著者
矢野 久子 小林 寛伊
出版者
Japanese Society of Environmental Infections
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.40-43, 1995-10-20
被引用文献数
8

病院感染防止対策のうえで, 手洗いの重要性が強調されているにもかかわらず十分な衛生学的手洗いが行われていないという指摘がある. 今回, 気管内吸引前後の看護婦の手洗い行動の観察と手指の細菌学的状態を調べた.<BR>126回の気管内吸引前後における手洗い行動の観察結果では, 吸引前後に手洗いを行ったのは1回 (0.8%) であった. 吸引前後に手洗いをしないで素手で吸引, または吸引に際して手袋の着脱をしなかったのは25回 (19.8%) であった. 観察した全手洗い時間の平均は5.6秒 (標準偏差3.1) であり, 手洗い行動の不十分な現状が明らかになった.<BR>吸引前, 直後の看護婦の手指からはmethicillin resistant <I>Staphylococcus aureus</I> (MRSA), <I>Serratia marcescens, Klebsiella pgumoniae</I>が検出された. 気管内吸引後, 8-12秒の4w/v%手洗い用クロルヘキシジンによる手洗いを行った後では, ほとんど細菌は検出されなかった.<BR>手洗いの不十分な現状とともに手洗いをまず行うことの重要性が明らかになった.
著者
小林 寛
出版者
国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

重合格子法は、互いに重合(オーバーラップ)する複数の格子ブロック間で計算領域をカバーし、計算時には物理量等を補間し合うことで流場を求める手法であり、部分的な物体形状の変更や、多体問題への適用性に優れている。各時刻ステップで重合情報(補間情報)を生成する動的重合格子法を開発し、移動格子法による非定常計算と組合せ、プロペラ周りの流れ場の計算を行うとともに、流場や積分値等計算結果の検証を行い、手法の妥当性を確認した。
著者
小田 和也 小林 寛和 竹村 和彦 竹内 豊 山田 哲生
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.27, no.25, pp.17-20, 2003-03-28
被引用文献数
13

我々は、1つのマイクロレンズ下に感度の異なる2つのPDを配置した全く新しい構造のCCDを新規に開発した。2つのPDはそれぞれ、高感度PDと低感度PDとして独立に機能しこの情報を専用の信号処理を行う事で、今まで、部分的に明るすぎて白飛びしていた撮影シーンなどにおいて、従来再現域に対して約4倍の明るさまでの情報を低感度PDで再現できるようにした。特に逆光シーンやハイコントラストシーンなど今までDSCの苦手だったシーンを克服し、撮影領域を拡大した新しいコンセプトの第4世代スーパーCCDハニカムの開発したので報告する。
著者
脇田 裕久 八木 規夫 水谷 四郎 小林 寛道
出版者
三重大学
雑誌
三重大学教育学部研究紀要. 自然科学 (ISSN:03899225)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.141-148, 1985

The stretching effect on the repeated exertion of maximum hand grip strength were investigated when the wrist joint stretching was added in different muscle groups and/or different frequencies. The subjects were six healthy males aged 18-22 years. They were asked to exert their maximum hand grip strength for 6 seconds, 20 times with 1 minute intervals between each bout. Subjects performed 6 series of experiments in different interval conditions such as, Condition-A : hold resting during each enterval, B : add stretching of dorsi-flexion (7 sec×4 times), C : add stretching of palmar flexion (7 sec×4 times), D : add stretching both palmar and dorsi-flexions, alternately (7 sec×2 times each), E : hold resting until 10th trial, and then add stretching to 20th trial in the same way as in Condition-D during each interval, F : add stretching once every 5 intervals in the same way as in Condition-D. Following results were obtained. 1) No significant differences in average impulses (kg・sec) of 20 times in maximum hand grip strength were found among different conditions. 2) The greater impulses in 11-20th trials were observed in Condition-C and -D in comparison with Condition-A (p<0.05). 3) The impulses in Condition-D were greater than Condition-B in 16-20th trials (p>0.05). 4) The greater impulses were observed in 11-20th trials for Condition-D and -F in comparison with Condition-A (p<0.05). 5) The impulses in 11-15th trials were greater in Condition-F than Condition-E (p<0.05). Therefore, stretching of palmar flexion or, both palmar and dorsi-flexions are effective to prevent the decrease of hand grip strength. Stretching of every 5 trials of 20 maximum bouts is equally effective with that of every one trial.健康な男子大学生6名(18-22歳)を被検者とし、1分間の休息期をはさみながら最大努力で6秒間の握力発揮を20試行繰り返させ、手関節へのストレッチングが握力発揮にどう影響するかを、方法、時期、頻度を違えて実施した。各試行間の休息期には、毎回安静休息を保つ条件(A)、と静的ストレッチングを加える条件(B~F)があり、後者には毎回手関節の背屈方向のみ(B)、掌屈方向のみ(C)、背屈・掌屈双方(D)、第10試行まで安静休息、その後毎回背屈・掌屈双方(E)、第5、10、15試行後にのみ背屈・掌屈双方(F)の5条件とし、合計6条件を指示した。本実験結果は、次のようである。 1)各条件下における全試行の平均力積は、いずれの条件間にも有意な差が認められなかった。 2)第11-20試行では、条件C、Dが条件Aより有意に大きな力積を示した(P<0.05)。第16-20試行では、条件Dが条件Bに比較して有意に大きな力積を示した(P<0.05)。 3)第11-20試行では、条件D、Fが条件Aより有意に大きな力積を示した(P<0.05)。第11-15試行では、条件Fが条件Eに比較して有意に大きな力積を示した(P<0.05)。 以上の結果から、休息期に毎回掌屈または背屈・掌屈双方の静的ストレッチを加えることは、安静休息を保つ場合に比較して、握力低下の抑制に効果的であり、また、その効果については、5試行ごとに加えられた静的ストレッチングと毎回のそれとの間に差のないことが明らかとされた。
著者
小林 寛征 高松 希匠 島村 和典
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.519, pp.29-32, 2002-12-10
被引用文献数
5

