著者
津田 良夫 助廣 那由 梅澤 昌弘 稲垣 俊一 村上 隆行 木田 中 土屋 英俊 丸山 浩 沢辺 京子
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.209-214, 2013-12-25 (Released:2014-06-25)
参考文献数
13
被引用文献数
1 2

Experiments exposing Aedes aegypti to winter conditions were conducted at Narita International Airport, Japan during December 2012 to March 2013 to evaluate the possible overwintering of the species. Four and 2 study sites were selected inside and outside the terminal buildings, respectively, and air temperature and relative humidity were recorded hourly at each site. Eggs were placed for 91 or 63 days at each study site, respectively, and the hatching rate and adult emergence rate were examined in March 2013. Under outdoor conditions (daily average of 5.2°C and 57.3%R.H.), 6% of the exposed eggs hatched but no adults emerged. Eggs exposed to indoor conditions (daily average of 14.3–19.4°C and 34.3–36.8%R.H.) showed 2 to 8% adult emergence. Exposure experiments using larvae were conducted for 1 week every month, and their development and survival rate were observed. Under outdoor conditions in January and February 2013, all the exposed larvae died within a week. Larvae placed inside the terminal building developed well and the threshold temperature for larval development was estimated as 10.6°C and 11.6°C for hatched larvae and 4-day-old larvae, respectively.
著者
丸山 浩平 森本 康彦 高橋 菜奈子 櫻井 眞治 宮内 卓也 小嶋 茂稔
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2023, no.2, pp.56-63, 2023-07-21 (Released:2023-07-21)

東京学芸大学では学生本位の学びの振り返りを促し,修得主義に基づく教員養成の実現を目指して「eポートフォリオ構築によるデジタル技術を活用した教育実習DX」を進め,本学附属学校園で行われてきた教育実習の教育実習日誌を電子的に扱い,実習の記録や指導・支援の記録を集約するシステム「教育実習日誌eポートフォリオ」(以下,実習ポートフォリオシステム)を開発した.そして実習ポートフォリオシステムを用いた附属学校園における教育実習の試行を実施した.本論文では,本学における教育実習日誌eポートフォリオの構築とその取組みの内容,試行に関する質問紙調査の結果について述べた.
著者
西村 敬子 西村 友希 丸山 浩徳
出版者
愛知教育大学実践総合センター
雑誌
愛知教育大学教育実践総合センタ-紀要 (ISSN:13442597)
巻号頁・発行日
no.13, pp.169-177, 2010-02

今,日本は急速にキャラ化しているといわれ,私たちの周りには様々なキャラクターグッズがあふれている。子どもたちにとってキャラクターは欠かすことのできないものとなっている。この子どもたちを取りまく生活の中で,肥満や偏食など,食に関する問題が多く発生している。そこで,子どもが自ら健康で自分の体に合わせた食生活について学ぶ手助けをするために食育キャラクター「食まるファイブ」を誕生させた。本研究ではこの「キャラクター」及び「キャラ」という言葉の定義を調べた。さらに子どもたちが楽しく食について学ぶことができるように食育キャラクター「食まるファイブ」のキャラを立て「食まるファイブ」グッズ作製を行った。
著者
丸山 浩
出版者
The Japanese Society for Animal Psychology
雑誌
動物心理学年報 (ISSN:00035130)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.61-68, 1954-04-25 (Released:2009-10-14)
参考文献数
9

