著者
前田 章光 安藤 仁 浅井 徹 石黒 久晶 梅本 紀夫 志水 清和 伊藤 基博 細畑 圭子 牛島 健太郎 藤村 昭夫
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.8, pp.481-485, 2011 (Released:2012-08-30)
参考文献数
10

Recent studies carried out in Western countries have suggested a potential adverse interaction between clopidogrel and proton pump inhibitors (PPIs), which inhibit CYP2C19 activity. The purpose of this study was to examine the influence of individual PPIs and CYP2C19 polymorphism on the antiplatelet effect of clopidogrel in Japan. The platelet aggregations induced by 20 μmol/L ADP and CYP2C19 single nucleotide polymorphisms (*2 and *3) were determined in 118 patients on aspirin plus clopidogrel (75 mg/day) therapy. Twenty-five and 13 patients were treated with lansoprazole and rabeprazole, respectively. The platelet aggregation of extensive metabolizers (EM : *1/*1) treated with lansoprazole tended to be higher than those not given a PPI (21.5 % vs. 17.4 %, respectively, p=0.14). Lansoprazole was observed to have no effect on platelet aggregation in intermediate metabolizers (IM : *1/*2 and *1/*3) and poor metabolizers (PM : *2/*2, *2/*3, and *3/*3). Furthermore, platelet aggregation in IMs and PMs not given lansoprazole was significantly higher than that in EMs taking lansoprazole. Rabeprazole did not affect platelet aggregation in any genotype. These results suggest that the influence of PPIs on the antiplatelet effect of clopidogrel is minimal in Japanese patients.
著者
中村 明澄 堤 円香 安藤 仁子 高柳 論也 地曵 典恵
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.339-343, 2020 (Released:2020-12-21)
参考文献数
11

ヒドロモルフォン塩酸塩1%注射液(高濃度ヒドロモルフォン注)の持続皮下注により皮下硬結を生じたが,希釈濃度を下げることで改善した1例を報告する.患者は60歳女性,膵がんによる背部痛に対して高濃度ヒドロモルフォン注の持続皮下注を行い,ヒドロモルフォン濃度を0.17%から0.83%に上げた際に発赤・皮下硬結が出現した.留置針の刺し替えを行うも改善せず,ヒドロモルフォン濃度を0.28%まで下げたところで皮下硬結が消失した.第61病日より嘔気に対してハロペリドールを混注し,第70病日より身の置きどころのなさの出現により,ミダゾラムをさらに混注で追加したが,ヒドロモルフォン濃度を0.28%以下に保つことで,第79病日に亡くなるまで皮下硬結を認めず,症状緩和も可能であった.高濃度ヒドロモルフォン注の持続皮下注の皮膚局所反応に,ヒドロモルフォンの濃度が関係している可能性が推測された.
著者
安藤 仁介 位田 隆一 西井 正弘 杉原 高嶺
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1994

本研究は、冷戦構造崩壊後の国際秩序の再編と安定の時代における国際連合の機能変化と役割について、全体的に分析検討することを目的とした。安藤は、設立後50周年を迎えた国連の活動の全般的な再検討を行った上で、日本との関係にも目を配りつつ、人権分野を中心に研究を進めた。とくに人権の実効的保護に視点をおいて、B規約人権委員会で実践する傍ら、人権条約に対する保留の問題を検討し、また国際人権規約全般についてまとめた作業を発表した。杉原は、同じく国連50年をふりかえりつつ、紛争解決の分野、とくに国際司法裁判所の機能について、個別の判例研究をつづけ、また政治的紛争の司法的解決可能性について理論的検討を加えた他、最終年度に国際司法裁判制度全般について研究を集大成することができた。西井は、これまでの国際環境問題の展開を跡付けつつ、国際環境法の発展をたどるかたちで国連のこの分野での活動を捉らえようとしてきた。特に、単に自然環境のみでなく社会環境の視点で人権を捉えて、国際機構による人権保障制度の枠組みを検討した。位田は、一方で、リオ宣言や平和維持、開発協力、人権、海洋法などの諸分野を見渡して、国連の持つ国際法形成機構に着目して理論的研究を進め、他方で、国際機構による発展途上国問題の解決に焦点をあてて、資源国有化紛争の実効的解決や地域協力システムにおける持続的発展を検討した。本研究計画の全体のまとめとして統合した研究成果をまとめて発表するにはまだ至っていないが、安藤を中心とする研究体制は継続しており、機会を捉えて近い将来に総合的に21世紀の国連の役割を示唆できるであろう。
著者
寺田 愛 安藤 仁 野川 麻紀 櫻井 勝 野原 えりか 山下 治久 早川 哲雄 宮本 謙一 小林 健一 篁 俊成
出版者
THE JAPAN DIABETES SOCIETY
雑誌
糖尿病 = Journal of the Japan Diabetes Society (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.463-467, 2003-06-30
被引用文献数
5

