著者
志村 政留 伊藤 公一 上野 公志 葛西 晴雄 寺川 隆成
出版者
日本ハイパーサーミア学会
雑誌
日本ハイパーサーミア学会誌 (ISSN:09112529)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.115-125, 1992

We investigated SAR (specific absorption rate) and temperature distributions produced by two different types of hexagonal array applicators. The array applicators were composed of coaxial-slot antennas used for microwave cancer therapy. One array applicator was made of 6 antennas which were placed at apexes of a hexagon. The other array consisted of 6 antennas at apexes and one at the center of the hexagon. The side of the hexagon was chosen to be 3 cm long. The 6-antenna array driven inphase at 430 MHz had a narrow region where the normalized SAR was more than 50%. This may cause a hot spot during hyperthermia treatments. The 7-antenna array driven in-phase provided wider and more uniform heating patterns. Temperature patterns calculated from the SAR patterns agreed well with experimental ones. Finally, we proposed 'heating volume' to evaluate the heating characteristics of the hexagonal arrays.
著者
宇野 由美子 齊藤 一幸 高橋 応明 伊藤 公一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.93, no.2, pp.278-285, 2010-02-01
参考文献数
16
被引用文献数
2

人体近傍で用いられる機器のアンテナの設計では,人体との相互作用を考慮することが重要であり,その影響を評価する際には,人体の組織構造を簡易化した均質ファントムを用いた検討が一般的である.しかしながら,均質なモデルを用いることの妥当性の検討例は少ない.本論文では,2〜10GHzにおける人体の組織構造がアンテナ特性に与える影響の基礎的な検討として,均質媒質モデルと人体の組織構造を考慮した層構造モデルの近傍に半波長ダイポールアンテナを配置し,それらの人体構造の差異がアンテナ特性に与える影響について定量的に評価した.また,実験により数値計算の妥当性を確認するために,広帯域層構造ファントムの開発を行った.その結果,アンテナをファントムから0.3λ以上に配置した際の両モデル間の入力特性,放射指向性,放射効率の差異は小さいことを確認した.しかしながら,アンテナとファントム間の距離が0.1λの場合の両モデル間の差異は,VSWRは0.1以上,放射効率は15%以上あるなど,アンテナ特性の差異が大きいことを確認した.
著者
島村 沙矢香 菅野 直之 岡部 茂子 山内 桂子 伊藤 公一
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.191-196, 2011 (Released:2012-04-12)
参考文献数
15

本研究は, 患者が超音波歯ブラシを購入し, 歯科衛生士などから口腔清掃指導を受けることなく独自に使用することを想定し, 超音波歯ブラシに添付された説明書を一読しただけで, どの程度のプラーク除去効果が得られるかを手用歯ブラシのプラーク除去効果と比較検討した。被験者は日本大学歯学部付属歯科病院の事務職員, 男性10名, 女性20名で, 過去に口腔清掃指導を受けたことがない者とした。研究開始より1週目は手用歯ブラシを, 2週目は超音波歯ブラシを使用した。両歯ブラシを使用した際のO'Learyらのプラークコントロールレコード(PCR)は, 手用歯ブラシ(47.2±10.9%)と超音波歯ブラシ(45.0±13.5%)との間で統計学的有意差は認められなかった。部位別のPCRも両歯ブラシ間に有意差は認められなかった。超音波歯ブラシにおいてPCRの低い人は, 手用歯ブラシにおいてもPCRは低く, 超音波歯ブラシにおいてPCRの高い人は手用歯ブラシでもPCRが高いという結果が得られ, 手用歯ブラシと超音波歯ブラシのPCRに統計学的に有意な相関関係が認められた(P<0.01)。本結果から, 手用歯ブラシから超音波歯ブラシに変更する際に説明書を一読しただけでは, 有意な口腔清掃効果の改善はみられず, 口腔清掃用具の選択よりもブラッシング手技の向上が, 口腔清掃の改善に重要であることが示唆された。日本歯周病学会会誌(日歯周誌)53(3) : 191-196, 2011
著者
安藤 和敏 伊藤 公人 甲斐 充彦 前田 恭伸 関谷 和之
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.315-321, 2012-06-01

静岡大学工学部システム工学科で開講している授業科目「プログラムコンテスト」において,敢闘賞の決定を最短距離DEAによって行った.プログラムコンテストはグループで協調して自発的に学習に取り組むProblem Based Learningの1つであり,コンテスト形式は各グループが互いに競争して研鑽する仕掛けの1つである.競争の前提として,グループの能力が均一であることが望まれるが,グループ編成の実務上では実現困難である.どのグループも質の高いグループ活動を最後まで持続しコンテストに意欲的に参加することを期待し,2011年度から「敢闘賞」を新設した.新設の経緯と「敢闘賞」決定に用いたDEA,そしてその評価結果を報告する.
著者
藤井 勝之 伊藤 公一 田島 茂
出版者
The Institute of Image Information and Television Engineers
雑誌
映像情報メディア学会大会講演予稿集
巻号頁・発行日
pp.140, 2003 (Released:2004-03-26)

