著者
伊東 孝 大沢 昌玄 山浦 直人 伊東 孝祐
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

全国の災害復興の実施実態を網羅的に把握した上で、特に関東大震災、飯田大火、静岡大火、山中大火、鳥取大火、室戸台風など災害復興実施都市の復興プロセスの時系列変容過程の把握を行った。また、罹災状況と復興事業の関係(区画整理実施有無)についても把握した。併せて、災害復興を支える組織と技術者について、関東大震災、戦災、旧都市計画法期の災害復興の実態から解明した。当初、民的性格と呼ばれる組合施行で災害復興が行われていたが、事業費や技術者など公共団体からの手厚い支援の下で事業が進められていた。また、関東大震災復興に従事した技術者が、その後発生した災害復興に携わり事業を推進したことが判明した。
著者
上田 幸輝 佐々木 大 田中 宏毅 溝口 孝 伊東 孝浩 内村 大輝 水城 安尋 萩原 博嗣
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.13-15, 2017-03-25 (Released:2017-05-01)
参考文献数
14

症例は43才女性.バイク事故による右脛骨プラトー骨折で創外固定と2回のプレート固定術を施行後,創より浸出液がつづき,培養でMRSEが検出されインプラント周囲感染と診断したが,インプラントが抜去できなかったため,術後2週よりリネゾリド,ミノマイシン,リファンピシンで治療開始した.開始後7日でCRP陰転化,16日で排液がなくなりその後再増悪を認めていない.骨接合術後に感染を生じた際はbiofilmの存在を考慮して,骨髄移行性とバイオフィルム透過性に優れた抗生剤を使用するべきである.
著者
伊東 孝
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.271-276, 1998-05-01 (Released:2010-06-15)
参考文献数
9

鹿児島の五大石橋を架設した肥後の石工;岩永三五郎は、従来石橋の架設者としてその名を知られている。しかし鹿児農の五大石橋問題を契機に、彼の治水技術者としての面も明らかになってきた (昨年の拙稿)。本稿は、熊本県八代地域の七百町新地の干拓、鹿児島市甲突川の中流にある河頭太鼓橋 (これも岩永三五郎の設計) 近くで最近発見された二つの隧道および川内市にある八間川と江之口橋という三地域の事例に焦点をあてて、岩永三五郎の治水技術と治水思想を検討し、総合技術者としての面に光をあてている。
著者
伊東 孝
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.883-888, 1991-10-25 (Released:2020-05-01)
参考文献数
6