理想のインスリン注入器を追求する目的で, 新型タイマー式注入器の使用感や外観を従来の万年筆型注入器との対比において評価した. 当科通院中のインスリン使用糖尿病患者89人 (男性49人, 女性40人) に, アンケート調査を行った. タイマー式は単位の合わせやすさ (7896) や注入ボタンの押しやすさ (6296) など操作性が評価された (数値はタイマー式の支持率). 一方, 外観は形 (2896), めだたなさ (2996) と万年筆型が優っていた. これらを年代別に解析したところ, 操作性は各年代ともタイマー式を支持したが, 外観は若年層ほど有意に万年筆型を支持した, 今後使用したい注入器としては, 若年層ほど万年筆型を, 高齢層ほどタイマー式を選択し, 若年層では外観を, 高齢層では操作性を重視することが判明した. インスリン注入器に求める条件は年齢層によって異なり, タイマー式は高齢者が求める条件をより満たした注入器であることが明らかとなった.
著者
花生 遊砂 安藤 仁美 伊藤 学 大西 貴光 奥野 楓 尾崎 桃子 菅野 美咲 長森 健太 槙 健輔 松原 美鈴 松本 太郎
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学政策研究 (ISSN:2185985X)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.149-156, 2016-03-31

日本で問題となっている「若者の政治参加度の低下」は熊本も例外ではない。若年代の投票率は全国平均を下回っている。若者が政治に対して高いハードルを感じ、知識をつける意識がないことがこの原因である。私たちはこの問題を解決する施策を提言する。 政治について簡潔にまとめられた本「かたる。」を配布し、その本をもとにしたクイズ番組「かたるTV」で本を活用する場を用意する。ただ「かたる。」を配布するだけでなく「かたるTV」を放送することで政治に対するハードルを下げ、若者の政治おける知識の蓄積と意見形成を促す。政治への関心を高めることで投票率を高める事ができる。若者の政治参加の活性化が積極的な意思表明につながり、若者が暮らしやすい社会が形成される。そのため熊本の人口流出を阻止し、若者の移住も見込めるため、政治だけでなく経済・教育など様々な面での活性化が期待でき、結果として熊本をより元気な県に導くことが可能である。
著者
宮澤 安範 上西 克二 山口 正洋 安藤 仁司
出版者
公益社団法人日本磁気学会
雑誌
日本応用磁気学会誌 (ISSN:18804004)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, 2004-03-01
参考文献数
12
被引用文献数
1

IT社会の進展に伴い,GHz帯で良好な特性を持つ軟磁性薄膜への要求が高まっています.例えばRF集積化インダクタ等のように,高透磁率で低損失のもの,あるいは,電磁雑音対策用として高損失な材料です.いずれの場合も,材料特性の評価基準となる超高周波帯域での複素透磁率の測定が必須です.当社ではこれらの要求に応える9GHzまでの透磁率測定を可能な装置を製品化しました.PMM-9G1は幅広い分野の磁性材料開発に活用して頂けます.
著者
安藤 仁介 芹田 健太郎 小原 喜雄 三宅 一郎 木村 修三 五百籏頭 真 西 賢
出版者
神戸大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1986

本研究は, 第二次世界大戦後における日本の対外関係の特質を究明するために, その原点となった占領期における基本的な問題をいくつか選び出し, その各々について日本がいかに自主的にかかわっていったかを分析することを目的とした. そして従来この分野の研究が二次的資料に頼りがちだった事情を反省し, 国立国会図書館(現代史資料室)が最近に米国の国立公文書館(National Archives)秘蔵の膨大な一次資料をマイクロ・コピーで入手したなかから, GHQ/SCAP文書を中心に上記の基本的な問題に関係するものを複写・整理し適宜インデックスを作成したうえ, それに基づいて個別および共同の研究を進めた.基本的な問題の第一として, 占領軍の権限の国際的評価が挙げられるが, これについては, 連合国の日本占領はドイツに見られる無条件降伏の場合と異なり, ポツダム宣言に列挙された諸条件を実施するためのものであって, 占領軍は日本の非軍事化と民主化のために適切と認める措置をとる強大な権限を有していたことが判明した. 第二に, 占領下における対外関係の処理については, 占領の初期に対外関係処理の権限が占領軍の手に集中されたが, 占領方針の転換と日本側の要請によってこれが徐々に緩和され, 対外郵便業務の再開, 国際会議・国際機構への参加, 駐日外交代表部との接触, 出入国管理事務と対外公的通信の再開, 在外事務所の設置をもたらしたことが跡づけられた. 第三に, 国内問題についても, まず財閥解体・独禁法の制定が日本の特殊事情を考慮に入れるようにとの日本側の要請にも拘らず, 対独方式と同様に進められたこと, だが選挙法の改正には日本側の自主性が尊重されたこと, 総じて, 連合国の占領政策のうち, 日本側が実質的なイニシャティヴをとりえたものや, 政策の日本人受益者層が着実な拡がりを見せたものが, 定着したことが実証された.
著者
川島 慶雄 横川 新 中村 道 芹田 健太郎 栗林 忠男 安藤 仁介
出版者
大阪大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1987

