著者
菅原憲一 内田 成男 石原 勉 高橋 秀寿 椿原 彰夫 赤星 和人
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.289-293, 1993
被引用文献数
22

脳卒中片麻痺患者39名を対象に歩行速度および歩行自立度に関与する因子を知る目的で, 上田による12段階片麻痺回復グレード法(以下グレード), 患側下肢荷重率, 患側下肢筋力, 深部感覚障害, 身長, 体重, 罹病日数, 年齢を選びその関連性を検討した。その結果, 歩行速度・歩行自立度に対して高い相関を示したのはグレード, 患側下肢荷重率, 患側下肢筋力であった。また, 三変数間の相関も高かった。さらに歩行能力の二つの指標を目的変数としたステップワイズ重回帰分析の結果では, 歩行速度の第一要因は患側下肢荷重率であるのに対し, 歩行自立度の第一要因はグレードとなっていた。以上の結果から片麻痺の歩行予後予測には運動機能評価における定性的評価に加えて, 定量的評価が重要であることが示唆された。
著者
藤原 勉 佐々 幸成 一色 泰
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.60-64, 1987-01-25 (Released:2010-11-26)
参考文献数
12

1. ホルスタイン種新生子牛5頭 (雌2頭雄3頭) を用い, 子牛の下痢に伴う電解質の損失を補うための経口補液投与の効果をみるため, シュークロース液投与による下痢を誘発した後経口補液を投与して血中電解質の濃度変化について調査し, 生理食塩水投与の場合と比較した.2. Ht値は下痢状態では有意に上昇したが, 経口補液の投与後は直ちに回復した. 血清中ナトリウム濃度は経口補液投与後有意に上昇したが, 生理食塩水投与後ではほとんど変化しなかった. 血清中カリウム濃度は経口補液投与後ほとんど変化せず, 生理食塩水投与時とほぼ同様であった. 血清中塩素濃度は生理食塩水投与後は変化しなかったが, 経口補液投与後では上昇する傾向にあった. 血清中マグネシウム濃度は経口補液投与後においても著しい変化はなかった.3. これらの結果から, シュークロース性下痢症では血中電解質の損失は少ないものの, 経口補液投与によって容易に補い得ることが明らかになった.
著者
下萩原 勉
出版者
日本弁理士会
雑誌
別冊パテント (ISSN:24365858)
巻号頁・発行日
vol.74, no.26, pp.121-135, 2021 (Released:2021-11-18)

データ駆動型社会への移行が予期される中,データの重要度や注目度はますます上昇している。本稿では,データ(構造)の特許法における保護に関して,審査基準や審査ハンドブックを整理するとともに,発明該当性による拒絶査定が取り消された審決事例(不服2018-2483)を取り上げ,検討する。

1 0 0 0 OA 月面環境試験

著者
星野 健 松本 甲太郎 四宮 康雄 片山 保宏 藤原 勉 若林 幸子 岡田 達明 久保田 孝 大槻 真嗣 岩田 隆浩 Hoshino Takeshi Matsumoto Kotaro Shinomiya Yasuo Katayama Yasuhiro Fujiwara Tsutomu Wakabayashi Sachiko Okada Tatsuaki Kubota Takashi Otsuki Masatsugu Iwata Takahiro
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発資料 = JAXA Research and Development Memorandum (ISSN:13491121)
巻号頁・発行日
vol.JAXA-RM-06-008, 2007-03-30

月の1日は地球の1日=24時間を単位とすると29.5日である。従って、月の昼は14.75日、夜は14.75日となり、月の赤道付近のレゴリスの温度は、昼は120度Cまで上昇し、夜は-180度C以下まで降下すると言われている。月面に軟着陸した探査機やローバが長期間その機能を維持するには、昼間の高温に耐えなければならないのは当然である。加えて、約15日間続く夜間を乗り越え、次の昼には活動を再開しなければならない。さて、現在我々が利用出来る機器は上記の厳しい温度環境に対し、どの程度の耐性を持っているのだろうか。高温側のデータは揃っていると言えるが、-180度Cという低温側のデータはほとんど無いというのが実情である。そこで、温度制御の出来る宇宙環境模擬装置を用いて、高真空の月面まで含めた月面環境試験を実施する事にした。
著者
加嶋 憲作 山﨑 裕司 河邑 貢 津田 泰路 大菊 覚 峯田 拓也 馬渕 勝 篠原 勉
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.509-512, 2015 (Released:2015-09-03)
参考文献数
12
被引用文献数
1 2

