著者
中川 充 中川 功一 多田 和美
出版者
日本経営学会
雑誌
日本経営学会誌 (ISSN:18820271)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.38-48, 2015 (Released:2017-03-23)

This study aims to reconsider about the negative impact of organizational socialization on subsidiary companies of multinational corporations (MNCs). International research has repeatedly demonstrated that the process of organizational socialization when adopted in a foreign subsidiary setting has positive effects on various areas of its organizational performance. Hence, organizational socialization is largely used by a parent company as one of the tools for controlling a subsidiary. An analysis of six Japanese MNCs in the emerging markets reveals that organizational socialization has both negative as well as positive impact. Subsidiaries encounter difficulties in implementing strategies when they experience intensive promotion of the organizational culture of their parent companies. Considering the significant cultural and economic differences between the headquarters and the subsidiary, the subsidiary personnel cannot easily adapt the parent company’s culture to their local workplace environment. From these considerations, we add a new understanding about the influence of organizational socialization and give a proposition that organizational socialization brings a tradeoff between knowledge transfer and subsidiary innovativeness.
著者
浦上 大輔 浦田 清 布上 恭子 渡会 雅明 浜野 貢 須田 力 中川 功哉
出版者
Japan Society of Human Growth and Development
雑誌
発育発達研究 (ISSN:13408682)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.25, pp.20-28, 1997-07-31 (Released:2010-03-16)
参考文献数
11

The purpose of this study was to investigate the life styles and physical activities of senior high school and technical college students in a snowy region both in snowfall and non-snowfall season. Questionnaires on the life style and physical activity were sent to 1675 students in Hokkaido.The following results were obtained.1) The students went to bed and got up earlier during snowfall season than during non-snowfall season. However, the hours of sleep were almost the same in both seasons.2) More than a half of the students attend to school in snowfall season by different way from non-snowfall season. The commuting time in snowfall season was much longer than that in non-snowfall season.3) More than one-third of the students answered that the amount of their physical activities decreased during the snowfall season. This trend was more noticeable among students who exercised 3 or more times a week than among students who exercised less than 3 times a week.4) For students who did not participate in sports club activities, the shoveling snow in winter was found to be effective to compensate for hypokinetic sensation exercise.5) In snowfall season, students tend to exercise for prolonged time with low frequency and low intensity, however in non-snowfall season they tend to exercise for shorter time with high frequency and high intensity.
著者
中川 功一 服部 泰宏 佐々木 将人 宮尾 学
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.38-50, 2020-06-20 (Released:2020-08-20)
参考文献数
25

日本の経営学者たちは,いま様々な分断のただ中にある.学会を挙げて進める「組織調査」プロジェクトを推進する中では,それらの分断の輪郭が明瞭に浮かび上がってくるとともに,プロジェクトの意義がまさにその分断を繋ぎ合わせることにあることが見えてきた.プロジェクトリーダーによる内部アクションリサーチの成果という形で,その分断のあらましと,我々がいかにそれを解決しようとしているのかを議論する.
著者
西薗 秀嗣 中川 功哉 須田 力 斎藤 勝政
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.17-26, 1983-02-01 (Released:2010-09-30)
参考文献数
20
被引用文献数
5 6 4

アーチェリーのシューティングについて, 日米のトップアーチャー2名並びに技術水準の異なる男子大学生アーチャー15名の上肢, 上肢帯, 体幹筋の筋電図記録, 動作分析を行い, 以下の知見を得た。1) 初心者及び経験5年程度の中級者では, セットアップ, ドローの初期から上肢の放電が著しく, フルドローに入って左右側の筋緊張が不安定な状態でリリースがなされる。これに対してトップアーチャーでは初期から上肢帯, 体幹筋の活動が大きく, フルドローでは左右側で均等な強い筋活動がみられた。さらに, フォロースルーで一定時間, 筋活動が安定して持続し, 合理的な筋の作用がなされていた。2) トップアーチャー2名において, リリースに先行して両側の三角筋肩峰部で筋放電休止期Silent Period (S.P.) が認められ, さらに1名で押し手 (左) 僧帽筋横部でも認められた。3) 大学生アーチャー12名について, 経験年数と成績から上級者, 中級者, 初級者に分け, 三角筋でのS.P.の出現率, 潜時, リリース反応時間について検討した結果, 初級者ではS.P.の出現は2名に認められたが出現率は低く, リリース反応時問は190~230msecと長く, かつ分散している。上級者では全員S.P.の出現があり, 出現率は70~100%と高く, S.P.潜時及びリリース反応時間の平均値はそれぞれ, 115msec, 175msecとなり, しかもばらつきが少ない。4) 引き手 (右) 三角筋のS.P.の出現と同側僧帽筋の活動増強の時期が, 特に上級者群でほぼ一致した。この両筋は神経支配が異なり, リリース動作での拮抗筋と考えられず, リリース動作での一連の主働筋と考えられる。これらのことから, アーチェリーのシューティングという複雑な動作で出現したS.P.は, 長期にわたるトレーニングによる巧緻性獲得過程にみる一つの合理的な神経筋機構であると考えられる。
著者
中川 功一 福地 宏之 小阪 玄次郎 秋池 篤 小林 美月 小林 敏男
出版者
日本経営学会
雑誌
日本経営学会誌 (ISSN:18820271)
巻号頁・発行日
no.34, pp.3-14, 2014-12-10

