著者
吉澤 寛之 吉田 琢哉 原田 知佳 浅野 良輔 玉井 颯一 吉田 俊和
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.281-294, 2017 (Released:2017-09-29)
参考文献数
26
被引用文献数
6

先行研究においては, 養育者の養育や子どもの養育行動の認知が適応的側面と不適応的側面という両方の社会的情報処理を媒介して反社会的行動を予測するメカニズムが検討されていない。本研究では, 養育者の養育態度は実際の養育行動として表出され, 子どもがこうした行動を認知することで養育者の養育態度に関するイメージを表象し, その表象が適応的, 不適応的な社会的情報処理を介して反社会的行動に影響するとする仮説を検証した。中学校1校の327名の中学生(1年生193名, 2年生79名, 3年生55名)とその養育者(母親303名, 父親19名, その他5名), 大学2校の471名の大学生とその養育者(母親422名, 父親40名, その他9名)からペアデータが収集された。子どもと養育者は, 子どもが幼少期の頃の養育としつけについて回答した。子どもからは, 社会的ルールと, 認知的歪曲や規範的攻撃信念による反社会的認知バイアスについても測定された。大学生は高校時代の反社会的行動の過去経験を報告した。構造方程式モデリングを用いた分析により, 中学生と大学生のサンプルの両方で本研究の仮説モデルに整合する結果が得られた。本知見から, 養育者は自らの養育行動が意図した通りに正しく子どもに認知されているか確認する必要性が推奨された。
著者
原田 知佳 土屋 耕治 吉田 俊和
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.32-39, 2013-08-31 (Released:2017-02-24)

This study investigated the effect of high-level/low-level construals and deliberative/implemental mindsets on self-regulation within social settings. High- vs. low-level construals (Study 1, n=97) or deliberative vs. implemental mindsets(Study 2, n=95) were induced in participants, using previously validated priming procedures. They were then asked to complete measures about the "value" and "cost" of the behavior, "negative evaluation of temptations," and "behavioral intention" in each conflict scenario in which social self-regulation ability was required (self-assertiveness, patience, and emotion/desire inhibition scenes in social settings). The results of Study 1 showed that participants in whom high-level construals were activated had higher primary behavioral value ratings, lower evaluation of behavioral cost, and stronger intentions than their counterparts with low-level construals. No difference in negative evaluations of temptation was found. In Study 2, mindsets had no effect on the evaluation of behavior. These results indicated that the activation of high-level construals contributes to self-regulation in the context of social conflict, while deliberative/implemental mindsets had no effect on conflict behaviors within social settings.
著者
原田 知佳 吉澤 寛之 朴 賢晶 中島 誠 尾関 美喜 吉田 俊和
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.273-276, 2014-03-25 (Released:2014-04-08)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

This study examined adolescents' social self-regulation in four cultures and differences in the relationships between social self-regulation and antisocial behavior. A total of 1,270 adolescents from Japan, Korea, China, and the United States completed a questionnaire. The results of an ANOVA showed that adolescents in Japan showed lower self-assertion than those in Korea, China, and the United States. Adolescents in China showed more self-inhibition than those in Japan, Korea, and the United States. The results of an ANOVA showed the following. Only the main effect of self-inhibition on antisocial behavior was observed in Korea, China, and United States, whereas an interaction effect of self-assertion and self-inhibition on antisocial behavior was observed in Japan. Since the “assertive type,” showing high self-assertion and low self-inhibition, does not fit in Japanese culture, assertive-type people would be observed as having maladjusted behavior in Japan.
著者
浅野 良輔 吉澤 寛之 吉田 琢哉 原田 知佳 玉井 颯一 吉田 俊和
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.284-293, 2016
被引用文献数
9

