著者
藤原 郁也 能見 伸八郎 内藤 和世 牧野 弘之 戸田 省吾 中路 啓介 大森 吉弘 岡 隆宏 松田 哲朗 赤木 重典
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.1451-1458, 1992-06-25 (Released:2009-03-31)
参考文献数
37
被引用文献数
1 9

最近9年間に著者らが経験したマムシ咬傷58例の治療について検討した.患者はマムシ咬傷後早期に来院する例が多く,初診の段階では軽症と診断されることが多い.しかし重症例では受傷後3日前後に腫脹の増強,眼症状の出現がみられ臨床検査ではCPK, GOT, GPT, AMLがピークとなり,多くは2週間以内に軽快した.初診時に重傷度を判断することは困難であった.治療は抗血清使用にて5例,非使用にて53例を治療したがそれぞれに1例ずつ重症化症例がみられた.重症例でも抗血清を使用せず治癒し,副作用を考慮すると,抗血清は必ずしも必要とはいえず,厳重な経過観察,全身管理こそが重要であると思われた.
著者
内藤 久子
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、ハプスブルク帝国支配下のチェコ諸領邦において展開された宮廷社会を背景に、後期ルネサンスからバロック期に至る「チェコ音楽」の発展の諸相を、政治史・社会史・文化史の視座から読み解き、更に同地域における「人文主義」の開花について深く洞察することにより、同時代の「中欧文化」の歴史の一端を明らかにするものである。その成果は、同時期の「チェコ音楽」を、近現代の「チェコ音楽」創成への礎石と位置づけ、ヨーロッパ文化史の中でその卓越した発展の様態を解明するものとなった。
著者
小川 開 杉本 祐介 内藤 克浩 菱田 隆彰 水野 忠則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.14, pp.1-6, 2014-05-08

近年、スマートフォン,タブレット型端末の登場により、人々の生活をもとにした、巨大なデータが蓄積可能となってきている。また、口コミ情報の投稿や位置情報の取得も容易である。しかし、現在存在する一般的なサービスでは、口コミ情報そのものを掲示し利用している。口コミ情報を解析することで、レコメンドに活かせるのではないかと考え、本研究の目的である特徴語を抽出しレコメンドに使用する方式を提案する。口コミ情報から特徴語を抽出することで、観光地毎の特徴が見えてくる。そのため、ある観光地特有の要素の発見につながり、今までユーザの目にあまり映らなかった、観光地にもスポットが当てられるのではないかと考える。結果過疎化の進んでいる観光地の救済にもつながるのではないかと考え、本研究を提案する。
著者
内藤 林 谷澤 克治 箕浦 宗彦 高木 健 木原 一 野澤 和男
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

強非線形の流体現象の数値計算できる可能性があると判断した粒子法について3年間の研究で以下の成果を得ることができた。1.粒子法の有効性を計算と実験値を比較することで示した。すなわち、粒子法が、衝撃的な短時間に生起する強非線形現象、例えばスラミング、デッキウエットネスなどの現象をよく表現できることを我々自身の実験と計算で確認した。2.粒子法は、その計算領域が大きくなるとそれに従って計算時間はうなぎ昇りに長くなる短所を持つ。このことを解決するために、計算領域の境界から波の反射を無くすため、そこに完全波吸収システムを設置する手法を示し、その有効性を確認した。この波吸収システムは研究代表者が他の研究で開発したシステムであり、それを粒子法に合うように改良し、成功を収めた。このシステムを設置した境界における波エネルギー吸収量を計算した結果、ほほ100%の波吸収を実現でき、境界からの反射をなくすことができた。3.波動場の計算領域を狭くするために、水底をどこに設定するかも、計算時間に直接的に響くとともに波が伝播するうちに減衰する計算上の現象を解決する上からも重要な問題である。そこで、有限水深の水底を波動運動させる手法を導入した。水面上の撹乱から計算水底境界の撹乱を推定し、それに基づいて水底を強制的に動かすことで波の減衰を大幅に減ずることができ、水深に関して計算領域を画期的に減ずる事を可能にした。4.3次元現象の解明のために、粒子法計算コードを3次元問題への拡張を図るためには、計算時間の短縮化技術が必要である。その目的のために、並列化計算手法を完成して大幅な時間短縮技術を完成した。5.自由表面上で波動場中で前進速度をもった船舶に起きる3次元強非線形現象の計算プログラムを作り、数例の計算例を示すことができた。6.前進速度を有する二次元船舶の運動計算を行い、従来計算が不可能であったポーポイジングなどの現象を計算上で得ることができるようになった。7.工学に必要な力の計算において、考えられない、実験値にもない高周波数の変動が計算値に現れていた。この現象を補助方程式を使うことによって除去できる計算法を完成させた。このことによって工学で最も大切である、物体に働く力の計算精度向上に大きな前進を示した。8.船舶海洋工学分野で難しい強非線形問題に、この粒子法が極めて強力な計算手法であることを、他の各種の具体的な問題を通じて明示した。9.この手法を広く国内外に周知するために国内外の論文雑誌に投稿するとともに、国内外の各種会議に積極的に出席し衆知してきた。多くの国外研究者からの問い合わせを受け討論を深めることができた。
著者
坪内 暁子 奈良 武司 丸井 英二 内藤 俊夫 大槻 公一 重松 美加 山崎 浩
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、当初、世界レベルでの甚大な被害が予想される重篤な新興感染症等、特に新型インフルエンザ(H5N1)をターゲットとした、国民や社会全体への被害を抑える対策の一つ、感染症教育の有効的な手法に関する研究であったが、東日本大震災以降、二次災害としての感染症の対策の意味合いも加え、知識の浸透と自主性の育成を念頭に、研究モデル校において、教育機器を用いた講義と自ら考える演習(避難所シミュレーション等)を併せたプログラムを実施、介入前後のアンケート調査の結果等から有効性が認められた。
著者
皆川 洋喜 内藤 一郎 加藤 伸子 村上 裕史 石原 保志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.267, pp.25-30, 2001-08-20
被引用文献数
11 2

