著者
栗原 由紀子
雑誌
中央大学経済研究所年報 (ISSN:02859718)
巻号頁・発行日
no.43, pp.541-567, 2012-09-28

調査データからのエビデンス獲得において、重要な変数の欠落により分析が困難な場合の1つの対処法として統計的マッチングがある。しかしながら、統計的マッチングでは異なる複数のデータセットから1つの融合データセットが作成されるため、そこから得られる推定量の精度やその有用性が問題となる。本研究は、ノンパラメトリック・マッチングにより得られる推定量(相関係数)について、実用的で精度の高い推定値を得るためのマッチング・プロセスを明らかにする。そのために、条件付き独立性の成立または条件付き従属性の程度、推定に利用する変数とキー変数との相関関係、重複率などをコントロールしたモンテカルロ・シミュレーションを実行した。その結果、重複標本でない場合には目標変数との相関が高いキー変数の選択が不可欠であり、また重複標本の場合には、条件付き従属性の強弱の計測が可能であり、実用的な精度での推定量が得られることを明らかにした。
著者
前岡 浩 金井 秀作 坂口 顕 鵜崎 智史 川原 由紀 小野 武也
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.197-200, 2006 (Released:2006-07-26)
参考文献数
14
被引用文献数
9 10 18

本研究の目的はFRT距離に影響を与えていると考えられている項目を抽出し,身長,年齢,左右のCOPの前後長,体幹前傾角度,歩行速度のそれぞれの関係を検証した。重回帰分析によるFRT距離の予測検定では,標準化重回帰係数 βにて身長と体幹前傾角度のみ有意な変数を得られた。また,左右足によるCOP前後長の比較では有意な相関がみられた。よってバランス能力の評価として実施する場合,身長による正規化の必要性を示唆している。加えて前方リーチ動作に伴う運動戦略において股関節の運動である体幹の前傾能力が重要であることも判明した。また,そのCOPの結果から利き足等左右側の影響をうかがうことはできなかった。
著者
内山 真一郎 原 由紀子 丸山 勝一 高倉 公朋 井沢 正博 木全 心一 田中 邦夫
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.585-585, 1994-07-25

第13回東京女子医科大学血栓止血研究会 平成6年3月4日 第一臨床講堂
著者
高橋 修 加藤 聡彦 林 路子 清水 佳都子 千葉 康子 白濱 秋美 窪蔵 孝道 佐々木 啓吾 長嶋 敦 原 直 栗原 由紀子
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.901-906, 2013 (Released:2013-11-13)
参考文献数
16
被引用文献数
1

【はじめに】がん難民「ゼロ」を目指す横浜市鶴見区の取り組みを報告する. 【現状】鶴見区内には, 区外・県外でがん治療を受ける患者も多いが, 治療終了後や状態悪化時には, 地元での療養を求められることも多い. 緩和ケア病床数は限られており, 緊急対応は困難である. 鶴見区では, 緩和ケアに積極的な診療所も多いが, 患者・家族の療養の場の希望は変化し, 最後まで在宅療養が可能とは限らない. 地域連携の拠点として「つるみ在宅ケアネットワーク」が組織され, 緩和ケアの充実を目標に活動している. 当院は専門施設として積極的に関与し, 診療所に対して緩和ケア提供状況をアンケートで把握, 在宅管理を依頼, 緊急時のバックアップを担保し, 基幹病院に対しては早期からの併診を求め, 円滑な移行を可能としている. 【課題】地域緩和ケア連携には専門施設が外来機能を強化し, 確実なバックアップを提供することが大切だが, 在宅スタッフのスキルアップ, 緩和ケアの啓蒙, 診々連携の構築が課題である.
著者
佐藤 達雄 塩原 由紀江 大森 明文 芳野 未央子 久芳 慶子 高田 圭太 池田 由紀 元木 悟 小倉 秀一 工藤 光夫
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.303-307, 2009-07-15
参考文献数
13

黒色の液状マルチ資材が地温ならびにコマツナの生育,収量に及ぼす影響を明らかにするため,処理量を1,0.5,0.25 L・m<sup>−2</sup>区および無処理区の4水準3反復,播種日を2007年9月21日,10月5日,10月20日および2008年1月22日の4水準として組み合わせ,栽培試験を行った.その結果,液状マルチ資材は,散布量に関わらず無処理に比較して増収することが明らかになった.地下5 cmの温度を解析したところ,液状マルチ散布により最高地温は上昇するが,9月21日播種を除き最低地温は低下した.この現象はコマツナの生育初期に顕著であったが,生育に伴って,その差は小さくなった.播種後10日間の毎正時積算地温に有意な差は認められなかった.地温の日較差の増大はコマツナの増収に寄与した可能性が考えられた.<br>
著者
原 由紀男 中西 幹郎 小林 文明
出版者
日本流体力学会
雑誌
日本流体力学会年会講演論文集 (ISSN:13428004)
巻号頁・発行日
vol.2001, pp.47-48, 2001-07-31
参考文献数
1

