著者
光永 俊郎 安達 潤子 蔵前 栄子 荒堀 圭子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.217-221, 1982-12-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
15
被引用文献数
1

1)マカダミアナッツの可溶性タンパク質を,水,食塩水,アルコール溶液,水酸化ナトリウム溶液を用いて分別抽出した.抽出率は97%であり,主画分は,アルブミンで,総タンパク質の約70%を占めていた.次いで,グルテリン,グロブリン,プロラミンの順であった.2)各タンパク質画分の電気泳動像は,それぞれ特徴のあるパターンを示し,各画分とも多種類のポリペプチドよりなり,プロラミン,グルテリン画分は,高分子ポリペプチドを多く含んでいた.3)各画分のアミノ酸組成は,グルタミン酸,アルギニンの高含量,含硫アミノ酸の低含量を特徴とし,アミノ酸価は,17.1から51.4であった.全タンパク質は51.4でごまのタンパク質とほぼ同じ値を示した.4)アルブミン画分は,ゲル濾過により,6画分にわけられた.さらにこれらの画分の電気泳動像は,それぞれ3~10種のパンドが認められ,極めて多種類の構成ポリペブチドよりなることを示した.
著者
荒堀 仁美
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

ダウン症候群では成長障害を高頻度に合併するが、その機序は不明である。本研究ではダウン症候群児の疾患特異的ヒトiPS細胞を樹立し、軟骨細胞系へと分化誘導を行いその解析を行うことによって、成長障害の原因を明らかにする。出生前に診断されたダウン症新生児の臍帯血をもとにセンダイウイルスを感染させダウン症iPS細胞を作成、さらに軟骨細胞へと分化誘導することができた。一方で、トリソミー症候群の患者から得た皮膚線維芽細胞ではいずれも酸化ストレスの増大と細胞早期老化現象が認められ、染色体トリソミーがもたらすRNA/タンパク合成亢進により酸化ストレスが増大していることが引き金となっていることが示唆された。
著者
堀,克重
出版者
東京昆蟲學會
雑誌
昆蟲
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, 1966-04-20
著者
堀口 恵子 神戸 美恵子 永井 由美子 阿部 雅子 高橋 雅子 渡邊 静 綾部 園子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成29年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.220, 2017 (Released:2017-08-31)

【目的】日本調理科学会平成24~26年度特別研究で、群馬県各地域の家庭料理について、次世代へ伝え継ぐ資料として聞き書き調査を行い報告した。その後の追加調査や刊行資料調査も含め、群馬県の家庭料理のおやつの特徴について報告する。【方法】平成 25 年 10 月~27 年 2 月に群馬県内の8地域において,各地域 2 名以上(60 歳~80 歳代,居住年数 40 年以上)の調査対象者に対して面接調査を行った。面接は特別研究の方法に従い,調査の同意を得た上で,調査票に沿って対話したものを記録した。その後、嬬恋村において追加調査を行った。【結果】群馬県は,冬期の日照時間が長く、乾燥した気候で、水はけのよい土地であるため、小麦の生産に適し、平坦地では米と麦の二毛作が行われている。小麦粉はおっきりこみやうどんなど主食として食するほか、いろいろなおやつが作られている。中でもまんじゅう類は種類が多く、炭酸まんじゅう(ふかしまんじゅう)、ゆでまんじゅう、すまんじゅう、そばまんじゅう、焼きまんじゅうなどがある。焼きまんじゅうは、すまんじゅうを竹串に刺し、たれ(赤みそ、砂糖、水)をつけて香ばしく焼いたもので、祭りや縁日の屋台で売られ、群馬のソウルフードともいえるおやつである。また小麦粉に野菜などを入れた焼いた焼きもち(ふちたたかっしゃい、もろこしおべった)や、たらし焼、じり焼き、甘ねじなどもある。米粉を使ったものでは、あんぴんもち、草だんご、きびもち、すすり団子などのもちや団子も喜ばれた。また、いも類のおやつでは、さつまいもを蒸して干した乾燥いもや油焼き、里芋をゆでて串にさしたれをつけたいも串、じゃがいもでは、いも餅やいも串などがある。様々なおやつの工夫がみられる。
著者
平園 賢一 篠塚 孝男 藤井 明和 堀 貞明 伊藤 仁 川井 健司 佐藤 慎吉 長村 義之
出版者
特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
雑誌
日本臨床細胞学会雑誌 (ISSN:03871193)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.1069-1074, 1992
被引用文献数
3

