著者
越前 功 大金 建夫
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.58, no.9, pp.824-829, 2017-08-15

指紋認証が普及し,PCやスマートフォン等,個人用の機器にも広く採用されつつある.その一方で,ディジタルカメラを使って指紋を遠隔から窃取し,不正ログインやなりすましなどに悪用される危険性が指摘されている.本解説では,撮影された写真に画像処理を施すことにより.不正な指紋認証が実際に可能であることを示す.また,これを防止するための手段として,接触式の指紋センサーには正常に反応しつつ,撮影された写真から指紋の復元を不可能にする盗撮防止手法について概説する.
著者
市川 賢 前山 彰 小田 大嘉 中山 鎭秀 石松 哲郎 小林 知弘 鎌田 聡 山本 卓明
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.630-633, 2021-09-25 (Released:2021-11-12)
参考文献数
6

【背景及び目的】内側型変形性膝関節症に対するOWHTOは良好な長期成績が報告されている.インプラントの長期留置に伴う破損,違和感等の合併症が報告され,本邦では抜釘術が行われる傾向にある.一方,抜釘術自体に伴う感染・神経損傷等の危険性もあり海外では抜釘術に関しては一定の見解はない.また,これまでに抜釘術の術後評価を行った研究はない.研究の目的はOWHTOの抜釘術の満足度を調査することである.【対象及び方法】2015年4月から2020年3月までにOWHTOの抜釘術を施行し術後満足度を調査可能であった25例28膝.抜釘術の満足度をアンケートを用いて評価し,術前後の臨床評価スコアとの関連を調査した.【結果】VAS,NRSが術前後でそれぞれ有意に低下を認めた(P<0.05).82%の患者に抜釘術に対して満足/非常に満足との回答が得られた.【結論】OWHTO後の抜釘術により患者満足度は向上する.
著者
山口 開 奥瀬 千晃 鈴木 啓弘 小林 裕太郎 長田 達郎 巴 雅威 遠山 裕樹 林 毅 吉田 秀樹 高橋 泰人 前山 史朗 打越 敏之 飯野 四郎
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.18-22, 1998-01-25
参考文献数
19
被引用文献数
1

症例は23歳, 女性. 飲酒歴, 輸血歴および鍼灸治療歴はない. 常用薬剤なし. 感冒様症状に伴う食欲不振, 腹部不快感および2週間で約4kgの体重減少を主訴に近医を受診した. 生化学検査でtransaminaseの上昇を認め急性肝炎が疑われ当科紹介, 入院となった. 入院時現症では標準体重の-32%のるいそうを認め, 入院時検査所見では総蛋白, コリンエステラーゼの低下及びtransaminaseの上昇が認められた. しかし肝炎ウイルスマーカーはすべて陰性で, 抗核抗体および抗ミトコンドリア抗体も検出されず免疫グロブリンはいずれも正常ないし軽度低下を呈した. 腹部超音波およびCTでは著明な脂肪肝を認めた. 肝生検像では肝実質にacuteyellow collapsed cellを含む巣状壊死を散見し, 大脂肪滴沈着をzone 2~3に小葉の1/2以上に認め飲酒歴がないことからnon-alcoholic steatohepatitisと診断した. 本例は肥満, 耐糖能異常を伴わず, 薬剤服用歴もなく経過より急激な栄養障害による飢餓状態が原因と考えられた
著者
中嶋 道雄 前田 庫利
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.I_534-I_539, 2020 (Released:2020-09-28)
参考文献数
5

港湾工事でBIM/CIMの取り組みが活発化してきている現状であるが,施工方法の確認や施工手順の検討をディスプレイやタブレットにより作業員や技術者へ周知している状態である.BIM/CIMの利点は工事前のシミュレーションによって施工不具合個所の発見や危険個所を発見・改善する事であり,モデルや確認する方法が現実との乖離が少ないほど,これらを発見する事が可能であると考えられる.ここではBIM/CIMデータをVRによって上記の改善活動を実際に行い,その際に行った開発方法を示した.また現場での実際に実施した中で,現実との乖離が少なくなるようなモデル配置や,仮想空間に必要なオブジェクト等を取りまとめた.またこれらから発見した課題等を示す.
著者
荒井 康智 前田 辰郎
出版者
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では、近年性能限界が明らかになってきたCPUのSiトランジスタより更に移動度が高い、CPU高速動作が可能なSiGeトランジスタに利用する高品質SiGe結晶育成方法を研究した。主な課題は、Si種子結晶からSiGeが育成する際に、SiとSiGe の熱膨張率差でSiGe結晶に発生するモザイク構造を抑制する事であった。研究の結果、熱膨張率差緩和を期待したSiGe結晶を種子結晶とする方法は、成長SiGe結晶に多結晶が多くみられ、高品質化が困難である可能性が高いことが判り、新しくダブルゾーンでの解決方法を模索する事とした。
著者
前田 浩子 奥村 恒 中村 りり 野村 卓史 藤井 義晴
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.147-154, 2019 (Released:2020-01-28)
参考文献数
15

