著者
内藤 博愛 朝倉 淳 神山 貴弥 須本 良夫 樽谷 秀幸
出版者
広島大学学部・附属学校共同研究機構
雑誌
学部・附属学校共同研究紀要 (ISSN:13465104)
巻号頁・発行日
no.37, pp.325-330, 2008

本年度は, これまでに蓄積されてきた研究成果を踏まえて, 生活科学習において「キャリア」という視点からの単元開発の可能性について研究を進めた。そのために, これまで同様, 提案授業を基に協議・考察をしていった。本年度は広島大学附属東雲小学校の須本良夫教諭の実践「小さな先生登場」を基にしたキャリアを視点とした生活科の単元開発の可能性について協議した。須本実践では, 「見て分かる」だけではなくて「実際にさせて分からせる」という過程を大切にすることがその特徴であり, 大いに示唆に富むものであった。実際に先生の仕事をさせることで, 子ども達は嬉々として活動に取り組みながらも, 目には見えない先生達の仕事(大変さや喜び等)に気付くことができた。具体的な活動を通して思考するという発達の過程にある低学年の子ども達との学習において, この単元作りの視点は, 生活科の他の学習内容においても今後, ますます大切にされなければならないということが協議において明らかになった。
著者
松岡 育弘 内藤 哲義 山田 碩道
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.51, no.9, pp.759-765, 2002-09-05
被引用文献数
1 7

数多くの溶媒について水を飽和した状態で,溶媒のアクセプタ性を示す E_T値と水の溶解度を測定した.水の溶解度は,カールフィッシャー法により電量滴定で測定した.用いた溶媒は,7 種類のアルカン,3 種類の芳香族溶媒,3 種類の塩素化炭化水素,4 種類のエステル,6 種類のケトンと5 種類のアルコールである.各溶媒のE_T値は 1,2- ジクロロエタンを除いて対応する水の溶解度とかなりよい直線関係が成立することが分かった.これらの溶媒の中でデカン酸による銅 (II) イオンの抽出に関して研究してきた溶媒に対して,水の溶解度とこれらの抽出系に含まれる種々の平衡定数との間にかなりよい直線関係があることを示した.このことは,これらの抽出平衡が水和の影響を受けていることを示唆している.本研究で用いた溶媒への水の溶解度は 2.36×10^-3から 4.74 mol dm^-3であり,E_T値と比べて広い範囲にわたっている.このことは,有機溶媒への水の溶解度は,溶媒抽出における溶媒効果を研究する際,有機溶媒の性質を示す高感度な尺度として有用となることを期待させる.
著者
内藤 豊助 Naito Toyosuke
出版者
千葉医学会
雑誌
千葉醫學會雜誌 (ISSN:00093459)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.253-332, 1928-02-28

