著者
村田 忠 小川 幸成
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.856-861, 1993
被引用文献数
4 2

本論文では, 電子機器の信頼度 (MTBF) を述べている。電子機器とか精密機器がフィールドで使用される場合, 機器の設計 MTBF と実測 MTBF の間には通常大きな差異がある。この問題は, 主として機器の加工や組立作業の不慣れのワークマンシップ不良による初期故障のためであるが, そのことが長い期間継続することがしばしば生ずる。本論文は, フィールドで使われる航空機用電子機器の MTBF をファジィ推論で予測している。そして各期間毎にその予測 MTBF がフィールドでの実測 MTBF と比較され, 約±10%程度で近似していることを確認した。これらのことにより本論文は, ファジィ推論が機器の信頼性工学の分野でも有効であり, 補用部品/機器の調達計画にも有用であることを指摘している。
著者
小川琢治 著
出版者
成象堂
巻号頁・発行日
1923
著者
小川 園子 牧野 順四郎
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.78-84, 1981-07-20 (Released:2010-07-16)
参考文献数
22
被引用文献数
4 11

A total of 43 female mice of different strains (AKR/J, BALB/c, C3H/He, C57BL/6, DBA/2J, and ICR/JCL) were tested four times in the virgin period (two times each in estrous and non-estrous stages), three times in the pregnant period, nine times in the lactating period, and once on the next day of weaning. On each test, a male ICR/JCL mouse was introduced into the female's home cage and the social interaction between them was observed for 10min. Darting, Chasing, Attack, Biting, Wrestling, and Boxing were checked as the female's aggressive behavior. It was found that (1) females exhibited very little aggressive behavior in the virgin period in both estrous and non-estrous stages, (2) females of several strains showed intense aggressive behavior in pregnancy, (3) during the early lactating period, females were most aggressive, and thereafter the amount of aggressive behavior gradually declined, and (4) on the next day of weaning, no females exhibited gressive behavior. The behavioral pattern of aggression was very different among the strains, even though they displayed about the same level of aggression.
著者
小川 豊生
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.55, no.7, pp.43-55, 2006

十三世紀の日本が体験した危機として蒙古襲来をあつかうことは、あまりに新味に欠けるというべきかもしれない。しかし、この国家的危機がひきおこした諸言説の根本的な変化については、それほど詳細に分析されているとは思えない。たとえば、北畠親房がその歴史叙述『神皇正統記』を超越神としての「国常立尊」から書き起こしていること、またその親房がその思想を度会家行をはじめとする伊勢神道にもとづいて形成していたことについては知られているものの、それまで言説化されることのなかった「超絶神」あるいは「世界を建立する神」が、いかなるプロセスで出現してくるのか、といった問題に関してはいまだ明らかにされていない。危機のなかでこそ惹起する、思考のある決定的な飛躍、この問題を十三世紀のテキストをもとに探究してみたい。
著者
近藤 隆正 小川 貴志子 寺田 修 金 奇人 奥津 光晴 鈴木 克彦
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.89-95, 2009
被引用文献数
1

スケート選手を対象とし,寒冷環境下での身体活動がサイトカイン応答に及ぼす影響を寒冷適応の有無から検討した.寒冷環境適応者のショートトラックスケーター,寒冷環境不適応者のインラインスケーター,それぞれ男子 10 名を被験者とし,60 分間の寒冷 (5~8℃) または常温 (20~25℃) にて安静状態を維持した後,最大酸素摂取量の 65%強度に相当する自転車エルゴメーター運動を 60 分間負荷し,常温で 120 分間安静状態維持を実施した.採血は,安静時,寒冷ないし常温下で 60 分安静後,運動負荷直後,30 分後,60 分後,120 分後の計 6 回肘静脈より行い,血漿を分離した.サイトカインの濃度は酵素免疫測定法により測定した.寒冷環境適応者が常温で運動すると IL-1ra,IL-10, IL-12p40 などのサイトカインが誘導されるが,これらの運動時のサイトカイン応答は寒冷(冷却)によって抑制できることが評価できた.<br>
著者
小川 恭子 竹内 和男 奥田 近夫 田村 哲男 小泉 優子 小山 里香子 今村 綱男 井上 淑子 桑山 美知子 荒瀬 康司
出版者
公益社団法人 日本超音波医学会
雑誌
超音波医学 (ISSN:13461176)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.749-756, 2014 (Released:2014-09-19)
参考文献数
17
被引用文献数
2