パルボウイルスB19 (以下B19) は伝染性紅斑, いわゆるリンゴ病の病原体であり, 成人でも風邪様症状や関節炎を起こし, 特に妊婦が妊娠初期から中期にかけて感染すると胎児水腫などを引き起こし流早死産になることが明らかになってきた. 現在, 産科的に風疹やサイトメガロウイルスにつぐ重要なウイルスとして注目されている.<BR>〈症例〉胎齢25週2日の男児死産児. 母親は28歳, 保母. 妊娠10週頃に伝染性紅斑に患, 妊娠22週の超音波検査にて胎児水腫を指摘され当院産科を受診し, B19感染による非免疫性胎児水腫が疑われた. 25週2日子宮内胎児死亡のため人工中絶となった.<BR>〈剖検〉全身浮腫と著明な胸腹水の貯留を認めたが外表奇形, 内臓奇形はみられなかった. 剖検時の腹水細胞診では細胞の変性強く核内封入体を有した感染細胞は明らかでなかったが, 酵素抗体間接法 (B19に対するモノクロナール抗体) により感染細胞の細胞質に特異抗原を認めた. また諸臓器 (肝, 脾, 肺, 腎, 骨髄, 胎盤など) に核内封入体を有する感染赤芽球が多数認められ, 酵素抗体法にて陽性が認められた. また胎児胸腹水のPCR法分析および組織電顕にてB19を確認した.<BR>〈考察〉本邦の妊娠可能女性の50%から80%はB19抗体陰性といわれており, 感染時に定形的な紅斑を示さないことが多いとされる. またB19IgM陽性妊婦の約10%に胎児水腫が発症したとの報告があり, その致死率も高い. 早期診断のためにも簡便でかつ臨床応用可能な細胞診は有用であると思われた.
著者
田中 敬大 齋藤 剛史 吉村 翔 細沼 栞 堂前 伸 堀田 拓
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.46, pp.E-189_1-E-189_1, 2019

