著者
伊藤 敏幸 佐藤 俊夫 藤沢 有
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1987, no.7, pp.1414-1423, 1987-07-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
51
被引用文献数
8

α-位にメチルチオ基を導入したβ-ケトエステル類をパン酵母で還元すると,3-位がS-配置であるヒドロキシエステルがきわめて高い光学純度で得られることを見いだした。また,β-ケトジチオカルボン酸エステルのパン酵母還元では,とくにα-位に置換基を導入する.とβ-位のエナンチオ選択性のみならずα-位とβ-位のジアステレオ選択性も対応するカルボン酸エステルのパン酵母還元の場合にくらべていちじるしく向上することを明らかにした。このようにして得られた光学的に純粋なβ-ヒドロキシエステルは硫黄官能基の反応性の特長を活かして,マツハバチの性フェロモンである(2S,3S,7S)-2-アセトキシ-3,7-ジメチルペンタデカンを簡便な工程で立体選択的に合成することができた。
著者
竹本 正明 浅賀 知也 金 崇豪 宮崎 真奈美 中野 貴明 広海 亮 稲村 宏紀 山本 晃永 伊藤 敏孝
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.516-520, 2017-06-30 (Released:2017-06-30)
参考文献数
7

背景:現在日本では高齢者が増加しており,高齢者の救急搬送数そして高齢者施設からの救急搬送数も年々増加している。目的:高齢者施設からの救急搬送例を検証し,その傾向と問題点を検討した。方法:2014年1月から2015年12月までの24カ月間に高齢者施設から当院救急外来に救急車で搬送された患者を対象として後ろ向きの研究を行った。結果:症例は715例。平均年齢は85.3歳であった。中等症以上の症例は67.0%であった。搬送元としては特別養護老人ホーム,介護老人保健施設,介護付き有料老人ホームが多かった。搬送理由としては心肺停止49件,内因性591件,外因性75件であった。内因性疾患の中等症以上の割合は69.5%であり,外因性では中等症以上が26.7%であった。考察:明らかに緊急度が低い症例も散見され,とくに外傷では念のための受診を目的とした救急要請も多いと考えられた。不要な救急要請を減らすためにも各高齢者施設ではかかりつけ医との連携を深め,患者の緊急性の要否を判断ができる状況をつくる必要があると考えた。
著者
風間 隆宏 中村 隆 伊藤 敏朗 大塚 浩二 佐藤 勝弘 今津 雄吾
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.1356-1360, 2006
被引用文献数
5

津波による船舶被害軽減のための避難海域設定手法について検討を行った. まず, 中央防災会議各専門調査会によって公開されている「海岸での津波高さ」を用いて, 簡易的に避難海域水深を設定する手法を提案し, 気仙沼湾を対象とした津波シミュレーション結果と比較した結果, その妥当性を確認した. また気仙沼湾において避難海域への到着可否を検討した結果, 湾奥部から避難の場合は, 避難海域に到達する前に津波に遭遇する可能性があることが認められた. さらに人命第一を考えた船舶避難行動に関する考え方を提示し, 避難海域及び避難行動のルールは地域の実情を踏まえ関係者が協議し設定することの重要性を指摘した.
著者
伊藤 敏子
出版者
教育哲学会
雑誌
教育哲学研究 (ISSN:03873153)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.84, pp.54-70, 2001-11-10 (Released:2009-09-04)
参考文献数
84

