著者
福田 智子 児玉 駿介 加藤 みどり フクダ トモコ コダマ シュンスケ カトウ ミドリ Fukuda Tomoko Kodama Shunsuke Kato Midori
出版者
同志社大学文化情報学会
雑誌
文化情報学 (ISSN:18808603)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.14-31, 2014-03

資料紹介同志社大学文化情報学部蔵無名歌集(仮称『いろは和歌集』)は、和歌を句頭の文字によって、いろは順に分類・配列した歌集である。本稿では、歌頭が「ち」「ぬ」「を(お)」「わ」「か」「よ」「た」「そ」の歌(「り」「る」の項目はない)、計220首(「ぬ」のみ10首、それ以外は各30首)について、『新編国歌大観』を対象に他出歌集を検した。その結果、『新古今集』『古今集』が圧倒的に多く、一方、『万葉集』は採歌対象から外れていることがわかった。また、他出歌集が唯一の場合として、『古今集』『新古今集』や『長秋詠草』『秋篠月清集』『拾玉集』『壬二集』『拾遺愚草』が挙げられる他、『源氏物語』にまとまった用例数が得られた。作者名には墨消が一箇所あり、誤りも存するが、『伊勢物語』の歌では、歌論書や古注釈に通じる作者推定が窺える。なお、出典未詳歌は15首存し、3首連続する箇所があるなど出現箇所に偏りが見られる。
著者
安藤 純子 加藤 重子 今坂 鈴江 岡平 美佐子 讃井 真理 林 君江 日川 幸江 Ando Junko Kato Shigeko Imasaka Suzue Okahira Misako Sanai Mari Hayashi Kimie Higawa Yukie アンドウ ジュンコ カトウ シゲコ イマサカ スズエ オカヒラ ミサコ サナイ マリ ハヤシ キミエ ヒガワ ユキエ
出版者
広島文化学園大学看護学部
雑誌
看護学統合研究 (ISSN:13460692)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.1-7, 2010-03

日本は,超高齢社会を迎え,高齢者の人口増に伴い医療費高騰の問題があげられる。このような社会背景の中で,本学部の老年・地域看護学領域で嚥下障害のある人のために開発されたソフト食の紹介を地域住民に対し3年間にわたり取り組んだ。地域の参加者にソフト食に対する意識を検討することを目的にアンケート調査を行なった。研究参加者は,ソフト食紹介の地域交流事業の参加者のうち,82名であった。説明内容の理解度は,回数を重ねるごとにわかりやすくなっている傾向があり,発達段階の影響を受けないことがわかった。美味しさに対しては,ソフト食のメニューの影響を受けること,また成人期の人に比べて老年期の人が美味しかったと思ったことがわかった。ソフト食の飲み込みやすさは,ソフト食のメニュー,発達段階の影響を受けることがわかった。このことから,地域住民のソフト食に対する意識が変化してきており,ソフト食は,老年期の人にとって美味しく,食べやすいことがわかった。また,介護者は「母親の食事に活かしたい」という意見もあった。
著者
加藤 修 カトウ オサム Kato Osamu
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.495-502, 2013-03

本稿では,筆者の長年の制作活動や,2001年に文化庁芸術家派遣制度でニューヨークに滞在していた際に,現地で9.11を経験し体得した観点から,表現活動や作品の持つ意味,アートプロジェクト・ワークショップの意義,その社会的役割について考え至った内容を記述している。現在,大学の普遍教育教養展開科目「アートをつくる」を母体として,大学生スタッフとともに継続的に展開している複数のアートプロジェクトをはじめ,その1つである「旗をつくる-住みたい国を考える」に特に焦点を当て,2011年7月より同タイトルで5回繰り返してきた内容を振り返り,それぞれを比較しながら,それらがどのような意義と目的をもって結果を導いたのかを検証する。そして,それらが「継続」により生まれた人と人との関係性に基づくものであり,継続を可能にしたシステムの確保による内容の洗練とスキルアップの成果であることを確認している。
著者
加藤 裕治 カトウ ユウジ Yuji KATO
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 = Shizuoka University of Art and Culture bulletin
巻号頁・発行日
no.13, pp.115-121, 2013-03-31

