著者
奥原 俊 大塚 孝信 吉村 卓也 奥村 命 橋本 創 田中 雅章 伊藤 孝行
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第9回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.103-107, 2012 (Released:2012-10-09)
参考文献数
8

本論文は協調学習のグループ形成を支援するシステムを実装し,その評価を行った.協調学習の背景および CSCL の先行研究から協調学習の課題を述べた.その課題が解決できる手法として,グループ形成の最適化を支援するシステムを提案し実装した.次に実装したシステムの概要,システムの流れ,システムの活用方法を示した.実証実験により,一斉学習,グループ学習,協調学習の授業形態およびグループ形成の違いを比較した.3つのケースの教師への質問・生徒間の質問と課題の評価点・標準偏差から,学習効果を比較・評価し本システムの有効性を示した.
著者
須田剛裕 小嶋和徳 伊藤慶明 石亀昌明 鳥海不二夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.99-101, 2013-03-06

現在ソーシャルネット・ワーキング・サービス(SNS)は,テレビや新聞といった既存のメディアと並んで情報収集のツールとして,また知人や友人らと繋がりをもつことでネットワークを構築し,情報の共有などを行っている.東日本大震災時に投稿され拡散した数多くの情報には,結果的に間違った情報であったデマも含まれてしまった.そこで本研究では東日本大震災時にTwitterに投稿された約3億のTweetデータにおいて,リツイート数などを使って情報の拡散状況とデマにつながりやすいキーワードを分析結果を特徴量としたクラスタリングを行うことで,デマ情報かどうかを推定する試みを行う.
著者
伊藤 由紀 篠田 邦彦
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.99-108, 2015 (Released:2015-06-05)
参考文献数
18

目的:肥満傾向児と痩身傾向児の生活習慣を発達段階別に比較し,両者の共通点と相違点を特定することを目的とした.方法:平成25年度の新潟県内の小学校3年生から高校3年生男女を対象として実施した「生活実態調査」の結果を研究利用の許可を得たのち分析した.研究デザインは質問紙を用いた横断的研究である.有効回答者は7,395名であった.児童生徒の肥満度より「痩身傾向児」「標準児」「肥満傾向児」の3群に分類し,食事習慣,運動習慣,睡眠習慣,その他の習慣について比較検討を行った.結果:運動習慣について,男子の「週3日以上運動する」者の割合は,小学生では痩身傾向児(n=50, 58.8%)が肥満傾向児(n=147, 42.6%)よりも高かった(p=0.01).一方,高校生では肥満傾向児(n=89, 37.1%)が痩身傾向児(n=12, 25.0%)よりも高い傾向がみられた(p=0.001).他にも望ましい習慣と思われる「朝食を毎日食べる」「食事の際よく噛んで食べる」「家族(大人)と食べる」「TV視聴時間が2時間未満」の者の割合は,小中学生では男女ともに痩身傾向児に高い傾向であった.一方,高校生女子では標準児に高い傾向であった.結論:食習慣はすべての学校段階で痩身傾向児に望ましい習慣が形成されている傾向が示された.運動習慣,睡眠習慣については,肥満傾向児と痩身傾向児に望ましくない類似した傾向が認められた.また肥満度により同じ体型に判定されていても発達段階によってその実態は異なっていた.
著者
伊藤 正幸
出版者
一般社団法人 日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.150-164, 1986-05-09 (Released:2008-12-25)
参考文献数
66
著者
伊藤 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.192, pp.1-4, 2014-08-21

本講演では,複雑化しつつある今日の社会情勢をふまえ,安全の定義,評価の方法,改善の方法について改めて問い直してみたい.その考察を通じて,本研究会のオーガナイズの趣旨を明らかにして有益な議論が起こることを期待するとともに,安全研究の一層の深化,発展へとつなげることを目指す.
著者
伊藤 守
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.541-556, 2015
被引用文献数
1

本稿の目的は, 日本における映像アーカイブズの現状を概括し, そのうえで映像アーカイブ研究, とりわけテレビ番組アーカイブを活用した映像分析の方法を考察することにある. アーカイブに向けた動きが欧米と比較して遅かった日本においても, 記録映画の収集・保存・公開の機運が高まり, テレビ番組に関してもNHKアーカイブス・トライアル研究が開始され, ようやくアーカイブを活用した研究が着手される状況となった. 今後, その動きがメディア研究のみならず歴史社会学や地域社会学や文化社会学, さらには建築 (史) 学や防災科学など自然科学分野に対しても重要な調査研究の領域となることが予測できる.こうしたアーカイブの整備によって歴史的に蓄積されてきた映像を分析対象するに際して, あらたな方法論ないし方法意識を彫琢していく必要がある. あるテーマを設定し, それに関わる膨大な量の映像を「表象」分析することはきわめて重要な課題と言える. だが, 「アーカイブ研究」はそれにとどまらない可能性を潜在していると考えられるからである. 本稿では, M. フーコーの言説分析を参照しながら, アーカイブに立脚した分析を行うための諸課題を仮説的に提示する.
著者
都築 政起 水谷 誠 伊藤 愼一 小野 珠乙
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1996