目的:肝血管腫は腹部超音波検査で発見される比較的頻度の高い病変である.大部分は無症状で大きさは変化しないと報告されているが,時として増大例や縮小例,巨大例,まれには破裂例を経験する.これまでの肝血管腫の腫瘍径の変化についての報告には,多数例での長期経過観察による検討は少ない.そこで,長期に経過観察されている肝血管腫について,その腫瘍径の変化を検討した.対象と方法:2011年に虎の門病院付属健康管理センターの人間ドックにおいて腹部超音波検査を行った16,244例のうち,肝血管腫またはその疑いと診断された1,600例(9.8%)を後ろ向きに調査し,10年以上の経過観察がある76例,80病変を対象とした.観察期間は120ヵ月から303ヵ月,平均197ヵ月であった.腫瘍径の変化率を(1)著明増大(変化率が≥+50%),(2)軽度増大(変化率が≥+25%より<+50%),(3)不変(変化率が<+25%より≥-25%),(4)縮小(変化率が<-25%),の4群に分類した.結果と考察:全経過での平均変化率は+39.8%(95%CI:+28.5%から+51.1%)で,著明増大は29病変(36.3%),軽度増大が16病変(20.0%),不変が32病変(40.0%),縮小が3病変(3.8%)であった.10年間の変化率に換算すると平均+24.9%(95%CI:+18.1%から+31.7%)で,著明増大は13病変(16.3%),軽度増大は22病変(27.5%),不変は45病変(56.3%),縮小例はなしであった.結論:肝血管腫の10年以上の経過観察で約半数に腫瘍径の増大を認めた.
著者
小川龍
雑誌
救急医学
巻号頁・発行日
vol.3, 1980
被引用文献数
1
著者
畠沢 政保 杉田 洋 小川 孝廣 瀬尾 宜時
出版者
The Japan Society of Mechanical Engineers
雑誌
日本機械学会論文集 B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.70, no.689, pp.292-299, 2004
被引用文献数
31

A new type of thermoacoustic sound wave generator driven with the waste heat of a 4 cycle automobile gasoline engine is described. The exhaust-pipe connected sound wave generator, in which the hot heat exchanger is set in the exhaust pipe in order to recover the waste heat of exhaust gas, is proposed. A temperature of 780°C of exhaust gas in the exhaust is observed. In a conventional thermoacoustic sound wave generator, sound waves originate at a temperature of the hot heat exchanger, <I>T<SUB>H</SUB></I>, of 200-300°C and become sufficient at 700°C. It is confirmed that the new generator generates sufficient sound waves and its performance is almost equal to that of the electric heater driven generator at a thermal input of 300 W, which corresponds to slightly more than 1% of the heat quantity of exhaust gas provided under the condition that the number of engine revolutions is 2 600 r.p.m. and that the throttle opening is 35%.
著者
久保田 健稔 足立 忠文 山﨑 勝己 小川 倫子 濱田 傑
出版者
社団法人 日本口腔外科学会
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.236-240, 2009-05-20 (Released:2012-08-28)
参考文献数
21
被引用文献数
2

We report a rare case of rhinogenous optic neuritis(RON)that was induced by odontogenic maxillarysinusitis in a 34-year-old woman. The patient was referred to our hospital because of visual disturbance of the left eye, gradually developing over the course of 1 month. On presentation to the Department of Ophthalmology, the corrected visual acuity and central critical flicker frequency of the affected left eye was 1.0 and 24Hz, respectively (1.2 and 45 Hz for the right eye). The left eye also showed paracentral scotoma. Computed tomography and magnetic resonance imaging revealed left sphenoid and maxillary sinus opacification, which indicated thickening of these sinus membranes. For a clinical diagnosis of RON in the left eye, a otolaryngologist performed endonasalsphenoid and maxillary sinusotomy under general anesthesia. After sinusotomy the patient came to our department for further evaluation. A panoramic radiograph showed projection of root canal filling material to the left maxillary sinus from the apex of the left maxillary second premolar. We extracted this tooth and the projecting material. Visual symptoms completely resolved 3 months after diagnosis by collaboration among the patient’s ophthalmologist, otolaryngologist, and oral and maxillofacial surgeon.
著者
松永 康生 神田 径 高倉 伸一 小山 崇夫 小川 康雄 関 香織 鈴木 惇史 齋藤 全史郎
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2016年大会
巻号頁・発行日
2016-03-10