THE AUTHOR HAD MADE IT CLEAR THAT THE BRIDGE TYPE DISTRIBUTION IN TOKYO AFTER THE GREAT EARTHQUAKE OF 1923 WAS VERY SYSTEMATICALLY ARRANGED FROM TECHNOLOGICAL AND URBAN DESIGN POINTS OF VIEW. BY USING THE SAME METHOD,THE MAIN RESULTS ARE AS FOLLOWS: 1.THE SEINE AND THE ILE DE LA CITE IN PARIS WAS A MODEL. OF NAKANOSHIMA AREA. THE BRIDGE ARRANGEMENT IN OSAKA APPEARS TO HAVE THE DESIGN HIERARCHY CENTERING AT THE OSAKA CASTLE. 2.THE EMPHASIS AREA IN YOKOHAMA IS CLEAR BY THE DESIGN ANALYSIS OF A BRIDGE NEWEL. 3.THE THOUGHT OF DESIGN HIERARCHY SEEMS TO BE BETWEEN TOKYO AND YOKOHAMA BY THE ANALYSIS OF A BRIDGE TYPE.
著者
伊東 孝洋 陶山 啓子
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48100311, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに、目的】 臨床においては踵部の褥瘡予防を目的としてクッション等を用いて下肢挙上を行うことがあるが、過度な下肢挙上により仙骨部に褥瘡を発症する事例が存在する。また先行研究において膝関節拘縮は仙骨部や踵部に対する褥瘡発生リスクを高める要因の一つとされている。以前から褥瘡予防を目的とした背臥位や30°側臥位などの体位と仙骨部接触圧との関係や膝関節の拘縮が仙骨部接触圧にどのような影響を及ぼすか調査した研究はよく行われている。しかし膝関節屈曲拘縮及び下肢挙上の高さが仙骨部接触圧に与える影響については検討されていない。本研究の目的は膝関節屈曲角度と下肢挙上の高さが、仙骨部接触圧にどのような関連が生じるのか明らかにすることである。【方法】 対象者は20歳から35歳までの健常な成人男性で、BMIが18.5以上25未満の者を対象とした。測定期間は平成23年5月1日~10月31日、測定項目は対象者に対して膝関節角度(0°、30°、50°)と下肢挙上の高さ(0cm、5cm、10cm、15cm、20cm)を変化させ、背臥位におけるそれぞれの仙骨部接触圧を測定した。また対象者の背景(年齢、身長、体重)を調査した。測定方法は仙骨部接触圧をニッタ社製Body Pressure Measurement System(以下BPMSと略す)を用いてベットにマットレス(ケープ社製 アイリス2)を置き、その上にBPMSのセンサーを設置し測定を行った。そして対象者は病衣を着用し、膝関節角度(0°、30°、50°)いずれかに設定したダイアルロック式膝装具 (中村ブレイス社製ラックニリガACL)を装着後、センサー上に背臥位となり、1分間安静を保持した後に全ての膝関節角度と下肢挙上の高さについて、仙骨部最大接触圧を20秒間に1回、計3回測定し平均値を仙骨部接触圧とした。下肢挙上の高さはマットレスから踵部までの距離とし、高さの設定は体圧分散能力のない高さ5cmの足枕とニシスポーツ社製バランスパッド(以下バランスパッド)を用いて設定した。なお下肢挙上時は両下肢を挙上した。 測定において順序効果を相殺するため、膝関節屈曲角度と下肢挙上の高さの順番はランダムに設定した。統計分析はExcel統計2006を用い、膝関節屈曲角度それぞれにおける下肢挙上の高さと仙骨部接触圧との関係をSpearmanの順位相関係数によって求めた。【倫理的配慮、説明と同意】 本研究は愛媛大学大学院医学系研究科看護学専攻研究倫理審査委員会の承認を受け、研究への参加は対象者の自由意志にて行い、書面による同意を得て行った。また個人情報の取り扱いについては氏名についてはコード化し外部に情報流出がないよう十分に留意した。【結果】 本研究に参加した対象者は15名であった。平均年齢は28.6±4.56歳、平均BMIは22.4±1.98であった。それぞれの膝関節屈曲角度における下肢挙上の高さと仙骨部接触圧との関係は、膝関節屈曲0°はr=0.41(p<0.001)、膝関節屈曲30°はr=0.35(p<0.001)、膝関節屈曲50°はr=0.41(p<0.001)であった。 【考察】 膝関節0°、30°、50°それぞれにおいて下肢挙上の高さと仙骨部接触圧に有意な正の相関関係が認められた。理由として下肢挙上により大腿部や下腿部後面とマットレスとの接触面積が減少し、大腿部後面や下腿部後面に係る接触圧が仙骨部へ移動したと考えた。また先行研究において大腿挙上運動によって骨盤は後傾方向へ運動するといわれており、下肢挙上による骨盤の後傾運動が生じ、仙骨部接触圧が増加した可能性が考えられる。【理学療法学研究としての意義】 下肢挙上は血圧低下時や整形外科手術前後などで行われる姿勢であり、臨床においてよく行われる姿勢である。また高齢化を迎えるにあたって膝関節屈曲拘縮を有する患者は今後増加することが考えられる。膝関節屈曲角度及び下肢挙上の高さと仙骨部接触圧との関連を明らかにすることで、仙骨部における褥瘡発生及び予防につながる知見が得られる可能性があり、本研究を行う意義は大きいと考える。
著者
伊東 孝之
出版者
北海道大学
雑誌
スラヴ研究 (ISSN:05626579)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.159-206, 1980-08-28
著者
伊東 孝 石崎 正和
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.69-80, 1993-06-01 (Released:2010-06-15)
参考文献数
7

