著者
伊藤 公雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.84, no.10, pp.680-686, 1989-10-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
37
被引用文献数
2 2

日本で少なくとも1,300年以上の歴史を有する味噌は極めて素朴な道具と設備で開放条件下で醸造され, 保管されてきたので, 常に微生物汚染の危険に曝されてきた。また, 調理法も味噌汁という加熱処理を経たもの以外に直接生の状態の使用もかなりあったし, 現在もこの食形態は日常茶飯事である。にもかかわらず, 味噌が食中毒の原因となった事例は聴かない。しかしながら, 最近は低塩化, ルー化など味噌は多様化しつつあり, この際味噌の衛生細菌汚染の実態とその可能性について予め調べておくことが, 食品衛生上必要である。
著者
金子 克哉 伊藤 公一 安部 祐一
出版者
特定非営利活動法人日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.109-118, 2010-04-30
参考文献数
10

Monitoring of volcanic phenomena close to active volcanic vents and inside active craters is needed to predict change of volcanic activities and to understand dynamics of volcanic eruptions. In order to carry out safe volcanic monitoring, we have developed a prototype of a mobile sensor for volcanic observation "HOMURA" which is a new robotic system that has been designed to observe volcanic phenomena inside active volcanic craters. HOMURA is a small unmanned ground vehicle (approx. 780×560×300mm in dimension and 10kg in weight) with six wheels driven by electric motors and it is operated by wireless remote control at a distance of more than 1km. Data measured by some sensors in HOMURA are sent to the base station in real time. Materials of the vehicle body and wheels are aluminum with 2mm thick and plywood with 9mm thick, respectively. HOMURA can climb up and down a rough surface with slope angle of 30 degree. In addition, HOMURA does not readily become undrivable even in overturning during climbing because it has a unique body shape with a horizontal symmetry plane. HOMURA can be made and transported to mission fields at small costs. These allow us to make a new vehicle even if HOMURA should be lost by accident during missions and promptly to explore a sudden volcanic event by HOMURA. In test campaigns at Aso volcano and Izu-Oshima volcano, we confirmed that HOMURA has planned abilities on moving on rough surfaces and wireless communication.
著者
高見 博 伊藤 公一
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.230-233, 2012 (Released:2013-03-31)
参考文献数
13

我が国の分化型甲状腺癌に対しての放射性ヨード内用療法は年々,実施数が増えてきている。しかし,実施に必要な放射線治療病室が少なく,その稼動病室も減少してきているため,患者の待機期間が長くなってきている。しかし近年,内用療法を取り巻く環境が変わってきた。一つは,遠隔転移のない全摘術後の患者には1,110MBq(30mCi)投与の残存甲状腺に対するアブレーションが外来で実施可能となった。さらにリコンビナントヒトTSH(rhTSH,タイロゲンⓇ)にアブレーションの補助としての効能追加が認められたことである。今後,タイロゲンを併用することで,患者のQOLを低下させずにアブレーションを実施できることが期待される。
著者
栗原 崇 伊藤 公紀 亀山 秀雄
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会誌
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.61-72, 2012

世界の国々を取り巻く気候変動問題は、地球温暖化対策やカーボン市場などの環境ビジネスを牽引する西洋諸国が主導権を握る状況にある。背景にある「気候変動は人為的CO2排出が原因」という要因の単純化は、西洋メンタリティが関与していると考える。このような単純化は、非効率的かつ非効果的な対策に繋がり、社会のレジリエンスを低くする。本稿では、東洋的なリスクマネジメントを可能にするP2Mフレームワークの形成を目指して、西洋主導の気候政策にP2M手法を適用する。これにより、気候変動に対して高レジリエンスな社会の構築に資する。具体的には、方法論としてのアジア的アプローチに関する議論を通じて、西洋的及び東洋的アプローチの各利点を生かすことにより、気候変動政策に対する中庸的リスクマネジメントを従来のP2M線形モデルから導くための考察を行う。
著者
芹沢 浩 雨宮 隆 伊藤 公紀
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.405-420, 2011 (Released:2012-09-01)
参考文献数
15

エントロピーに関しては,その増減を支配する2つの重要な法則がある.外界から隔絶された閉鎖系で成り立つ熱力学の第2法則と物質やエネルギーが絶えず出入りする開放系で成り立つエントロピー生成率最大化(MEP)の原理である.前者はエントロピー増大の法則として以前よりよく知られているが,後者は近年の非平衡熱力学,複雑系研究の成果として得られた新たな知見で,社会科学の研究者の間で,その存在を知っている人はそれほど多くない.エントロピーについて深く理解するためには双方を熟知している必要があり,前者だけではエントロピーの破壊的な側面は理解できても,創造的な側面は見落とされてしまう.本論文はあまり知られていないMEP原理に焦点を当て,それを社会科学に移植する試みである.簡単な人間社会モデルによってMEP原理の基本的な考え方を説明した後に,社会現象においてもこれが機能すると仮定し,地球上に存在する社会形態の多様性とMEP原理の関連を考察する.
著者
伊藤 公雄
出版者
社会学研究会
雑誌
ソシオロジ (ISSN:05841380)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.6-16,182, 1991-06-30 (Released:2017-02-15)

In the field of sociology, the problem of body has been nearly disregarded for a long time. But nowadays the bodies are going to draw more and more attention sociologically. From the medical sociology to the sociology of sexality, from the sociology of sports to the dramaturugical sociology.... , the human body is about to appear as an unavoidable sociological subjects. In this paper, I don't intend to construct a new paradigms of body sociology. I only try to make a sketch of body-theory tradition - from Descarte, Vico, Marx, Merleau-Ponty to Goffman, Foucault, Bourdieu and others. Doing so, I classify a great variety of body theories from the viewpoints of their subjects and their perspectives into a following figure.
著者
北川 亘 長濵 充二 杉野 公則 伊藤 公一
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.17-22, 2017 (Released:2017-04-28)
参考文献数
16