Inmitten der sogenannten “Epoche der Reformpädagogik” gründete Hermann Lietz die Landerziehungsheim-Bewegung, deren Hauptanliegen in der religios-sittlichen Neugeburt durch die Erziehung bestand. Diese Bewegung bescherte den Zoglingen, im strengen Unterschied zur herkommlichen Unterrichtsschule der “dekadenten” sädtischen Zivilisation, gemeinschaftliche ländliche Erziehungsheime zur Bildung von “harmonischen, selbständigen Charakteren”, deren “innerliche Erbauung” in der Gemeinschaft auf das Reich Gottes ausgericht war.Die Landerziehungsheim-Bewegung weckte am Anfang des 20. Jahrhunderts auch in Japan ein folgenreiches Interesse und führte zur Gründung eines Dutzends von Reformschulen. Diese Schulen legten großen Wert auf die innerliche Erbauung, oft in einem synkretistischen Geist zwischen Christentum und Buddhismus, wofür die Schule Kuniyoshi Obaras ein gutes Beispiel ist. Der imperialistische Zeitgeist verhinderte zwar eine unvoreingenommene Rezeption der christlichen Erziehungsideale, ihr Einklang mit den Idealen einer buddhistischer Gläubigkeit in der Vorstellung der innerlichen Erbauung hatte jedoch einen nachhaltigen Einfluß auf die Gemütsbildung.Die Religiosiät der Landerziehungsheim-Bewegung grenzte sich sowohl bei Lietz als auch bei Obara von der Orthodoxie ab. In der individualisierenden “innerlichen Erbauung” findet sich immer eine “religiose” Kosmologie, die sich vom bestehenden System abgrenzt. Die kollektivierende “innerliche Erbauung” ist hingegen stets mit einem “religiosen” Volksideal verbunden, das auf einen historischen Heros ausgerichtet ist.
著者
伊藤 敏子
出版者
教育哲学会
雑誌
教育哲学研究 (ISSN:03873153)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.76, pp.15-29, 1997-11-10 (Released:2009-09-04)
参考文献数
37

Der Begriff der “Anschauung” ist in der Pädagogik Pestalozzis zentral. Dieser Begriff ist in einem doppelten Sinne zweigliedrig. Erstens gliedert er sich nach der äusseren und der inneren Anschauung, zweitens besteht die innere Anschauung wiederum aus der “mich anse-henden” inneren Anschauung und der “Gott ansehenden” inneren Anschauung. Die vor-liegende Arbeit geht dem Entstehungsund dem Verstärkungsprozess dieses Begriffs nach. Das Hauptinteresse gilt den verschiedenen Ideen, von denen der Anschauungsbegriff in ver-schiedenen Phasen seiner Genese beeinflusst wurde. Bezüglich der äusseren Anschauung steht der Einfluss des Sensualismus im Zentrum. Die von Pestalozzi zitierten Bucher belegen, dass er sich in der Entstehungsphase seiner Anschauungslehre mit dem deutschen Sensualismus auseinandersetzte, während er in der Verstärkungsphase der Anschauungslehre den franzasischen Sensualismus bevorzugte. Bezüglich der inneren Anschauung wird die Betonung des Gemüts eingehend untersucht. Obgleich Pestalozzi zu keiner Zeit seines Lebens konfesionell gebunden war, brachte ihn seine Betonung der Gemiitskrafte immer näher zum religiösen Gedanken, wonach die “Gott an-sehende” innere Anschauung belebt werden soll.
著者
高橋 哲也 武居 哲洋 伊藤 敏孝 竹本 正明 八木 啓一
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.32-37, 2014-02-28 (Released:2014-03-25)
参考文献数
19

背景:Spinal cord injury without radiographic evidence of trauma(非骨傷性頸髄損傷,SCIWORET)はわが国に多いが詳細な報告は少ない。目的:当院救急外来におけるSCIWORET の特徴を検討すること。対象と方法:頸椎・頸髄損傷91 例のうち,頸椎損傷のみは20例であった。頸髄損傷71例のうち単純X線とCTで頸椎に骨傷や脱臼がないSCIWORET は81.7% の58 例(年齢64.3 ± 14.7 歳,男性46 例,女性12 例)であり,その特徴を後方視的に検討した。結果:受傷機転は転倒30 例,転落15 例,交通外傷8 例,墜落5 例であり,65 歳以上では転倒・転落といった軽微なものが多かった(p<0.05)。頸椎X 線側面像で脊柱管狭窄およびretropharyngeal space( 咽頭後隙,RPS)拡大を認めたのはそれぞれ33 例(56.9%),17 例(29.3%)であった。脊柱管狭窄を認める割合はRPS 拡大群では4/17 例(23.5%)であったのに対し,RPS 正常群では29/41 例(70.7%)と有意に多かった(p<0.001)。結語:当院救急外来におけるSCIWORET は高齢男性の軽微な受傷機転により発症しており,頸髄損傷に占める頻度は過去の報告より多かった。SCIWORET において脊柱管狭窄を有する割合は,RPS 正常群では拡大群と比較し高値であった。
著者
伊藤 敏孝 武居 哲洋
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.221-225, 2011-04-01 (Released:2011-10-05)
参考文献数
21