本稿では、イギリスの産業遺産—特に世界遺産でもある7つの遺産が—日本の旅行ガイドブックとインターネット上の個人ブログにおいて、どのような情報や関心に基づき、その遺産が紹介されているかを見ていく。観光のまなざし論では、ある対象が観光地として認知され、イメージ形成されていく過程において、メディアの影響が大きいと論じられてきた。海外にある遺産の認知やイメージ形成には、特にこうしたメディアの影響が大きいと考えられる。また近年は、インターネットによる個人的な情報発信が盛んになり、遺産の観光地化のプロセスにおいて、旅行ガイドブックと異なる情報や関心で観光地が紹介されている可能性が高い。こうしたメディア環境の変化が観光のまなざしに与える影響を考察するためには、各メディアにおける情報発信の視点や関心の違いを対比し、各メディアの役割について考えていくことが必要である。
著者
加藤 善子 Kato Yoshiko カトウ ヨシコ
出版者
大阪大学大学院人間科学研究科教育学系
雑誌
大阪大学教育学年報 (ISSN:13419595)
巻号頁・発行日
no.1, pp.117-128, 1996-03

本稿は、文部省『学生生徒生活調査』(昭和13年)を手掛かりに、当時の学生の音楽趣味がどのようなものであったかを考察するものである。音楽は、昭和初期学生の多くが挙げる趣味であった。明治以来、音楽は文学などと同様、旧制高校をはじめ学生文化の中には成立しなかった趣味であったが、昭和初期に増加したのである。明治後期から昭和にかけて、学生の社会的構成の変化から新中間層出身の学生が増加したことや、学生数の増加や寄宿制度の廃止などにともなう学生文化の多様化がその一因であった。学生の出身階層や出身家庭の経済状態との関連をみると、スポーツは旧中間層出身の学生と、音楽と読書は新中間層出身で家庭が裕福な学生とそれぞれ関連が強く、スポーツと音楽の間に映画と美術鑑賞が位置する。また、多くの学生は、楽器などを積極的に演奏することはなく、レコードやラジオから流れてくる音で音楽を楽しんでいたことが、当時の資料や記録から推測される。音楽は都市新中間層出身の学生に結びっいた、バンカラ主義とも教養主義とも異なるところで発生した新しい趣味だったと考えられるのである。
著者
加藤 元康/河合 拓郎/大桶 華子/工藤 勝/國分 正廣/新家 昇 カトウ モトヤス/カワイ タクロウ/オオケ ハナコ/クドウ マサル/コクブ マサヒロ/シンヤ ノボル KATO Motoyasu/KAWAI Takuro/OHKE Hanako/KUDO Masaru/KOKUBU Masahiro/SHINYA Noboru
雑誌
東日本歯学雑誌
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.193-199, 2000-12-30

The change to cardiovascular system of non-hypertensive (NH group) and hypertensive patients (HT group) were examined using a rate pressure product (RPP) during dental treatment of elderly patients aged a mean of 70.4 years. 1. The RPP in the NH group was significantly higher than in the HT group during local anesthesia and dental treatment. 2. The RPP in the NH group was significantly higher than that in the HT group during dental treatment without local anesthesia. 3. There were no significantly changes in RPP between the monitored and sedation groups of the HT group. The results suggested that changes in the cardiovascular system was markedly high during dental treatment for non-hypertensive patients. Therefore, local anesthesia must be carefully chosen for such patients. Intravenous sedation with diazepam is suitable for elderly patients because of safety during dental treatment. Even in elderly non-hypertensive patients, changes in RPP may occur, therefore, blood pressure, heart rate, and ECG should be monitored during dental treatment.