草津白根山は長野県と群馬県の境に位置する、標高2000mほどの活火山である。山頂に位置する湯釜は強酸性の湖水を有し、その地下では度々活発な地震活動が観測されている。また、本白根山麓には草津温泉や万代鉱温泉などの湧出量の豊富な源泉が存在することから、山体の地下には熱水系が発達しているものと考えられている。地球化学的な研究によれば山頂部の噴気や湯釜湖水、また山腹の幾つかの温泉は、気液分離した貯留層由来である一方、本白根山麓の草津温泉や万代鉱温泉などは、より初生的なマグマ性流体がこの貯留層を経由せずに天水と希釈され噴出したものと解釈されている(Ohba et al., 2000)。白根山を東西に横断する測線にて行われたAMT法による調査では、深さ3~4kmまでの比抵抗構造が明らかにされ、山体の西側に厚さ最大1kmほどの低比抵抗体が見つかった。これは変質した第三紀火山岩であると解釈されている。地球化学的な調査と合わせるとこの変質帯が不透水層として働くことで、山腹の温泉と山麓の温泉のそれぞれの経路を分け、混合を妨げていると考えられた(Nurhasan et al., 2006)。また、万代鉱周辺で行われたAMT法による調査では、源泉より地下へと広がる低比抵抗体が確認され、こちらは流体の供給路と解釈されている(神田ほか, 2014)。このように源泉ごとの生成過程の違いや、地下浅部の構造はある程度は分かっているものの、より詳細な深部の構造については未だによく分かっていない。そのため今回は表層への熱水の供給経路やその供給源、さらには草津白根山の火山活動全体の駆動源であるマグマ溜りの位置を明らかにすることを目的とした広域帯MT観測を本白根山において行った。調査は山体西側の万座温泉から本白根山頂を経て万代鉱温泉に至る東西約10kmの測線上の計12点において広帯域MT観測を行った。得られたデータのうち三次元性の強いデータを除去し、Ogawa and Uchida(1996)によるコードを用いて2次元インバージョンを行った。このようにして得られた比抵抗構造の特徴として、①山頂から西側の万座温泉地下へと細長く伸びる長さ数キロほどの低比抵抗体②東斜面の表層付近に広がる低比抵抗体③東斜面深部に見られる高比抵抗の大きなブロックの存在があげられる。②については、前述のAMT法観測(Nurhasan et al., 2006)により推定された変質した第三紀火山岩であると考えられる。この低比抵抗体の下部には深部へと続く高比抵抗ブロック(③)が見られる。ただし、観測データのうち特に長周期側で得られたデータは人工ノイズ源の影響を受けている可能性もあり、このような構造が実際に存在するかはよりデータを精査し検討する必要がある。ポスターでは、これまでに得られている結果について発表する。
著者
小川原 純子 横山 祐子 森下 勇 一條 智康 加藤 直子 山岡 昌之
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.1335-1342, 2015-12-01 (Released:2017-08-01)

思春期には体も心も大きく変化する.身体的発達のみならず,自我同一性(identity)の確立などこの時期の正常な心の発達を知ることは,思春期のうつ病や,摂食障害などの心身症を診察する際,その病態の基本的理解として欠かすことができない.また,思春期の患者がもつ生来の言語能力や社会適応力・認知力といった各人の能力を見極めることは,患者の感じている困難感の分析に有用である.さらに思春期に至るまでの生育環境や養育者との基本的信頼関係の構築の有無などの情報は,思春期の患者の心の発達過程での問題点を推測する重要な手掛かりとなる.
著者
小川 岳人
出版者
日本植物生理学会
雑誌
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集 第51回日本植物生理学会年会要旨集
巻号頁・発行日
pp.0345, 2010 (Released:2010-11-22)

シロイヌナズナの外部形態は生育環境に応じて適切に変化する。なかでも光条件と生育温度は、胚軸伸長ならびに葉柄伸長に大きく影響する環境要素である。近年、細胞伸長の正の制御因子である Phytochrome Interacting Factor4 (PIF4)が光シグナル伝達経路と温度シグナル伝達経路の共通因子として機能することが明らかとなった。我々は、光と温度による PIF4の機能制御機構を解明することを目的として研究を行っている。PIF4タンパク質がPhytocrome依存的に赤色光照射によって分解されることはよく知られた現象であるが、本発表では、青色光条件下および低温(16℃)条件下においてもPIF4タンパク質が不安定化することを報告する。恒常的に PIF4を発現させたシロイヌナズナを用いた実験から、これらの不安定化は 26Sプロテアソームを介した分解によるものであることが分かった。また、青色光による分解は光量依存的であり、赤色光による分解と同様に PIF4の Active Phytocrome Binding (APB)ドメインを必要とした。一方、低温による分解には APBドメインを必要としなかったことから、光による分解と低温による分解は異なるメカニズムによって引き起こされると示唆された。
著者
小川 剛生
出版者
慶應義塾大学附属研究所斯道文庫
雑誌
斯道文庫論集 (ISSN:05597927)
巻号頁・発行日
no.48, pp.183-212, 2013

山城喜憲元教授退職記念#挿図, 挿表一、はじめに : 歌書の伝本研究における室町期公武蒐書の意義二、伏見殿家集目録について三、「伏見院本私家集」の形成四、「伏見院本私家集」群の伝来五、現存私家集の伝本と伏見院本六、おわりに
著者
小川哲弘著
出版者
工学社
巻号頁・発行日
2015