著者
松村 幸子 二階堂 一枝 篠原 裕子 菅原 京子 花岡 晋平
出版者
新潟青陵大学
雑誌
新潟青陵大学紀要 (ISSN:13461737)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.161-182, 2003-03

日本の四大公害病のlつである新潟水俣病に対する、行政に働く保健師の活動について、37年前の発生当初から現在までを時系列で整理した。その結果を1978年アルマ・アタ宣言のプライマリ・ヘルス・ケアの4原則1.住民のニーズ指向性 2.住民の主体的参加 3.資源の有効活用 4.協調、統合に照らして分析を試みた。先輩諸姉の語りや文献を通して、保健師は新潟水俣病発生以来今日まで、この問題にかかわり続けできたことが明らかとなった。複雑な社会的背景を持った問題であったが、さまざまな看護ケアが住民サイドに立って実施されていた。健康を人々の権利として位置づけたPHCの理念に沿って活動が進められていたが、住民の主体的参加、他専門職および住民組織との協調、統合については生かしきれず、今後の課題である。
著者
横山 操 矢野 健一郎 藤原 裕子 藤井 義久 川井 秀一
出版者
公益社団法人 日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.772-776, 2006 (Released:2006-08-20)
参考文献数
7

The purpose of this study was to propose a method of determining the aging of wood by measurement of cutting resistance. To clarify the effect of the aging of wood on the cutting resistances, it is necessary to focus on the way the restorators judges the age of wood material by taking into consideration the cutting process and the way of using the chisels (nomi).In this paper, aging is defined as “slow oxidation caused by oxygen in the air”. Base on the temperature-time conversion law, an accelerated aging test was performed by heat treatment at 180°C for 0, 120, 300, 600, 720, 2160, 3600, 5040, 7200minutes respectively to obtain different levels of accelerated aging wood samples.When restorators of Buddhist sculptures restorate ancient statues, they face various qualities of timber, according to the tree species and the age of the material used for the statue. They make decisions by visual inspection. Thus the experience and judgement of the Japanese restorators is one of the key conditions to measure the cutting resistance and types of chip formation.The orthogonal cutting test of cross, radial and tangential section were made to examine the relationships cutting resistances and treatment time of the accelerated aging of wood materials. The results were summarized as follows :1) The cutting resistances fell with increasing the accelerated aging treatment time. The cutting resistances dropped sharply in the early stages up to 1000 minutes treatment, and then reduced by 80% at 7200minutes treatment.2) The types of chip formation changed from flow type to powder with increasing the accelerated aging treatment time.3) The forces in cross sectional cutting with clearance angle 5° were three times in value with clearance angle 1°. The forces in orthogonal cutting test in radial and tangential section were almost same in value at clearance angle 1° and 5°.
著者
萩原 裕子
出版者
日本失語症学会 (現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)
雑誌
失語症研究 (ISSN:02859513)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.184-193, 2000 (Released:2006-04-25)
参考文献数
25

人間言語には,個々の言語にみられる表面的な違いの背後に,文の骨組みを形成する階層構造が普遍的に存在する (Chomsky 1993,1995) 。本稿では「生成文法」で仮定されている階層構造に基づいて,失文法失語のデータを分析した。Hagiwara (1995) で示した「低位にある要素ほど保持され高位の要素は失われやすい」という一般化は,その後,構造の異なるさまざまな言語 (たとえば,ヘブライ語,アラビア語,オランダ語,フランス語など) で検証され,そのいずれもが仮説を支持する証拠を報告している。さらに,Hagiwara (1995) がこの現象の根拠として提案した「失文法における経済性の原理」は,その後に提案された類種の仮説よりもその適用範囲と妥当性という点で説明力が高いことを示した。最後に,言語理論に基づいたアプローチによる文法障害の評価とその治療法への応用について検討した。
著者
倉島 敬治 笹原 裕子 KURASHIMA Keiji SASAHARA Yuko
出版者
岩手大学教育学部附属教育工学センター
雑誌
教育工学研究 (ISSN:02852128)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.17-28, 1983-03-01