The domain-specific approach to socialization has classified socialization mechanisms into several domains, including the protection and control domains, and postulates that parent–child interactions that promote socialization in each domain are different. However, there are few empirical investigations of the domain–specific approach. This study examined whether parental parenting attitudes affected early adolescents' empathy, including empathic concern and perspective taking, and social cognitive biases, including cognitive distortion and general beliefs about aggression, through the mediation of adolescents' perceptions. Junior high school students and their parents (N = 448) completed a questionnaire. Results of structural equation modeling indicated (a) parental acceptance and control increased empathy via adolescents' perceived acceptance and control, (b) parental acceptance and control decreased social cognitive biases via adolescents' perceived acceptance and control, and (c) parental control directly increased empathy. In addition, multiple group analyses indicated the validity of gender- and age-invariant models. These findings suggest that parental parenting attitudes are essential for appropriate socialization during early adolescence.
著者
原田 知佳 吉澤 寛之 吉田 俊和
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.82-94, 2008-09-30
被引用文献数
11

本研究は,"社会的場面で,個人の欲求や意思と現状認知との間でズレが起こった時に,内的基準・外的基準の必要性に応じて自己を主張するもしくは抑制する能力"である社会的自己制御(Social Self-Regulation; SSR)を測定する尺度を開発し,その信頼性・妥当性の検討を行った。研究1では,予備調査で選定された42項目に対して,大学生,高校生673名に回答を求めた。探索的因子分析の結果,SSRは「自己主張」「持続的対処・根気」「感情・欲求抑制」の3下位尺度(計29項目)から構成されることが示された。また,尺度の十分な信頼性と収束・弁別妥当性も確認された。研究2では,脳科学的基盤が仮定された自己制御概念として行動抑制/行動接近システム(BIS-BAS)・実行注意制御(EC)を取り上げ,SSRとの関連を検討した。その結果,先行研究を支持する結果が得られ,構成概念妥当性が確認された。
著者
頼岡 徳在 小川 貴彦 金原 幸司 小田 弘明 浜口 直樹 高杉 敬久 重本 憲一郎 有田 美智子 原田 知
出版者
社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析療法学会雑誌 (ISSN:09115889)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.319-322, 1990-03-28 (Released:2010-03-16)
参考文献数
20
被引用文献数
1 1

慢性糸球体腎炎を原疾患とする慢性血液透析 (HD) 患者30例 (男性20例, 女性10例, 平均年齢31.8±6.1歳) および健常者50例 (男性31例, 女性19例, 平均年齢32.4±5.9歳) の血中可溶性インターロイキン2レセプター (IL-2R) をELISA法を用い測定した.その結果, HD患者においては, 1. 血中可溶性IL-2Rは1,349.2±497.9U/mlであり, 健常者の157.4±46.5U/mlに比し, 有意の高値が認められた. 2. 血中可溶性IL-2RとCD3との間には有意の正の相関が認められた. 3. 排尿が全くみられない群では排尿がみられる群に比し, 血中可溶性IL-2Rの高値の傾向が認められた. 4. 血中可溶性IL-2Rとβ2-microglobulinとの間には有意の正の相関が認められた.以上より, HD患者の血中可溶性IL-2Rの高値の機序として免疫異常, 尿中排泄低下等が示唆された.
著者
川村 静児 中村 卓史 安東 正樹 坪野 公夫 沼田 健司 瀕戸 直樹 高橋 龍一 長野 重夫 石川 毅彦 植田 憲一 武者 満 細川 瑞彦 佐藤 孝 佐藤 修一 苔山 圭以子 我妻 一博 青柳 巧介 阿久津 智忠 浅田 秀樹 麻生 洋一 新井 宏二 新谷 昌人 井岡 邦仁 池上 健 石徹白 晃治 市耒 淨興 伊藤 洋介 井上 開輝 戎崎 俊一 江里口 良治 大石 奈緒子 大河 正志 大橋 正健 大原 謙一 奥冨 聡 鎌ヶ迫 将悟 河島 信樹 神田 展行 雁津 克彦 木内 建太 桐原 裕之 工藤 秀明 國森 裕生 黒田 和明 郡和 範 古在 由秀 小嶌 康史 小林 史歩 西條 統之 阪上 雅昭 阪田 紫帆里 佐合 紀親 佐々木 節 柴田 大 真貝 寿明 杉山 直 宗宮 健太郎 祖谷 元 高野 忠 高橋 忠幸 高橋 弘毅 高橋 竜太郎 田越 秀行 田代 寛之 田中 貴浩 谷口 敬介 樽家 篤史 千葉 剛 辻川 信二 常定 芳基 徳成 正雄 内藤 勲夫 中尾 憲一 中川 憲保 中野 寛之 中村 康二 西澤 篤志 丹羽 佳人 野沢 超越 橋本 樹明 端山 和大 原田 知広 疋田 渉 姫本 宣朗 平林 久 平松 尚志 福崎 美津広 藤本 眞克 二間瀬 敏史 前田 恵一 松原 英雄 水澤 広美 蓑 泰志 宮川 治 三代木 伸二 向山 信治 森澤 理之 森脇 成典 柳 哲文 山崎 利孝 山元 一広 横山 順一 吉田 至順 吉野 泰造
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集 (ISSN:13428349)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, 2006-03-04
著者
武重 徹 矢口 有乃 花房 茂樹 原田 知幸 鈴木 忠
出版者
東京女子医科大学
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.76, no.10, pp.400-409, 2006-11
被引用文献数
1