In order to examine the generation mechanism of a cumulonimbus that caused a heavy rain in Tokyo urban area on 22 July 1999,three numerical experiments are performed with a mesoscale simulation model; Case 1 (control run) refers to a nearly realistic experiment, Case 2 an experiment without urban effects, and Case 3 an experiment without raindrop evaporating effects. Although Cases 2 and 3 show slightly different distributions of wind and cloud from what are simulated for Case 1,all the cases reproduce clouds that occurred over Tokyo urban area. This may suggest that the main source generating clouds over Tokyo urban area lies in other effects, e.g., the convergence of sea breezes from Tokyo Bay and Sagami Bay.
著者
栗原 由紀夫 大熊 貴子 平田 優子 杉山 清子 高橋 弥生 野中 美保子 宮本 光也 山本 規貴 杉山 総子 米山 武義
出版者
一般社団法人 日本老年歯科医学会
雑誌
老年歯科医学 (ISSN:09143866)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.49-54, 2013-07-20 (Released:2013-07-27)
参考文献数
9

地域の要介護高齢者を支えるために,多職種間の連携・協働は不可欠である。しかしながら,必ずしも歯科医療従事者とその他の職種との連携は十分といえない。そこで「地域における顔の見える連携の構築」を目指して,「口腔ケアネットワーク(三島)」を立ち上げた。現在まで 2 回のシンポジウムを含む研修会を定期的に開催している。平成 24 年 10 月 20 日に開催した地域連携シンポジウムを通じて,患者や家族の思いをとらえ,情報と目的意識を共有して見守っていくことが関わる専門職の責務であり,地域の力になることを提言した。
著者
安田 菜穂 吉澤 健本郎 福田 倫也 雪本 由美 秦 若菜 原 由紀 正來 隆 頼住 孝二
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.27-32, 2012-01-20
参考文献数
13
被引用文献数
1

吃音2例(30代,10代)に流暢性スキル(呼吸コントロール,フレーズ内の語と語の持続的生成,母音の引き伸ばし,軟起声,構音努力の修正)の獲得を目標とした言語聴覚療法(ST)を実施し,ST初回と最終回の文章音読を比較検討した.所要時間中の音読・症状・休止部分を音声分析ソフトで測定し,症状および休止部分を除いた音読部分から音読速度を算出した.音読速度は症例1:初回5.29モーラ/秒→最終回3.29モーラ/秒,症例2:8.86モーラ/秒→6.16モーラ/秒.所要時間中の休止部分の比率は症例1:19.4%→46.7%,症例2:26.2%→38.4%,症状部分は症例1:13.5%→0%.症例2:7.2%→0%.2例の音読の特徴は,初回時の「短く途切れた音読」から,最終回には吃症状の消失に加え,音読速度の低下した「音節,休止の各持続時間の延長した音読」へと変化し,流暢性スキルの獲得が確認された.
著者
守田 了 石原 由紀夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.8, pp.1645-1654, 2001-08-01

ヒトの視覚は画素密度分布が中心窩に相当する近傍で高く,周辺にいくに従って,低くなっている.また周囲の状況を把握するためにオプテイカルフローが重要な役割をもっていることが報告されている.本論文では,中心窩視覚とオプティ力ルフローによる短期記憶とタスクの並列実行に基づく視点移動を提案する.車両が混雑していない状況下での運転時の視点移動を実現するためには,道路に沿った次のエッジへ移動する狭い範囲での視点移動と周囲の状況を把握する広い範囲の視点移動が必要である.このようにタスクに応じて注視の範囲を変更するために,タスクに応じた短期記憶を導入する.オプティ力ルフローから得られるlow-levelの特徴を用いて生成される短期記憶イメージを用いることによって,広い範囲の視野が得られることを明らかにする.実際に車両が混雑していない状況下での車両運転時の視点移動を簡易にシミュレートし,本モデルの有効性を示す.
著者
松枝 美智子 安酸 史子 中野 榮子 安永 薫梨 梶原 由紀子 坂田 志保路 北川 明 安田 妙子
出版者
福岡県立大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

独自に作成した精神障害者社会復帰促進研修プログラム(案)を、後述の1)-4))は看護師3-5名、5)は看護師3-4名、臨床心理士0-1名、精神保健福祉士1名(2回目は代理者)、作業療法士1名で、各2回計10回のフォーカスグループインタビューで検討した。研究協力者のグループから出された、(1)言葉の定義を明確に、(2)簡潔明瞭な表現に、(3)研修対象者を明確に、(4)コース間に順序性がある可能性、(5)フォローアップ研修の期間や頻度を明確に、(6)タイトルを短く興味をひく表現に、(7)受講生がエンパワーメントされるようなグループワークに、(8)受講生の募集方法が課題、(9)受講生同士のネットワーク作りも同時にできると良い、などの意見をもとにプログラムを修正した。各コースの名称は、1)看護観と援助への動機づけ育成コース、2)システムを構築し改良する能力の育成コース、3)直接ケア能力育成コース、4)患者イメージ変容コース、5)ケアチームのチームワーク促進コース、である。本プログラムの特徴は、(1)受講希望者のレディネスや興味に従って受講できる5つのモジュールで構成されている、(2)グループワークを重視した参加型の研修である、(3)On-JTとOff-JTを組み合わせて実践に直接役立つ、(4)フォローアップ研修と大学の教員のコンサルテーションや受講生同士のピアコンサルテーションにより受講生やケアチームの継続的な成長を支援する、(5)現在精神保健医療福祉の分野で急務の課題であるケアチームのチームワークを促進する、(6)精神障害をもつ人の社会復帰の経験に学ぶ内容が含まれている、(7)一つの研修を受けることで他の研修で目的としている各種の能力育成に波及効果が期待できる、の7点である。本研修プログラムは、院内研修、職能団体での研修、教育機関によるリカレント教育など、様々な場や状況に応じて修正して活用できる可能性があり、実施により精神科に10年以上入院している人々の社会復帰促進につながることが期待できる。