著者
佐々木 毅
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.99, no.10, pp.2484-2489, 2010 (Released:2013-04-10)
参考文献数
7

関節は無菌状態にある.感染性関節炎は関節の損傷あるいは血行性など関節外より病原微生物が直接的に関節部に進入して生じる.細菌性関節炎は急速に進行し関節破壊を生じるので早急な対応を必須とする.真菌,マイコプラズマ,ウイルス,スピロヘータ等いずれでも関節炎は起こしうる.特に老齢やステロイド,免疫抑制薬使用状態を含む免疫不全状態の例では本疾患に留意する必要がある.
著者
大久 長範 鈴木 直樹 斉藤 毅 畑中 和成 佐々木 準哉 西川 正純
出版者
The Japan Society of Cookery Science
雑誌
日本調理科学会誌 = Journal of cookery science of Japan (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.287-291, 2013-08-05
参考文献数
19

高電圧マイナスイオン発生器を油フライヤーに使用したときの油の酸化劣化を評価した。500nmにおける吸光度,トランス脂肪酸の生成は高電圧マイナスイオン発生器を作動させると進行が抑制された。食パンの揚げ試験において,対照に比べ高電圧マイナスイオン発生器の使用では有意に水分含量の低下が認められた。高電圧マイナスイオン発生器の使用により14種の油臭成分が半減することが示された。高電圧マイナスイオン発生器を作動させると槽内の温度が速やかに低下する傾向があり,槽内の油の流動が高まっていると考えられた。
著者
宮崎 友香 佐々木 直
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.50, no.11, pp.1075-1084, 2010-11-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
12

本症例は52歳女性のパニック障害の既往歴のない広場恐怖を併発したメニエール病患者で,内耳治療,向精神薬服用により心身症状が軽快したが,向精神薬を減薬すると不安や身体症状が悪化し,減薬ができないまま経過していた.そこで,認知行動療法のうちエクスポージャーによる回避行動の消去,認知再構成法による身体症状を過剰に危険なものととらえる認知の変容などを行った.その結果,維持・増悪要因となっていた予期不安が改善し,広場恐怖が消失したため心身症状の顕著な改善に至り,薬物療法の終了が可能になったと考えられた.本症例によって,心理社会的要因が関与するメニエール病に対する認知行動療法の有効性が示唆された.
著者
唐木 幸一 酒井 貢 佐々木 靖夫
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.57, no.8, pp.1242-1248, 1988-08-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
5

Authors developed a reflection acoustic microscope using liquid nitrogen as the coupling liquid. The resolution of a sample surface is better than 0.4μm when the instrument is operated at 1.5 GHz. This system is more practical than any ever developed, because it is easy to change a sample and to select an observation area. In this paper, authors report the concrete structure of this system and some images of IC's, and discuss the properties of these images qualitatively.
著者
石原 里美 有泉 裕嗣 矢持 淑子 塩沢 英輔 佐々木 陽介 瀧本 雅文 太田 秀一
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.71-78, 2011-02-28 (Released:2011-09-01)
参考文献数
28

成人T細胞性白血病/リンパ腫(adult T-cell leukemia/lymphoma; ATLL)は, 臨床的にヒトT細胞好性ウイルス(human T-cell lymphotropic virus type-1; HTLV-1)感染細胞のモノクローナルな増殖を証明しない限り,組織形態学的には末梢性T細胞リンパ腫–非特定型(PTCL-NOS)との鑑別は困難である.しかし免疫組織学的にATLLとPTCL-NOSの発現に違いがあれば,HTLV-1の感染情報がない場合でも,両者の鑑別が可能と考えられる.1983年11月~2009年9月末までに昭和大学病院でWHO造血器・リンパ系腫瘍分類第4版に基づきATLL又はPTCL-NOSと診断された37例のホルマリン固定パラフィン包埋組織切片を免疫組織化学的に以下の抗体を用いて発現の違いを検討した.CD7,CD25,CD56,CCR4,TIA-1においてATLLとPTCL-NOS間で有意差が認められた.ATLL症例は全例でCD7の減弱が見られた.CD25はATLL症例の72%で陽性で,PTCL-NOSより有意に多かった(P=0.005).CCR4はATLL症例の72%で陽性で,PTCL-NOSより有意に多かった(P<0.001).PTCL-NOS症例はATLL症例に比べてCD56,TIA-1陽性例が有意に多かった(CD56,P=0.01; TIA-1,P=0.03).以上より,ATLLとPTCL-NOSを鑑別する上でCD7,CD25,CD56,CCR4,TIA-1の免疫組織化学検索が有用と考えられた.またATLLのCD25およびCCR4発現率は高く,ATLLの治療法として抗CD25抗体,抗CCR4抗体の有効性が期待された.
著者
佐々木 昶
出版者
製菓実験社
雑誌
製菓製パン
巻号頁・発行日
vol.17, no.6, pp.44-45, 1951-06
著者
佐々木 学
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.72, no.611, pp.117-122, 2007

