著者
三辻 利一 小野 裕子 天野 哲也
出版者
北海道大学総合博物館
雑誌
北海道大学総合博物館研究報告 (ISSN:1348169X)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.139-152, 2008-03-31

The pottery from the Kafukai 1 site on Rebun Island is a grey semi-hard ceramic which was manufactured on turn wheel and fired in a closed kiln at high temperatures. Based on typological analyses, two assumptions have been presented for the origin of the pottery: Sue pottery manufactured in Japan, and ceramic-like pottery made in the far eastern area of the Eurasian continent. In order to confirm these possibilities, the analytical data of the Kafukai-1 pottery were compared to both the Sue and ancient Pohai ceramics. The pottery from Kafukai-1 and the Pohai ceramics had high contents of K and Rb. Although the analytical data were not identical to those of the Pohai ceramics, they were found to be analogous. This, therefore, proves that the pottery could be a Pohai product. At the same time, the possibility of the Kafukai pottery being ancient Japanese Sue-ware was also surveyed. Generally the contents of Ca and Sr in hard ceramics are lower than in Haji ceramics, because in high temperatures above 1000oC, high contents of Ca obstruct the baking of hard ceramics. The date of the Kafukai pottery is inferred to be between the 6th and 7th centuries, and most of the Sue-ware kiln sites in the 6th and 7th centuries were concentrated in the Kinki and Toukai districts. Since the contents of the Kafukai pottery did not correspond to those from the Sue kilnsites, the date of the corresponding kiln was extended to the 9th and 10th centuries. The Mannendani kiln site located in Toyama Prefecture and the Ebisawa kiln site in Akita Prefecture along the Sea of Japan were selected as the corresponding kilns. Discriminatory analyses were carried out between the Mannendani and the Ebisawa kiln sites using the indices of K, Ca, Rb and Sr. Although the Kafukai pottery did not belong to either of these mother groups, the results were analogous to the Mannendani Sue-ware. Whether the pottery is a Mannendani product still remains to be proven. Further analyses of Sue materials produced in the middle and northern areas along the coast of the Sea of Japan indicated that these coastal regions were the most possible areas.
著者
小野 裕子
出版者
日本酪農科学会
雑誌
ミルクサイエンス (ISSN:13430289)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.33-40, 2012 (Released:2014-03-15)
参考文献数
54

Sphingomyelin (SPM) is a major lipid of bovine milk fat globules and has been attractive in its biological functions. In the epidermis, SPM is a precursor of the biosynthesis of ceramides that play a crucial role in the retention of water and permeability barrier. However, the effect of orally administrated SPM on epidermal function is poorly understood. We investigated the effect of SPM concentrate prepared from bovine milk on the water retaining function in the epidermis by the animal study and the clinical test. Thirteen week-old hairless mice were fed SPM concentrate diets for six weeks. The results showed that 504 mg/day intake of SPM concentrate improved epidermal hydration, transepidermal water loss and ceramides content. We found that 17 mg/day intake of SPM concentrate was enough to prevent water loss and retain water in the epidermis of hairless mice. A placebo-controlled randomized double-blind clinical study of the oral intake was investigated on 25 individuals. The soft capsules containing 330 mg/day of SPM concentrate were administrated to subjects for six weeks. The placebo was prepared with the same amount of phospholipids from soy beans. SPM concentrate group showed significantly higher epidermal hydration than the placebo group. The sebum amount on the skin surface tended to be higher than that of the placebo group. Subjective symptom also revealed that reflectance and elasticity were improved in SPM concentrate group. These results indicate that dietary SPM concentrate improves the water retaining function in the epidermis, and is useful for maintaining the integrity of healthy skin.
著者
中野 茉莉恵 有馬 正貴 長田 洋資 桜井 研三 升森 智香子 水野 将徳 都築 慶光 小野 裕國 後藤 建次郎 近田 正英 麻生 健太郎
出版者
特定非営利活動法人 日本小児循環器学会
雑誌
第51回日本小児循環器学会総会・学術集会
巻号頁・発行日
2015-04-21