【はじめに】三環系抗うつ薬(tricyclic antidepressant, TCA)大量服用による急性呼吸促迫症候群(acute respiratory distress syndrome, ARDS)の1例を経験したので報告する。【症例】34歳,女性。クロミプラミン3.5 g(70 mg/kg)を服用から約4時間後に搬送された。意識レベル以外,バイタルおよび一般検査結果に異常は認めなかった。服用から11時間後に意識は回復したが,SpO2 94%と低下した。服用から20時間後,突然血圧とSpO2の低下を認めた。集中治療室に入室した。入室時,呼吸循環不全の状態であった。CRP高値のため,ARDSは誤嚥が増悪因子の一つと考え抗菌薬を投与し,炎症所見は改善したが,呼吸状態は改善しなかった。第12病日からメチルプレドニゾロン500 mgのパルス療法を3日間施行した結果,呼吸状態は改善し,第14病日に抜管した。第22病日,軽快退院した。【考察】TCAによるARDSの報告は海外では散見される。TCAによる肺傷害の動物実験での報告もある。【まとめ】TCA大量服用時,急性呼吸不全の発症に留意する必要があると考えた。
著者
伊藤 敏男 隅田 真代 山本 禎紀
出版者
日本家畜管理研究会(現 日本家畜管理学会)
雑誌
家畜の管理 (ISSN:03888207)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.73-80, 1990-03-16 (Released:2017-10-03)

メン羊の行動変化に伴う熱産生量(HP)の変動を明らかにするために、4頭の去勢羊を用いて、起立(S)、横臥(L)、起立反芻(SR)および横臥反芻(LR)に対応するHPを、ヘイキューブ、生草および配合飼料を給与したチャンバー内ストール飼育条件下で求めた。同時に、心拍数(HR)の測定を行い、HPとHRと行動の相互関係について考慮し、以下の結果を得た。1)メン羊の行動変化に伴いHPとHRは大きく増加し、HPのレベルは、L&lglt;S&lglt;LR&lglt;SRの順となり、HRもほぼ同様の傾向であった。2)反芻に伴うHPの増加量は、横臥および起立時の場合とも、3kJ/kg^<0.75>・h前後であった。起立時と横臥時のHPの差は、非反芻時1.7kJ、反芻時1.3kJ/kg^<0.75&lg;・hであり、この値は、採食前あるいは後においても、給与飼料を変えた場合でもほぼ同じであった。3)HPとHRの相関図に行動を加味して検討すると、例えば反芻行動時においては、HRの増加の割にHPの増加が大きく、反芻時と非反芻時ではHRとHPの変化割合が異なる可能性を示した。 家畜の管理、25(3) : 73-80.1990.1990年1月9日受理
著者
伊藤 敏幸 野上 敏材
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.165-174, 2018 (Released:2019-09-02)
参考文献数
66

イオン液体は不揮発性で難燃性という環境面での利点に加えて,イオン液体の特徴を活かした反応ができる。本稿では,有機合成化学に如何にイオン液体を利用するかという観点から,三つのトピックスを紹介する。最初は触媒反応へのイオン液体の利用について,歴史的な経緯から新しい利用方法について,二つ目はイオン液体を用いる反応活性化,最後は有機合成のためのリパーゼ触媒反応について最近の例を述べる。
著者
相馬 秀廣 田 然 魏 堅 伊藤 敏雄 森谷 一樹 井黒 忍 小方 登
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2009年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.65, 2009 (Released:2009-06-22)

