著者
中村 栄太 齋藤 康之 吉井 和佳
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2019-MUS-124, no.12, pp.1-16, 2019-08-20

ピアノ運指の自動推定は,音楽演奏過程を情報学的に理解するために重要であり,演奏支援や演奏学習支援技術へ応用可能である.運指の良さを定義する自然な方法は演奏の制約やコストのモデルを構成することであるが,一般的にこれらのモデルでは適切なパラメータの値を見つけるのは難しい.本稿では,統計モデルに基づくデータ駆動型のアプローチを考え,与えられた運指の自然さを確率に基づいて記述する方法について調べる.具体的には,2種類の HMM (隠れマルコフモデル) とその高次の拡張を構成する.比較手法として,DNN (深層ニューラルネットワーク) に基づく方法も調べる.新しく公開したピアノ運指のデータセットを用いて,これらの手法の学習と評価を行い,制約に基づく代表な手法との比較評価も行う.評価に関しては,運指の個人的差異を考慮して,複数の正解運指データがある場合に使える新たな評価指標を考案した.評価の結果,高次 HMM に基づく手法がその他の手法よりも推定精度が高いことが明らかになった.運指モデルに基づく演奏難易度の定式化およびピアノ用編曲への応用についても議論する.
著者
森 聖治 中村 栄一
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.144-151, 2003-02-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
41
被引用文献数
1 3

Recent development in the use of high-precision quantum chemical calculations for the investigation of the mechanisms of synthetically important organometallic reaction is reviewed. The review is focused on the following issues that have be the subject of much discussion in the society of synthetic organic chemists for many years : (1) Nucleophilic addition to carbonyl compounds, (2) osmium-tetraoxide-catalyzed dihydroxylation, (3) organocopper reactions, and (4) Simmons-Smith cyclopropanation.
著者
和田 玲子 中村 栄
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.70, no.7, pp.366-372, 2020

<p>経営層に戦略的IP情報を資するIPランドスケープを遂行する知財アナリストには,調査・解析ツールの機能を使いこなすデータ解析能力と,経営層にインパクトを与える事業課題を浮き彫りにし,その解決手段の候補を導き出す解析シナリオ構築力が特に求められる。AI時代は,データ解析がAIによってレベルアップし,それを用いる解析シナリオに広がりや深みを出せる,アナリストにとって追い風の時代である。本稿では,旭化成における戦略的な知財情報の活動の歴史を振り返りながら,最近のIPランドスケープの活動を紹介し,AI時代のアナリストに求められる解析シナリオ構築力とそのレベルアップについて述べる。</p>
著者
福留 裕樹 畠山 琢次 原 賢二 中村 正治 中村 栄一
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.1103, 2002

Development of the stereocontrolled carbon-carbon bond formation is one of the most important tasks in synthetic organic chemistry. We have reported that a zincated hydrazone, which is a synthetic equivalent and an isoelectronic compound of a metal enolate, reacts with various vinyl metal compounds such as vinyl silane, vinyl stannane, and vinylmagnesium halide to form a new functionalized organometallics bearing two metals at the same carbon. We recently found that a vinyl boronate can also serve as the carbometalation acceptor and shows high reactivity toward organozinc reagents. Here we report an alkenyl boronate, which possesses a variety of substituent at the &beta;-carbon to boron, undergoes the addition of a zincated hydrazone in high yields with high diastereoselectivity. The zincated hydrazone derived from 2-methyl-3-pentanone hydrazone, thus, reacted with <I>trans-</i>hexenyl boronate to give a product in 92% yield with high diastereoselectivity (d.r. > 99:1). On the other hand, the reaction to the corresponding <I>cis-</i>isomer gave another diastereomer with a diastereoselectivity of 16:84, showing high stereospecificity of the carbozincation process.
著者
中村 栄子 石渡 孔実子 並木 博
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.39, no.12, pp.845-847, 1990-12-05
被引用文献数
4 5

After removal of anionic surfactants by an ion-exchange technique, cationic surfactants were extracted as their chlorides into chloroform. Ion pairs of the cationic surfactants and Disulphine Blue formed in the chloroform phase were measured spectrophotometrically as follows : A 50 ml of a sample solution containing cationic surfactants (above 1μg as Zephiramine) is passed through an anion-exchange column (Amberlite IRA-401,15 ml) at a rate of 1 ml/ min and the column is washed with 50 ml of 50% methanol. Five milliliters of sodium chloride solution (10%) and l0 ml of chloroform are added to the eluate. The mixture is then shaken for 1 min to extract cationic surfactants into chloroform. The chloroform phase is shaken for 1 min with a mixture of 10 ml of citrate buffer solution (0.1 M, pH 5), 5 ml of sodium sulfate solution (0.4 M) and 1.5 ml of Disulphine Blue solution (1.17×10^<-4> M). The absorbance of the chloroform phase is measured at 628 nm. Cationlc surfactants in water above 20 μg/l could be determined by the proposed method.

