著者
磯前 順一 小倉 慈司 苅田 真司 吉田 一彦 鍾 以江 Pradhan Gouranga 久保田 浩 山本 昭宏 寺戸 淳子 岩谷 彩子 小田 龍哉 藤本 憲正 上村 静
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

西洋近代に由来する人権思想の世界的な普及にもかかわらず、当の西洋においても、あるいは日本などの他のさまざまな地域においても、差別(人種差別だけでなく、いじめや戦争、 テロまでを含む)が依然としてなくならないのは、なぜだろうか。本研究では、これまで「聖なるもの」と「俗なるもの」の二分法で説明されてきた「宗教」と「社会」とのありかたの理解を、日本宗教史と世界諸地域の比較宗教史との学問の蓄積からあらたに問いなおし、現代社会における公共性の問題と結びつけて検討する。そのことで、公共空間における差別と聖化の仕組みがあきらかになり、より具体的な公共性のあり方についての議論が可能になることが期待される。
著者
前川 喜久雄 籠宮 隆之 小磯 花絵 小椋 秀樹 菊池 英明
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.51-61, 2000-08-30 (Released:2017-08-31)
被引用文献数
2

Compilation of a large-scale corpus of spontaneous Japanese monologue is underway as a joint work of the National Language Research Institute (under the Agency of Cultural Affairs) and the Communications Research Laboratory (under Ministry of Post and Telecommunication). The corpus will contain about 700 hours of digitized speech (about 7 million morphemes), its transcription, and various tagging information such as POS information. Phonological labels (segmental as well as prosodic) will be provided for a subset of the corpus. The corpus will become publicly available in the spring of 2004.
著者
相原 良孝 木村 一裕 溝端 光雄 高宮 進 前川 佳史 清水 浩志郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
no.18, pp.963-970, 2001

心身機能の低下した高齢ドライバーにとって, 道路案内標識は, 認知や判断の正確性, 迅速性を最も厳しく求められる標識である。本研究では, 高齢ドライバーの標識判断時間を評価するとともに, CG映像を用いて, これを推定する方法について検討することを目的としている。本研究では, 地名判断と方角判断という2種類の判断時間の計測を行った。地名判断とは, 標識上にある地名から進行方向を判断するものであるのに対し, 方角判断とは, 標識上にない目的地の方角を判断するものである。<BR>分析の結果, 以下の点が明らかになった。(1) CG映像を用いた実験により, 各種の判断時間の推定が可能であること。(2) 方角判断は地名判断に比べ, より多くの時間を要すること。ではまずはじめに実物の標識を用いて行われた既往研究との比較により, CGによる実験結果との対応関係を明らかにするとともに, CGの長所である複雑な交通場面における標識の判読性について考察し, 高齢ドライバーが複雑な判断を伴う状況において, 非高齢ドライバーよりも多くの時間を要することを明らかにした。
著者
杉浦 むつみ 大前 由紀雄 池田 稔 中里 秀史 赤野間 百香
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.140-143, 2001-02-20

はじめに Ramsay Hunt症候群(以下,Hunt症候群と略)は,外耳道,耳介のへルペス疹に加え,同側の顔面神経麻痺とさらに内耳神経症状を認める症候群で,その原因は水痘帯状疱疹ウイルス(以下,VZVと略)の膝神経節における再活性化とされている1)。帯状疱疹におけるVZVの再活性化は,同一のあるいは隣接する神経根または神経節で起こり,その支配領域に臨床症状を呈することが多い。しかし,皮膚科領域からの報告では,異なる神経節においてウイルスの再活性化が同時に起こることが知られている。特に両側性に,かつ隣接しない神経節において帯状疱疹が出現するものは,複発性帯状疱疹として取り扱われている2)。 今回われわれは,耳介の帯状疱疹を伴わずに,反対側の体幹に帯状疱疹を同時に認めた顔面神経麻痺の症例を経験したので,その経過と病態に対する若干の考察を加えて報告する。
著者
前田 裕二 村上 恵理子 秋山 一男 長谷川 眞紀 早川 哲夫 金子 富志人 宮本 昭正
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.43, no.10, pp.1248-1255, 1994

ネコに感作されている40例の成人喘息患者を対象としてネコの喘息における臨床的な意義を検討するために吸入誘発試験を行った. 即時型 (IAR) および遅発型 (LAR) いずれかの反応は40例中29例にみられた. IARのみがみられた例は12例 (30%), LARのみは7例 (17.5%), ニ相性反応 (DAR)は 10例 (25%), 反応がみられなかった例は11例 (27.5%)であった. 各反応群における年齢, 吸入前 FEV_<1.0>%,%MMF, ネコ上皮へのRASTスコアおよびアセチルコリンによる気道過敏性の閾値の常用対数値はいずれの2群間においても統計学的には有意差はみられなかった. ネコとの接触歴がLAR群ではl4%と他の2群 (DARでは78%, 無反応群では70%)よりも有意に低い率であった. ラストスコアが高くかつ気道過敏性が亢進している例は他の二群よりもDAR群に多くみられた. 喘息反応はネコとの接触歴がある患者では15/22 (68.2%)に, 接触歴のない例では10/16 (62.5%)にみられ出現率は同じであった. 以上の成績から小児のみではなく成人においてもネコアレルゲンは重要であると考えた.
著者
日比 喜子 安達 町子 前田 昭子 早川 史子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.183-192, 1999-02-15
被引用文献数
3

