著者
高田 浩次 安達 茂樹 大塚 隆嗣 辻 昭一郎 吉田 公彦 戸倉 夏木 中野 太郎
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.96, no.1, pp.25-28, 2022-01-20 (Released:2022-01-28)
参考文献数
8

The reported major adverse reactions to COVID-19 vaccination are fever, headache, and malaise, but the possibility of other adverse effects should be considered. We encountered a patient who developed facial nerve paralysis with aseptic meningitis after COVID-19 vaccination. The patient was clinically diagnosed as having Ramsay Hunt syndrome, but there is the possibility that the vaccination contributed to re-activation of the varicella-zoster virus. Immediate treatment should be undertaken for facial nerve paralysis as well as critical anaphylactic shock, and careful observations should be made for the possibility of delayed adverse reactions, such as facial paralysis, to COVID-19 vaccination.
著者
菅野 敦 正宗 淳 花田 敬士 真口 宏介 清水 泰博 植木 敏晴 長谷部 修 大塚 隆生 中村 雅史 竹中 完 北野 雅之 菊山 正隆 蒲田 敏文 吉田 浩司 佐々木 民人 芹川 正浩 古川 徹 柳澤 昭夫 下瀬川 徹
出版者
日本膵臓学会
雑誌
膵臓 (ISSN:09130071)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.16-22, 2017-02-25 (Released:2017-03-17)
参考文献数
16
被引用文献数
5 3

膵癌早期診断研究会が主導して行った,早期診断された膵癌の実態調査について報告する.40例のStage 0膵癌と119例のStage I膵癌が集積された.膵癌全体に占めるStage 0膵癌とStage I膵癌の割合は約2%であり,Stage 0膵癌は0.6%であった.症状を認めたために医療機関を受診した症例は38例(23.9%)と少なかったのに対して,検診にて異常を指摘され受診した症例は27例(17.0%),他疾患の経過観察中に異常を指摘された症例は85例(53.5%)と無症状で医療機関を受診した症例が多かった.検診にて異常を指摘された27例中,膵管拡張を指摘された症例が19例と画像における副所見の指摘から精査を行った症例が多かった.術前の病理診断では,超音波内視鏡下穿刺吸引法を用いた症例(30.8%)と比較して,内視鏡的逆行性胆管膵管造影下にて病理検体を採取した症例(77.8%)が多かった.予後は良好であったが,14.5%の症例で術後の残膵に膵癌が新たに発生した.今回の調査が,膵癌の早期発見ならびに予後改善に寄与をすることが期待される.
著者
竹内 聡志 土屋 篤志 杉本 勝正 大藪 直子 後藤 英之 武長 徹也 鷹羽 慶之 大塚 隆信
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.495-498, 2016 (Released:2016-10-07)
参考文献数
9

原テストにおけるCombined abduction test(CAT)とHorizontal flexion test (HFT)と肩関節可動域の関係について調査を行った.2012年から2014年にメディカルチェックを行った大学生・社会人野球選手96名(平均年齢20.9歳,平均野球歴10.9年)を対象とした.全ての選手に原テスト11項目,肩可動域測定を施行した.その結果から,CAT・HFT共に陽性群(CH群),CAT陽性群(C群),HFT陽性群(H群),CAT・HFT共に陰性群(N群)に分類し,肩関節下垂位(1st),90°外転位(2nd)および90°屈曲位(3rd)における内外旋角度との関連を調査した.CH群49名,C群8名,H群8名,N群31名であった.CH群,C群,H群において非投球側と比較して投球側の2nd 内外旋総可動域(total arc)が有意に減少していたが,N群では有意差がなかった.投球側の2nd total arcは肩後方タイトネスの存在により,非投球側と比較して減少することが報告されている.この結果から,CAT・HFTは肩後方タイトネスの評価に有用である可能性が示された.
著者
坪井 義晃 澤田 雅人 大塚 隆信 澤本 和延
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.46-49, 2017-01-25 (Released:2017-04-25)
参考文献数
24

体内に存在する組織幹細胞の研究が進み、それを用いた再生医療の開発が期待されている。内在性幹細胞を利用することができれば低コストで安全な治療が可能になると考えられるが、その実現のためには再生能力を促進する技術が必要である。内在性幹細胞の分化・誘導因子を局所に供給するドラッグデリバリー技術の有効性が種々の研究によって明らかにされ、臨床応用がなされているものもある。こうした取り組みの現状を紹介する。
著者
髙木 亨 田村 健太郎 大塚 隆弘 佐藤 竜也 佐藤 亮太 清水 康志 高橋 琢 吉池 隆 鳥海 真弘 浜田 大介
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.100235, 2012 (Released:2013-03-08)