【緒言】単心室症例のFontan術後にhepatic factorの偏在が側副血行路を生むことが報告され、長期予後への影響が示唆されている。肝静脈血を左右の肺動脈に灌流させる必要があるが、Fontan手術施行例では肝静脈と肺動脈を繋ぐルートの作成に苦慮する場合も多い。今回、Total cavopulmonary shunt (TCPS)術後に肝静脈-肺動脈ルート作成に難渋した心房内臓錯位症例に対して肝静脈-半奇静脈吻合を行い、良好なFontan循環を確立した症例を経験したので報告する。【症例】2歳10ヶ月女児。在胎39週5日、2896gで出生。胎児期より心房内臓錯位を指摘されており、出生後、左側相同、両大血管右室起始、肺動脈狭窄、卵円孔開存、下大静脈欠損半奇静脈結合と診断した。心房は左心房が右前方、右心房が左後方の関係にあり、肝静脈は椎体の左側を走行し右心房に開口していた。生後7ヶ月時に肺動脈絞扼術、心房中隔作成術を施行した。1歳1ヶ月時にTCPSを施行、左上大静脈と左肺動脈を吻合した。2歳4か月時、Total cavopulmonary connection(TCPC)の方針となり、心外導管のルーティングについて検討した。肝静脈が椎体の左側にあるため、導管を右側に通して作成すると椎骨や心室によりルートが圧迫される可能性が考えられた。一方で、左側に作成すると、ルートが長く屈曲することやTCPS吻合部近辺の肺動脈形成が必要となると予想され、どちらの術式を選択しても導管狭窄やhepatic factorの分布に偏りが生じる可能性があったため、肝静脈-半奇静脈吻合を選択した。術後1ヶ月時に施行した心臓カテーテル検査では、肝静脈圧 11 mmHg, 半奇静脈圧 9 mmHg, 肺動脈圧 8 mmHgで、肺動静脈瘻の発生はなく良好なFontan循環を維持していた。【結語】下大静脈欠損を伴う左側相同に対して肝静脈-半奇静脈吻合を行い、その後も良好なFontan循環を確認した。肝静脈-半奇静脈吻合は、下大静脈欠損の症例に対する右心バイパスの有効な吻合方法である。
著者
内田 圭亮 小野 裕明 奥 武憲
出版者
一般社団法人 日本画像学会
雑誌
日本画像学会誌 (ISSN:13444425)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.282-286, 2017-06-10 (Released:2017-06-13)
参考文献数
3

昨今様々なIOTの進展により,企業は自社製品をどのように顧客が活用しているかというビッグデータを取得できるようになったが,未だビジネス上の成果に繋げている企業は未だ多くはない.当社では@Remoteという顧客のMFP等の画像機器をリモート管理する仕組を有しており,保守関連情報がビッグデータとして蓄積されている.このビッグデータを分析することにより顧客理解を進め,新たな価値提供とビジネス上の成果創出を行っている.本稿ではMFPビジネス上の成果を創出している2つのアナリティクス·プロジェクト,自社の顧客維持のために適切な営業情報を適切なタイミングでセールスアカウントに提供するマーケティング·アナリティクス,MFPの故障予兆を捉えて故障前に予防保守情報をカスタマーエンジニアに提供するプレディクティブメンテナンス·アナリティクスについて紹介する.双方共に,最終的なビジネス成果は顧客と直接相対する担当者が創出するものであり,このためデータ分析結果の現場での活用方法に徹底的に拘った.
著者
広瀬 直人 小野 裕嗣 前田 剛希 和田 浩二
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.27-31, 2019
被引用文献数
2