以上この実験では, cue-reversal techniqueを用いて弁別学習に於ける連続説と非連続説の対立を吟味したのであるが, 被験動物が異つたのみでその他の実験条件を等しくしながら, 連続説の期待に反して, 先行訓練の最終学習過程に及ぼす正又は負の波及を認めることは出来なかつた。連続説の側で得た結果との不一致は, ここでは, 位置習性の機構が, 単に位置に対する興奮傾向の優越にもとずくものでなく, 何等かの他の要因に基くことを暗示させる結果となつた。最後に実験結果そのものは非連続説の期待と一致したが, それだからといつて, このことから直ちにいわゆる解決前期の特徴的反応様式-例えば位置習性等-が動物の “仮説” を示すと断定することは困難であることが示された。従つてこの論争を解決する為には更に異つた手続による案験の結果をまつ必要がある。
著者
丸山 浩明 宮岡 邦任 仁平 尊明 吉田 圭一郎 山下 亜紀郎 ドナシメント アンソニー
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

アマゾンに建設された代表的な日本人移住地であるマウエスの日系人農場をおもな事例として、氾濫原(ヴァルゼア)と台地(テラフィルメ)という異質な生態空間を巧みに利用した、低投入持続型農業(LISA)を基幹とする住民の複合的な生活様式を明らかにした。事例農場は、ヴァルゼアとテラフィルメの両方に牧場を所有し、船で牛を移牧して周年経営を実現している。一定期間浸水する前者は乾季、浸水しない後者は雨季の放牧地である。テラフィルメ林は、焼畑農業や狩猟採集の場でもある。また、船を使った行商は現金収入を得る重要な農外就業であった。河川環境を利用した複合経営は、アマゾンでの生活の持続性や安定性の基盤となってきた。
著者
李 玉花 崎山 亮三 丸山 浩史 河鰭 実之
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.28-32, 2001-01-15
参考文献数
16
被引用文献数
12

イチゴ'女峰'における果実の発達にともなうアントシアニン合成経路遺伝子の発現を調べた.果実の色は開花3週間後に薄い緑色から白色に変わり, その後成熟期までアントシアニンの蓄積は続いた.また, この時期から全糖含量が増加を始めた.スクロース含量が成熟期まで上昇し続けたのに対し, グルコースとフルクトース含量は成熟に伴ってほとんど変化しなかった.フェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)とカルコンシンターゼ(CHS)遺伝子の発現は果実の発育を通して大きな変化を示さなかった.カルコンイソメラーゼ(CHI)とジヒドロフラボノール4-還元酵素(DFR)遺伝子の発現は, 若い果実では高かったが, 白熟期に著しく低下したのち着色に伴って再び増加した.2回目のCHIとDFRの発現の上昇はこれらの酵素の発現が成熟期のアントシアニンの合成調節に関与することを示唆した.
著者
丸山 浩平 足立 遼子 関谷 潔史
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.248-255, 2022-11-25 (Released:2023-05-25)
参考文献数
25

COVID-19へのBNT162b2 mRNA COVID-19ワクチン接種による感染および発症予防効果が示されているが,これらの効果は経時的な低下が報告されている.一方で,接種後の抗体価は感染予防効果との相関が示唆されているが,接種後から長期間経過した時点での抗体価に影響を与える要因の報告は少ない.我々はBNT162b2 mRNA COVID-19ワクチン2回目接種後の職員に抗体検査を実施し,6か月以上経過している場合の,抗体価に影響を与える要因について後ろ向き観察研究を行った.このうち過去にCOVID-19罹患が判明している職員,問診票による情報収集ができなかった職員は除外した.本研究において,2回目接種から6か月以上経過している場合,抗体価が大幅に低下していることが判明した.さらに,6か月以上経過している医療従事者において,単変量解析では年齢,性別,降圧剤の使用が抗体価に影響を与える要因とされ,多変量ロジスティック回帰分析では年齢のみが抗体価に影響を与える要因とされた.年齢については本邦だけではなく,海外からの報告でも抗体価に影響を与える要因とされている.本研究の結果より,ワクチン2回目接種から6か月以上経過している場合,高齢者においては時間経過によるワクチン抗体価の低下が若年層に比べて,より顕著であり,このことは高齢者において,ワクチンによる感染予防効果が時間的な影響をより受けやすいことを示唆していた.
著者
岩澤 聡子 道川 武紘 中野 真規子 西脇 祐司 坪井 樹 田中 茂 上村 隆元 道川 武紘 中島 宏 武林 亨 森川 昭廣 丸山 浩一 工藤 翔二 内山 巌雄 大前 和幸
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.39-43, 2010-01-15
参考文献数
7