<p>【はじめに】</p><p> 急性期における脳卒中罹患後の早期離床の有用性については様々な因子の検証が行われている. 先行研究では, 早期の離床は身体機能の向上に大きな影響を与えると重要視されている一方で, 脳卒中罹患後24時間以内の超早期に離床し, 通常群と比較した研究では, 3ヶ月後に良好な転帰を示さなかったとの報告もある. このように脳卒中罹患後の早期離床の是非に関しては統一された見解がない.</p><p> 脳卒中罹患後の歩行に関しては, 早期にリハビリテーション (以下リハビリ) が介入することで有意に歩行を獲得出来たという報告はあるが, 早期に離床することが直接歩行の獲得に有効かどうかの報告はない. そこで本研究は脳卒中罹患後の離床時期による差が, 歩行の獲得に関連するかを検証した.</p><p>【方法】</p><p> 対象は2014年1月1日から2016年12月31日の間, 東京歯科大学市川総合病院脳卒中センターに入院し, リハビリが介入した脳卒中患者724名のうち, 入院期間中に歩行を獲得した176名 (男性115名 女性61名 年齢70±11) と歩行を獲得出来なかった304名 (男性277名 女性127名 年齢74±12) を対象とした. 本研究の歩行獲得はFunctional Independence Measure (以下FIM) の移動の項目の歩行で5点以上とした. 除外基準はくも膜下出血の診断を受けた者, 入院前のFIMの移動の項目の歩行で5点未満の者とした. </p><p> 方法は, 超早期離床群 (脳卒中罹患後24時間以内に離床) , 早期離床群 (脳卒中罹患後24時間から72時間以内に離床) , 離床遅延群 (脳卒中罹患後72時間以降に離床) の各群で歩行を獲得した人数をフィッシャーの正確検定にて群間比較した. また離床時期と歩行獲得の可否を目的変数,Brunnstrom Recovery Stage (以下Br.stage) を説明変数として多変量解析した. また歩行には離床と運動麻痺のどちらが寄与するかを重回帰分析にて解析した. 統計解析にはR (Ver2.4.1)を使用した. </p><p>【結果】</p><p> 離床時期別に比較すると超早期離床群の方が他の2群と比較して有意に歩行を獲得できた割合が高かった (p<0.01) . また全ての離床時期の歩行獲得群と歩行未獲得群でBr.stageを比較した結果, 歩行未獲得群に比べ歩行獲得群の方がBr.stageの値が有意に高かった (p<0.01) . さらに歩行の獲得に離床時期とBr.stageのどちらが強く関連しているか比較した結果, 有意にBr.stageの方が関連した (B=0.68, p<0.01) . </p><p>【考察】</p><p> 本研究より脳卒中罹患後の歩行獲得は離床遅延群よりも超早期離床群が有意に高かったが, 離床時期と運動麻痺の程度を比較すると, 運動麻痺の方が歩行獲得に際し,より関連していることが示唆された. </p><p> 本研究では運動麻痺と離床時期の解析を行ったが, その他の因子についても今後検証していく必要がある.</p><p>【倫理的配慮,説明と同意】</p><p>本研究は東京歯科大学市川総合病院倫理審査委員会 (承認番号Ⅰ17‐55) および東京歯科大学市川総合病院病院長の承認を得た.</p>
著者
堀江 真行
出版者
京都大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本年度は (1) 南極コケ坊主および (2) 国内の淡水湖におけるウイルス叢の解析、さらに (3) 得られたウイルス配列を用いた内在性ウイルス様配列の検出を行った。(1) 昨年度に加え、新たに1つのコケ坊主よりDNAを抽出し、ショットガンメタゲノムによるウイルス探索を行った。その結果、少なくとも40の新規のDNAウイルス様配列を検出した。一方コケ坊主からのRNAの核酸抽出では十分な核酸量が得られず、RNAウイルスの探索を行うことはできなかった。(2) 国内の淡水湖におけるRNAウイルスの探索も行った。ウイルスに特徴的な2本鎖RNAを特異的に検出するFLDS法を用いて、国内淡水湖のRNAウイルスの探索を行ったところ、少なくとも9つの新規のRNAウイルス様配列を検出した。検出されたウイルスはビルナウイルスなど、すべて二本鎖RNAウイルスであった。(3)これまでに得られたウイルスの配列および、近年に他の研究グループから報告された新規のウイルスの配列を用いて、真核生物ゲノムに存在するウイルス様配列(内在性ウイルス様配列:EVE)の探索を行った。その結果、様々な生物のゲノムからこれまでに報告されていない多数の新規のEVEを発見した。例えばヒトゲノムにおけるボルナウイルス様EVEだけでも既知のEVEの3倍の内在性ボルナウイルス様配列を検出した。これらの結果から「新規ウイルスの発見は新規内在性ウイルス様配列の発見につながる」という本研究の仮説を実証することができた。本研究によって得られた知見は現代および過去のウイルスの多様性の理解に有用である。
著者
堀内 美緒 熊澤 栄二
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.581-586, 2012 (Released:2013-08-09)
参考文献数
9

Traditional festivals in rural regions were the pride of the region and the nucleus of the community, and played a major role in the continuation of regional society. However, declining fertility rates have meant that retaining supporters and passing on the traditions have become increasingly difficult. The purpose of this study is to understand the realities of how traditional arts in local traditional festivals are passed on to elementary and middle school students, and to clarify the issues required, using Suzu City, Ishikawa Prefecture, Japan as its subject. We interviewed the principals of nine elementary schools and four middle schools in order to understand the situation of activities concerning traditional arts such as drums and flutes at each school. Next, we conducted a questionnaire for all elementary and middle school students, collected 976 responses (97% return rate) and used cross tabulation to analyze the relationship between passing on traditional arts and personal attributes. As a result, it was made clear there were differences in the inheritance process depending on region and family/sibling structure.