小泉橋は、多摩川から取水する二ヶ領用水に架けられた江戸時代の石桁橋である。本橋は、明治期および昭和戦前期に、拡築・補強が行われたが、近世の石桁橋が現役で使用されていた希有の事例である。しかし、二ヶ領用水の河川改修の伴って、本橋が架け替えられることになった。そこで、橋の解体発掘調査を進めた結果、架橋に関する古文書が発見されるなど、興味深い特徴が明らかになった。その一つは、橋台壁にも橋脚を設置していること。もう一つは、太鼓落し仕上げの松丸太一本物が、橋軸方向の土台木として橋長よりも長く通されていたことである。これにより、橋全体は、松丸太基礎の上で一つの構造体を構成し、不等沈下に対しても極めて強い構造になっている。本論では、これを “一種の免震構造” と呼んだ。そのほか橋脚の瘤出し装飾、漆喰と平落釘を利用したガタ留め、新しい材料としてのセメントと丸棒の使用、江戸時代の橋普請、架橋費用を捻出した「橋山」、天保の石桁橋と明治の拡築工事の経緯など、小泉橋の構造的・歴史的特徴が明らかになった。
著者
伊東 孝祐 大沢 昌玄 伊東 孝
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D2(土木史) (ISSN:21856532)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.1-11, 2017 (Released:2017-01-20)
参考文献数
101

本研究は今まで明らかにされていなかった1938(昭和13)年度まで予算の割付があった帝都復興事業の事業費および財源の全体像を明らかにするとともに,その後の災害復興への影響を考察することを目的としたものである.また関東大震災の復興計画と関連性が指摘されている後藤新平の八億円計画についても触れる.事業誌ならびに財政に関する資料を整理・分析した結果,i)帝都復興事業の規模は予算総額11億1,125万1,520 円,支出総額10億6,490万2,580円であったこと,ii)財源は,国は公債,地方は公債・国庫補助金・国庫貸付金が主であったこと,iii)地方執行事業に対して国庫補助,大蔵省預金部による低利融資,復興事業債への利子補給,外国債発行に対する元利保証といった財政的支援があったこと,を明らかにした.
著者
増田 亜希子 伊東 孝通 和田 麻衣子 日高 らん 古江 増隆
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.78, no.4, pp.353-355, 2016

<p>27 歳,女性。小児期よりアトピー性皮膚炎に罹患していた。初診の 6 年前より夫の精液付着部位に蕁麻疹と瘙痒を認めた。その後,避妊具なしで性交した際に全身に蕁麻疹を認め,呼吸困難も出現した。同様のエピソードが過去 2 回あった。避妊具を使用した性交渉では同様の症状を生じたことはなかった。近医を受診し,精漿アレルギーの疑いで当科を紹介され受診した。10 倍から1000 倍に希釈した夫の精漿を用いたプリックテストでは,検査した全ての濃度で紅斑と膨疹が出現した。本疾患は精漿中に存在する前立腺由来の糖蛋白に対するⅠ型アレルギー反応であると考えられている。精漿アレルギーの患者の半数以上にアトピー性皮膚炎の既往があると報告されており,皮膚バリア機能の障害による経皮感作が発症に重要な役割を担っていることが推察される。本疾患は皮膚科領域での報告は比較的稀であるが,アトピー性皮膚炎関連アレルギー疾患の一つとして位置づけることができると考え報告した。</p>
著者
片桐 正夫 石澤 良昭 上野 邦一 藁谷 哲也 畔柳 昭雄 重枝 豊 清水 五郎 伊東 孝 坪井 善道 重枝 豊 伊東 孝 畔柳 昭雄 坪井 善道 藁谷 哲也 石澤 良昭 上野 邦一 伊豆原 月絵 大山 亜紀子 小島 陽子 チェン ラター 加藤 久美子 長澤 紘人 木下 洋道 勝原 基貴 有川 慎一郎 ロス ボラット ブリュノ ダジャンス ブリーノ ブルギエ イム ソックリティ 三輪 悟
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