1.はじめに 発表者らは,高解像度衛星画像などを利用して,中国乾燥地域における古灌漑水路・耕地跡の復元に取り組んでいる.内モンゴル西部の黒河下流域では, QuickBird衛星画像の判読により,Bj2008囲郭,蜂の巣パターン遺跡(仮称)などが抽出された.Bj2008囲郭については,本学会の2008年春季学術大会で相馬他によりその存在を指摘したものの,詳細は不明であった.発表では,2008年12月実施の現地調査結果を含めて,両遺跡について判明したことおよびそれらの意義について報告する. 2.Bj2008囲郭 この囲郭は,相馬他(2008)が最初の報告である.一辺の長さが約120~140mの方形に近い形状で,それらは漢代のK688囲郭およびK710囲郭とほぼ共通し.黒河下流域で最大級の遺跡である.K710囲郭と同様に,南門の痕跡が明瞭である.現地では,500mほど離れた付近に西夏・元代の陶片が存在するものの,囲郭付近には前漢代の陶片が散在する.これらの点から,Bj2008囲郭は前漢代のものと判断される.その存在が明らかになったことにより,以下のような新知見などが得られた. Bj2008囲郭周辺には,断片化した盛土型灌漑水路跡およびヤルダン化した農地跡が分布する.同様の農地跡はK710囲郭周辺でも確認されており,漢代に,Bj2008囲郭周辺で農耕が実施されていたことが判明する.QuickBird衛星画像では,ヤルダン化した農地跡は,水路沿いなどに比高3-4mの紅柳包などが発達することが多い西夏・元代の農地跡とは,明瞭に区別される.このような農地跡の現況の相違は,それぞれ放棄された時代の指標として有効であることが示唆される. 黒河下流域には,従来,3つの候官(A1遺跡:殄北候官,A8遺跡:甲渠候官,卅井遺跡:卅井候官)が知られている.それらの平面的配置は,大まかにはA1遺跡と卅井遺跡を結ぶ線を斜辺とする直角二等辺三角形を呈し,漢代の黒河はA8遺跡付近を経て北東の古居延澤へ注いでいた.Bj2008囲郭はほぼこの斜辺 上,卅井遺跡から25kmほどに位置し,漢代の黒河を挟んで反対側のK688囲郭はA1遺跡南方約27kmにある.これらの点から,Bj2008囲郭は,3つの候官やK688囲郭などとともに.前漢代の屯田に際して基準点の一つであったことが判明する.Bj2008囲郭抜きに行われてきた従来の居延オアシスに関する諸解釈は,再検討を迫られることになる. Bj2008囲郭の北西角と南東角を結ぶ対角線は,ヤルダンや囲壁破損などから示される,卓越する強風方向にほぼ並行する.これは,囲郭建設に際して,強風から囲壁の破壊を防ぐことが意識されていたことを示唆する.同様の状況はK710囲郭でも明瞭であり,著しく囲壁の破壊が進行したK688囲郭でも確認される.これらのことから,漢代の黒河下流域では,一辺が120m前後の方形に近い囲郭建設に際して,強風方向が配慮された可能性が強く示唆される. 漢代の120m前後の方形囲郭建設で,強風方向が配慮されたとすれば,同じ乾燥地域であるタリム盆地楼蘭地区のLE遺跡も漢代の建設である可能性が浮上する.このことは,LE遺跡が文書にある「伊循城」である可能性を否定するものではない. 3.蜂の巣パターン遺跡 緑城南方約1km付近の泥質の平坦地には,水路跡を挟み50mほど隔たった2件の西夏住居址東側に,東西約85m,南北約40mの範囲に蜂の巣状土地パターン(蜂の巣パターン遺跡)が認められる.そのパターンは,元代に積極的に推奨された王禎『農書』区田図の坎種法(井黒,2007)に類似し,区田法施行地の可能性が示唆される.しかし,「目」の規模が1-5mとやや大きく,凹凸が逆の部分も存在することから,この遺跡を「擬似区田法」施行地とする.「擬似区田法」であれ,「区田法」に関連する遺跡の報告は初めてである.また,当地では,元代に先立ち,既に西夏で区田法が実施されたことなども判明した. 本研究は,平成20年度科学研究費補助金基盤研究(A)(2)(海外)(19251009)「高解像度衛星データによる古灌漑水路・耕地跡の復元とその系譜の類型化」(代表:相馬秀廣)による研究成果の一部である.
著者
伊藤 敏幸 高木 由美子
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.59-71, 1994-01-01 (Released:2009-11-16)
参考文献数
40
被引用文献数
2 3