This study investigates a microfoundation of the structural change of business ecosystem. While previous studies point out environmental shocks and subsequent entrepreneurial behaviors, we focus on the effect of several actors' interactions within the ecosystem. By using the concept of Weick (1979)' s enactment, we build up the chain reaction framework of multiplayers' interpretation and action. Through an in-depth case study of the transition of Silicon Valley ecosystem from an IPO-centered model to a M&A-centered one, we illustrates how startups, established business companies, venture capitals and research institutes interact each other and how those interactions effect on ecosystem transition.
著者
長岡 顕 楠 貞義 深沢 安博 戸門 一衛 間宮 勇 松橋 公治 中川 功
出版者
明治大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1991

スペインのEU加盟とGATT体制の強化と発展の結果、外資の導入を主軸として産業構造の再編が進んだ。貿易体制の整備や非関税障壁の撤廃にともなう国内法制度の改廃も、EUの中では遅い方に属しながらも進捗している。それと平行してスペイン経済はEU経済に強く組み込まれるに至り、その結果として国内工業生産力は上昇した。VWなどの資本引上げ問題が発生しているものの、自動車産業は南欧向け低価格車の生産拠点化という特徴を明確にした。またME化の浸透による外国の情報処理メーカーの進出も顕著であった。電気通信部門はEU統合の最大の目的の一つといわれている。ヨーロッパレベルでのスケールメリットの実現に向けて、スペインの同部門の大幅な資本構成と技術の調整が予定されている。農業部門は、南部と地中海沿岸部における施設農業化と果実蔬菜生産への特化が実現し、EU域内向けの新主産地が形成された。しかし生産性が低い北部の小規模牧畜生産やカスティーリャの穀物地帯は淘汰されつつある。EU加盟は一般的にはスペインにはプラスになったが、加盟以前の社会経済問題が解決したわけではない。80年代後半に経験した経済成長は、一時的には雇用の改善に貢献したが、「雇用なき成長」であったために、失業率は90年代に入って再び上昇した。アンダルシアに至っては30%台を推移している。価格競争にともなうコスト抑制も大きな課題であり、高失業率の一方で、労働集約性の高い紡績業や季節性が強い農業部門には外国人労働者が受け入れられ、送り出し国から、受け入れ国へと変わった。スペインの各地域の不均等発展も改善はみられないままである。日本企業のスペイン進出地域分布をみても、二大拠点であるカタル-ニャとマドリードに集中している。外資を地域開発へと組み込ませる政策も進行させたが、順調だとはいえない。こうした不均等発展の解消のために、自治州への分権化の過程も進んだが、運営のための財源問題などは未解決となっている。
著者
中川 功一
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.69-78, 2008-06-20 (Released:2022-08-19)
参考文献数
7

製品アーキテクチャの変化は,既存の組織の不適合を招き,企業の競争力を著しく低下させる恐れがある.既存研究では,その変化に合わせて,企業は事業組織全体を改編すべきことが主張されていた.本稿ではこれに対し,事業組織の全てを変更せずとも,コンポーネントの技術的相互関係が直接に影響する組織だけを変更することによっても対応できることを,記録型 DVDドライブのイノベーションの事例から検討する.
著者
高田 仁 加藤 浩介 松橋 俊彦 中川 功一 松行 輝昌
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