王道(幹線古道)の踏査、および沿道遺構の実測を含むデータの収集により、(1) 王道及び遺構の建築的編年指標から建造年代の確定、技術的特徴の解明、これによる地域別の差異、技術者集団の存在について、(2) 各道の整備の編年、役割についての考察(Bルートでは現タイピマーイへ、Cルートではプリア・ヴィヘア、現ラオスワット・プーなどへの聖地巡礼、Dルートでは鉄資源の確保や生産地を結ぶなど)が可能となった。
著者
伊東 孝之 前田 弘毅 久保 慶一
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、セルビアからのコソボ独立問題とグルジアからの南オセチア・アブハジア独立問題という2つの紛争事例を調査し、共通性と差異を浮き彫りにしつつ、両者の間の相互作用にも注目し、今後の国際政治に与える影響を分析することを目的としていた。具体的には、(1)紛争の背景、(2)紛争の推移、(3)国際関係と国際関係主体に対する影響の3点について、現地調査も踏まえて比較分析を進めた。各計画年度に多くの現地調査を実施し、現地から研究者を招聘し、研究会を開催し、研究成果を公表してきた。比較研究の総合化へは道半ばであるが、政治学や国際関係論、歴史学など様々なディシプリンの成果を援用しつつ、紛争を複数の視点から考察することの意義と有用性については、三年間の間で本研究参加者の間で共通の認識を得ることができたと考える。本研究の成果は今後のより地域横断的かつ総合的な研究に活かされていくことが期待される。
著者
伊東 孝之
出版者
北海道大学
雑誌
スラヴ研究 (ISSN:05626579)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.135-190, 1978-03-25
著者
伊東 孝郎
出版者
白鴎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、志願学生をピア・サポート・スタッフとして育成することを主眼とし、ビデオを用いたカウンセリング体験学習の方法に基づく新トレーニング方法を開発することが目的である。過去2年間で12名の志願者に対しトレーニングを実施したが、量的評価と自由記述を通しての効果測定の結果も良好であり、また実際に彼らが開始したピア・サポート活動の観察結果から、技能面でも意欲面でも高いレベルを維持し、思いやりの心をもって活動していることが確認できたため、今年度も昨年度までと同様のトレーニングを実施することとした。今年度は2名がトレーニングに参加したが、トレーニング出席率は昨年度までよりも減少した。2名という少人数のグループサイズでは、観察学習の機会が得にくく、モチベーションの維持が難しいこと、人間関係もそれ以上広がりようがなく、仲間意識も芽生えにくいことなどが予想され、昨年度の人数である4名程度は少なくとも必要ではないかと思われた。トレーニングの成果としてのピア・サポート活動は、順調に進んだ。特に平成19年度には、相談件数が前年度の8件から109件へと急増した。その多くは4月に行われ、学業や施設案内などについての情報提供型活動が中心だったが、5月以降になると件数はさほど多くないものの、多岐にわたる内容の直接相談活動が中心となった。なお活動自体もカンファレンスも、貴重なトレーニングの場となっていた。これまで広島大学訪問、名古屋大学との意見交換の結果を、ピア・サポート活動の参考としてきたが、今年度は新たにニューヨーク大学を訪れ、ピア・エデュケーションのスーパーバイザー兼トレーニングプログラム開発者らと意見交換を行ったところ、本研究のトレーニングに対して高い評価を得た。