ネットワークのブロードバンド化に伴い,基幹網内のIPパケット量は増加し,将来,ルータ等の中継機器の性能を超えてしまう.そこで,MTUの異なるアクセス網と基幹網の間でIPパケットを結合・分解し,経路選択にかかるプロセッサ負荷を軽減するパケットアセンブリ技術を研究している.この技術を非同期パイプラインを持つデータ駆動型プロセッサに実装し,課題の抽出と,解決方法について報告する.
著者
小林 寛伊
出版者
日本医療機器学会
雑誌
医科器械学 (ISSN:0385440X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.288-299, 2005-05-01
被引用文献数
2

2001年12月14日に厚生労働省は, 医薬局長通知で薬事法一部改正を行い医家向け医療用具に対して添付文書を義務化した. 添付文書の中には"承認番号を記載するほか, 単回使用の医療用具については, 「再使用禁止」と記載すること. "が規定された. この改正は, 2002年1月14日に施行され, 翌年の2003年1月13日までは既承認医療用具添付文書改訂猶予期間とされ, 2003年1月14日より完全施行された. その後, 半年を経過した2003年7月に"感染防止と医療器材を考える会"では2000年7月に行った第1回の調査に続き, 2回目の「シングルユース器材の再滅菌使用に関する調査」を行い, 結果を日本医科器械学会刊行の"病院サプライ"および"医器学"に報告した. 現状では, かなりのシングルユース器材が再滅菌再使用されており, 中には開封したのみとはいえ, 人工弁, ペースメーカー, 人工骨頭などが含まれていた. この報告書を受けて2003年12月22日にはNHKのニュース番組で『医療器具, 使い捨てなのに再利用』と題して取り上げられ, シングルユース器材の再滅菌使用の実態が広く国民に向けて報道された.
著者
森兼 啓太 小西 敏郎 阿部 哲夫 阿川 千一郎 西岡 みどり 谷村 久美 野口 浩恵 小林 寛伊
出版者
Japanese Society of Environmental Infections
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.139-144, 2000-05-18
被引用文献数
7

消化器手術後の手術部位感染 (SSI) サーベイランスを米国のNNISシステムに従って施行した.対象は当科で9ヵ月間に施行された消化器外科開腹手術症例364例とした.感染制御チームを結成し, 巡回により基礎データを収集しSSIを拾い上げ, 外科医が創を観察しCDCの基準に従ってSSIか否かを判定した. 一方でCDCのSSI防止ガイドラインのうち現状を改善することが可能と思われる対策を講じ, 介入を行いつつサーベイランスを継続した.まず, 初めの4ヵ月間の創分類III, IV (汚染, 感染創) の症例ではそれぞれ9例中5例 (56%), 10例中9例 (90%) と高率にSSI発生を認め, 全体のSSI発生率に対する大きな撹乱因子となると考え, 以下の検討から除外した.創分類I, II (清潔, 準清潔創) の症例におけるSSI発生率は全体で35/323 (10.8%) であり, 術式別に分類しても, またrisk index score別にみてもNNISのデータより約3-5倍の高率であった.しかし, 米国では後期SSI発生症例を遺漏している可能性がある. 全例に術後30日のサーベイランスを遂行できた我々のデータとCDCのデータとの単純な比較はできないと思われた.サーベイランスの施行に並行して介入を行い, 主として抗生物質の術前投与が徹底された.しかし本研究期間内にSSI発生率の低下はみられなかった. 今後も継続的にサーベイランスを施行していく必要があると考えられた.
著者
青木 幸昌 佐々木 康人 平岡 真寛 名川 弘一 斎藤 英昭 花岡 一雄 中川 恵一 青木 幸昌 澤田 俊夫 小林 寛伊
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1995