This review describes efficient means of preparing optically pure compounds via bakers' yeast mediated reaction or lipase-catalyzed reaction : (1) Bakers' yeast mediated reaction of cyanoketone was demonstrated and was discovered a new type of C-C bond forming reaction. (2) Hydrolysis of 2-substituted-3-acetoxy esters by Aspergillus lipase (lipase A 6) was demonstrated. According to summarize the stereo favoritism between substrates, the active site model of an Aspergillus lipase is proposed. (3) A simple preparation of optically active α- or γ-hydroxystannanes using Pseudomonas lipase (lipase PS) was realized. (4) Two effective means were discovered for enantioselective reaction of lipase PS : one is the modification of the acyl group by a sulfur functional group and the other is addition of a catalytic amount of l-methioninol or crown ether derivatives to the reaction mixture. (5) Optically pure (R) -4-hydroxy-3- (3, 4-methylenedioxyphenyl) methylbutanenitrile, obtained by this reaction, was applied to the synthesis of three anti-tumor lignans. (6) As a new chiral building block for tertiary alcohols, (R) -2-ally1-2- (phenylthio) methyloxirane was synthesized via lipase-catalyzed reaction.
著者
藤原 敬記 伊藤 敏彦 荒木 健治 甲斐 充彦 小西 達裕 伊東 幸宏
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム = The IEICE transactions on information and systems (Japanese edition) (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.89, no.7, pp.1493-1503, 2006-07-01
参考文献数
24
被引用文献数
9

実環境での音声対話システムの使用において,誤認識を回避することは難しい.誤認識が起きると,システムはユーザの期待する応答とかけ離れた応答を行い,対話がスムーズに進まなくなることも多い.そこで本研究では,音声認識器が誤認識した場合でも,認識信頼度と対話履歴を用いることで正しくユーザの意図を推定することができる音声言語理解手法を提案する.これは,音声認識器が誤認識した場合でも多くの場合,複数候補(N-best)中に正解が含まれていること,システムが誤認識した場合にはユーザは大体訂正反応を示すこと,タスク指向対話には強い一貫性がありユーザは基本的に意味的・文脈的に関係した内容以外を発話しないことを利用する.また,提案手法ではあらかじめすべての認識可能単語を理解候補として保持し,言語理解部の対話戦略において音声認識結果中の単語との意味的関連性などを考慮している.これにより音声認識結果のN-best中に正解の一部が含まれていない場合でも,複数のユーザ発話の認識結果に基づくことで正しい意図を推定することが可能となっている.評価データにおいて,提案手法における対話単位での理解率は72.2%(21,430/29,670対話),単語単位での理解率は87.1%(77,544/89,010単語)であり,従来手法の最新認識結果の上位候補を優先するシステムの57.9% (17,178/29,670対話),75.4%(67,084/89,010単語)と比較しても有効である.
著者
藤沢 有 佐藤 俊夫 伊藤 敏幸
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.519-531, 1986-06-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
83
被引用文献数
27 29

The baker's yeast mediated reduction of ketones with various kinds of functional groups provides a useful method for the synthesis of optically active secondary alcohols. Compared with the usual chemical methods using chiral metal hydride reagents, the advantages of the present method are the easier availability of the yeast, milder reaction conditions, i. e. at room temperature in water under air atmosphere, higher optical yield and chemoselectivity especially in the reduction of saturated ketones. Asymmetric reduction of carbon-carbon double bond and the carbon-carbon bond forming reaction of α, β-unsaturated carbonyl compounds are also accomplished by baker' s yeast. The products thus obtained are applied as chiral building blocks to the synthesis of various natural products.