子どものイメージを育てる指導について初歩的な研究を行なった。静止映像教材を絵本"花さき山"にもとづいてOHP・TP影絵を作成し,1.絵本提示,読み聞かせ,2.TP提示,BGM,ナレーション(TR),3.TP提示,ナレーション,4.BGM,ナレーション(TR)の4群6歳児に対し指導を行ない,1週間後に描画とお話しづくりを実施,比較した。イメージを測定・評価する方法が明確でないうえ,その概念も確立過程という困難な状況のなかで,幾つかの傾向が認められたが,今後一層の検討が必要であった。
著者
松村 幸子 二階堂 一枝 篠原 裕子 菅原 京子 花岡 晋平
出版者
新潟青陵大学
雑誌
新潟青陵大学紀要 (ISSN:13461737)
巻号頁・発行日
no.3, pp.161-182, 2003
被引用文献数
1

日本の四大公害病のlつである新潟水俣病に対する、行政に働く保健師の活動について、37年前の発生当初から現在までを時系列で整理した。その結果を1978年アルマ・アタ宣言のプライマリ・ヘルス・ケアの4原則1.住民のニーズ指向性 2.住民の主体的参加 3.資源の有効活用 4.協調、統合に照らして分析を試みた。先輩諸姉の語りや文献を通して、保健師は新潟水俣病発生以来今日まで、この問題にかかわり続けできたことが明らかとなった。複雑な社会的背景を持った問題であったが、さまざまな看護ケアが住民サイドに立って実施されていた。健康を人々の権利として位置づけたPHCの理念に沿って活動が進められていたが、住民の主体的参加、他専門職および住民組織との協調、統合については生かしきれず、今後の課題である。
著者
佐藤 香代子 前原 陽子 北原 園子 小林 美紀 江原 裕子 前田 陽子 磯野 博明 高山 秀男
出版者
JAPANESE ASSOCIATION OF CERTIFIED ORTHOPTISTS
雑誌
Japanese orthoptic journal (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.277-284, 2001-11-30
被引用文献数
1

適応範囲外とされる間歇性外斜視の症例に対し、金谷法に基づく視能訓練を行なった。症例は2例で、症例1は、7才で手術希望のない、斜視角35Δの外斜視で、症例2は、生後6ヶ月で内斜視が発症し、初診時は5才で斜視角30Δ内斜視と交代性上斜位、対応異常がある症例であった。Anomalous Retinal Correspondenceに対する訓練で、正常対応化し、カイロスコープで経過観察中、近見14Δ遠見8Δの間歇性外斜視へ移行した後に行なったものである。訓練方法は、1987年に金谷らの報告した方法に基づき、Red filterを使用した抑制除去訓練、Jump convergence、 Red filterを使用した輻湊近点訓練、赤・青鉛筆による生理的複視認知訓練、Framing card、 3点カード、ステレオカードによる輻湊訓練、Base out prismによる後退法の順に行なった。結果、症例1は、10Δのプリズム眼鏡で斜視角を減らして、訓練を開始し15ヵ月後に外斜位化した。症例2は、訓練開始13ヵ月後に外斜視化した。金谷法は、大角度の間歇性外斜視でも、プリズム眼鏡により、適応範囲内にもちこむことで、また両眼視機能の弱い症例でも、両眼視機能が潜在していれば、効果が出るのに時間がかかるが、有効であると考えられた。
著者
小原 裕子 山崎 喜比古
出版者
関東社会学会
雑誌
年報社会学論集 (ISSN:09194363)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.4, pp.105-116, 1991-06-15 (Released:2010-04-21)
参考文献数
9

A questionnaire survey and analysis was conducted for 133 women's college students to clarify the current Japanese young generation's acceptability towards foreign people. The Social Distance Scale was made and used In the survey. As a result, young Japanese are willing to accept foreigners according to their social situation (e.g. teacher-student relationship) or their interest in a progressive society, and according not to nationality, race and physical appearance. However, those who tend to show their conservativeness still remain pro-Western.
著者
藤原 裕子
出版者
霞山会
雑誌
中国研究論叢
巻号頁・発行日
no.8, pp.87-115, 2008-08
著者
三原 裕子
出版者
日本語学会
雑誌
國語學 (ISSN:04913337)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, 2000-09-30