Studies of wearable computers have attracted public attention in these days. And one of the area of interest is the communication system adopted in those wearable computers. As anexample, wearable devices which use the human body as a transmission channel, have been developed. This communication system uses near field region of the electromagnetic wave generated by the device which is eventually coupled to human body by electrodes. However, little is known about the transmission mechanism of such devices in the physical layer. In this paper, we proposed calculation model of the transmitter attached to the arm of whole body in radio anechoic chamber using the FDTD method. From this model, we estimated the electric field distribution around the human body.
著者
矢澤 修次郎 伊藤 公雄 長谷川 公一 町村 敬志 篠原 千佳 油井 清光 野宮 大志郎 山本 英弘 細萱 伸子 陳 立行 金井 雅之 L.A Thompson 菊澤 佐江子 西原 和久 Pauline Kent
出版者
成城大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

二つのこれまでに行われたことの無い質問紙調査を行い、世界における社会学の国際化に関する基礎データを取得することができた。そのデータを分析することによって、ヨーロッパ社会学と東アジア社会学の間には社会学の国際化に関してはそれほど大きな差は認められないこと、しかし社会学の国際化の形態に関しては、ヨーロッパの場合には国際化が研究者のキャリアにおいて通常のことになっているのに対して、東アジアでは最大限のコミットメントを要する出来事であること、また東アジア内部では、台湾・韓国タイプ(留学と研究者になることがセットである)と中国・日本タイプ(両者がセットではない)とが分かれることが明らかになった。
著者
内藤 喜之 関 一 小林 暁 伊藤 公一 亀井 宏行
出版者
東京工業大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1992

FM-CW(周波数変調-連続波)レーダーは、周波数検出方式なので、微弱な反射もとらえ易いと考えられるので、土層の判別能力もパルスレーダより優れていると考えられる。また、アンテナの周波数帯域内に、発信周波数を収めることもできるので、リンギングも抑えられ明瞭な画像が得られると期待される。本研究では、まずFM-CWレーダの試作からはじめた。スロットアンテナを用いた500MHz〜1GHz帯域のレーダ,300MHz〜500MHz帯域のレーダなどを試作し実験を重ね、最終的には中心周波数300MHzのボウタイアンテナを用いたFM-CWレーダシステムを完成させた。このFM-CWレーダは、送受別体の2台のアンテナを持ち、発信周波数は、100MHzから500MHzの400MHzの帯域で、三角波状に周波数変調をかける。この三角波の周期は、5msec,10msec,50msec,100msecの4種類を選択できる。走査する時は、車輪のついた台車の上に乗せて引くか、そりに固定して牽引する。変調三角波の周期は50msecを用いた場合、周波数変調速度は16Hz/nsec(=400MHz/25msec)となり、パルスレーダで30nsecの深さ(土の比誘電率25とした時90cmの深さに対応)はFM-CWレーダでは、480Hzに対応する。このレーダを用い、長崎県壱岐郡原の辻遺跡、茨城県ひたちなか市殿塚1号墳、宮崎県西都市都原古墳群横穴墓、岐阜県大垣市昼飯大塚古墳、大阪府岸和田市久米田貝吹山古墳、岐阜県養老町象鼻山1号墳などで探査実験を行った。とくに原の辻遺跡では、従来のパルスレーダでは捕らえられなかった水田下の環濠がFM-CWレーダでは捕らえることができ、このレーダの土層判別能力の優位性が証明された。また、土の誘電率を現場で直接測定する方法として、同軸ダイポールアンテナやモノポールアンテナを直接大地に刺入して反射係数から推定する方法を開発した。
著者
米澤 弘毅 五十嵐 学 伊藤 公人
雑誌
研究報告バイオ情報学(BIO)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.22, pp.1-5, 2012-06-21