Viterbo public fountains may be classified into three types: rectangular basin fountains (fontane a vasca rettangolare), cast fountains (fontane a fuso), and overlapping caps fountains (fontane a coppe sovrapposte). I measured multiple fountains structured in Viterbo during the 13th century to compare their shapes. The results of these measurements show that many apparent similarities exist in the basin and water pipe shapes used in rectangular basin fountains, cast fountains and overlapping caps fountains. The results from this research indicate that the fountain basins and water pipes structured in Viterbo in the 13th century were specifically designed to portray the important function of drawing water, even though the fountains were more commemorative than anything else.
著者
嘉村 直哉 宮崎 利行 佐々木 敏彦
出版者
一般社団法人 日本非破壊検査協会
雑誌
非破壊検査 (ISSN:03675866)
巻号頁・発行日
vol.66, no.10, pp.492-497, 2017-10-01 (Released:2017-12-20)
参考文献数
20

In this study, X-ray stress measurement of aluminum alloy A2017 using the Fourier analysis proposed by Miyazaki et al. was carried out. The validity of measured stresses was verified by a four point bending test. Coarsening grains existed in the specimen and spotty diffraction rings were obtained, nevertheless the Fourier analysis is applicable for such material. The stresses measured by Fourier analysis were in good agreement with both mechanical ones and the value obtained by the cosα method. For the single X-ray incident, the measured stress obtained from the 311 diffraction plane particularly showed such correspondence to applied stress as compared with the 222 diffraction plane. The reliability of stress measurement was improved by using the in-plane averaging, and it was effective for every diffraction plane. The effect of enlargement of the X-ray irradiation area saturates, thus the areas to average should be selected appropriately in order to measure the stresses efficiently.
著者
荻野 雅史 江連 和己 渡辺 彰 佐々木 和人 鈴木 英二
出版者
社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
埼玉理学療法 (ISSN:09199241)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.20-24, 1995 (Released:2003-08-05)
参考文献数
7
被引用文献数
1

三郷市健康フェアーに参加した一般県民74名(男性31名,女性43名)を対象に,ウエストヒップ比と肥満指標(Body Mass Index,体脂肪率,皮脂厚)及びWBIの関連性について調査検討した。その結果,ウエストヒップ比と肥満指標・WBIとの間には相関関係が認められた。このことから,ウエストヒップ比は,肥満の評価には有用であり,また,筋力低下による下肢痛などの障害発生の一指標になる可能性があると考えられた。
著者
砂川 洵 佐々木 章
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.54, no.9, pp.761-771, 1996-09-01 (Released:2010-01-28)
参考文献数
30
被引用文献数
3 9

1976年にチエナマイシン (1) の発見が報告されて以来丁度20年が経過した。1は強力かつ幅広い抗菌活性という抗菌剤としての必要条件を満たしていたが, 化学的安定性, 生体内安定性 (デヒドロペプチダーゼ-I, DHP-Iに対する安定性) および, 腎毒性, 中枢毒性などの副作用面で克服すべき課題を有していた。その必要条件を維持し, いかに医薬品としての十分条件を満たすかという命題のもと多くの研究グループによってカルバペネム抗生剤の開発研究が展開された。その結果, これまでにイミペネム (2), パニペネム (4), メロペネム (6) の3剤が市販されている (図1) 。2および4はいずれも腎毒性の低減などを目的にそれぞれDHP-I阻害剤・シラスチタン (3), 有機アニオン輸送阻害剤・ベタミプロン (5) との合剤として開発された。したがって, 安全性, 使いやすさなどからカルバペネム単剤での開発が望まれていたが, 近年DHP-Iに対する安定性が向上することで注目された1β-メチルカルバペネム骨格を持っメロペネム (6) の開発がその夢を実現し, カルバペネム抗生剤の開発研究は1っの峠を越えたということができる。カルバペネム抗生剤の開発研究における合成化学の比重は極めて高く, その研究のほとんどが全合成によって展開された。合成法の開発が新しい誘導体での探索を可能ならしめ, その進歩が大量製造を可能ならしめ, その結果としてカルバペネム抗生剤開発に至ったというこれまでの経緯が, 合成化学の果たした役割の重さを如実に示しているが, 同時にカルバペネム合成化学は基盤が確立し, 次なる展開を図る時期にきたことを示している。既に多くの総説があるが本稿では “新世代カルバペネム抗生剤の開発” を目指した今後の研究を展望すべく, 最近の報文を中心に合成化学の現状を概説するとともに, 生物活性面から見たカルバペネム化学について触れる。