The difference in preference for tea, especially for black tea, in the four areas of Shiga Prefecture Keihin region, Hanshin region, and Nagasaki Prefecture was surveyed by questionnaire. The questionnaire was distributed to young female students who had lived in the respective areas for a period of 18-22 years. The respondents in the Keihin and Hanshin regions preferred black tea to green tea. Most of the respondents in each area referred to the taste as the reason for their tea preference, while aroma was more referred to by the respondents who preferred black tea than those who preferred green tea. A general low frequency of drinking black tea was seen in the four areas. Those who preferred black tea tended to drink more of it than those who preferred green tea. The serving methods were different in the two areas where the respondents preferred black tea. In the Hanshin region, the preference was for black tea brewed by pouring boiling water on to the tea leaves, and served with sugar and lemon or with sugar and milk. In the Keihin region, on the other hand, the preference was for canned black tea served with sugar and lemon or with sugar and milk.
著者
前田 進 山下 拓之 米谷 晴之 下畑 賢司 野村 達衛 泉 昭文
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. B, 電力・エネルギー部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. B, A publication of Power and Energy Society (ISSN:03854213)
巻号頁・発行日
vol.123, no.11, pp.1400-1410, 2003-11-01

Superconducting generators have many advantages such as increasing generation efficiency and improving power system stability etc. In Japan, 70MW class superconducting generators have been developed through the national project"Electric Power Application of Superconducting Technologies (1988-1999)". <BR>In this paper, performance evaluation of the rotor damper structure for the 70MW class model generator is discussed. Double-layered damper structure, which consists of a squirrel-cage warm damper and a single-layered cold damper was set as the target. As the first step, basic electromagnetic and thermal performances were obtained through the experimental model. In the following step, the 70MW model rotor damper structure was designed based on the experimental results and the rotor was manufactured. Evaluation of the damper structure of the 70MW rotor was carried out in the verification test from the technical view point of 'unbalance current capability', 'flux shielding' and 'generator reactance' etc. and satisfactory results were obtained. Consequently, it was proven that the damper structure had the performances to satisfy the requirements of the superconducting generators. Performances obtained from the experimental model, design of the 70MW model rotor and evaluation by the verification tests are described in this paper.
著者
福留 祐一 武若 耕司 山口 明伸 前薗 祐也
出版者
一般社団法人 セメント協会
雑誌
セメント・コンクリート論文集 (ISSN:09163182)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.472-478, 2013-02-25 (Released:2013-12-02)
参考文献数
6
被引用文献数
2 2

塩害抵抗性向上を目的としてCaO・2Al2O3微粉末を混合したコンクリートについて、塩分浸透性の他、強度発現性、中性化等の基礎的特性を検討した。このうち、海洋暴露試験により検討した塩分浸透性については、塩化物イオンの固定化能力の向上ならびに、浸透抑制効果が確認された。また、普通コンクリートでは、その初期養生が短いと塩化物イオン固定化能力は大きく低下するが、CaO・2Al2O3微粉末を混合すると、養生期間に左右されず塩害抵抗性の高いことを確認した。また、中性化抵抗性については、普通コンクリートと同程度の性能が確保され、実構造物への適応は十分に可能であると考えられた。
著者
熊谷 創 前田 健太郎 荒谷 咲希 布施 伸悟 川村 大介
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.837-841, 2020 (Released:2020-12-19)
参考文献数
18

〔目的〕片側人工膝関節置換術を控えた変形性膝関節症(膝OA)患者における術後の股関節周囲筋へのアプローチ考案の一助になるデータを得ることを目的とした.〔対象と方法〕対象は,年齢,性別をマッチングさせた膝OAなし群18名,膝OAあり群17名であった.方法は,ハンドヘルドダイナモメーターを用いて,股関節伸展,外転,外旋筋力を2回ずつ測定した.〔結果〕股関節伸展および外転筋力において,膝OAあり群で有意な筋力低下を認めた.膝OAあり群の術側と非術側間での比較では,3方向全てにおいて有意差を認めなかった.〔結語〕手術を控えた変形性膝関節症患者は,術前から股関節周囲筋力が低下していることが示唆された.さらには,その筋力低下は両側性に認められた.