著者ハ肝臟ヲ構成セル肝小葉ガ其中心部ト末梢部トニ於テ肝細胞間ニ形態學的差異アリ、且、病的状態ニ於テモ亦特殊ノ病的現象ヲ發現スルニ鑑ミ、斯ル形態學的像ニ差異ヲ呈スルハ明ニ機能的相異ヲ信ゼシムルカ故ニ、種々ナル藥物(グロロフオルム、黄燐、鹽化アドレナリン)中毒ニヨル或ハ飢餓時ニ於ケル肝臟ヲ顯微化學的ニ研索シテ、肝小葉内末梢及中心兩部肝細胞ハ中毒ニ對シ著シク異ナル病的状態ヲ出現シ、兩者ノ間ニ著シキ感受性ノ差異有ルヲ確メタリ。(自抄)Es ist allbekannt, dass immer ein morphologischer Unterschied zwischen den Leberzellen in der Zentral-und Peripherzone nicht nur bei normalen, sondern auch bei pathologischen Zustanden gefunden wird. Deswegen mochte ich annehmen, dass dieser morphologische Unterschied mit der Funktionsdifferenz der Leberzellen etwas zu tun hat. Aus diesem Grunde untersuchte ich, ob die Localdifferenz der Veranderung in dem Acinus durch verschiedene Vergiftungen experimentell hervorgerufen werden kann oder nicht. Versuchsmaterial und Untersuchungsmethode. Als Versuchstier verwendete ich die Maus hauptsachlichst, seltener die Ratte und als Vergiftungsmittel verschiedene Lebergifte, besonders Chloroform, Phosphor usw. Um acute Veranderungen in der Leber hervorzurufen, brauchte ich moglichst grosse Dosen der Gifte, teils auf dem Wege der Injektion in die Bauchhohle (Phosphor, Adrenalin), teils durch Inhalation (Chloroform), und ausserdem habe ich auch den Hungerversuch angewendet. Nach der Behandelung beobachtete ich die Versuchstiere stundlich und untersuchte jede Reihe des Materials mikroskopisch und in einigen Fallen, zur Funktionsprufung auf Kohlenhydrate, injizierte ich nach einem bestimmten Zeitverlauf 0,05 ccm 20% iger Traubenzuckerlosung in die Bauchhohle. Schlussfolgerung. Bei den mikrochemischen Untersuchungen der Leberzellen (Befunde des Glykogens und Fettes) in dem Acinus durch die verschiedenen Vergiftungen und die Hungerversuche, beobachtete ich eine lokale Funktionsdifferenz der Leberzellen und habe die Ergebnisse in Folgendem zusammengefasst. Zur Erleichterung der histologischen Beschreibung teile ich die Leberlappchen (Acinus) in zwei Abschnitte (Zentral -u. Peripherzone) ein. Befunde des Glykogens: 1. Bei den Fallen von Chloroforn u. Phosphorvergiftungen, verschwindet das Leberglykogen im allgemeinen relativ fruhzeitig; und man bemerkt dabei eine besonndere Trubung und Aufhoren der Glykogenbildungs-u. Glykogenfixationsfahigkeit der Leberzellen in der Zentralzone des Acinus. 2. Dagegen behralten die Leberzellen in de新字体抄録:著者ハ肝臓ヲ構成セル肝小葉ガ其中心部ト末梢部トニ於テ肝細胞間ニ形態学的差異アリ、且、病的状態ニ於テモ亦特殊ノ病的現象ヲ発現スルニ鑑ミ、斯ル形態学的像ニ差異ヲ呈スルハ明ニ機能的相異ヲ信ゼシムルカ故ニ、種々ナル薬物(グロロフオルム、黄燐、塩化アドレナリン)中毒ニヨル或ハ飢餓時ニ於ケル肝臓ヲ顕微化学的ニ研索シテ、肝小葉内末梢及中心両部肝細胞ハ中毒ニ対シ著シク異ナル病的状態ヲ出現シ、両者ノ間ニ著シキ感受性ノ差異有ルヲ確メタリ。(自抄)
著者
内藤 正和
出版者
愛知学院大学
雑誌
愛知学院大学論叢. 心身科学部紀要 (ISSN:18805655)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.69-76, 2007-03-31

今日,大学では教育・研究と並んで,地域貢献活動が大きな使命となっている.運動・スポーツの分野においても例外ではなく様々な取り組みが行われているが,大学の資源を地域の中で適切に活用することが重要である.そこで本研究では,大学が運動・スポーツを通して地域に貢献するために,大学が有する資源について現状や課題を明らかにし,今後それらをどのように地域の中で活用していけばよいのかを検討することを目的とする.その結果,以下のことが明らかになった.1)運動・スポーツ活動に必要な資源である人的資源,物的資源,資金的資源,情報的資源のうち,大学は人的資源,物的資源,情報的資源を豊富に有している.これらは質・量ともに他のスポーツ組織が有する資源を大きく上回っている一方で,教育や研究等により,運動・スポーツを通した地域貢献活動として使用できる資源は限定的であるといえる.2)大学は地域スポーツの核としてではなく,地域の構成体の一つとして,多様な組織と連携することで,豊富に有する資源を有意義に活用し,また不足している資源を得ることができる.しかし,多様な組織と連携するためには実績を積み,様々なリスクを減らすことが求められる.3)地域貢献活動を行う際に,組織を構築して活動することにより,個別に活動するよりも他の組織と連携をすることが容易となる.特に資金面での連携が容易となり,活動を拡大させることができる.また組織化することにより,研究・教育と地域貢献活動の橋渡しの役目を担うことが期待できる.
著者
佃 和憲 浅野 博昭 内藤 稔 村岡 孝幸 伊野 英男
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.71, no.6, pp.1615-1618, 2010 (Released:2010-12-25)
参考文献数
10