東日本大震災を起因とする福島第一原子力発電所の事故は、福島県を中心に甚大なる放射性物質による汚染被害をあたえ、今なお多くの住民に避難を強いている。 今回の原子力災害では、県内をはじめ各地域で、避難「する」「しない」といった住民の「分断」が見られる。これは、住民間に対立を生み、地域コミュニティの崩壊を招く恐れがある。本研究では、このような分断を発生させる要因について、一つの集落での住民の避難行動を分析することによって明らかにし、「分断」の予防について検討することを大きな目的としている。今回の報告では、以前から交流のある福島県いわき市川前町高部地区を事例に、住民の原発事故発生直後の「避難する・しない」の判断をさせた要因について明らかにする。 高部地区は福島第一原子力発電所から半径30km圏のすぐ外側、31~32kmに位置しており、事故発生直後からその影響が心配された地区であった。事故発生当時はどの程度の放射能汚染があるかははっきりと把握できなかった。このため事故発生直後、高部地区外へ避難した住民と避難しなかった住民とに二分される結果となった。表1は事故発生直後に避難した住民への聞き取り調査結果である。避難先は、福島第一原子力発電所から遠いところであり、遠方にいる親戚や子息を頼って避難している。避難理由は様々であり、親族の病気や娘の避難の呼びかけに応じて、というものである。しかし、避難先での暮らしが窮屈なこともあり、早々に避難先から高部地区へ戻って来ている。 一方、避難しなかった住民は、住民同士が声を掛け合い、15日あたりから集会所に集まって過ごしていた。17日には屋内待避指示の関係で福岡県警の警察官が集会所に常駐、放射線の観測機器等を持っていたことから、住民に安心感を与える事となる。避難しなかった理由は、仕事の関係、家畜の飼育などの理由であった。 「避難した・しなかった」は、住民間にとっても微妙な問題である。個々の住民が抱える状況によってその行動に差異が生じている。このため住民間のコンフリクトを引き起こし、地域コミュニティの崩壊につながる可能性があった。一方で、一時避難から戻って来た住民を「受容」するなど、コミュニティ維持への「知恵」ともいうべきものがみられた。
著者
大塚 隆生 中川内 章 下西 智徳 古賀 清和 岡崎 幸生 中房 祐司 宮崎 耕治
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.40, no.8, pp.1520-1524, 2007 (Released:2011-06-08)
参考文献数
9
被引用文献数
1

症例は69歳の男性で, 間歇性腹痛と新鮮血下血を来し, 近医で行った腹部CTで上腸間膜動脈閉塞症と診断され, 当科を紹介された. 心電図上心房細動を認めた. 血液検査で白血球とLDHの上昇, 血液ガス分析でアシドーシスを認め, 腸管壊死が疑われたため開腹手術を行った. 小腸は広範囲にわたり色調が変化し, 辺縁動脈の拍動も減弱していたが, 壊死所見はなかった. そこで, 術中血管造影検査を行ったところ, 上腸間膜動脈に空腸第1枝より末梢レベルでの閉塞を認めたため, 動脈壁を切開し, 血栓除去術を行った. その後, 小腸の色調は速やかに回復し, 辺縁動脈の拍動も良好となった. 造影CTでも上腸間膜動脈の血流は良好であった. 上腸間膜動脈閉塞症による腸管壊死の診断で開腹したが, 可逆的腸管虚血を疑い, 術中血管造影検査が部位診断と治療方針の決定に有用であった1例を経験したので, 文献的考察を含めて報告する.
著者
武長 徹也 竹内 聡志 後藤 英之 吉田 雅人 西森 康浩 大塚 隆信 杉本 勝正 大藪 直子 土屋 篤志 多和田 兼章
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.1121-1123, 2009

