著者
佐々木 武仁
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科放射線学会
雑誌
歯科放射線 (ISSN:03899705)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.3-14, 1997-06-05 (Released:2011-09-05)
参考文献数
40

Radiation carcinogenesis has been thought as a stochastic phenomenon without any threshold dose of radiation. Although this concept is very important, the presence or absence of a threshold dose in the dose-response relationship is difficult to directly confirm. This review discusses the implication of recent analysis of cancer mortality among atomic bomb survivors and multistep genomic changes involved in human carcinogenesis in relation to the radiation carcinogenesis at low doses. The remarkable similarity in the both shape and magnitude of the dose responses curve is seen between mutational cellular events and cancer incidence among atomic bomb survivors. In view of the increasing evidence for radiobiological mechanisms of radiation carcinogenesis including activation of oncogenes and inactivation of tumor suppressor genes and for analysis in the models of dose-response relationship, it seems likely that radiation is responsible for one mutational event in multistep genomic changes in carcinogenesis.
著者
髙岡 あずさ 佐々木 雅也 井上 真衣 馬場 重樹 安藤 朗
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.1320-1323, 2017 (Released:2017-10-20)
参考文献数
22

クローン病と潰瘍性大腸炎は炎症性腸疾患と称され、高率に栄養不良を認める。これにはエネルギー代謝の変化も関与しているが、十分な検討はなされておらず、一定の見解は得られていない。我々が入院時に間接熱量測定を施行した成績では、両疾患ともに健常人より安静時エネルギー消費量(REE)が有意に高かったが、両疾患に有意差はなかった。一方、疾患活動性との相関は潰瘍性大腸炎にのみ認められた。これは近年の欧米からの報告を支持する結果である。また、潰瘍性大腸炎における寛解導入前後のエネルギー代謝の変化をみると、REEは有意に低下し、呼吸商は上昇した。エネルギー代謝が変化する要因として、炎症性サイトカインとの関連について検討したところ、両疾患ともにREEとIL-6の間に正の相関が認められたが、TNF-αとの関係性は認めなかった。炎症性腸疾患では、このようなエネルギー代謝の変化に応じた栄養療法が重要である。
著者
佐々木 宏子
出版者
日本薬学図書館協議会
雑誌
薬学図書館 (ISSN:03862062)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.59-69, 2000-01-31 (Released:2011-09-21)
参考文献数
12
被引用文献数
1

There are many pharmacopoeias in the world. More than ten years ago, we distributed an outline explanation on the main pharmacopoeias. Now, we have entered an era of international harmony and exchange in the pharmaceutical field. Here, we provide up date information on current pharmacopoeias.
著者
佐々木 史朗
出版者
判例タイムズ社
雑誌
判例タイムズ (ISSN:04385896)
巻号頁・発行日
vol.14, no.13, pp.2375-2383, 1963-11-01
著者
佐々木 良一
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.11, pp.577-581, 2017-11-01 (Released:2017-11-01)

近年,IoT(Internet of Things)が注目されており,異なる分野の機器やシステムが相互に連携し,新しいサービスの提供が可能となると期待されている。一方,IoTを構成するシステムのセキュリティがIoTを実用化する上で大きな課題になっている。本稿では,最初に,重要インフラの制御システムや,コネクティドカー,防犯カメラなどの主要なIoTシステムに対する過去のサイバー攻撃や今後考えうる攻撃方法について紹介する。次に,IoT機器の認証基盤や,リスク評価手法,サプライチェーン対策なども含む種々のセキュリティ対策について解説している。IoTシステムのセキュリティの問題は今後ますます重要になると考えられ,研究の強化が必要となっている。
著者
佐々木 祥 渡邉 誠 奥山 夕子 登立 奈美 木下 恵子 寺西 利生 園田 茂
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Bb0533-Bb0533, 2012

