著者
内藤 航 上坂 元紀 石井 秀樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:21882355)
巻号頁・発行日
vol.98, no.2, pp.144-150, 2015-02-01

福島第一原発の事故に伴い放出された放射性物質により汚染された地域において,外部被ばく線量に対する住民の不安軽減や行政による効果的な被ばく低減対策の検討には,外部被ばく線量がどのように評価されているかを正しく理解し,いつ・どこで・どれくらい被ばくしているかを知ることが重要である.1時間ごとに被ばく線量が記録できる小形個人線量計のデータと空間線量データ,更にGPSや個人の行動情報をGIS上で統合し解析した結果は,適切な放射性物質のリスク管理のあり方の検討において貴重なデータとなる.本稿では,福島県の中通り地区に在住する方々に協力を頂き実施している,効果的な管理・対策のための外部被ばく線量の評価研究の内容を紹介する.
著者
内藤 芳篤 加藤 克知 六反田 篤 中谷 昭二 分部 哲秋 松下 孝幸
出版者
長崎大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1986

1.研究方法および資料九州から出土した縄文人骨について、マルチンの方法により人類学的計測および観察を行い、時代差とともに、同じ時代でも遺跡の立地条件による差異について比較検討した。資料は、長崎大学に保管されている人骨の他に、九州大学,久留米大学,鹿児島大学および京都大学所蔵の人骨で、縄文時代早期21体,前期56体,後期71体,晩期3体,合計151体である。2.人骨の形質(1)脳頭蓋では、洞穴出土の早期人は長頭(頭長幅示数74.74),前期人は中頭(77.29),後期人は短頭(82.24)であるが、貝塚出土の人骨は、いずれも中頭(76.82)に属し、全般に長頭に傾いていた。(2)顔面頭蓋では、洞穴出土の前期人(上顔示数59.13),後期人(59.83)ともに低顔性が強く、貝塚出土の前期人(64.00),後期人(63.38)はやや高顔であった。すなわち顔面については、時代差よりも山間部の洞穴人と海岸部の貝塚人との差が認められた。(3)四肢骨については、早期・前期人は後期・晩期人に比して、細くて,周径や長厚示数が小さく、また洞穴人は貝塚人に比して時代差と同じように細く、きゃしゃであった。しかし長径については、必ずしも周径にみられたような傾向は認め得なかった。(4)推定身長をピアソンの方法式で算出すると、洞穴人は、早期(男性167.22cm),前期(162.82cm),後期(157.95cm),貝塚人は前期(162.48cm),後期(161.17cm)で、縄文人としてはやや高身長であった。3.今後の研究方針九州縄文人骨の収集につとめ、時代差,洞穴人と貝塚人との差の他に、地域差の有無について検討したい。
著者
内藤 智 西村 寿彦 大鐘 武雄 小川 恭孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.262, pp.19-24, 2007-10-11

MIMO通信は,送受信機双方に複数のアンテナを設置して空間的に信号を多重化させることで,高速な通信を実現するシステムである.このMIMO通信において,チャネルの状態に応じて通信速度を変化させる適応変調制御を行うE-SDM方式を,TDD下り回線に適用する.この際,パケット通信を想定して,スループット最大基準で送信リソース制御を行う.本研究の目的は,適応変調制御を行うE-SDM方式について,室内テストベッドを構築して検証実験を行うことである.従来の適応変調制御では実装する際に計算負荷が問題となるが,簡略化手法を導入して負荷を軽減することで実装を可能とした.また,動的フェージング環境下におけるチャネル変動誤差を補償するために一次外挿によるチャネル予測を用い,特性の改善効果について確認した.本稿では,フェージングシミュレータを用いた室内テストベッドを構築し,適応変調制御E-SDM通信の動的フェージング環境下における検証実験を行った結果について報告する.
著者
内藤 梨沙
出版者
日本景観生態学会
雑誌
景観生態学 (ISSN:18800092)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.57-73, 2012-12-25 (Released:2013-01-09)
参考文献数
153
被引用文献数
1 5

