著者
井上 創造 木實 新一 小林 隆志 土田 正士 喜連川 優
出版者
日本データベース学会
雑誌
日本データベース学会letters (ISSN:13478915)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.81-84, 2006-06

学術会議は,口頭発表や資料による形式的な情報だけではなく,参加者が面と向かって交流をすることにより非形式的に情報交換ができるという点に意義があると言える.しかし,学術分野の専門化と細分化が進む今,初めて面と向かった参加者どうしに,互いのネームタグに書かれた情報だけで有意義な交流のきっかけが十分に用意されるとは言い難い.我々は,居合わせた参加者間の関係を発見し大画面に表示するシステム「DeaiExplorer」を開発し,数百人規模の国際学術会議において利用した.本システムは,居合わせた参加者が持つ RFID タグに反応し,文献データベースから参加者や他の著者をノードとするグラフを生成する.本論文では,利用で得られた結果を用いて,本システムが参加者間の関係発見にどのような影響を及ぼしたかを定性的,定量的に明らかにし,今後のシステム設計および研究課題の展望を示す.Academic conferences offer informal as well as formal opportunities to interact with each other. However, the physical appearance of participants and the information printed on their conference badges could not be enough to provide the effective opportunities. We developed "DeaiExplorer", which is an RFID application that discovers interpersonal connections by allowing collocated conference participants to mutually reveal their social networks on a large display device, and deployed it at a recent international conference. The system responds to nearby participants and dynamically derives inter-connected social networks from a publication database. We address the uncovered requirement for the system and challenges with the experience.
著者
磯田 達也 井上 創造 花沢 明俊 野原 康伸 白水 麻子 杉山 康彦 平田 真理 町田 京子 中島 直樹
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.10, pp.2197-2209, 2016-10-15

本研究では,看護師の業務分析のため,33日間にわたり看護師の業務行動データを収集する実験を行い,業務中の看護師の行動の激しさおよび,業務時間に影響を与える要因について分析を行った.データ収集実験では,38人の看護師を被験者に設定して,装着型の小型センサ端末を装着した状態で業務を行ってもらい,加速度データおよび看護師間の対面情報,看護師業務情報を収集した.また,赤外線を用いた情報通信機器によって看護師の位置情報も同時に収集した.本稿では,看護師業務中の行動の激しさを目的変数,看護師業務ごとの回数,対面回数,場所ごとの訪問回数などを説明変数に設定して,決定木(回帰木)を用いた要因分析を行った.その結果,他の看護師との対面回数が多く,病室に何度も訪れている看護師や,リハビリ介助業務や行動介助業務などの患者の介助に関わる業務を行う看護師ほど,行動の激しさが大きくなるという結果を得た.また,業務時間が業務効率に直結していると考え,各業務時間の長さに影響を及ぼす要因について回帰分析によって調べた.その後,単回帰分析により有意水準5%で有意となった説明変数の業務だけを抽出し,その業務に対して決定木を用いた要因分析を行った.単回帰分析の結果,14の業務において有意な結果が得られた.また,決定木による要因分析の結果,ほとんどの業務において他の看護師との対面人数が業務時間に影響を与えていることが分かった.また,食事介助業務中に特定の場所に訪れる看護師ほど業務時間が長くなるという結果を得た.
著者
井上 創造 村上 知子
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.56, no.02, pp.132-133, 2015-01-15
著者
園田 章人 井上 創造 岡 賢一郎 藤崎 伸一郎
出版者
社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.802-810, 2007-02-15
被引用文献数
11

RFID を利用したトリアージのシステムとその実証実験について述べる.トリアージは,1. 負傷者の分別・搬送を効率良く行う,2. 事故の負傷者の程度や規模の情報を得る,ことである.本研究では,RFID タグとモバイルネットワーク機器を利用して,1 および2 を効率的に行うシステムを提案した.また,80 名程度の負傷者を想定したトリアージの実証実験を行った.その結果,負傷者の搬送時間の短縮と,確実かつ迅速な情報収集ができた.A triage system using RFID and its experiment are described. Triage is a procedure used by emergency personnel to ration limited medical resources to massive injured people, in which triage tags, are used to 1: classify and transport the injured effectively, and 2: obtain and publish the state and the scale of the casualty incident. We applied RFID tags and mobile devices with a wireless network to speed up 1 and 2 and to make them accurate, and verified the effectiveness through an experiment assuming massive injured people, and demonstrated that it even accelerates the transportation of the injured people.
著者
河口 信夫 西尾 信彦 角 康之 藤波 香織 寺田 努 井上 創造 川原 圭博 酒造 正樹 大村 廉 羽田 久一
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