本研究は、過去10年にわたる継続的な研究の一環であり、わが国の国際法に関する実践をできるかぎり網羅的に調査・検討し、その成果を体系的に整理・公表することによって、これまで外国の事例に依拠しがちであった日本の国際法研究に新たな資料的裏付けを提供することを目的としている。その際、国際法の対象領域が極めて広いことから、日本の諸事例が国際的にみて特に有用性の高い領域を選択すべきことに留意した。昭和62・63年度の研究においては、すでに完成した「国家承認」及び「国交再開・政府承認」の研究に続き、「国家領域」に関する国際法的実践の分析を手掛けた。本研究では、対日平和条約第2条及び第3条による領土処理の対象となった領域を中心に、現在なおその帰属について周辺諸国と係争中である領域や、第二次大戦終了後に日本に復帰した領域、更に第二次大戦終了前に日本が何らかの形で支配していた領域についても検討を加えている。具体的には、対日平和条約に直接係わる領域として、朝鮮(第2条(a)項関係)、台湾及び澎湖島(同(b)項関係)、千島及び樺太(同(c)項関係)、太平洋諸島(同(d)項関係)、南極地域(同(e)項関係)、新南群島及び西沙群島(同(f)項関係)及び南西・南方諸島(同第3条関係)である。この中には、歯舞、色丹、国後、択捉四島の帰属をめぐるいわゆる北方領土問題、竹島及び尖閣諸島の帰属問題、国際連盟時代に日本の委任統治地域であった太平洋諸島の法的性質の問題、沖縄・小笠原諸島の潜在主権の問題などが含まれている。更に、日本の領土ではないが、日本が統治権を行使した山東半島及び遼東半島の租借地の問題も併せて検討している。本研究は、以上の各領域について、その歴史的経緯や問題点を分析し、今秋「国家領域(領土)-日本における国際法事例研究-」として一連の研究の第3巻を出版する予定である。
著者
安藤 仁介 岩沢 雄司 金 東勲 西井 正弘 薬師寺 公夫 坂元 茂樹 村上 正直 小畑 郁 中井 伊都子 徳川 信治 北村 泰三 初川 満
出版者
(財)世界人権問題研究センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

「市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約)」の自由権規約委員会は、締約国の提出する政府報告を審査し、勧告を含む総括所見を採択して、そのフォローアップを求める慣行を確立した。本研究は、各締約国が、これらの勧告を受け入れているかいないか、また、各国に固有の文化的・社会的・宗教的構造が、それにどのように影響を与えるかを比較検討し、自由権規約の保障する人権を実現するためには、どのような課題が存在するかを分析した。
著者
安藤 仁 加賀谷 尚史 竹森 康弘 野田 八嗣
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化器病學會雜誌 = The Japanese journal of gastro-enterology (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.94, no.11, pp.723-729, 1997-11-05
被引用文献数
1

HP陽性消化性疾患患者78例に対し除菌治療を施行し(PPI+AMPC 17例,PPI+AMPC+CAM 61例),HP抗体価およびPGI・II値,I/II比の推移について検討した.HP除菌例(<I>n</I>=68)では,治療後HP抗体価の低下およびPGI・II値の低下,PGI/II比の上昇を認めた.特にPGII値の低下とPGI/II比の上昇は除菌治療開始2カ月後の早期より著明でその後も持続した.一方,HP非除菌例では,治療後HP抗体価およびPGI/II比に明らかな変化はなく,PGI・II値がPPIの影響かむしろ早期に一過性の上昇を示した.以上より,PGII値とPGI/II比はHP除菌効果を早期より反映して変動することが示された.