世界的な両生類の減少が注目されるようになってから約20年間,世界各地で両生類の減少理由や生態に関する研究が行われ,様々な情報が蓄積されてきた.減少の理由は生息する地域や種によって異なるが,主に,生息地である湿地の減少や分断化,環境汚染であると考えられている.日本においてもその例外ではなく,天然湿地や森林の開発などによる両生類の減少が進んでいる.日本の里山景観においては,湿地性生物の生息地の代替地として水田が重要な役割を果たしてきた.しかし,農業の近代化や耕作放棄地の増加に伴い水田環境が変化し,日本固有の水田生態系を代表する生物が絶滅危惧種に指定されるようになった.カエル類の多くは環境汚染に敏感であり,また生活史の中で水陸両域を必要とするため,水田環境の変化を反映する環境指標種として期待されている.その中でも絶滅危惧種IB類に指定されている日本固有種ナゴヤダルマガエルは水田環境に強く依存し,農業依存種の代表とされている.本種の生息場所は水田地域に限られているため,具体的な保全計画策定に向けて,水田における本種の生態に関する研究が求められている.本種の減少理由は水田における水管理の変化,圃場整備による乾田化,近縁種であるトノサマガエルとの交雑などが指摘されている.本種は一年を通して水田に留まり,繁殖活動や幼生の生存率などは水田の水管理に強く影響されている.また,水辺からほとんど離れない性質を持つため,成体の生息地利用は水田周辺の水辺環境(素掘りの水路や,ビオトープなど)の有無や湛水期間に影響されている.また,畦は水田地域における重要な陸域環境として利用されており,本種による微生息地利用の研究は今後の畦管理について示唆を与えるものである.本論文では,両生類の置かれている状況,水田環境とカエル類の関係,農地における生物の保全,ナゴヤダルマガエルの生活史や生態を整理し,カエルの水田における保全,特にナゴヤダルマガエルの保全に向けた提案を行った.
著者
和泉 紘介 河村 圭 内藤 整
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J98-D, no.9, pp.1256-1264, 2015-09-01

映像サービス提供事業者にとって映像の品質を保証することは重要である.しかしながら,人手での映像の品質検査は高コストであるため,自動で品質検査することが望ましい.高解像度映像では,参照画像を用いた画素レベルでの検査処理は多大な計算コストを要するため,符号化映像データにおける符号化パラメータのみを利用して主観画質を推定するParametric NR(No Reference)客観画質評価技術が求められる.また,圧縮技術としてH. 265/HEVC (以下HEVCと呼ぶ)の普及が見込まれるため,高解像度向け客観画質評価技術にはHEVC圧縮による画質劣化を考慮することが不可欠である.しかし,HEVCは規格化完了から時間が経っておらず,HEVC対応の客観評価技術は十分に確立されていない.HEVCは多様なブロックサイズを選択できるため,大きなブロック周囲のノイズが知覚されやすくなった.従来方式ではこれらを考慮しないが,提案手法ではブロックサイズをテクスチャの複雑度指標として知覚されやすさを考慮する.また,HEVCのマージモードはあるフレームでのフリッキングとして知覚される領域が空間的に広がる.本論文では,HEVCの特徴を利用したParametric NR型客観評価方式を提案する.実験結果より,提案方式による客観評価値と主観評価との相関係数は0.945,RMSEは8.599の性能を有することを確認した.これは,AVCを対象とした従来の客観評価方式と同レベルである.
著者
渡辺 健次 森下 輝夫 内藤 正一 菅 進
出版者
運輸省船舶技術研究所
雑誌
船舶技術研究所報告 (ISSN:0495775X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.93-128, 1983
被引用文献数
2

This project is for hydrogen production with solar energy on a huge raft floating on the South Pacific Ocean and for transport of liquified hydrogen. In previous papers, authors proposed a new raft system and showed that the system is efficient for collecting solar energy and able to follow solar motion in the range of allowable error. In this paper, the feasibility on the total plan is studied from technical view point and other ploblems are investigated ; the polution and efficiency reduction of reflecting mirrors by sea-salt particles, transport of liquified hydrogen by tankers and meteorogical and ecological influence by the existence of huge raft floating on ocean are discussed. Energy conversion ratio is about 20 per cent and total liquified hydrogen income of the system is about 5,000 ton per year. Consequently the project is feasible from technical view point.
著者
内藤 明 老沼 正芳 酒井 清孝 渡辺 哲夫 今村 和夫 鶴見 隆 須磨 靖徳
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.65-68, 1988-02-15 (Released:2011-10-07)
参考文献数
5