<B>Background:</B> The purpose of the present study was to evaluate the clinical results of conservative treatment for rotator cuff tears.<BR><B>Methods:</B> 33 shoulders of 28 patients were evaluated and diagnosed as having rotator cuff tear with magnetic resonance image or ultrasonography in our institution. There were 13 male cases (17 shoulders), and 15 female cases (16 shoulders). The average age of the 33 shoulders at the time of the diagnosis was 70.9 years old (range 56 to 82 years) and their mean follow-up period was 37.5 months (range 12 to 106 months). With respect to tear size, 4 shoulders were categorized as massive tears, 5 were large tears, 14 were medium tears, 9 were small tears. There was 1 partial tear at the bursal side. The clinical results were evaluated by Japanese Orthopaedic Association shoulder scoring system (JOA score) and pre and post therapeutic active range of motion was also investigated.<BR><B>Results:</B> The average JOA score improved from 69.2 points at first exam to 84.0 points at the final follow-up. However, younger patients (less than 60 years old) showed deterioration. Improvement of active range of motion has been confirmed from 139 to 156 degrees in elevation, from 135 to 150 degrees in abduction, from 57 to 63 degrees in external rotation and from L2 to L1 level in internal rotation at the final follow up.<BR><B>Conclusion:</B> In most of the cases, clinical results of conservative treatment for rotator cuff tears were satisfactory except for younger and active patients.
著者
多和田 兼章 竹内 聡志 鷹羽 慶之 後藤 英之 武長 徹也 大塚 隆信 杉本 勝正 大藪 直子 土屋 篤志
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.795-797, 2014 (Released:2014-11-21)
参考文献数
9

今回の研究の目的は当院における肩関節脱臼に対するStimson法の整復率について調査することである.当院救急外来にて研修医がStimson法で整復を行った肩関節前方脱臼21例22肩(平均年令60.8歳,男性13例,女性8例)を対象とした.外傷性脱臼が14肩,反復性脱臼が8肩であった.整復できた群をStimson法群,Stimson法で整復できなかった群をFailure群とし,比較を行った.当院におけるStimson法の整復率は40.9%(9/22肩)であった.他の13肩はzero position法で整復された.Failure群13肩では年齢が高く,合併損傷を伴う外傷性脱臼が多い傾向にあった.Stimson法は簡便で,非侵襲的だが,整復時間を要することや低い整復率が問題である.当施設においても40.9%と他の整復法と比較して低い整復率であった.
著者
土屋 篤志 大藪 直子 後藤 英之 堀内 統 吉田 雅人 西森 康浩 大塚 隆信 武長 徹也 杉本 勝正
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.567-569, 2011

We investigated the shoulder function of the frozen shoulder after an average of thirty months (12 to 108 months) of the conservative treatment. In this study, 17 shoulders of 16 patients (13 males and 3 females) of non-traumatic frozen shoulder without rotator cuff tear were investigated. The mean age of all cases was 66 years old, ranging from 47 to 76 years old. At an average of 30 months follow-up, the clinical results and shoulder function including subjective and objective evaluation, range of motion and shoulder strength using micro FET, were investigated. The mean JOA score was 63.7 points at the initial treatment and 82.5 points at the end of the treatment. After thirty months of the treatment, JOA score was improved to 93.4 points. About 88% of the patients were satisfied with their daily living, although 16.7% of the patients changed sports activity level or their work. Seven of 17 patients who were satisfied with their ADL, restricted some concrete action related to shoulder function such as scratching their back. The range of motion of flexion, abduction and external rotation of the affected side tended to be lower compared with the normal side, but not significantly. The strength of the shoulder of the affected side was improved without a significant difference from normal side. The prognosis of the frozen shoulder was relatively good with a little discomfort for living and a limitation of sports activity.
著者
岩切 龍一 田中 聖人 後藤田 卓志 岡 志郎 大塚 隆生 坂田 資尚 千葉 俊美 樋口 和秀 増山 仁徳 野崎 良一 松田 浩二 下野 信行 藤本 一眞 田尻 久雄
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.1370-1396, 2018 (Released:2018-07-20)
参考文献数
160
被引用文献数
1

日本消化器内視鏡学会は,内視鏡診療ガイドライン作成作業の一環として,消化器内視鏡の洗浄・消毒標準化にむけたガイドラインを作成した.本邦と欧米先進国では消化器内視鏡医療の環境が異なる.欧米先進国では消化器内視鏡の施行は,ほぼ専門施設に限られ,厳格な洗浄・消毒の既定が遵守されている.本邦では小規模クリニックでも消化器内視鏡が行われ,年間に行われる消化器内視鏡数は膨大な数になる.内視鏡の洗浄・消毒法も医療機関によって差が認められるのも事実である.洗浄・消毒に関しての根拠は,エビデンスが乏しいのも事実であるが,内視鏡医療の発展のためにも消化器内視鏡の洗浄・消毒の標準化が必要である.
著者
大塚 隆信
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 第60回日本農村医学会学術総会 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
pp.5, 2011 (Released:2012-02-13)