<b>目的</b>&emsp;2000年 6 月に三宅島雄山が噴火し,二酸化硫黄(SO<sub>2</sub>)を主とする火山ガス放出のため同年 9 月に全住民に島外避難命令が出された。火山ガス放出が続く中,火山ガスに関する健康リスクコミュニケーションが実施され,2005年 2 月に避難命令は解除された。本研究では,帰島後 1 年 9 か月経過した時点における,SO<sub>2</sub> 濃度と小児の呼吸器影響の関連について,2006年 2 月から11月の 9 か月間の変化を検討した。<br/><b>方法</b>&emsp;健診対象者は2006年11月時点で,三宅島に住民票登録のある19歳未満の住民を対象とした。そのうち,受診者は,141人(受診率50.4%)で,33人は高感受性者(気管支喘息などの気道過敏性のある呼吸器系疾患を持つ人あるいはその既往のあり,二酸化硫黄に対し高い感受性である人)と判定された。<br/>&emsp;健康影響は,米国胸部疾患学会の標準化質問票に準拠した日本語版の自記式質問票により,呼吸器に関する自覚症状調査,生活習慣,現病歴,既往歴等の情報を収集した。努力性肺活量検査は,練習の後,1 被験者あたり 3 回本番の測定を実施した。<br/>&emsp;環境濃度は,既存の地区名を一義的な括りとし,当該地区の固定観測点での SO<sub>2</sub> モニタリングデータをもとに,避難指示解除より健診までの22か月間のデータについて,その平均値により居住地域を低濃度地区(Area L),比較的曝露濃度の高い 3 地域(H-1, H-2, H-3)と定義し,SO<sub>2</sub> 濃度(ppm)はそれぞれ0.019, 0.026, 0.032, 0.045であった。<br/><b>結果</b>&emsp;自覚症状では,「のど」,「目」,「皮膚」の刺激や痛みの増加が,Area L と比較すると,H-3 で有意に訴え率が高かった。呼吸機能検査では,2006年 2 月と2006年11月のデータの比較において,高感受性者では%FVC,%FEV1 で有意に低下(<i>P</i>=0.047, 0.027)していたが,普通感受性者では低下は認めなかった。<br/><b>結論</b>&emsp;高感受性者では呼吸機能発達への影響の可能性も考えられ,注目して追跡観察していくべきである。
著者
丸山 浩明
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.121, no.5, pp.799-814, 2012-10-25 (Released:2012-12-05)
参考文献数
55

This paper begins with a review of the progress of scientific geography in Brazil, and proceeds to explain academic exchanges between Japan and Brazil. The results are summarized as follows: (1) Geography in Brazil made great breakthroughs in the 1930's by actively absorbing scientific geography from Western nations, especially from France. (2) The notable progress in Brazilian geography owes much to the contributions of academic societies established in the 1930's, i.e., Institute Brasileiro de Geografia e Estatística (IBGE), Conselho Nacional de Geografia (CNG), Associação dos Geógrafos Brasileiros (AGB), and several leading universities. (3) Academic exchanges between Japan and Brazil in the field of geography started after World War II, when Japan resumed diplomatic relations with Brazil. The main subject of early research by Japanese geographers was the adaptation and settlement process of Japanese immigrants in Brazil. (4) From 1966, overseas scientific research expeditions by members of Tokyo University of Education and the current University of Tsukuba were conducted under Grant-in-Aid for scientific research. (5) Brazil has achieved great economic growth as a member of the BRICs. Social and environmental problems caused by rapid agricultural and fuel development have been the main subjects of Brazilian studies.
著者
尾崎 洋二 柴橋 博資 矢崎 紘― 大塚 孝治 関口 雅行 片山 武司 遠山 潤志 高瀬 雄一 今西 章 丸山 浩― 青山 惇彦 西田 生郎
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学大学院理学系研究科・理学部廣報
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.4-17, 1999-03