透析中に体内電解質の移動を制御する方法の一つとして透析膜に荷電を付加することが有効と考えられる。本報では、血液透析膜を用いて、無機リンおよびナトリウムイオンの膜透過性、無機リンの溶質透過性. 膜表面電位(ζ電位)を測定し膜透過性と膜表面電位の関係を検討した。ζ電位は湿潤状態の中空糸透析膜1本について、流動電位測定装置を用いて中空糸内にKCi水溶液を圧入して測定した。無機リンの溶質透過係数は放射性同位元素で標識した32P-Na2HPO4 (5μCi/ml)の水溶液を中空糸透析膜1本に充填して一席時間透析を行い、中空糸内部の残存溶質濃度を測定して算出した。再生セルロース膜では、無機リンの総括物質移動係数および無機リンの溶質透過係数Pmに及ぼすζ電位の影響はない。PMMA膜では、ζ電位が無機リンおよびナトリウムイオンの総括物質移動係数および無機リンの溶質透過係数Pmに影響を及ぼしている。
著者
梶田 将司 内藤久資 小尻智子 平野 靖 間瀬 健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.39, pp.35-40, 2005-05-13
被引用文献数
7 3

本報告では、学内の様々な情報システムが共通に利用できるセキュアな全学認証基盤の実現の1つの方法として、Yale大学で開発されたCentral Authentication Service(CAS)を用いて構築した全学認証基盤について述べる。CAS認証では、ユーザ認証に必要な認証情報をCASサーバにしか送信しないため、よりセキュアな環境でユーザ認証基盤およびシングルサインオン環境を実現できる。また、HTTPリダイレクション、Cookieなどの標準的なWeb技術しか用いられていないため、簡単で軽いシステムである。さらに、LDAP属性などど併用することにより、強力なCentral Authorization Serviceも容易に実現可能である。本稿では、CAS認証とその権限管理機能の強化について述べるとともに、平成17年度前期開講科目からはじまった全学的なWeb履修申請手続きを対象とした実運用結果について述べる。This paper describes a university-wide authentication and authorization information infrastructure using Central Authentication Service Service developed by Yale University and its extention to Central Authorization Service. CAS server is only the server used in authentication so that more secure Single Sign On environment can be attained. Also,CAS is implemented on typical Web standard technology like HTTP redirection and Cookie so that it can be used by quite simple configuration but powerful authentication. Furthermore,CAS can provide not only Central Authentication Service but also Central Authorization Service by using in conjunction with LDAP attributes and so on. In this report,we explain the deployment of CASified Nagoya University Portal for 2005 Web-based registration application,and summarize our experiences.
著者
金子 かつこ 渕野 剛生 安武 正剛 内藤 郁夫 飯岡 正麻 芝木 儀夫
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.45, pp.248-249, 1998-10-30

Effects of color on perceived qualities of textile materials were studied by using dyed polyester chips. Six hues were investigated. Five color chips of textile with constant lightness and 4 to 5 chips with constant chromaticness were chosen in each hue. 25 Girl students were investigated their own 6 fundamental qualities by means of SD-method after demonstration of the textile chips at constant conditions. The effects of Munsell chroma and value were studied by means of correlation coefflcients and slopes of regression straight line. The lightness value affects on senses of shade of color, roughness, lightness, hardness, and the chromaticness value does on the sense of activeness.
著者
佐藤 隆一郎 野口 忠 内藤 博
出版者
Center for Academic Publications Japan
雑誌
Journal of Nutritional Science and Vitaminology (ISSN:03014800)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.67-76, 1986 (Released:2009-04-28)
参考文献数
20
被引用文献数
126 201

A casein phosphopeptide (CPP) was prepared from β-casein of cow's milk and the effect of this peptide on the absorption of calcium from a ligated segment of rat small intestine was investigated. CPP injected into a ligated loop of rat small intestine enhanced absorption of calcium from the loop and augmented the deposition of calcium in the femur. Furthermore, CPP inhibited the precipitation of calcium phos-phate in vitro, suggesting that this peptide enhances calcium absorption from the small intestinal lumen by increasing the concentration of soluble calcium. This new evidence confirms our previous hypothesis that CPP is an important factor in raising the availability of calcium in milk.

1 0 0 0 OA <論説>虚無僧

著者
内藤 二郎
出版者
駒澤大学
雑誌
駒大経営研究 (ISSN:03899888)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.51-67, 1983-03-19