<p>試験用黒糖製造において,仕上加熱工程と冷却撹拌工程を連続して実施できる,卓上型の黒糖試験製造装置を開発した.この装置は,PC制御されたマイクロヒーターと水道水利用の冷却管を備えた加熱冷却容器,および撹拌トルクを検出できる撹拌装置から構成される.この試験製造装置を用いて黒糖を試作する過程で,冷却撹拌工程の終了時に品温が上昇する現象を見出した.この品温上昇は,温度上昇幅と糖蜜の推定比熱からショ糖の結晶熱が要因と推測された.</p>
著者
深見 悠矢 北原 曜 小野 裕 藤堂 千景 山瀬 敬太郎
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.93, no.1, pp.8-13, 2011 (Released:2011-04-16)
参考文献数
13
被引用文献数
2 4

森林には土石流緩衝機能があることが知られている。しかし, 土石流発生時の条件を模した状態での力学的評価や林分の造成方法に関する研究は少なく, 森林の土石流緩衝機能は不明な点が多い。そこで本研究では, 三つの立木引き倒し試験を行い, 飽和含水状態の土壌と自然含水状態の土壌, 実生更新木と苗木植栽木, 立木密度の違いによる立木の力学的抵抗性の差異を明らかにすることを目的とした。対象樹種は, 順に, カラマツ, コナラ, カラマツである。いずれの引き倒し試験も, 対象木の根元から1 mの高さにワイヤーをかけて重機ないしチルホールで牽引し, 最大引き倒し抵抗モーメントを算出した。試験の結果, 異なる土壌水分条件下において立木の引き倒し抵抗モーメントに差異はないこと, 実生更新木と苗木植栽木の引き倒し抵抗モーメントに差異はないこと, 立木の引き倒し抵抗モーメントは立木密度と負の相関関係にあることがわかった。
著者
荒川 慎太郎 佐藤 貴保 小野 裕子
出版者
東京外国語大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

荒川(主に仏典担当)・佐藤(主に官文書担当)・小野(主に法律文書担当)は、ロシア科学アカデミー東洋文献研究所所蔵、西夏文字草書体各種資料に関する実見調査と研究を行った。また荒川は敦煌石窟に書かれた草書体西夏文題記なども調査した。各メンバーは各種草書体文献の歴史学的・言語学的研究を発表した。西夏文字草書体字典の雛型を含むいくつかの論文を、研究成果報告書「ロシア所蔵資料の実見調査に基づく西夏文字草書体の体系的研究」にまとめ、これを2016年3月に刊行した。将来的には本研究の成果を活かし、西夏研究に資する字典・資料集の公刊に努めたい。
著者
吉田 充 小野 裕嗣 亀山 眞由美 忠田 吉弘 箭田 浩士 小林 秀誉 石坂 眞澄
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.12, pp.822-825, 2002-12-15
参考文献数
5
被引用文献数
5 20

日本で市販されている加工食品32品目63製品について,<B>アクリルアミド</B>含有量をLC-MS/MS法及びGC-MS法で測定した.検出限界及び定量限界は,LC-MS/MS法でそれぞれ0.2, 0.8ng/ml, GC-MS法で臭素化誘導体としてそれぞれ12, 40ng/mlであった.RSDによる繰り返し精度は,LC-MS/MS法では5%以下,GC-MS法では15%以下であった.両法による分析値は高い相関(r2=0.946)を示した.<B>アクリルアミド</B>含有量は,<B>ポテトチップス</B>で439-1870μg/kg,<B>スナック</B>菓子で15-3540μg/kg,米菓で17-303μg/kg,即席麺.<B>ワンタン</B>では4-54μg/kgであった.
著者
名児耶 厚 石川 慎也 小野 裕次郎 市野 学
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 : 日本教育情報学会学会誌 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.3-13, 2007-07-25