理学部での40年/尾崎先生送別の辞/東大理学部での40年/矢崎紘一先生を送る/退官にあたって/関口雅行先生を送る/思い出と提言/遠山濶志先生を送る/おせわになりました/今西さんを送る/いろいろあった40年/青山さんを送る
著者
丸山 浩明
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
Geographical review of Japan, Series B (ISSN:02896001)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.104-128, 1992-12-31 (Released:2008-12-25)
参考文献数
48

本研究では,浅間火山山麓での実証的な先行研究の成果を踏まえ,まず集落の起源や形態,集落(もしくは農家)を核とする農業的土地利用の種目構成とその空間的配列状況に着目して,火山山麓の農業的土地利用パターンを低位土地利用パターン (A類型),中位土地利用パターン (B類型),高位土地利用パターン(C類型)の散村型 (C1型)と集村型 (C2型)に類型区分した。そして,それぞれの類型の実態とその分布状態の特質を,中部日本の主要な火山山麓全域において検討した。 水稲を中心に果樹,野菜の組みあわせに特徴づけられる低位土地利用パターンは,河川や湧泉,溜池などに隣接した水利条件の良い低平な場所で卓越する。 A類型の主要な分布域は,火山山麓の最下部にあたる標高約700m以下の高度帯に認められる。中位土地利用パターンは,水稲,果樹,野菜,工芸作物を中心に,飼料作物や花卉一苗木類までが混在する多様な土地利用種目構成に特徴づけられる。 B類型の主要な分布域は,水田卓越地帯から畑地卓越地帯への移行部に対応する,火山山麓中腹の標高約1,000m以下の高度帯である。野菜を中心に飼料作物,花卉一苗木類,水稲が組みあわさった高位土地利用パターンは,火山山麓最上部の高冷地を中心に認められる。 C類型のなかで,散村型(C1型)は第二次世界大戦後のいわゆる戦後開拓集落など新開地の土地利用を反映する類型で,自立型の野菜栽培や畜産経営が卓越する。一方,旧集落を代表する集村型 (C 2型)では,戦後大規模な夏野菜栽培が著しく進展した。 C類型の主要な分布域は,一般に火山山麓最上部の標高約900~1,400mの高度帯である。 浅間火山山麓で実証された農業的土地利用パターンの類型分布の垂直的地帯構造は,より広範な中部日本の主要な火山山麓全域においても認められる一般的かっ基本的な特質であることが本研究で明らかになった。これは,中部日本の火山山麓が歴史的に極めて類似した開発過程を辿ってきたこと,土地利用を規定する水利,気温,地形(起伏),土壌などの自然的諸条件や,開拓地・旧集落の立地形態,交通条件,国有地や入会地の分布といった経済・社会的諸条件の特質に,中部日本火山山麓特有の共通性があることなどに起因していると考えられる。
著者
太目 弘樹 森本 康彦 丸山 浩平 北澤 武 宮寺 庸造
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Suppl., pp.193-196, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
7

本研究では,e ポートフォリオを活用した授業において,学習者の学習プロセスの振り返りを促進することを目的とする.具体的には,学習者が作成・収集したe ポートフォリオを活用して,自身の学習プロセスを通して何を学び,どのように変容したかをストーリー立ててまとめる「ストーリー・ポートフォリオ」を提案し,ストーリー・ポートフォリオ作成が学習プロセスの振り返りに与える影響を検証する.その結果,ストーリー・ポートフォリオの作成を付加した際には, 学習者の学びの気づきや状況を想起させ,何がどう変容し成長したかの振り返りを促進させる効果があることが示された.