【はじめに、目的】 2006年度診療報酬改定により、回復期リハビリテーション病棟における訓練単位数の1日上限が9単位に引き上げられた。我々は回復期リハビリテーション病棟の脳卒中患者において、診療報酬改定前の2005年度より、改定後の2008年度の方がADL改善効果が高いことを示してきた。これらの報告はFunctional Independence Measure運動項目(FIM-M)の総得点での比較であるが、FIM-Mは項目毎に難易度が異なることが報告されており、それによる訓練効果も一様でないことが予測される。そこで、今回我々は脳卒中片麻痺患者の訓練量増加がFIM-M各項目に与える影響について検討したので報告する。【方法】 対象は当院回復期リハビリ病棟に入・退棟した60歳以上の初発脳卒中片麻痺患者のうち保険診療上の訓練量が1日上限6単位であった2005年4月1日から2006年3月31日までの211例と、1日上限9単位であった2008年4月1日から2009年8月31日までの304例である。入棟期間中の1日平均訓練単位数を算出し、STを除くPTとOTの単位数が5から6単位であった1日上限6単位の症例を6単位群、7から9単位であった1日上限9単位の症例を9単位群とした。発症から当院入棟までの期間が60日以内、訓練に支障をきたす重篤な併存症がなく入棟中に急変増悪しなかった患者に限定し、最終的な対象者は6単位群73例、9単位群76例であった。性別は6単位群で男性46名、女性27名、9単位群で男性38名、9女性38名であった。原疾患は6単位群で脳梗塞39名、脳出血34名、9単位群で脳梗塞41名、脳出血27名であった。年齢、発症後期間、在棟日数、FIM-M項目毎の入・退棟時得点、FIM-M項目毎の退棟時得点から入棟時得点を引いた値(FIM-M利得)を2群間で比較した。統計は年齢、発症後期間、在棟日数にはt検定を、各項目の入・退棟時FIM-M得点とFIM-M利得にはマン・ホイットニーU検定を、性別、原疾患にはカイ2乗検定を使用した。有意水準はp<0.05とした。【倫理的配慮、説明と同意】 患者情報の学術的使用に関する同意は入院時に書面で確認した。【結果】 6単位群、9単位群の順に年齢71.7±6.3歳、70.6±6.5歳、発症後期間33.5±12.1日、31.9±13.0日、在棟日数60.9±26.8日、61.2±26.6日であり、2群間の差は認めなかった。各項目の入棟時得点は移乗(浴槽・シャワー)で9単位群の方が有意に高かったが、他の項目では差がみられなかった。退棟時得点は食事と階段で差がみられなかったが、他の項目では9単位群の方が有意に高かった。各項目のFIM-M利得は排尿・排便コントロールでは差はみられなかったが、その他の項目では9単位群の方が有意に高かった。【考察】 本研究では、脳卒中片麻痺患者の訓練量増加によるFIM-M項目別の改善効果を検討した。川原ら(2011)は訓練量を増加することでFIM-Mを改善させると報告している。今回のFIM-M項目別検討においても、訓練量を増加した方が全体的にFIM-Mは改善する傾向を示しており、特に4項目以外(食事、排尿・排便コントロール、階段)の項目で高い改善を示した。辻ら(1996)は脳卒中障害者のFIM-Mの自立度は排尿・排便コントロール、食事で高く、階段で低いと報告している。今回、食事の退棟時得点、排尿・排便コントロールのFIM-M利得で有意差がみられなかった理由として、FIM-M項目の中では比較的低難易度で自立しやすい項目であり天井効果が働いたことが挙げられる。階段の退棟時得点で有意差がみられなかった理由として、階段は入院時から平均得点が低く、FIM-M項目の中で高難易度であることから、床効果が働いたのであろう。以上より、訓練量増加はFIM-M各項目を全体的に改善させることが示唆された。【理学療法学研究としての意義】 今回の研究により、理学・作業療法の訓練量増加がどのADL項目に影響を及ぼすか検証することができた。今後はどの訓練内容が効果的であったかなど、質的な検討が必要である。
著者
齋藤 高弘 釜田 朗 島村 和宏 清野 晃孝 中島 大誠 佐々木 重夫 竹内 操 高橋 和裕
出版者
奥羽大学
雑誌
奥羽大学歯学誌 (ISSN:09162313)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.63-70, 2007-06