科学技術商業化の類型として、実践的教育プログラムの有効性に着目する『教育モデル』を確立するために、その教育効果と商業化促進効果、満たすべき要件等を明らかにすることを試みた。その結果、プログラムをきっかけにステークホルダーへの働きかけと共感の獲得が商業化プロセスの前進に有効である可能性を見出した。また、プログラム受講者の教育効果を分析した結果、異なるバックグラウンドの受講者が受講を通じて活発な知識交換を行うことを明らかにした。以上から、科学技術商業化の『教育モデル』の概念化を試みたところ、Galison(1997)の提唱する「トレーディング・ゾーン」を援用して説明できる可能性を見出した。
著者
須田 力 室木 洋一 中川 功哉 安藤 義宣 西薗 秀嗣 吉田 敏雄
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.255-265, 1988

The purpose of this study was to evaluate the maintenance of fitness with aging. The subjects were 59 men of 49-55 years of age, who entered to Hokkaido University and once had been examined for their fitness between the years of 1950-1952. They were reexamined to determine the maintenance of fitness with age in 1983. After 31-33 years, declination of the mean values in fitness shows from 50.9 to 42.1cm in vertical jump, from 154 to 143kg in back strength, from 4.35 to 3.73L in vital capacity and from 8.4 to 3.2 times in pull-ups. Grip strength was increased from 44.0 to 47.1kg. The correlation coefficients of the values between the time they were freshmen and the present time, were relatively higher in vertical jump (r=0.61, p<0.01), moderatory higher in back strength (r=0.50, p<0.01), grip strength (r=0.48, p<0.05) and vital capacity (r=0.46, p<0.05), but lower in pull-ups (r = 0.17, not significant). Back strenght and grip strength were maintained better in a group who had been engaged in daily physical activity than those who had been inactive. But the differences in the rate of decline were not significant in vertical jump; pull-ups and vital capacity. It was noticed that 14 (23.7%) of the 59 subjects indicated that walking was felt to be the most effective factor to maintain fitness.
著者
中川 功一
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.71-81, 2012-09-20 (Released:2013-10-01)
参考文献数
30

本稿は,セラミック・コンデンサ産業の競争を分析し,日米逆転の理由を探索するものである.分析からは,半世紀弱の産業競争の中で,戦略を変更した企業は一社として存在しなかったことが明らかになる.1980年代の日米逆転を導く基本的条件は既に1945年時点で準備されており,逆転を果たした日本企業も,逆転を許した米系企業も,その後は根本的な戦略変更を一度も行っていなかった.ここから本稿は,同産業において戦略硬直化をもたらすスパイラルが作用したのではないかとの試論を行う.
著者
西薗 秀嗣 中川 功哉 須田 力 斎藤 勝政
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.17-26, 1984-02-01
被引用文献数
1 6

アーチェリーのシューティングについて,日本のトップアーチャー2名並びに技術水準の異なる男子大学生アーチャー15名の上肢,上肢帯,体幹筋の筋電図記録,動作分析を行い,以下の知見を得た。1)初心者及び経験5年程度の中級者では,セットアップ,ドローの初期から上肢の放電が著しく,フルドローに入って左右側の筋緊張が不安定な状態でリリースがなされる。これに対してトップアーチャーでは初期から上肢帯,体幹筋の活動が大きく,フルドローでは左右側で均等な強い筋活動がみられた。さらに,フォロースルーで一定時間,筋活動が安定して持続し,合理的な筋の作用がなされていた。2)トップアーチャー2名において,リリースに先行して両側の三角筋肩峰部で筋放電休止期Silent Period(S.P.)が認められ,さらに1名で押し手(左)僧帽筋横部でも認められた。3)大学生アーチャー12名、について,経験年数と成績から上級者,中級者,初級者に分け,三角筋でのS.P.の出現率,潜時,リリース反応時間について検討した紬果,初級者ではS.P.の出現は2名に認められたが出現率は低く,リリース反応1時間は190〜230msecと長く,かつ分散している。上級者では全員S.P.の出現があり,出現率は70〜100%と高く,S.P.潜時及びリリース反応1時間の平均値はそれぞれ,115msec,175msecとなり,しかもばらつきが少ない。4)引き手(右)三角筋のS.P.の出現と同側僧帽筋の活動増強の時期が,特に上級者群でほぼ一致した。この両筋は神経支配が異なり,リリース動作での拮抗筋と考えられず,リリース動作での一連の主働筋と考えられる。これらのことから,アーチェリーのシューティングという複雑な動作で出現したS.P.は,長期にわたるトレーニングによる巧緻性獲得過程にみる一つの合理的な神経筋機構であると考えられる。