効果的な雑草管理能力や雑草抑制効果がある被覆植物を選択するために,多年生被覆植物として,クリーピングタイム(Thymus serpyllum),シバザクラ(Phlox subulata),ヒメイワダレソウ(Phyla nodiflora),マツバギク(Lampranthus spectabilis),リュウノヒゲ(Ophiopogon japonicus),ペニーロイヤルミント(Mentha pulegium)およびヤブラン(Liriope muscari)の7種を選定し,5年間の圃場試験を実施した。被覆植物の被度,乗算優占度,発生した雑草の乾物重,雑草の種数および種類を比較した結果,日本在来の多年生被覆植物であるヤブランは,いずれの評価項目においても2年目以降5年目まで最も良好な雑草抑制効果を示した。また,ヤブランはアレロパシー活性評価試験においても強い植物生育阻害活性を示した。ヤブランは葉による光の遮蔽等の影響で雑草の発生が抑制されると考えられるが,プロリンに構造が類似したアゼチジン-2-カルボン酸がヤブランの根や葉に多量に含まれており,これも雑草の発生抑制に関与していることが示唆された。
著者
前川 武稔
出版者
日本徒手理学療法学会
雑誌
徒手理学療法 (ISSN:13469223)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.57-62, 2021 (Released:2021-11-11)
参考文献数
9

腰痛は有訴者が多く国民病といわれるが,そのうち病態原因を特定できるものは約15%といわれている。このような疾患における問題解決方法として,症状に対しメカニカルな負荷を加える際の症状変化のパターンによってマネージメントを決定する考え方が有用になる場合がある。今回,急性後弯変形を呈した腰痛患者に対しMechanical Diagnosis & Therapy(MDT)による評価と介入で改善が認められたので報告する。40歳女性が痛みのため腰椎後弯変形を呈し家族に付き添われ来院した。メカニカルな負荷をかけながら慎重に症状・所見の変化を観察し介入したところ,著明な改善が得られた。
著者
甲 厚大 前原 薫 中島 治
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.12, no.10, pp.437-440, 1959

A survey was previously conducted of bacterial contamination and freshness of market ham and sausage in Hiroshima City. Furthermore, the same survey was carried out on these products during the manufacturing process in a plant. The results of the survey are as follows.<BR>1. The numbers of surviving bacteria per gram were 2, 500-&infin; in ham and 3, 600-86, 000 in sausage. No coliform bacteria, however, were found from either food. The amounts of volatile basic nitrogen per 100 grams were 5. 60-14. 56 mg in ham and sausage. The amounts of NO<SUB>2</SUB> were 2.99-13.80 ppm in ham and 1.64-5.91 ppm in sausage.<BR>2. From the results of examination of bacterial contamination during the manufacturing process, it is supposed that the number of coliform organisms increased as the process progressed, but was reduced to zero during the process of smoking and boiling. Although the organisms other than coliform bacteria showed the same tendency, a number of organisms survived after the process of smoking and boiling. The amount of volatile basic nitrogen increased as the process progressed (9.51-15.53 mg in ham and 8.68-16.10mg in sausage).
著者
木村 和哲 前田 康博 堀田 祐志 佐々木 昌一 片岡 智哉
出版者
名古屋市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

2005年に男性型脱毛症治療薬のフィナステリド、2009年に前立腺肥大症治療薬のデュタステリドが承認された。これらの薬剤は5α還元酵素を阻害する薬剤であり、これまでの報告によると5α還元酵素阻害剤服用患者で勃起障害(ED)の副作用が見られたことを報告されている。EDと同様の機序で動脈硬化が進行することが知られており、本研究では5α還元酵素阻害剤による心血管機能への副作用を検討した。ラットにデュタステリドを連日投与したところ、4週後および8週後の時点でEDを発症した。一方、大動脈を用いて血管内皮機能を薬理学的に評価したところいずれの期間においてもデュタステリド投与による変化は観察されなかった。
著者
岸 秀忠 前鼻 啓史 鈴木 宏哉
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.70, pp.229_1, 2019

<p> 2018年に日本アンプティサッカー協会はフィジカルフィットネス測定を開始した。アンプティサッカーの競技力向上に関する研究はこれまでほとんど行われていない。したがって、本研究ではアンプティサッカー競技の日本代表選考に対する体力の影響を検討することを目的とした。対象者は日本代表候補選手の男性アンプティサッカー競技者18名とした。基本属性とする身長、体重、年齢、競技歴とともに、体力テストとして基礎的体力を測定する握力、足趾把持筋力、立ち幅跳び、メディシンボールスロー、専門的体力(クラッチ操作技能を含む)を測定する30mスプリントテスト、5m×5シャトルランテストを行った。統計解析には、日本代表に選出された選手10名(選出群)と選出されなかった選手8名(非選出群)の2群に分け対応のないt検定を行った。その結果、基本属性に関して両群の間に有意差は認められなかったが、体力テストでは、30mスプリントタイムおよび5m×5シャトルランテストにおいてのみ、選出群は非選出群よりも有意に高い値を示した(p < 0.05)。したがって、クラッチ操作技能を含む専門的体力がアンプティサッカーの日本代表選考に影響を及ぼすことが示唆された。</p>
著者
前之園 春奈
出版者
中央大学人文科学研究所
雑誌
人文研紀要 (ISSN:02873877)
巻号頁・発行日
vol.81, pp.225-237, 2015-10-30

ジャン=ジャック・ルソー(1712-1778)の『エフライムのレヴィ人』(1762)は旧約聖書の『士師記』の翻案である。作品の前半に登場するレヴィ人は『社会契約論』(1762)で論じられている立法者のモデルのひとつとして描かれていると考えられる。ルソーは『社会契約論』で立法者は共同体における例外的存在であると述べているが,レヴィ人もまたイスラエル民族の中で特殊な存在であった。このことを手がかりにして,レヴィ人が立法者としての資質を備えており,作品中では立法者としての役割を果たしていたということを明らかにした。
著者
前田成文責任編集
出版者
弘文堂
巻号頁・発行日
1991