大規模データベースの構築を実現するための検討を進め,データ収集のための技術チャレンジであるHASC Challengeを継続的に開催した.また,年齢・性別でバランスさせた被験者を含む行動データ及び構造物内移動データ(HASC-IPSC)を公開した.その結果,当初の目標であった500名を超える被験者のコーパス構築が実現できた.センサ信号処理研究を支えるツールとして,行動信号処理ツール HASC Tool, HASC Logger の開発を行った.国際ワークショップHASCA2013をUbicomp2013の併設ワークショップとして開催した.
著者
安浦 寛人 佐藤 寿倫 松永 裕介 井上 創造 池田 大輔 石田 浩二 馬場 謙介 吉村 正義 ウッディン モハマッド・メスバ 稲永 俊介
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

社会に不可欠になっている「価値」や「信用」を搭載するLSIについて、ディペンダビリティの定義と評価尺度を提案し、その阻害要因の明確化と要因間の関係の解明を行った。また、LSIのディペンダビリティを向上させる対策を提案し、ディペンダブルLSIの設計フローを提示した。独自技術によるICカードを大学の学生証・職員証として発行し、設計から運用まで一貫してディペンダビリティの一万人規模の社会実験を行える環境を実現した。
著者
吉松 直美 星子 奈美 井上 創造
出版者
九州大学附属図書館研究開発室
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.34-39, 2008

平成20年度,九州大学附属図書館において,機関リポジトリを永続的に運用するために必要な人材育成を目的とした講習会が開催された.これは,国立情報学研究所の委託事業によるもので,事業連携大学をはじめとして,北は北海道,南は沖縄からの参加者もあり,学内外から毎回約20名の受講者が参加した.受講者は,html言語やPHP言語等を題材にシステムに関する概念やwebシステム開発の基礎知識と技術を学んだ.全3回,各回2日間(約10時間),講義を受け,演習・発表を行い,次回に向けての宿題も課せられた.また,個人のスキルアップのみでなく,講習会後は受講者が主軸となり,講習会の内容を波及させていったことが今回の講習会の特徴である.
著者
詫間 沙由香 兵藤 健志 牧瀬 ゆかり 南 俊朗 井上 創造 金 銀子
出版者
九州大学附属図書館研究開発室
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.46-55, 2008

2009年2月下旬,ソウル市内外にある2つの大学図書館(ソウル大学校図書館および成均館大学校図書館)と2つの公共図書館(国立中央図書館・国立デジタル図書館および議政府市図書館)を訪問した.これらの図書館では,ICタグなどの最新技術を導入した設備やインフォメーション・コモンズなどの利用者へのサービス空間としての機能の整備状況を見学することができた.図書館をめぐる日本と韓国の環境には社会の仕組みや背景となる文化の相違などがあるものの,多くの類似点もある.韓国の先端的図書館の新しい動きは,これからの日本の図書館の進むべき方向を示唆しているのではなかろうか.
著者
井上 創造 久住 憲嗣
出版者
九州工業大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2009