日本語では,語によってマ行音とバ行音が交替する現象が知られるが,この音韻現象は,表記を通してもうかがうことができる。そこで,本発表では後期咄本に現れた「ま」・「は」・「ば」行表記の推移を観察して,その推移の諸要因を明らかにし,併せて,そこから見て取ることのできる後期咄本の資料性を検討する。現れた表記のうち,交替以前の語形を反映していると思われる表記と,「ふをむと読む」,所謂「読み癖」の表記は文章語的なものと位置付けられ,交替後の語形を反映していると思われる表記は口頭語的なものと位置付けられると考える。このような見地から,各語の状況を整理してみると,以下のようなことが言える。調査した語の表記推移の要因として想定されるものには,(一)「意味分担によって,表記にもその使い分けが反映したと思われるもの」(「灯」ほか)や(二)「語の本義に関する記憶の薄れが,表記変化に拍車をかけたと考えられるもの」(「禿」ほか),(三)文章語として認識されていた語が丁寧な語から日常語へと一般にひろまり,口頭語として広く使われてきた語が,その地位を下げるといった「文体的価値の低下が表記に反映したと思われるもの」(紐)などがある。さらに,調査した語の中には,語形変化の過渡期をうかがえる語(「禿」)や,「ふをむと読む」伝統を踏襲した保守的表記で表される語(「居眠り」「煙」)もあった。従来後期咄本のような口語的性格を持つ表記が現れ易い資料は,口語資料としての価値を有すると考えられるが,その一方で,同資料には伝統的な「は」行表記を比較資料よりも多く残すことなど,表記の保守性もうかがうことができる。咄本製作者には,このような保守的表記を選択するものがおり,読者にもそれを許容して享受するという教養層が存在したことが指摘できる。
著者
伊藤 たかね 萩原 裕子 杉岡 洋子
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では,語レベルの言語処理にかかわる心内・脳内メカニズムを明らかにすることを目的として,事象関連電位(ERP)計測の手法を用いた実験を行った。具体的には,複文の特徴を示す複雑述語(サセ使役)および,動詞の屈折を取り上げ,いずれの場合にも規則による演算処理と,レキシコン内のネットワーク的記憶という,質の異なる処理メカニズムが働いていることを示唆する結果を得た。
著者
田近 英一 多田 隆治 橘 省吾 関根 康人 鈴木 捷彦 後藤 和久 永原 裕子 大河内 直彦 関根 康人 後藤 和久 大河内 直彦 鈴木 勝彦 浜野 洋三 永原 裕子 磯崎 行雄 村上 隆
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

約25億~20億年前に生じた全球凍結イベントと酸素濃度上昇の関係を明らかにするため,カナダ,米国,フィンランドにおいて地質調査及び岩石試料採取を実施し,様々な化学分析を行った.その結果,同時代の地層対比の可能性が示された.またいずれの地域においても氷河性堆積物直上に炭素同位体比の負異常がみられることを発見した.このことから,氷河期直後にメタンハイドレートの大規模分解→温暖化→大陸風化→光合成細菌の爆発的繁殖→酸素濃度の上昇,という可能性が示唆される.
著者
佐々木 晶 永原 裕子 杉田 精司 山中 千博
出版者
国立天文台
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

月岩石・隕石の実験室での反射スペクトルと月・小惑星の天体観測スペクトルには大きな違いがある。観測スペクトルは、全体的に暗く、波長が短いほど反射率が低い「赤化」の傾向があり、輝石やカンラン石に特有の1ミクロンの吸収帯が相対的に弱い。この月・小惑星表面の反射スペクトルの変化は、シリケイト中に含まれる酸化鉄が、ダスト衝突により還元されてナノメートルスケールの金属鉄微粒子となる「宇宙風化作用(Space Weathering)」と呼ばれる過程で天体表面が変成されたためと考えられている。研究申請者のこれまでの研究では、世界で初めてパルスレーザーを用いたシミュレーション実験でこの微小鉄粒子の生成を確認した。これまではサンプルをペレット状に固めるときに均等に圧力がかかるという理由で円形のサンプルホルダーを使用していた。昨年度は微小量サンプルの照射のために、皿状のサンプルホルダーを製作して使用した。本年度は、それを改良して微小量の隕石サンプルを照射できるようにした。また、導入した試料粉砕システムにより、隕石中に含まれる金属鉄も250ミクロン以下に粉砕できるようにした。この結果、これまでの隕石粉末試料照射と比較すると鉄の影響を正確に見積もることができるようになった。「はやぶさ」ターゲット天体のイトカワの反射スペクトルを再現するため、LL・Lタイプの普通コンドライトを中心として様々な隕石試料の照射実験を行った。粉末試料だけではなく、隕石固体表面へのパルスレーザー照射を行い、反射スペクトルの変化が起きることを確認した。岩石表面の色変化の確認は世界で初めてである。