遠隔地における手話通訳者への情報提示方法についての我々の一連の研究の中で, 特に遠隔操作カメラによる手話通訳者の能動的情報取得方法の可能性について, 事例に基づいて考察する.いくつかの試行的な評価実験を行なったところ, 「通訳者または通訳補助者による遠隔カメラ操作での能動的情報取得は困難である」, 「通訳者以外の機器操作補助者によるカメラ操作(情報選択)であっても, 通訳者は与えられた環境で対応できるようにする」, また, 「通常の通訳と較べて遠隔地の方が手話通訳者に与えられる情報が増える」, 「遠隔地手話通訳により講師・通訳者・学生間の対話が減少する」などの興味深い結果を得た.
著者
内藤伊三郎 編
出版者
内藤伊三郎
巻号頁・発行日
1906
著者
亀谷 勝昭 松村 年郎 内藤 光博
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.41, no.7, pp.337-341, 1992-07-05
被引用文献数
4 5

雨水, 河川水, 水道水中のヨウ化物イオン及びヨウ素酸イオンの分離定量法を検討した.ヨウ化物イオンの定量は, これを陰イオン交換樹脂に吸着させ, 過マンガン酸カリウムを含むアルカリ溶液でヨウ素酸イオンとして分離溶出し定量した.ヨウ素酸イオンの定量は, 亜硫酸でヨウ化物イオンに還元し, もともと存在するヨウ化物イオンと併せて定量し, この値からヨウ化物イオンの値を差し引いて求めた.ヨウ化物イオンの比色定量は, 高感度であるロイコクリスタルバイオレット法を応用した.雨水, 河川水, 水道水には, ヨウ化物イオン及びヨウ素酸イオンを含むが, 特に水道水のヨウ素は, ほとんどすべてがヨウ素酸イオンとして存在することを明らかにした.
著者
内藤 親彦 田井 晰
出版者
神戸大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1990

ニホントガリシダハバチHemitaxonus japonicus complexの野外個体群を研究対象として、同所性寄主転換と生態種形成機構を解明するために、主として遺伝・化学生態的手法により研究を行い、以下の新事実を得た。1.日本の北緯34度付近の狭い移行地帯(南北約10km)において、イノデ生態種がジュウモンジシダ生態種から、寄主転換と生殖隔離をともなって同所的に分化している。2.寄生転換の主要因である雌成虫の寄主選択性は一遺伝子座支配と考えられ、両生態種は異なる産卵誘引物質を感受している。両化学物質はパルミチン酸メチルに近い揮発性成分であるが、それらの構造決定には至っていない。3.両生態種は外部形態や染色体で区別することはできないが、酸素多型やDNA高度反復列の比較においても、生態種分化に伴う明瞭な変化はみられず、生態種形成の速度が極めて速いか、またはその過程が遺伝的変化とは独立であるかを示唆している。4.同所的生態種形成とその短期確立には、寄主選択機構の他、寄主植物上での同系交配、一方向的選択交尾、条件づけ効果による幼虫の不食化等の諸要因が関与している。一方向的選択交尾は旧生態種から新生態種への遺伝子流入を防ぎ、新生態種の遺伝的独立性を保証する機構であり、それには性フェロモンの介在が実験的に示唆されたが、両フェロモンの同定には至ってない。5.機種転換が一遺伝子座支配による分断選択に起因していることを想定し、ジュウモンジシダ旧生態種の雌に、寄主選択の突然変異因子を含むイノデ派生生態種の雄を交配し、得られたF1雌にさらにイノデ生態種の雄を交配して、イノデのみに産卵、摂食するF2雌を分離することに成功し、生態種形成の実験的再現の可能性を強く示唆した。
著者
白取 祐司 仲真 紀子 川崎 英明 今井 猛嘉 高倉 新喜 田中 康雄 松村 良之 藤田 政博 森直 久 城下 裕二 内藤 大海
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