〔目的〕下肢荷重率および片脚立位時間と独歩自立との関係を検討すること.〔対象〕65歳以上の高齢入院患者241名とした.〔方法〕下肢荷重率を4群,片脚立位時間を5群に区分し,それぞれの群毎に独歩自立例の割合を算出した.〔結果〕下肢荷重率が高い群,片脚立位時間が長い群において独歩自立例は多かった.下肢荷重率90%以上群では全例が独歩自立し,70%未満の群では全例が非自立であった.一方,片脚立位保持が困難な症例でも独歩自立例が存在した.片脚立位保持が困難でありながら独歩が自立していた者は,独歩非自立例に比べて有意に下肢荷重率が高値であった.〔結語〕片脚立位時間よりも下肢荷重率が独歩の可否をより正確に判別できると考えられた.
著者
茂原 勉
出版者
社団法人 繊維学会
雑誌
繊維学会誌 (ISSN:00379875)
巻号頁・発行日
vol.63, no.9, pp.P_275-P_282, 2007 (Released:2007-10-10)
著者
笠原 勉 原 宏江
出版者
海洋理工学会
雑誌
Journal of Advanced Marine Science and Technology Society = 海洋理工学会誌 (ISSN:13412752)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.67-72, 2009-11-07

The Fishery Agency conducted the investigations and researches on the restoration of tropical sea grass beds, which serves as feeding sites for dugongs. from FY 2001 to FY 2008. as a part of its project aiming at the coexistence of dugongs and the fishery. In addition to the results of the project, such as seedling production and transplanting techniques, the existing knowledge and information on the sea grass beds were collected and complied in a booklet. The former part of the booklet " A review for the restoration of tropical sea grass beds" summarizes existing knowledge and information on 1) the component species, functions and roles. 2) habitats and environmental conditions. 3) the distribution area and standing stock and 4) dugongs' biology and the relationship with tropical sea grass beds, while the latter part explains 1) restoration techniques of sea grass beds using hand grass planting. 2) seedling production techniques using Thalassia hemprichii, 3) transplanting techniques of artificially produced Thalassia hemprichii and 4) monitoring of created or restored tropical sea grass beds.
著者
塩原 勉
出版者
The Japan Sociological Society
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.17-36, 1975-03-31 (Released:2009-11-11)
参考文献数
29
被引用文献数
1 1

1) On Methodology. We have many differentiated sociological perspectives in the conflicting directions. In order to innovate the functionalist paradigm characterized as a normal science, we propose to combine dual counteracting perspectives : functionalism and interactionism.2) On Structure. A social system can be defined as a living system of resource-processing controlled through information-processing. Its structure is consisted of several structural components : values, norms, decision-making structure, operation structure, and resources, which are not only hierarchically arranged, but also cybernetically controlled to satisfy requisites of the system. The requisites can be classified into three layers : basic, mediating, and specific requisites. But there are inherently structural strains both within and among those components. 3) On Social Change. Three major variables (strains, external requests, and system's ability to satisfy its requisites) will determine the changes in system structure. And the changes will be facilitated by the means of multiplytyped innovations against the structural components under strains. An effort to remodel Smelser's “logic of value-added process” has lead us to a more comprehensive analytical-scheme, which can described as “a total movement process” with a series of seven phases.
著者
野原 勉 松浦 正巳
出版者
公益社団法人日本船舶海洋工学会
雑誌
日本造船学会論文集 (ISSN:05148499)
巻号頁・発行日
no.183, pp.115-121, 1998-06
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

This paper describes the generation of the irregular wave specified by the spectrum of the wave envelope using a wave maker in a test basin. An effective generation algorithm for the irregular wave specified by the wave envelope spectrum is proposed. The design for mooring systems of a vessel in a port as well as a floating offshore structure is important because the long period wave happens to cause the break of mooring lines in spite of relatively calm ocean conditions. In very large floating structures, such as the mega-float case, especially, this problem will become a severe one due to no past experience in real design. The long period wave can be induced by the irregular wave specified by the spectrum of the wave envelope. The proposed algorithm is verified by the computer simulation. The experiment results using a pontoon model are also presented.
著者
進藤 美津子 菅原 勉 荒井 隆行 飯田 朱美 平井 沢子 程島 奈緒 安 啓一 飯高 京子 川中 彰 進藤 美津子
出版者
上智大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