症例は57歳,女性.子宮体癌術後1年の時,孤立性脾腫瘍を発見された.合併していたサルコイドーシスの病変と考えられ経過観察されていた.徐々に増大するためCTガイド下生検を行われ,子宮体癌脾臓転移と診断された.他臓器への転移は認めなかったため,脾臓摘出術を施行した.肉眼的な腹膜播種は認めなかったが,腹水細胞診がclass Vであったため,術後に化学療法を再開した.孤立性の転移性脾腫瘍はきわめて珍しく,若干の文献を含め報告する.
著者
鳥居 昭久 黒川 良望 木山 喬博 林 修司 加藤 真弓 木村 菜穂子 荒谷 幸次 神鳥 亮太 一村 桂子 角田 利彦 水谷 綾子 内藤 克之 神谷 友美 岩瀬 ゑり子
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.G0960-G0960, 2006

【はじめに】<BR> 2005年夏、岐阜県海津市の長良川国際ボートコースにて、2005ボート世界選手権大会が、アジアで初めて開催された。この大会は、ボート競技の国際大会としては、種目数、エントリー国数においてオリンピックをしのぐ最大の大会である。今回、大会会場のメディカルセンター付属施設として、理学療法室を開設し、参加選手等に対する理学療法サービスを実施する機会を得たので報告する。<BR>【大会概要】<BR> 世界ボート選手権大会は、オリンピックイヤーを除く毎年夏に開催され、主に欧米にて行われていたが、今回、ボート競技の普及などの意味も含めて、アジアで初めて開催された。<BR> 大会開催期間は2005年8月28日から9月4日までであった。また、会場は8月24日から公式に公開され、それに伴い、メディカルセンターおよび理学療法室は8月24日からサービスを開始した。大会参加国は56カ国、参加クルーは、本戦23種目、Adaptive種目4種目に合計319クルーがエントリーした。ちなみに、日本は、開催国ということもあり、史上最多の15種目にエントリーした。<BR> 会場は、岐阜県海津市の特設長良川国際ボートコース(2000m)であり、岐阜、愛知、三重県の県境にある国立木曽三川公園内に位置する。<BR>【理学療法室概要】<BR> 理学療法室は、長良川河川敷に設置されたメディカルセンターテント内に約25m<SUP>2</SUP>の専用スペースを設け、治療用ベッド4台と物理療法機器などを準備した。物理療法機器は電源、給排水などの問題から、温熱・寒冷療法機器のみとし、その他は、徒手療法、運動療法、テーピングなどで対応した。理学療法士は、愛知、三重、岐阜県理学療法士会へボランティアを公募し、12名の理学療法士が、6時から20時までを、3名常駐、2交替で待機した。<BR>【診療状況】<BR> 台風の影響もあり、実質理学療法室が稼働したのは10日間であった。利用した人は、延べ8カ国、28名であった。対象となった訴えは、頚部、肩、肘、腰部、膝などの痛み、下肢や背部の疲労感や筋の緊張などが主で、疲労性、過使用的な原因が多かった。また、特定部位の治療ではなく、コンディショニングに関する要望もみられた。<BR>【感想・問題点】<BR> 利用者は、予想に反して少なかったが、概ね効果的な理学療法が提供できたことで、利用した選手等には好評であった。一方、一部ではあるが、コミュニケーションの問題や、理学療法に対する理解の差から、選手が希望するセラピーと、用意された内容などの違いがあったり、多様なリクエストに対する対応の制限などの問題があった。特定のチームや選手団の帯同サポートと違い、今回のような国際スポーツ大会や、不特定多数が利用する場合の理学療法室設営の課題が明らかになり、今後、同様のケースの参考になることを多く得られた。<BR>
著者
垂見 明子 三松 早記 森田 達也 内藤 明美 坂本 康成 奥坂 拓志 清水 千佳子
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.301-305, 2016 (Released:2016-01-07)
参考文献数
12
被引用文献数
2