近年,少子化・出生率低下を背景とした大学入学者数の減少により,学生募集が困難な大学が出始めている.そのため,既存大学の現状を分析することは,今後の大学の改革や他大学との差別化という意味においても大変重要と考えられる.そこで我々は,大学案内に掲載されている大学の情報から既存大学の分類や特徴付け等の解析を通して大学の現状の分析を試みた.その結果,データをそのまま解析するよりも,いくつかの条件によって分類した上で解析を行うべき,という結果が得られた.さらに,その分類に従って再度解析を進めたところ,隠れていた類似性を検出することができた.本稿における解析対象は関東地区,かつデータを入手可能な大学に限られるが,大学の今後を考えていくにあたって有用な情報が得られたと確信している.
著者
竹中 真紀子 永谷 幸善 小野 裕嗣 七山 和子 五十部 誠一郎
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.10, pp.533-537, 2012-10-15

タマネギを原料とした風味付け調味料であるオニオンエキスが高いラジカル消去活性を有していることに着目し,その変動特性を明らかにするために,オニオンエキスの製造工程におけるラジカル消去活性の変動,主要なフラボノイドの含有量および褐変度の変動を追跡した.製造工程のうち,タマネギ搾汁濃縮液を加熱する段階でラジカル消去活性および褐変度が上昇し,遊離糖および遊離アミノ酸の一部ならびに多くのフラボノイドは消失した.オニオンエキスのラジカル消去活性本体はメラノイジンであると考えられ,疎水性相互作用による固相抽出を用いたオニオンエキスの分画において,疎水性の高い画分がより高い褐変度およびラジカル消去活性を有する傾向が見られた.
著者
宮田 等 川崎 健夫 小野 裕明 田村 正明 鈴木 崇民 山口 容史 渡辺 みのり 勝亦 正明 VEQUIZO Reynaldo M. JACOSALEM Editha P.
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

原子炉ではウラン燃料が消費されると共にプルトニウムが生成される。危険なプルトニウムの量をモニターできる原子炉ニュートリノ検出器の開発をGd含有新型プラスチックシンチレータを用いて行った。 Am241/Be線源からのガンマ線,中性子をニュートリノ疑似信号として用い,82kgのプロトタイプ検出器の性能を評価した。得られた実験データを基に,Geant4シミュレーションによって1トンの原子炉モニターの性能について評価した。熱出力3GWの原子炉の燃料交換前後でのプルトニウム量に関して、11日間の測定で6% の燃料(プルトニウム90kg相当)の取り出しを2σの有意度で確認できるという結果を得た。
著者
近藤 幸一 千葉 龍矢 小野 裕司 吉田 栄吉 松下 伸広 阿部 正紀
出版者
公益社団法人日本磁気学会
雑誌
日本応用磁気学会誌 (ISSN:18804004)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, 2004-04-01
被引用文献数
2

携帯電子機器の急速な高速度化・小型化とそれに伴う電子回路の高集積化により,半導体部品等から発生する高周波伝導ノイズを,ノイズ発生源である半導体素子内部あるいはその近傍で抑制する技術が望まれています.我々はフェライトめっき法により得られるNiZnフェライト薄膜を用いたGHz伝導ノイズ抑制体(バスタフェリックス_[○!R])を開発しました.Fig.1に示すように,従来の金属粉とポリマーからなる複合磁性シート(厚さ50μm)に比べ約1/15の厚さ(31μm)で同等以上の性能を発揮するので,携帯電話,ノートパソコン、デジタルカメラのようなデジタル電子機器の輻射ノイズ対策、及び内部干渉・誤動作の防止に最適です.
著者
小野 裕次郎 名児耶 厚
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.26, pp.336-337, 2010-08-21

東京都内の私立高校において,高校受験雑誌に掲載されている情報をもとに分析を行った.まずは,全サンプルを使用して分析を行ったが特筆すべき構造は発見できなかった.そこで,高校のデータはいくつかのサンプル群毎に異なった構造を持つと仮定し,男子校・女子高・共学校にデータを分割し解析を行った.その結果,男子校・女子高等それぞれのデータで有意な構造が発見できた.本研究では,高等学校を解析する上での分類の必要性と合わせて,男子校・女子高等見出された有意な構造について述べる.
著者
小野裕之
雑誌
消化器内視鏡
巻号頁・発行日
vol.11, pp.675-681, 1999
被引用文献数
22