第1学年の早期体験学習でKJ法および二次元展開法の緊急度で抽出された22項目および対応策で抽出された17項目を,教員で同意の得られた19名に対してアンケートを行い,分析は因子分析およびLogistic回帰分析で行った結果,1)緊急度の因子分析では,第1因子から第11因子まで選択され,「移動しづらさと不自由性」,「専門知識がなく,マナーも悪い」,「教員の準備は良いが資料不足」など学生側および実施立案側に対する問題点が抽出された。2)対応策の因子分析では,第1因子から第7因子まで選択され,「質問しやすい実習内容と時間を」,「指導内容の再考」,「説明の統一と回数を少なく」など実務教員自らの事項および実施立案側に対する問題点が抽出された。3)目的変数を教員と学生としたLogistic回帰分析の緊急度では,「学生の専門知識」(P<0.05)が有意に高い影響力がみられた。4)Logistic回帰分析の対応策では,「教員の説明を統一しておく」(P<0.01),「学生の質問時間と場所をつくる」(P<0.05),「二年時以降も実施する」(P<0.05),「学外学習(介護施設等を入れる)」(P<0.05),「学生が興味のわくような説明をする」(P<0.05),「事前グループ検討をする」(P<0.05)および「見学以外の学習を取り入れる」(P<0.05)の順で有意に影響力を持っていた。以上より,教員へのアンケート結果は学生側に対する要望ではなく実施立案側への要求が大きいことが示唆された。
著者
柴田 利彦 山田 正 石原 寛治 鈴木 範男 永来 正隆 藤井 弘一 末広 茂文 佐々木 康之 上田 真喜子
出版者
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
雑誌
日本心臓血管外科学会雑誌 (ISSN:02851474)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.217-220, 1994-05-15 (Released:2009-04-28)
参考文献数
6
被引用文献数
2 3

Systemic lupus erythematosus (SLE) に合併する血管病変は主に細小動脈の閉塞性病変とされており, 大血管に拡張性病変を合併することは希である. 今回SLEに合併した若年者腹部大動脈瘤を経験したので報告する. 病理所見では大動脈 vasa vasorum の増生・内膜肥厚と炎症性細胞浸潤を認め, 動脈硬化性の動脈瘤とは異なる像を呈していた. 本症例の腹部大動脈瘤は vasa vasorum の増生・内腔狭窄に起因して生じた可能性が示唆された.
著者
佐々木 博 藤田 欣也
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.795-802, 2000-03-31 (Released:2017-02-01)
参考文献数
16
被引用文献数
6

The cognitive rate offour levels of hardness was experimentally examined in ten normal volunteers with actual object as well as virtual object displayed by a glove-shaped force display, in order to discuss the role of visual, tactile and proprioceptive sensation in cognition of the hardness of an object. The experiment was carried out under five conditions as follows, 1 ) actual object; 2) actual object without tactile information about the object deformation; 3) actual object without proprioceptive information; 4) virtual object using a force display and 5) virtual object with visual information. The cognitive rates were 94, 82.8, 92.6, 83.6, 90.4%, respectively. The role of visual information was greater than proprioceptive information, however less than tactile information. A method to enhance the hardness display performance by alternating the visual information was proposed and its effectiveness was shown experimentally as the increase of the hardness cognition rate from 90.4 to 93.0%.
著者
越智 保雄 佐々木 茂美
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.47, no.417, pp.483-491, 1981
被引用文献数
1 2

平滑丸棒試験片を用いて応力制御の引張圧縮疲労試験を行なった. 初期段階のΔεpやH<SUB>V</SUB>の増加は転移密度の増加に依存している. この段階は局部的な疲労降伏域が試験片全体に広がる過程である. 中期段階は繰返しによる動的快復の過程であって, 自由転移の移動を規制するセル構造(σ<SUB>a</SUB>大)やループパッチ組織(σ<SUB>a</SUB>小)間の大きさの減少がΔεpの減少を支配している. 初期から中期段階へのせん移は, 疲労すべり帯がなだれ的に発生するためである.
著者
前田 公三 水島 卓也 綱井 秀樹 ラクシンチャラーンサク ポンサトーン 林 隆三 永井 正夫 小花 麻純 佐々木 和也
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.1369-1374, 2009-09-25
参考文献数
5
被引用文献数
1

本研究では、常時記録型ドライブレコーダを用いて、ドライバ個人の車線変更時の運転行動の解析と評価を目的とする。走行車線から追い越し車線に車線変更する場合の運転行動データベースを構築し、個人別・車線変更状況別の安全確認行動、ウィンカ点灯タイミング、操作特性、後続車への影響の解析を行ったので報告する。