1 0 0 0 IR 研究紹介

著者
大島 利雄 酒井 英行 長谷川 修司 蓑輪 眞 島田 敏宏 小間 篤 中村 正治 中村 栄一 杉田 精司
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学大学院理学系研究科・理学部廣報
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.6-14, 1999-09

古くて新しい代数解析/三体力の検証/電子の海のさざ波/ボロメータによる暗黒物質の直接検出/有機薄膜成長の精密制御/有機化学反応の解析:予測における量子力学計算の利用/惑星表面の高速衝突現象
著者
櫻田 厚 中村 栄輔
出版者
日経BP社
雑誌
日経トップリーダー
巻号頁・発行日
no.391, pp.31-33, 2017-04

櫻田厚氏は18年務めた社長の座を昨年、中村栄輔氏に譲って会長に専念した。互いに連携しながら、櫻田氏は主に海外事業、中村氏は国内事業を担当する。事業承継を機に、会社をどう強くようとしているのか。トップ2人に聞いた。

1 0 0 0 IR トピックス

著者
山本 智 加藤 隆史 中村 栄一 横山 広美 五所 恵実子 岩澤 康裕 山形 俊男
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学理学系研究科・理学部ニュース
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.3-6, 2008-03

第3回山川記念シンポジウム「山川健次郎と東京大学」開催さる/グローバルCOE「理工連携による化学イノベーション」第1回国際シンポジウム「博士たちの輝くキャリアデザイン」を開催/学生企画コンテスト,優秀賞と敢闘賞を受賞/ひらめき☆ときめきサイエンス附属植物園で開催/理学系研究科・理学部教職員と留学生・外国人研究者との懇親会/大越慎一教授の日本学士院学術奨励賞の受賞を祝して/"核力の起源" 解明がNature 誌の2007 年ハイライト研究に選ばれる/第7回理学系研究科諮問会が開催される
著者
井関 文 畠 榮 加藤 克幸 小林 晴美 原 稔晶 下山 芳江 中村 栄男 松下 正
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.289-296, 2017-05-25 (Released:2017-05-31)
参考文献数
14

浸潤性小葉癌組織球様細胞亜型(histiocytoid breast carcinoma; HBC)は,多形型浸潤性小葉癌に含まれるまれな組織型で,アポクリン分化が指摘される。今回われわれは,細胞診で組織球様腫瘍細胞が多量に出現したHBCの1例を経験した。症例は80歳代,女性で,左乳房腫瘤の穿刺吸引細胞診で,広い泡沫状細胞質を有する組織球様細胞や,好酸性顆粒に富むアポクリン様細胞を,散在性または疎な結合の重積性集塊で認めた。病理組織学的には,Alcian blue染色がびまん性陽性を呈した。ジアスターゼ抵抗性PAS反応は好酸性顆粒に富む細胞では強陽性,好酸性の弱い泡沫状細胞では陰性もしくは弱陽性を示した。GCDFP-15は陽性で,好酸性の弱い細胞により強染した。Adipophilin陰性,CD68陽性,ER,PgR,HER2陰性,androgen receptor陽性,Ki-67陽性率2%,p53はweakly 5–10%であった。E-cadherinは陰性,p120は細胞質内にびまん性陽性を示し,浸潤性小葉癌の組織球様細胞亜型(HBC)と診断した。HBCは,出現様式や粘液の染色態度が多形型浸潤性小葉癌と同様であったが,核異型,HER2,p53発現,Ki-67陽性率が異なり,それらは両者の鑑別点となると考えられた。またadipophilinが陰性を示し,アポクリン所見は不完全であった。
著者
中村 栄一 深沢 義正
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.45, no.11, pp.1044-1054, 1987-11-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
63
被引用文献数
1 1

合成反応の予測性を高めることは研究の目的, 環境を問わず, 有機合成の大きな目標である。これまでも有機合成化学者は試行錯誤から得た経験に反応論や構造論を加味して反応の予測性を高める努力を行ってきた。最近顕著になってきた新しい流れは, 理論計算を合成化学者自身が行うことでこの問題にアプローチしようとする考え方である。過去数年間における計算機や情報ネットワークの普及は目ざましく, 10年前には大型計算機センターでしか出来なかった理論計算, 特に分子力学 (MM) 計算が今や実験室の片隅で行える時代となったことがその背景である。分子や反応に関する情報を計算機によって求める方法としては非経験的分子軌道 (MO) 計算がもっとも優れているが, 今日合成ターゲットとなっているような大きな化合物に関する情報をこの方法で得ることは事実上困難である。パラメータ上の制約のためにまだ比較的限られた化合物への適用しか許されないとはいえ, 計算の速さと簡単さの点でMM計算が1つの現実的な選択である。MM計算から求められる情報は基底状態の分子のある配座でのエネルギーと, そこでの分子の形態である。この2種類の情報を用いて反応生成物の分布の予想と結果の合理的解釈を行うことが計算の目的である。種々のMM計算プログラムが開発されてきたが, 最近の有機合成での応用例は殆んどAllingerらのMM2プログラムが使われている。本総説では身近になったMM2プログラムの有機合成での適用例についてまとめてみたい。

1 0 0 0 IR 研究ニュース

著者
平岡 秀一 塩谷 光彦 狩野 直和 川島 隆幸 川上 厚志 牧野 淳一郎 中村 栄一 磯部 寛之 尾中 敬 岡 良隆 上野 啓司 島田 敏宏 小間 篤 東山 哲也 濱口 宏夫 清水 裕子
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学理学系研究科・理学部ニュース
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.4-12, 2002-09-17

金属イオンを自在に並べる/有機ケイ素化合物におけるケイ素の配位数の制御/小型熱帯魚ゼブラフィッシュの変異体を用いた遺伝子ハンティング/GRAPE-6とゴードン・ベル賞/フラーレンの基礎n学て妬くナノバイオテクノロジー/赤外線衛星観測と衛星冷却望遠鏡/やる気を起こさせる神経メカニズム/有機分子ナノ構造のシリコン基板上への自己組織化形成/植物の受精のしくみを解き明かす/酵母生細胞の時空間分解ラマン分光/マカク細胞の加齢に関する研究
著者
中村 栄一
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.179-185, 1983-03-30 (Released:2009-04-21)
参考文献数
8

According to the construction of the Onagawa Nuclear Power Plant, a telemeter system for monitoring external environmental radiation around plant was equipped. This system has six monitoring stations and collects the γ-ray spectrum every 10min at each station. The spectrum was analyzed by response matrix method, and the artificial contributions piled up natural background were separately evaluated.