著者
丸山 宏 諸橋 正幸 野美山 浩
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.213-214, 1994-09-20

我々が現在取り組んでいる電子図書館[1]を始め、パソコン通信、GoPher,World-Wide Webなど、電子ネットワーク上で情報を提供する手段がポピュラーになり、個人がアクセスできる情報の地平線が爆発的に広がりつつある。そんな中で、欲しい情報を的確にアクセスするには、WWWサーバーなど新たな情報の固まり(これを情報集合と呼ぶことにする)に出あった時に、その集合がどのような情報を含んでいるかを自分なりに理解しておくことが非常に重要になる。例えば、この電子図書館は近代日本文学の蔵書が豊富であるとか、このパソコンネットはパソコンの技術的な内容に非常に強いとか、ローカルな気象情報は、どのWWWサーバーが最も最新か、とか、質の高い論文のリストは、どこのftPサイトで見つかりやすいとか、エンターテイメントで人気の高いのは、どこのBBSであるか、などという自分なりの理解である。このような「情報のありかに関する知識」は、簡単に得られるものではなく、個人の経験から蓄積されたものの方が多いようである。このように、ある情報集合の内容に関して、自分なりのイメージを描くことを、我々は、"Information Outlining"と呼ぶことにする。本稿では、"Information Outlining"が電子図書館を始め将来の情報社会に於いて非常に重要な概念であることを指摘し、これを助けるためのコンピューターの仕組みを研究する必要性を議論する。また、その一つの方策として、検索中に、現在の検索条件に合致する文書数はいくつか、また、他の検索キーについて、その検索キーを追加すると該当文書はいくつに絞られるか、を常にユーザーに提示するアイデアについて述べる。
著者
村井 秀哉 齋藤 悟郎 上原 伸一 五藤 智久 中田 大作 三村 広二 住吉 研 葉山 浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.651, pp.43-48, 2001-03-02

ホログラフィック高分子分散液晶(HPDLC)素子は,カラーフィルタを用いることなくカラー表示が可能であり、偏光板が不要なため明るい反射型LCDが期待できる。今回、反射型ディスプレイとしての有用性を実証するため、カラー表示可能な3層積層型HPDLC素子(4文字表示)を試作した。この3層積層型HPDLC素子は.視差を抑制するために0.lmm厚の薄ガラスを使用し、視野角を拡大するためにディフューザを通してレーザー光を照射したR、G、B3色の単層素子を貼り合わせて作製した。得られた積層HPDLに素子は、電圧無印加状態で標準白色に近い白色を示し、電圧印加によるマルチカラー表示が可能であった。
著者
中川 威雄 鈴木 清 植松 哲太郎 小山 浩幸
出版者
公益社団法人精密工学会
雑誌
精密機械 (ISSN:03743543)
巻号頁・発行日
vol.47, no.11, pp.1399-1405, 1981-11-05
被引用文献数
10

金属短繊維は, 複合材料用基材など種々の用途をもつものと考えられているが, 既存の金属短繊維製造法はいずれも効率が悪く, コストも高い.本論文では, 旋削時に弾性切削工具にびびり振動を積極的に生じさせることにより極細の金属短繊維を製造する, 新しい「びびり振動切削法」を提案する.このびびり振動切削法によれば, 直径10〜250μm, 長さ0.5〜20mmの金属短繊維を, ほとんどすべての金属材料から直接, 安価に, 効率良く製造できる.びびり振動切削法における短繊維の生成機構についても実験により得られた結果をもとにその推定を行った.
著者
古山 浩志 八塩 仁 江村 恒一 井上 郁夫 遠藤 充 星見 昌克
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.183, pp.67-72, 1999-07-15

蓄積された大量の映像データから所望の映像を高速に検索するための方式として、予め音声チャンネルから音声認識によりメタデータを自動生成しておき、このメタデータに対して入力したキーワードの検索、特定シーン映像を頭だし再生する映像検索システムを試作した。メタデータ生成部では、入力音声からCV/VCラティスの時系列データを生成し、メタデータとしてMPEG2-TSストリーム中にPESパケットとしてVideoとAudioのPESパケットとともに多重化する。メタデータ検索部では、DPマッチングを用いてCV/VCラティスを時系列データとし、入力キーワードとの照合処理を行うことにより検索を行う。ニュース番組を想定した文を対象として検索実験を行った結果、約80%の検出率を得た。
著者
野美山 浩
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.179-180, 1994-09-20