穿刺吸引細胞診は,甲状腺腫瘍の診断に欠くことができない検査である。しかし,その手技や検体処理の仕方によっては,検体不適正率が上がり穿刺吸引細胞診を再検する必要が出てくる。穿刺吸引細胞診では十分な量の細胞を採取し,迅速・的確に適正な標本を作製する必要がある。重要なことは,すべてUSガイド下に診断に適した部位から選択的に細胞を採取すること,細胞診成績を左右するので,検体処理を速やかに固定まで丁寧に行うことである。穿刺吸引細胞診の適応と当院で施行しているUS guided FNAの手技とそのコツを述べた。また,通常の塗抹標本以外にLBCやメンブレンフィルターを用いる検体処理の工夫をすることによって,検体不適正率は減少する。
著者
小川 隆雄 栗原 崇 伊藤 公紀
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会誌
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.45-55, 2014

第18回気候変動枠組条約締約国会議(COP18)は2012年末に開催され、2020年から新たな枠組みを開始することが合意された。次期枠組みでは途上国の参加が鍵となるが、途上国の削減行動の実効性を高めるために導入されたのがMRV(測定・報告・検証)制度である。MRV制度については2007年から検討されてきたが、具体的な実施方法は未定である。本稿では、MRV制度の検討にはP2M理論によるアプローチが適していると考え、3Sモデルを適用しMRV制度の実行スキームモデルの構築を行った。具体的には、民間主導により世界で広く実施され、MRV制度と共通の構造(PDCAサイクル)を持つISO認証制度を利用することで、途上国にも受け入れが容易でかつ実効性の高い国際枠組み(ISO-MRV)の構築を試みた。

6 0 0 0 OA 甲状腺癌登録

著者
伊藤 公一
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.34-38, 2014 (Released:2014-04-30)
参考文献数
12

甲状腺悪性腫瘍登録として甲状腺悪性腫瘍全国登録(UICC),地域がん登録,National Clinical Database(NCD)の3種が存在するが,そもそもの目的が異なるために,不一致,無駄な作業が多数存在し,現場の登録業務で問題が山積している。そこで,それぞれの経緯,現状を調べ,登録項目の詳細を分析した。それらが効率よく整理,省力化されたうえで,長年に渡り日本甲状腺外科学会が管轄し,諸般の事情で8年前より休止中であるUICCの円滑な復活に繋げたい。
著者
吉田 純 高橋 三郎 高橋 由典 伊藤 公雄 新田 光子 島田 真杉 河野 仁 植野 真澄 田中 雅一 Fruhstuck Sabine Dandeker Christopher Kummel Gerhard Patalano Alessio
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

現代日本のミリタリー・カルチャーの2つの構成要素、すなわち、(a)メディア・大衆文化に表現される戦争・軍事組織のイメージ、(b)軍事組織(自衛隊)に固有の文化について、平成26年度には歴史社会学的観点から、平成27~28年度には比較社会学的観点から、それぞれ調査研究を実施した。研究方法としては、インターネット意識調査、文献調査、映像資料調査、博物館・資料館等の現地調査、および関連研究者・実務者へのインタビュー調査等の方法をとった。これらの調査研究で得られた知見を総合した研究成果を、平成29年度中に、研究代表者・分担者の共著として出版予定である。
著者
窪田 譲 伊藤 公雄 望月 務
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.12, pp.821-826, 1981-12-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
7
被引用文献数
1

昔から味噌によって起きた食中毒事故の報告はなく, この面から安全な食品として高く評価され親しまれてきたが, 最近消費者の嗜好が多様化したこと, また保建上のことなどから味噌の食塩濃度が低くなる傾向にあるために, 一部の人々の間から味噌の菌学的安全性について心配する声は聞くようになった。食塩が安全匪保持のために果たしている意義は大きいとはいえ, 食塩によることが総べてではなく他に抑制因子の存在することが考えられるので検討した結果, 水素イオン濃度 (pH), 生成アルコール (量), 水分活性値 (Aw)の3事項が重要な鍵を握り, 単独か, また一部か全部が組合わされて, 衛生細菌の増殖抑制に働くものであって更にこれらに食塩が加わればその濃度に比例して抑制力が増強されることが明らかになった。稿を終るにあたり所員の皆様のご援助に感謝します。
著者
伊藤 公雄
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.75-88, 2000-06-30 (Released:2016-09-30)
参考文献数
25

「カルチュラル・スタディーズとは何か」。この問いかけに対して、簡略に語ることはむずかしい。というのも、この研究スタイルはひとつの声で語ることがないし、またひとつの声で語ることができないからだ。また、ここには、二〇世紀後半の多様な知的潮流や政治的な流れが合流しているからでもある。本稿は、こうしたカルチュラル・スタディーズの輪郭を、その来歴を溯って描く試みである。カルチュラル・スタディーズの背後には、1960年代のニューレフトの影響が明らかに存在している。と同時に、イギリスにおける文化主義との結び付きもまた明らかなことだ。さらには、構造主義やポスト構造主義といった現代の思想潮流の積極的吸収も、この研究スタイルの特徴だろう。また、カルチュラル・スタディーズの登場は、グローバライゼーションやポストモダンと呼ばれる現代社会の変容とも密接に関連している。カルチュラル・スタディーズの輪郭を探るなかで、カルチュラル・スタディーズが、私たちに、つまり、社会学に何を提起しようとしているのかについて考えてみたい。