PMX-DHP (direct hemoperfusion with polymyxin B immobilized fiber)は1994年にエンドトキシン吸着療法として日本で認可された治療法であり,現在敗血症症例を中心に広く臨床応用されているが,その臨床的有効性の評価および機序については今も議論のあるところである.筆者らは当センターでPMX-DHPを施行した敗血症症例に対し,近赤外線法(NIRS)を用いて測定可能なcytochrome a,a3 (Cyt a,a_3),酸化ヘモグロビン(Oxy-Hb),還元型ヘモグロビン(Deoxy-Hb),総ヘモグロビン(Total Hb)をPMX-DHP前後で比較することにより,細胞レベルでの組織酸素代謝と血液量の再分布の変化を検討した.対象は東京女子医科大学救命救急センター集中治療室に入室し,PMX-DHPを施行した18症例である.近赤外線装置は前額部,前腕部の2ヵ所に装着し,PMX-DHPを中心に約3時間連続して計測した.また,全身の組織酸素代謝の指標としてSwan-Ganz catheterを使いVO_2 (oxygen consumption), DO_2 (oxygen delivery), O_2EI (oxygen extraction index), SVRI (systemic vascular resistance index), SvO_2 (mixed venous oxygen saturation)を測定し,血液検査からはblood lactate concentration, base excess, IL-6を測定した.前腕部の近赤外線法による結果はPMX-DHP前後でCyt a, a_3(p<0.05), Oxy-Hb (p<0.01), Deoxy-Hb(p<0.05), TotalHb (p<0.01),すべてに有意差をもって増加した.前額部の前頭葉の近赤外線法による結果は,PMX-DHP前後でCyt a,a_3, Oxy-Hbに変化はなく,Deoxy-Hb (p<0.01), TotalHb (p<0.01)は,有意差をもって減少した.また,VO_2, DO_2, O_2EI, SVRI, SvO_2, blood lactate concentration, base excess, IL-6はPMX-DHPの前後での有意差は認めなかった.結論としてPMX-DHPにより全身の組織酸素代謝の指標に変化を認めなかった.しかし近赤外線法による測定結果は前腕骨格筋での血液量は増加し,さらにミトコンドリア内における電子伝達系の酸素代謝は亢進した.また前頭葉の血液量の分布はPMX-DHPにより改善された.これらの結果はPMX-DHPの有効性を示唆していると考えられた.