近年,インフルエンザをはじめ様々な病原体の遺伝子情報が大量に蓄積されつつある.データセットの増大に伴い,配列解析にかかる計算コストが急増している.また,疫学調査活動の差異により,データセットは調査地域や年代に関して大きなサンプリングバイアスを含む.本研究では,進化系統樹を利用してサンプリング密度の高い配列を適宜取り除くリサンプリングアルゴリズムを提案し,その性能を比較実験により評価する.Recently a large number of nucleotide sequences of various pathogens are available in public databases. The growth of the datasets has resulted in an enormous increase in computational costs. Moreover, due to differences in surveillance activities, the number of sequences found in databases varies from one country to another and from year to year. Therefore it is important to study resampling methods to reduce the sampling bias. In this paper we propose a novel algorithm-called the closest-neighbor trimming method-that resamples a given number of sequences from a large nucleotide sequence dataset. We compare the performance of the proposed algorithm with other algorithms by using the nucleotide sequences of human H3N2 influenza viruses.
著者
加藤 智之 伊藤 公佑 越島 一郎 梅田 富雄
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会研究発表大会予稿集 2017 秋季 (ISSN:24320382)
巻号頁・発行日
pp.153-161, 2017 (Released:2017-10-12)
参考文献数
9

製品イノベーションマネジメントの領域では、製品を生み出すプロセスをいかにマネジメントするかという問題を基盤として議論されている。しかしながら、製品ライフサイクルが短縮化され、顧客価値が多様化されている状況下において、製品開発のマネジメントをするだけでは顧客に価値を伝達できないこともある。そこで、製品が提供する価値を顧客が享受できるよう仕向けることが必要となる。本論文では、顧客に価値を享受するよう仕向けることをユーザーイノベーションと定義し、ユーザーイノベーションのために検討しなければならない問題意識とマネジメントするための前提となる考え方について議論する。
著者
伊藤 公訓 佐藤 貴一
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.63, no.12, pp.2433-2440, 2021 (Released:2021-12-20)
参考文献数
43

本邦における消化性潰瘍の2大要因は,H. pylori感染,およびNSAIDsなどの薬剤服用である.従って,前者に対してはH. pylori除菌治療が,後者に対しては薬剤服用中止が根本的な治療法になる.薬物治療ではプロトンポンプ阻害薬などの酸分泌抑制が重要な役割を演じることに異論の余地はないが,近年多くの臨床的エビデンスが蓄積されてきた.とりわけ,抗血栓薬服用者に対しての出血性潰瘍予防について多くの臨床研究結果が示されており,それらに基づく効果的な治療戦略の再構築が求められる.一方,特発性消化性潰瘍は近年報告例が増えており,有効な治療法確立が急務となっている.
著者
伊藤 公夫 松橋 亮 加藤 敏朗 三木 理 紀平 寛
出版者
Japan Society of Corrosion Engineering
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.285-291, 2001-06-15 (Released:2011-12-15)
参考文献数
20
被引用文献数
6 5

Potential ennoblement for stainless steel in natural seawater was analyzed. Open circuit potentials (OCPs) of platinum, gold, palladium, chromium, titanium and nickel ennobled in natural seawater as well as stainless steel, SUS 304 (18Cr-8Ni). Potential ennoblement is not a specific event to only stainless steel. Marine biofilm clearly caused potential ennoblement. Cathodic polarization curves for the ennobled stainless steel elucidated that there were two distinct reduction current increases. One is the limited diffusion current of dissolved oxygen reduction below -500mV vs. Ag/AgCl (KClsat). The other reduction current around 0mV vs. Ag/AgCl (KClsat) was considered to be hydrogen peroxide reduction current in acidic condition. Synergistic effect of hydrogen peroxide and low pH in artificial seawater carried out high OCP of stainless steel like that in natural seawater. Therefore, we concluded that synergistic effect of hydrogen peroxide production and low pH by marine microorganisms is possible cause for potential ennoblement in natural seawater.
著者
伊藤 公雄
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.6_15-6_18, 2021-06-01 (Released:2021-10-22)

2018年12月に開催された第1回目の地方学術会議「日本学術会議 in 京都」について、①地方学術会議の京都での位置づけや会議の名称の決定にいたるプロセス、②開催にいたる経過、③実際の会議の内容、④成果と課題、について述べる。
著者
伊藤 公平 田久 賢一郎
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.70, no.10, pp.1187-1190, 2001-10-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
11
被引用文献数
1

通常のSi結晶中には28Si,29Si,30Siの3種類の質量および核スピン数が異なる安定同位体が存在し,それぞれの組成比は92.2%(28Si),4.7%(29Si),3.1%(30Si)と常に一定である.この組成を変化させたSi結晶を作製することで,さまざまな物性の改質・制御が実現する.最近では同位体組成や分布を原子レベルで制御する結晶成長法も確立され,今後の半導体素子の発展に「半導体同位体工学」が大きく寄与することが期待される.本稿では,半導体同位体工学に基づく高熱伝導Siウエハーの実現を紹介した後,将来のSi同位体工学の役割を議論する.