術中照射専用可動型電子線照射装置が完成した。電子線エネルギーは4,6,9,12MeVのいずれかを選択可能で、出力は最大10Gy/分、照射野は直径3-10cmが可能である。既存の手術場内に設置して、一人による装置の移動が可能である。米国、カルフォルニア大学において、臨床治験を開始した。同施設において、漏洩線量を測定した結果、1週間に12例、2400Gyを照射して、手術室周囲の最大検出線量は、室外のドア表面で72μシ-ベルトであった。従って、室内を放射線管理区域に設定することによって、追加遮蔽を要さないことが確認された。電子線エネルギーが大きくなるに従って、漏洩線量も増加することが示された。実際の運用は以下のようなものとなる。先ず、装置の保管室から手術場へ移送する。装置を規定の場所に設置し、ケーブル類をとりつけた後、QAに関するチェックを行う。この段階で放射線治療スタッフは一旦退出し、外科スタッフが装置にプラスティックキャップとドレープで装置を覆う。外科操作が完了すると、放射線治療スタッフとともに、使用アプリケータを選択する。手術台を照射装置まで移動させる。放射線スタッフがアプリケータを照射装置にドッキングさせ、照射線量と電子線エネルギーを決定する。スタッフは保管室に入り、モニタをテレビで観察しながら、約2分の照射を行う。この後、必要に応じて、手術操作を継続する。本装置を規制する法規として、科学技術庁関係の放射線障害防止法と厚生省関係の医療法について検討を行った結果、放射線障害防止法では装置の移動に関する問題はなく、放射線管理区域設定上の運用が問題となるのみと考えられるのに対して、医療法では、診断用高エネルギー放射線発生装置は決められた使用室で使用するとされており、今後の重大な検討項目となった。
著者
宮崎 林太郎 塚原 裕常 西村 純 前田 直人 森 辰則 小林 寛之 石川 雄介 田中 裕也 翁 松齢
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.376-386, 2011 (Released:2011-02-08)
参考文献数
8

In order to achieve faceted search in net auction system, several researchers have dealt with the automated extraction of attributes and their values from descriptions of exhibits. In this paper, we propose a two-staged method to improve the performance of the extraction. The proposed method is based on the following two assumptions. 1) Identifying whether or not each sentence includes the target information is easier than extracting the target information from raw plain text. 2) Extracting the target information from the sentences selected in the first stage is easier than extracting the target information from the entire raw plain text. In the first stage, the method selects each sentence in a description that is judged to have attributes and/or values. In this stage, each sentence is represented a bag-of-words-styled feature vector, and is labeled as selected or not by a classifier derived by SVM. In the second stage, the extraction of attributes and values are performed on the cleaned text that does not contain parts of description irrelevant to exhibits, like descriptions for the postage, other exhibits, and so on. In the second stage, we adopt a sequential labeling method similar to named entity recognizers. The experimental result shows that the proposed method improves both the precision and the recall in the attribute-value extraction than only using second-stage extraction method. This fact supports our assumptions.
著者
澤村 明彦 二文字 俊哉 小林 寛道 佐藤 孝 大河 正志 丸山 武男 吉野 泰造 國森 裕生 細川 瑞彦 伊東 宏之 李 瑛 長野 重夫 川村 静児
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.526, pp.17-20, 2003-12-11

これまで我々はRb原子の吸収線に磁気光学効果を用いる安定化法に,我々が考案したPEAK方式を採用することで基準信号を得て,半導体レーザの発振周波数安定化を行ってきた.また近年,フェムト秒パルスモード同期レーザによる光周波数コムが光周波数の新たな基準として注目されている.そこで本研究ではPEAK方式を用いて安定化したレーザの周波数安定度を,光コムジェネレータを用いて測定した.さらに安定度の改善と発振スペクトル幅の狭窄化を目的として,1つの半導体レーザに2つの光フィードバック(ダブル光フィードバック)を施した状態で発振周波数を安定化することについて検討した.
著者
丸森 健司 矢部 清寿 宮本 洋寿 小林 寛 佐藤 雅昭
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.112-116, 1993-01-01
被引用文献数
3

症例は46歳の男性.心窩部痛を主訴として来院した.上部消化管造影および上部消化管内視鏡検査にて,十二指腸球部小彎側に一部陥凹を伴った粘膜下腫瘍を認め,生検を施行したところ,平滑筋由来の分類不可能な腫瘍細胞があり,CT検査でも十二指腸に腫瘍像を認めた.このため十二指腸粘膜下腫瘍の診断のもとに開腹.腫瘍は十二指腸球部小彎側と膵頭部の間に存在したが,膵臓など周囲臓器との癒着なく,十二指腸切開腫瘍摘出術を施行した.組織所見では,紡錘型および多角型の類上皮性細胞が多数存在し,その豊富な細胞質は好酸性であった.以上より腫瘍は平滑筋芽細胞腫と診断された.平滑筋芽細胞腫は,その多くが胃原発であり,十二指腸原発は極めて希である.今回われわれは十二指腸原発平滑筋芽細胞腫の1例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.