日本においては平均寿命が延び,急速に高齢化社会が到来している。男性のほぼ5人に1人,女性の4人に1人が高齢者である。それにともなって介護を必要とする要支援・要介護者は約450万人と増えている。その原因として「関節疾患」「転倒・骨折」などの「運動器」の障害が20%を超えている。ロコモティブシンドロームという言葉は日本語で「運動器症候群」と訳され『ロコモ』という通称が使用されている。運動器の障害により日常生活での自立度が低下し,要介護の状態や要介護の危険のある状態をいう。これは運動器のことをロコモティブオルガン(locomotive organ)ということから派生している。またロコ モティブには「機関車」という意味もあり人生を機関車のようにアクティブに生きようという意味が込められている。 ロコモティブシンドロームの徴候・症状 関節や背部の痛み,関節や脊柱の変形,関節や脊椎の可動域制限,下肢・体幹の筋力低下,バランス能力の低下がポイントとしてあげられる。 日常生活でチェックすべき項目 1.家のやや重い仕事が困難である。 2.家の中でつまずいたり滑ったりする。 3.15分くらい続けて歩けない。 4.横断歩道を青信号で渡りきれない。 5.階段を上がるのに手すりが必要である。 6.片脚立ちで靴下がはけない。 7.2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難である。 ロコモティブシンドロームの判定基準 1)開眼片脚起立時間:15秒未満 2)3m Timed up and go test:11秒以上 運動機能低下をきたす疾患 脊椎圧迫骨折及び各種脊柱変形(亀背,高度脊柱後弯・側弯),下肢の骨折(大腿骨頚部骨折など),骨粗鬆症,下肢の変形性関節症(股関節,膝関節など),脊柱管狭窄症,脊髄障害,神経・筋疾患,関節リウマチおよび各種関節炎,下肢切断,長期臥床後の運動器廃用,高頻度転倒者 予防と治療・ロコモーショントレイニング ロコモ対策の基本は運動器局所の治療と歩行機能の維持改善の2本立てである。 これらの項目の解説と運動機能低下をきたす主なる疾患(骨粗鬆症,下肢の変形性関節症,脊柱管狭窄症)の診断・治療などについて述べる。 参考文献: 日本整形外科学会編;ロコモティブシンドローム診療ガイド2010,文光堂
著者
榎原 博之 大塚 隆弘 山上悠喜
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.8, pp.2049-2060, 2012-08-15

研究室内での文献管理において重要となるのは「メンバ間で文献情報の共有を行えること」そして「容易に文献を検索して,論文に引用できること」である.現在,文献管理ツールが多数開発されているが上記の条件を十分満たすものはない.そこで,本研究では研究室内での利用に特化した文献管理システム「bole」を開発する.提案システムは,研究室内で文献情報の共有を行いやすくするため,ウェブアプリケーションによる実装を行い,文献情報を登録する際,同時に文献に関する研究分野やコメント,評価などの情報を追加登録する.また,筆者らの研究室では,論文執筆の際,参考文献の記述にBibTEXを利用するので,便利にBibTEXを利用するために,文献を論文に引用するときに必要な「引用キー」を1クリックでコピーできる機能などの実装を行う.提案システムの導入により,研究室内での文献情報の共有を簡単にすることができ,さらに論文執筆の効率化を進めるという提案システムの有用性を検証する.The important things about managing literatures in laboratories are "Sharing literatures between members" and "Easy to search literatures and to cite them in papers". Currently, many literature management tools have developed, but not enough to satisfy the above conditions. In this paper, we develop the literature management system "bole" that specializes in the use of laboratories. The proposed system is developed as the web application, and when literature information is registered in the system, research area, comment, evaluation, and so on about literatures are registered as additional information in order to facilitate sharing of literature information in laboratories. BibTEX is used in our laboratory to write a paper, therefore we develop functions convenient to use BibTEX, for example citation key can be copied with one click. We show the utility of the proposed system to share literature information easily in the laboratory, and efficiently to write the papers.
著者
榎原 博之 大塚 隆弘 宮川 朋也
雑誌
研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2013-NL-210, no.5, pp.1-6, 2013-01-04

研究活動において論文などの文献情報を管理することは重要な作業の 1 つであり,現在はコンピュータの普及に伴い PDF 形式等の電子データで文献情報を扱うことが一般的になっている.電子データの文献情報は,コンピュータを介して容易に他者とのやりとりができるなどの利点がある.他者との共有を支援するアプリケーションがあれば,より便利に共有を行うことができ,さらに研究活動の効率化を図ることができると考え,我々は研究室内での利用に特化した BibTEX ベースの文献管理システム bole[1] の開発を行なっている.本稿では bole の追加機能などについて説明する.さらに, 2 つの研究室に実際に bole を長期間利用していただき,利用者による評価を行い提案システムの有用性を検証する.