ヒメウズラ(Excalfactoria chinensis)を鳥類最小の実験動物として確立するためのデータ収集を、発生・発生工学的ならびに遺伝学的見地から遂行し、以下の成果を得た。1. 体表各部および骨格系の発達程度を全射卵期間に渡って調査し、それぞれ39および15ステージからなる「ヒメウズラ胚の正常発生における発生段階表」を完成した。2.酵素・タンパク質の多型を検出するための、従来よりも簡便な電気泳動方法の検討を行い、23種類の酵素およびタンパク質を検出するための泳動条件を確立した。また、7種の酵素・タンパク質について、その遺伝様式を明らかにした。3.胚盤葉細胞注入によるキメラ作成を行った。ドナーにヒメウズラを、レシピエントにウズラを用いた場合と、その逆に、ドナーにウズラを、レシピエントにヒメウズラを用いた場合の2種類の異属間移植を行い、いずれの場合もキメラ作出に成功した。しかしながら、後代検定の結果、このキメラの子孫にはドナー由来の形質をもつ個体は出現せず、今回得られたキメラは生殖細胞キメラにはなっていない可能性が示唆された。4.ミトコンドリアDNAのシトクロムb領域に対し、PCR-RFLP解析を行って切断型多型を検出すると共に、シークエンシングを行って、シトクロムb遺伝子の全塩基配列を決定した。5.ニワトリのマイクロサテライトDNA増幅用プライマーセットの内、約20%のものがヒメウズラにも適用可能であることが明らかになった。この事実から、今後、ヒメウズラのゲノムマッピングのためにはヒメウズラ専用のプライマーセットを開発する必要があることが示された。6.各種植物レクチンあるいはウイルス性凝集素により識別される6種の赤血球凝集原を発見し、それぞれの遺伝様式を明らかにした。以上の成果から、ヒメウズラの実験動物化のための第一段階は完遂されたと考えられる。
著者
佐々木 康仁 伊藤 潔 鈴木 誠道
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.699-708, 1989-06-15
被引用文献数
12 13

三面図が表す三次元物体を求める手段として 単純に各面図の頂点や線分について各面図間で対応をとり 三次元空間上の頂点と稜線から成るウイヤフレームモデルを作成し それらの稜線で囲まれた領域を面として認識したサーフィスモデルを作成する方法が考えられる.この方法をとると 偽の物体要素を含むサーフイスモデルを作成してしまう場合がある.この偽の物体要素を含むサーフィスモデル(真と偽が混在する候補物体要素群)から所望の物体を見出すためのこれまでの多くの方法では 試行錯誤的な探索プロセスのアルゴリズムを提案している.我々は探索アルゴリズムの提案ではなく 連立の非線形の擬似ブール代数等式・不等式を用いた定式化による手法を提案する.そこでは 候補物体要素の真偽を適切に見極めるための真偽決定規則として 物体要素群が多面体を構成するための条件および三面図に合致するための条件を挙げる.それらの条件を非線形項による模似ブール連立式で定式化する.この定式化に基づいて候補物体要素群を連立式として立式する.この連立式の解を基に 多面体を構成し かつ三面図に合致する物体要素群を求める.この手法を確立し 種々の例題に適用し この手法の有効性を明らかにした.我々がすで提案した手法(線形擬似ブール代数による定式化)とは 定式化の際 非線形項を導入したという点で異なり このため擬似プール代数解法の適用範囲が拡張できた.
著者
石島 健太郎 伊藤 史人
出版者
一般社団法人 日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.82-93, 2016

本研究は,意思伝達装置を用いるALS患者204人を対象に,複雑な条件組み合わせと結果の関連を明らかにすることができるファジィセット質的比較分析(fsQCA)を用いて,筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者が意思伝達装置を用いる際,どのような条件がそろえば満足度が高まるのかを明らかにするとともに,社会福祉学でのfsQCAの有効性を示すことを目的とする.分析の結果,重度障害者でも意思伝達装置を満足度の高い利用方法が複数示唆され,かつ年齢や同居する家族の有無に応じて支援すべき方向性も異なってくることが明らかとなった.こうした知見は,ケースワークにおける個別性の原則を経験的に確かめるものであるとともに,実践的には支援者が患者の属性を踏まえた意志伝達装置の利用促進に示唆を与えるものである.また,無作為抽出が困難で,さまざまな条件が複雑に関連した事例の多い社会福祉学でfsQCAを用いる意義も示された.