終末期についての話し合いは患者家族のquality of lifeを規定する重要な要因である.本研究はがん治療医を対象とした質問紙調査の自由記述の質的分析から,終末期の話し合いにおける課題に関するがん治療医の意見を収集した.質問紙は864名に送付し490名から回答を得た.自由記述から合計420意味単位を分析対象とした.がん治療医が終末期の話し合いを行う際の問題として(1)患者家族の課題(【患者家族の個別性に対応することの難しさ】【病状理解の難しさ】)(2)医療者に起因する課題(【患者家族・医療者双方への精神的サポートの不足】【医療者間の考え方の相違】など)(3)システムと体制に関する問題(【時間・人的リソースの不足】【教育・研究の不足】など)が抽出された.本研究の知見は,今後緩和ケア医とがん治療医が共同してがん患者との終末期の話し合いを行う際の相互理解に役立つと考えられる.
著者
吉川 敏一 内藤 裕二 近藤 元治
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.84, no.7, pp.1186-1191, 1995-07-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
11

活性酸素は脂質,蛋白,核酸など生体の多くの分子を標的とし反応する.それゆえ多彩な活性を有し,組織障害性因子として炎症,虚血,癌といった病態生理に関与し,また,バイオシグナルとして種々の生理機能の調節も行っている.活性酸素は,環境因子のみならず多くの生体内酵素系,ミトコンドリアなどより生じるが,炎症,虚血疾患においては好中球の関与が極めて重要である.スーパーオキシドとnitric oxide(NO)との相互反応も重要であり,それらが同時に生じるような場では,その微小循環系への影響,細胞障害性の二面より検討する必要がある,このような活性酸素の動態を生体における抗酸化防御機構との関連で検討することは,疾患の病態解明,治療につながる可能性がある.
著者
上村 圭右 平野 篤 内藤 正雄
出版者
日本信頼性学会
雑誌
信頼性シンポジウム発表報文集
巻号頁・発行日
vol.2010, no.18, pp.35-36, 2010-05-28

防衛省では、開発や量産への着手等の結節点における費用(LCC)対効果の判断を踏まえた意思決定、また、コスト面に係る説明責任の強化を行うため、各種装備品のライフサイクルコスト(以下、「LCC」という。)の算定を実施している。LCCの算定において最も重要となるのが、LCC算定の基準となるコストモデルを構築することである。コストモデルは、陸上車両、航空機等装備品の分野ごとに構造が異なるため、それらの分野ごとにコストモデルを構築する必要がある。ここでは、平成21年度にLCCを算定した新戦車(図1参照)について、算定の考え方を説明し、さらに、米国の装軌車両のコストモデルとの比較を行う。
著者
鈴木 章泰 内藤 美保 功刀 利夫
出版者
The Society of Polymer Science, Japan
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.500-503, 1994
被引用文献数
3

