほど、リスクの恐れぬ傾向があった。(5)社会的価値観のうち、個人主義尺度と政治的態度(進歩的か保守的か)はリスク認知と有意な相関をもっていなかった。(6)従来、リスク認知と相関すると報告されることの多い、神秘的世界観や宗教性はリスク認知と有意に相関していなかった。(7)情報への感受性の尺度のうち、情報認知の高い人がリスクの未知性を低く感じている傾向が有意であったが、情報探索傾向はリスク認知の変数と有意な相関をしていなかった。リスク認知が社会的価値観や社会的信頼感を心理的に投映している可能性を予測した研究であったが、その予測はおおむねデータによって裏付けられたといえよう。
著者
梅田 悟司 浜島 達也 坂本 陽児 坂本 弥光
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.1_130-1_133, 2015

東日本大震災が発生した2011年3月11日以降、東北地方への観光客は激減した。当時、全国的に起こっていた自粛ムードは、東北の経済を深く傷つける結果となることは自明であった。<br> そこで我々は、東北各県の夏の風物詩である「祭り」を再デザインし、東北復興の第一歩を、東北自ら踏み出す様子を全国発信することを発案。東北6大祭り(青森ねぶた祭、秋田竿灯まつり、山形花笠まつり、盛岡さんさ踊り、仙台七夕まつり、福島わらじまつり)を一つにまとめた新しい夏祭り「東北六魂祭」を実施した。<br> 震災後わずか4ヶ月である2011年7月に仙台市で行なわれたこの祭りは、東北に、一丸となって乗り越えるモメンタムを生み、観光客を東北に呼び戻すことに成功した。2012年は盛岡市、2013年は福島市、2014年は山形市で開催し、計111万人を集客。各県の行う夏祭りへの集客にも貢献している。
著者
柏田 研一 柿本 大壱 金沢 昭夫 黒木 敏郎 野沢 洽治
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.25, no.10-12, pp.652-657, 1959 (Released:2008-02-29)
参考文献数
8
被引用文献数
3 4

In the work reported here the vitamin B12 content and its variation in lake and river water was measured. In May 1958, the vitamin B12 content in the water of Lake Ikeda, mesured by Euglena method; it was very small (e. g. less than 1 mγ/l) and no distinct variation in the vertical and horizontal distribution was observed, however, in August, the vitamin increased in content more than twice as much as that of the spring value, the vertical distribution of it showed a close correlation with the quantity of dissolved oxygen and the maximum was shown at the depth of 20m. (Fig. 2) Fish school were also observed in this region. Similar seasonal change in vitamin B12 content was found in water from Kotsuki River, with a low spring level (about O.1 mγ/l) (Table 2, I) and a high autumn level (0.4-4.5 mγ/l) (Table 2, II). And in the river water, high level of vitamin B12 was observed in the morning, and in the daytime the vitamin content decreased with the lapse of time. It was found also that considerable amount of vitamin B12 poured into the river water from the banksoil with the rain-water. (Table 2, II)
著者
Yuki Wakasugi Hiroshi Azuma (Present Name: Suzuki) Akiyo Naiki Sachiko Nishida
出版者
The Japanese Society for Plant Systematics
雑誌
Acta Phytotaxonomica et Geobotanica (ISSN:13467565)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.129-144, 2017 (Released:2017-11-24)

Geranium yesoense (Geraniaceae) includes several varieties that are mainly discriminated by two morphological features, namely, the degree of leaf incision and the density of spreading hairs on the sepals, but these features have never been objectively quantified. To clarify whether these features can truly discriminate varieties, we analyzed leaf shape and sepal pubescence, and conducted a molecular phylogenetic analysis using nuclear and chloroplast DNA. Our morphological analyses showed some trends in leaf morphology and density of hairs, but failed to identify any groupings that could be clearly distinguished on the basis of these features. Our molecular analysis recognized G. yesoense as a distinct taxon, but did not support the existence of subgroups within the species. We conclude that G. yesoense must be treated as a single taxon with some tendency toward morphological variation depending on locality and habitat.

2 0 0 0 OA 荷田全集 : 7巻

著者
官幣大社稲荷神社 編
出版者
吉川弘文館
巻号頁・発行日
vol.第壱卷, 1932
著者
松井 雪治 水野 慎士
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2014-EC-34, no.10, pp.1-6, 2014-12-12

筆者らは麻雀初心者のための自動得点計算アプリケーション “得点なにそれ” の開発を行ってきた.このアプリケーションは麻雀のあがり時の手牌を撮影することで,自動で手牌を認識して得点計算を行うことができる.しかし,スマートフォンへの実装を考えた場合に特に鳴きを含む手牌の認識精度と処理速度が実用化には不十分であった.また,特定の麻雀を使用する必要があり,アプリケーションの配布に際して問題となった.そこで,手牌の認識に用いる画像の生成やテンプレートマッチングに関する改良を行った.また,テンプレート生成機能を実装した.以上の改良により,開発してきた麻雀自動得点計算アプリケーションの配布が可能となる.
著者
福島 良紀 西村 悟史 福田 賢一郎 西村 拓一 來村 徳信
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.2H103, 2018 (Released:2018-07-30)

本プロジェクトでは、介護施設における介護士の知識共有のためのソフトウェアシステムの開発を目指している。 このシステムにおいて、介護行為知識の一般的な記述のための統制語彙を提供するために、我々は介護オントロジーを構築している。 このオントロジーは主に対象物の状態変化によって、介護行為を定義する。 本論文では、介護オントロジーの構造に加えて、語彙の階層構造の生成を含む知識共有システムにおけるオントロジーの使用法についても述べる。
著者
梶野 洸
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.3E104, 2018 (Released:2018-07-30)

原子価を守った分子グラフを常に生成可能なグラフ文法とそのデータからの学習方法を提案する。
著者
カラーヌワット タリン
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
2018

終了ページ : 180

2 0 0 0 OA 加賀藩史稿

著者
永山近彰 著
出版者
尊経閣
巻号頁・発行日
vol.第3巻 列伝1 第4巻 列伝2, 1899