本研究では,行動センシング,つまり各種センサ機器を用いて現実世界における人間の行動を理解する技術において,1.人間の行動を高精度に判別し,有用な客観的知識を得ること,および2.要求される程度に応じて対象者の個人情報を保護すること,を両立するための基盤技術を研究する.今年度は,グローバル行動情報収集システム「ALKAN」を開発し、実際に運用して大量のデータを集めた.ALKANは,スマートフォン上のソフトウェアおよび、サーバソフトウェアからなり,参加者はスマートフォンを用いて行動を行い加速度センサ情報を蓄積し、ネットワークにつながった時点で行動情報収集サーバに送信します。サーバは、行動情報を蓄積するとともに、参加者の履歴と、被験者全体におけるランキングを作成し参加者に提示する.参加者は、スマートフォンからこれらの情報を閲覧することができ、一日の行動履歴やカロリー消費といった付加機能をサーバ側で追加することもできる。このため、参加者への様々なフィードバックを動的に追加することができ、参加の意欲も高めることができる。我々はALKANをおよそ一年間運用し、約200人から3万件を越す行動データを得ることができた。このデータを用いて行動認識など種々のデータマイニングを行った。既存の行動認識の研究は被験者が多くても数十人程度というのが多いが、人数が増えると既存の手法では精度が悪くなる現象も見られており、行動認識における新たな研究チャレンジをALKANによって開拓できつつある.ALKANシステムを応用し、振り付けやお辞儀の採点システムや、看護士の行動識別、在宅見まもり、農作業自動記録と言った応用分野への適用も始めており、「行動」をキーワードとした幅広い応用が期待できる。さらに、動画との連携機能を付加した、ALKAN2も開発しており、動画と行動情報を同時に共有する新たなWebサービスも開始する予定である。
著者
井上 創造 堀 優子
出版者
九州大学附属図書館研究開発室
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.22-29, 2006
被引用文献数
1

SNS(Social Networking Service)は、利用者間の社会的なつながりを重視したコミュニケーションシステムである。SNSは、図書館のような利用者を相手とするサービスにとって非常に有用である。ところが最近のSNSにおいては、迷惑なメッセージが徐々に増えていることが問題になりつつある。これは、利用者の登録時の認証を、既存利用者からの招待と、有効なメールアドレスを登録するというたった2点にのみ頼っている事が原因であると考えられる。本論文では、SNSを形式的にモデル化し、利用者間の情報アクセスのための基準を表す信頼という概念を導入する。さらにその記述を用いて、「所属による信頼」、「匿名での発言」という新たな信頼の概念を導入する。また特に前者について、所属を確実に認証するための方式を4章で述べ、その実装を示す。
著者
井上 創造 野原 康伸 安浦 寛人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.89, no.5, pp.390-394, 2006-05-01
被引用文献数
3

本稿では,自動認識技術の中でもRFIDを用いたシステムについて,プライバシーと個人情報保護に関する問題を,技術的に明確化することを試みる.近年,RFIDを初めとした自動認識技術が注目されているが,ここで必ずといっていいほどプライバシーが問題にされる.しかし,利用者やRFIDタグベンダやRFIDにかかわる情報システム技術者にとって共通の理解がされているわけではない.本稿ではプライバシーと個人情報保護を区別した上で,匿名性とリンク不能性という性質の異なる概念を導入する.更に既存の技術をこれらの観点及び,システムやRFIDタグのコストの観点から比較する.
著者
池田 大輔 木藤 基樹 馬場 慎也 井上 創造
出版者
九州大学附属図書館研究開発室
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.12-16, 2008-10

著者らは機関リポジトリの概念を拡張し,SNSを用いた認証認可基盤上で機関リポジトリやバージョン管理システムなど他のサービスをゆるやかに連携する研究活動支援のモデルを提案し,プロトタイプを開発してきた.このモデルにおいては,様々なサービスとの連携が鍵になる.本稿では,サービスの一つとして写真共有サービスFlickrとSNSとの連携を行ったので,これについて報告する.
著者
菊田 裕次 井上 創造 岩井原 瑞穂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.31, pp.41-48, 2000-05-02
被引用文献数
1

近年の計算機の処理能力の進歩により, 計算機が大量の情報を処理することが可能になってきた.それに伴い, 利用者が大量の情報を扱わなければならないような機会が増加しつつある.利用者が大量の情報を扱うことを可能にするためには, 情報フィルタリングと情報可視化の手法を効果的に組み合わせて用いることが重要である.つまり, 情報フィルタリングにより重要度がつけられた情報を, 重要度を反映しながら可視化することが要求される.本稿では, 種々の情報視覚化の手法に対し, 個々の視覚化対象の重用度を反映しているかを評価する手法を提案する.我々は, 個々の視覚化対象の重要度をどの程度反映しているかを示す尺度として, 表示達成度を提案し, これにより情報視覚化の手法が重要度をどの程度反映しているかを評価することが可能になった.