ポリメタクリル酸メチル (PMMA) フィルムのネッキングゾーン延伸における臨界ネッキング応力 (σ<SUB>c</SUB>) と延伸温度 (T<SUB>d</SUB>) との関係を調べた. その結果, ガラス転移温度 (T<SUB>g</SUB>=110.4℃) 以下の温度域で<SUB>c</SUB>T<SUB>d</SUB>の低下に伴いほぼ直線的に増加することが確認された. そこで, T<SUB>g</SUB>以下の温度域でのσ<SUB>c</SUB>をT<SUB>g</SUB>T<SUB>d</SUB>の差 (T<SUB>g</SUB>-T<SUB>d</SUB>) についてプロットしたところ, 次式で示されるような簡単な実験式を得た. σ<SUB>c</SUB>=C (T<SUB>g</SUB>-T<SUB>d</SUB>) (ただ, T<SUB>g</SUB>>T<SUB>d</SUB>) なお, この定数Cは0.490MPa・℃<SUP>-1</SUP>となり, ポリエーテル・エーテル・ケトン (PEEK) フィルムの0.539MPa・℃<SUP>-1</SUP>およびポリ (エチレンテレフタレート) (PET) 繊維の0.546MPa・℃<SUP>-1</SUP>に近い. 種々のT<SUB>d</SUB>でネッキングゾーン延伸して得られたフィルムのネッキング延伸倍率 (λ<SUB>n</SUB>) では, T<SUB>g</SUB>以下で延伸したフィルムのλnがT<SUB>g</SUB>以上で得られたィルムより大きく, また, T<SUB>g</SUB>以下の延伸ではT<SUB>d</SUB>が高いほどλnが大きくなる傾向にある. 負の複屈折 (Δn) を示すPMMAで, T<SUB>d</SUB>=80℃で延伸したフィルムのΔnは-16×10<SUP>-4</SUP>であるが, T<SUB>d</SUB>の上昇とともに負の値が小さくな, T<SUB>d</SUB>=132℃で延伸したフィルムはほとんど無配向である.
著者
船生 望 小川 誠 内藤 明 田中 益男 大野 信
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.152-159, 2005-04-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
3

著者らは, デジタル写真システムの階調特性を直接, 電子的に評価する研究を行っている.本報では, 明るい被写体をデジタルカメラ (DSC) で撮影し, PCディスプレイ画面やプリンタで再現した画像における階調特性に対するカメラの影響をD-CTS (Digital Camera-through Sensitometry) で検討した結果を記す.石膏の円錐体を明るく照明してカメラ撮影して得た所謂ハイキー調なデジタル写真画像の階調性にもDSC機種の階調に対する依存性が現れた. そこで, その状況をD-CTSにて検討するために, 前報において用いた明度リニアステップチャートを, 明るい領域のみに限定した明度域の分割チャートを制作した. そのチャートを用いたD-CTSにおいてPC画面上で測色するSoftcopy Evaluationによると, 明るい階調においてのDSC機種の階調に対する依存性がはっきりと現れた. 一方, 従来からの等濃度ステップのGray Scaleチャートを用いたCTSによるDensitometryでは, DSC機種の階調に対する依存性は顕著ではなかった. 検討の結果, 明度の領域を明るい領域に限定した等明度ステップチャートは, 明るい被写体に対するDSC毎の階調再現性を評価するのに適するD-CTSのターゲットとなることがわかった.
著者
内藤 莞爾
出版者
立正大学
雑誌
立正大学文学部論叢 (ISSN:0485215X)
巻号頁・発行日
vol.77, pp.61-82, 1983-12-15
著者
内藤 まゆみ 鈴木 佳苗 坂元 章
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.67-78, 2004 (Released:2004-11-25)
参考文献数
20
被引用文献数
5 18

本研究は,合理的処理および直観的処理における個人差(Pacini & Epstein, 1999)を測定する情報処理スタイル尺度(IPSI)の作成を目的とした.調査1(回答者290名)ではIPSI38項目の内容的妥当性を検討するため,確認的因子分析を行った.分析の結果,IPSIが合理性と直観性の2因子から構成されることが確認された.また,IPSIは十分な内的一貫性および再テスト信頼性を持つことが示された.他の尺度(曖昧さへの耐性と理論志向性,自尊心,社会的望ましさ)との相関はIPSIの収束的・弁別的妥当性を示すものであった.調査2(回答者237名)では,構成概念妥当性の検討のため,確率推論課題の回答とIPSIの関連を調べた.その結果,直観性および合理性が推論エラーの頻度と関連することが示された.加えて,調査2ではIPSI短縮版24項目を作成し,その信頼性と妥当性が確認された.