刑事裁判において法心理学は、法専門家(実務法曹)と司法に関わる市民とりわけ裁判員の間のコミュニケーションの実証分析、刑事司法に対する実務家、市民の意識分析による制度見直しへのデータ提供など、様々なかたちで貢献しうることを、実験や調査等を通して明らかにしてきた。また、子どもに対する心理学的観点からの面接法の研究を進め研修など実践段階までいたったほか、外国調査により、刑事司法における心理鑑定の制度化の可能性と必要性を示すことができた。
著者
三功 浩嗣 内藤 整
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.J125-J134, 2014 (Released:2014-02-25)
参考文献数
12
被引用文献数
2 5

In this paper, we propose a robust object tracking scheme for multi-view cameras and consecutive frames for rendering an immersive free-viewpoint video in a large outdoor space such as a soccer stadium. For a free-viewpoint video that provides users with an immersive experience, each object has to be identified consistently among all cameras for every frame to share the textures of the same objects and replace the textures when an occlusion occurs. To satisfy this requirement, the proposed method extracts objects' silhouette regions and tracks each identified object by associating a closed silhouette region with a tracking ID for every camera. During the frame by frame process, our method confirms whether occlusion occurs for each tracking region and modifies the texture region by projecting the world coordinate of the object in 3D-space, which can be estimated from a camera image without occlusion if one is available. The experimental results revealed that the proposed method achieved more robust texture extraction of multiple objects especially for occluded regions compared to the conventional methods. Furthermore, it was confirmed that the proposed scheme can improve the subjective image quality for free-viewpoint video as a result of precise reconstruction of occluded regions.
著者
小谷 スミ子 伊藤 知子 内藤 照美
出版者
新潟大学
雑誌
新潟大学教育人間科学部紀要. 自然科学編 (ISSN:13442961)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.61-80, 2003-11-28

新潟県の小学校教員を対象に学級の食物アレルギー児の実態と学校給食での対応についてアンケート調査を行った。食物アレルギー児のいる学校は46.0%,学級は21.3%,食物アレルギー児は1.3%,食物アレルギー児の55.1%は除去食を4.7%は弁当を持参していた。食物アレルギー児がいつも食べない原因食品は卵・卵製品が最も多く,次いでエビ・カニなど,穀類,牛乳・果実・魚類・大豆・大豆製品であった。アナフィラキシーについて知識のある教員は73.8%であった。アナフィラキシーを起こした児童は給食のあと運動したときやエビ,そばを食べたあとが多く,5.2%の教員が経験していた。学校給食の調理方式は市部で自校方式66.7%,センター方式27.3%,郡部で自校方式52.2%,センター方式45.6%であった。栄養職員がいると答えた教員は市部58.0%,郡部21.3%,兼任でいないは市部29.0%,郡部48.8%,いないは市部5.9%,郡部26.5%であった。学校給食で食物アレルギー児向けメニューを取り入れている学校は市部38.2%,郡部21.1%であり,自校方式29.0%,センター方式21.6%であった。食物アレルギー児のいる学級の20.8%,除去食児のいる学級の31.7%がメニューを取り入れていた。メニューを取り入れるに際し学級担任は保護者,養護教諭,栄養士,学校などとの連携を重要視し,患児に応じた除去食,代替食で対応していた。メニューを取り入れるのが困難な理由としてセンター方式のため,予算がない,人手がない,他の児童への配慮などが挙げられた。食物アレルギー児の弁当持参への対応では,給食献立表を見て食べられない時は弁当を持ってきてもよい50.9%が最も多く,次いで給食で食べられない食品を残してもよい38.5%であり,栄養士と相談して給食のメニューから問題の食品を抜いてもらう22.・8%,毎日弁当を持ってきていい20.2%は少なかった。学校給食に食物アレルギー児向けメニューを取り入れるには学級担任・患児・保護者・養護教諭・栄養職員・主治医・管理職相互のコミュニケーションに加え,行政からの人員配置や経済的支援も必要であると考えられた。
著者
近藤 信太郎 内藤 宗孝 松野 昌展 高井 正成 五十嵐 由里子
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

下顎骨の外側面に見られる隆起の形態的特徴と機能を明らかにするために非ヒト霊長類778個体を観察した。比較検討のために下顎骨外側面に見られる窩を同時に観察した。マカク属,サバンナモンキー属,マンガベイ属では隆起と窩の両方が見られた。隆起は緻密骨から成り,ヒトの下顎隆起に類似していた。発達の良い隆起は頬袋の入り口に近接していた。深く大きい窩はヒヒ属,ゲラダヒヒ属,マンドリル属の全個体に見られた。窩は第一大臼歯部が最も深く,この部位では骨質が薄くなっていた。隆起より前方に位置した。隆起と窩は下顎骨を補強する,あるいは負荷の軽減の機能をもち,咀嚼に対する適応的な形態と考えられる。