私共は、平成16年度〜19年度にかけて、音声コミュニケーション障害者、高齢者、聴覚障害者、言語聴覚障害児者に対する支援システム、評価法の開発およびコミュニケーション援助の開発や臨床への応用を目的として、以下の3グループに分かれて研究を行ってきた。研究分担者や研究協力者は、文系と理系からなる学際的なメンバーで構成され、それぞれの専門性を活かした研究に取組み、成果を上げてきたことが特記される。3グループの研究は次の通りである。1.音声コミュニケーション障害者への支援システムの開発とコミュニケーション援助:神経筋病患者の自声による日英両言語のコミュニケーション支援システムの構築を行い、臨床への応用が可能であることを示した。コーパスベース方式でシステム構築を行った後、より少ないデータで構築可能なHMM音声合成方式でも試作を行い実用レベルに達するという評価結果を得た。2.聴覚障害者に対する支援システムの開発とコミュニケーション援助:聴覚障害児者や老人性難聴者のための残響環境下における聞きやすい拡声処理と補聴器のための音声処理方式の開発と実用化への適用を推進した。3.言語聴覚障害児者に対する支援システムの開発とコミュニケーション援助:高次脳機能に障害を持つ、後天性小児失語症児や中枢性聴覚障害児のコミュニケーション能力向上のための評価、指導法を開発し、発達性構音障害の鑑別診断となる基礎的研究と臨床への応用を行い、発達性読み書き障害児への基礎的、臨床的検討を行った。また、言語習得過程の不備からコミュニケーション障害が形成される可能性について問題提起した。
著者
小笠原 國郎 菅原 勉 谷口 孝彦 廣谷 功 吉田 尚之 高橋 道康
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

生理活性の発現は分子の持つキラリティーに依存する.それゆえ有機化合物の合成に当っては常にキラリティーの制御をも可能にするジアステレオ制御合成方法論の確立が必須である.本研究は基質制御型の合成方法論の立場から効果的なエナンチオかつジアステレオ制御法の確立を目的として行った.すなわち,本質的な立体制御要素を備えたキラル分子を先ず獲得し,この分子の持つ立体化学的ならびに化学的な機能性を反映させて効果的に目的物にエナンチオかつジアステレオ制御下に到達するものである.具体的には分子的に備わったカゴ状構造を持ち,さらに分子内にエノン単位あるいはジエノン単位を顕在的あるいは潜在的に保有する環状キラル分子を設計し,これを化学的不斉導入法あるいは酵素的分割法によって光学的に純粋に獲得しこれを基本合成素子として生理活性天然物の合成を検討した.その結果,シクロペンタジエノン等価キラル合成素子,シクロヘキサジエノン等価キラル合成素子,ジオキサビシクロ[3.2.1]オクテノン型多目的キラル合成素子,ならびにビシクロ[3.2.1]オクテノン型キラル合成素子開発に成功し,これらより多種にわたる生理活性天然物のエナンチオかつジアステレオ制御合成への道を拓いた.代表的例はプロスタグランジン鍵中間体,8組16種のアルドヘキソースの集約的合成,6種のコンドリトール異性体すべて,エストロン,ビタミンD,モルヒネ,カラバル豆アルカロイド,カイニン酸,抗マラリアアルカロイド,フェブリフジンおよびキニーネ,抗菌性シュードモニク酸,等の獲得に成功した.
著者
天川 映子^[○!R] 平田 恵子 荻原 勉 大西 和夫
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.33, no.11, pp.586-590, 1984-11-05
被引用文献数
1 5

高速液体クロマトグラフィーによる食品中の油溶性天然色素の迅速かつ高感度な定量法について検討した.試料からの色素の抽出にごま油を使用することと,高タンパク食品には酵素法を用いることで定量的な抽出が可能となった.簡易な後処理の後,クルクミン,ノルピキシン,ビキシン,β-カロチン及びパプリカ抽出色素の5種が高速液体クロマトグラフィーにより分離定量できた.市販食品20種への添加回収率は良好であった.
著者
新倉 真矢子 菅原 勉 小島 慶一 平坂 文男 井上 美穂 菅原 勉 小島 慶一 平坂 文男 井上 美穂
出版者
上智大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究は英語、ドイツ語、フランス語の「らしさ」が「リズム」に関係するとの前提から日本人学習者を初級者と中・上級者のグループに分けてコーパスを構築し、外国語発話における「リズム」の分析を行った。リズムを構成する音響パラメータのうちアクセント表示機能と境界表示機能そして韻質の特徴において日本語話者が的確に制御できずに母語の影響が大きく関与していることが結論づけられた。また、自立学習用のオンライン学習ソフトの開発を行った。