近年、種々の機械可読の大規模コーバスが利用可能になってきており、それらを用いて、書語知識を獲得する多くの研究がなされている。効率的に知識を抽出するためには、文字列レベルだけでなく、形態素レベルの情報、構文レベルの情報、さらには、意味レベルの情報が必要となる。しかし、現技術レベルでは、形態素解析は、99%以上の精度で解析できるものの、構文解析は、よくても80%程度であり、十分な精度力糊待できない。そのため、日本語においてこのような言語データベースは、解析結果を人手で修正することによって作成されているが、その作業には非常に大きな労力を必要とする。かなり長い時間・多くの費用を掛けても、数万~数十万文程度の解析データしか得られない。統計的な情報の有効性は、その母集団の大きさに依存するものであり、実用的な自然言語処理に有効な情報を得るには、非常に大量のテキストから解析データを作成する必要がある。そこで、本稿では、大量のテキストデータから、その形態素解析の結果を利用して、依存構造を抽出する手法を提案する。依存構造は様々な用途に利用できるが、多くの場合、1文すべてに対する依存構造が必要であるわけではなく、1文中の一部の依存構造で十分である。単に2項の依存構造でも有効な情報を持つ。また、文節内のすべての単語についての掛かり受けが必要である訳ではなく、文節の中心となる語(以降ヘッドと呼ぶ)の間の関係のみで十分である。例えば、名詞複合語などが出現している場合は、その一番最後の単語のみの関係を抽出すればよい。本稿では、各文節のヘッドと関係およびそれらの依存構造を以下のように表す。提出13する考え19を示41:23つの文節があり、それらのヘッドと関係はそれぞれ、(提出13.する),(考え19,を),(示4)である。語幹の後の数字は品詞コードである(19は一般名詞)。最初の文節を0とすると、文節の掛かり受け関係は、0→1,1→2となる。本手法は、網羅的に情報を獲得するという従来の言語データベース作成の試みとは異なり、1つの文に対し、完全な解析結果を作成しない。そのかわりに、「文全体ではなく、非常に高い精度が期待できる部分のみを抽出する。」ことによって、大量の依存構造を自動的に抽出することを目的とする。
著者
横山 浩
雑誌
液晶 : 日本液晶学会誌 = Ekisho
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.121-122, 2003-04-25
著者
中山 浩太郎 原 隆浩 西尾 章治郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告デジタルドキュメント(DD) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.59, pp.23-28, 2004-05-28
被引用文献数
1

近年,電子カルテに代表される医療分野での情報化・電子化が急速に進んでいる.特に,患者情報をPDAで閲覧する病院内モバイル技術や3D-CG の医用イメージ技術を用いた新しいカルテ等の研究が盛んである.そのため,医療の現場ではモバイル端末上で3D 医用イメージを閲覧できるシステムが要求されている.しかし,PDA や携帯電話をはじめとするモバイル端末では,搭載できるCPU の性能やメモリ量,バッテリー等が問題となり,多くの計算が必要となる3D-CG のレンダリング処理エンジンの実装が未だ不十分である.そこで,本研究では,筆者らが開発したモバイル端末用3D フレームワーク「3D-Raven」を電子カルテに導入することにより,モバイル端末上でも利用可能な3D 電子カルテシステムを実現した.Medical information technologies, such as EMR(Electronic Medical Record), have dramatically advanced in the past few years. Especially, "mobile" and "medical imaging (3D)" are important keywords in the stream. However, high-quality 3D graphics still remain beyond the computational capability of mobile device because of the limitation of CPU, memory, battery, and so on. In this paper, we propose a 3D framework for mobile device, which we call "3D-Raven". This enables mobile device to render high-quality 3D graphics.
著者
天倉 吉章 近藤 一成 穐山 浩 伊東 秀之 波多野 力 吉田 隆志 米谷 民雄
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.178-181, 2006-08-25 (Released:2008-08-04)
参考文献数
18
被引用文献数
10 11

キシメジ科スギヒラタケの化学成分に関する研究の一環として,本キノコ中のUV検出成分についてHPLC分析を行った.UV検出による主要ピークの1つを単離したところ,各種分光法の結果に基づき,共役トリエン構造を有するα-エレオステアリン酸であると同定した.α-エレオステアリン酸は,試験した他の8種の食用キノコからは検出されなかったため,スギヒラタケ特有の脂肪酸であることが示唆された.またスギヒラタケおよび他の食用キノコ中の遊離長鎖脂肪酸について,2-ニトロフェニルヒドラジドへ変換後,HPLC分析した.スギヒラタケの主要脂肪酸としてオレイン酸が検出され,α-エレオステアリン酸のほか,リノール酸,パルミチン酸,ステアリン酸などの飽和長鎖脂肪酸が検出された.
著者
石川 大太郎 湯田 健之 関岡 信一 肥山 浩樹 石黒 悦爾
出版者
養賢堂
雑誌
農業気象 (ISSN:00218588)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.61-68, 2008-06-10
被引用文献数
2 1

近年、地球温暖化等の環境変動により局地的な豪雨が頻発している。鹿児島県においても北部地域で2003年7月20日ならびに2006年7月22日に日雨量350mmを超える記録的な大雨が発生した。これらの局地的豪雨は大規模な斜面崩壊・大小の河川の氾濫などを誘発し、多大の被害や損害をもたらしている。本研究では、斜面崩壊地域予測を目的として、土壌水分の変動を植生の葉内水分変動を用いて簡易に推定する手法の開発を試みた。室内において樹木から摘採した葉の含水率変動と分光反射特性を解析し、衛星データ(現在一般的に用いられており汎用性が高いと考えられるLandsat/TMを対象)、ならびに近赤外域を有しない航空写真について、含水率を推定する指標を考案した。さらに、これらのデータが得られない場合の対応として、簡易にしかも即時的に取得可能な分光画像に対応した分光反射特性を用いた指標の考案を試みた。またこれらの指標を適用した含水率変動率指標(WCF)を提案し、現地調査にて撮影した分光画像及び対象地域を撮影した航空写真を用いて本研究の実用性を検討した。
著者
杉山 浩平 大崎 博之 今瀬 真 八木 毅 村山 純一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.314, pp.7-12, 2007-11-08

本稿では、さまざまなリンクマイニング手法や従来のデータマイニング手法を統合的に扱うことができるフレームワークNMF (Network Mining Framework)を提案する。近年、リンクマイニングに代表される、複雑ネットワークのトポロジ構造を利用するさまざまな取り組みが活発に行われている。これまで数多くのリンクマイニング手法が提案されているが、これらは異なる分野でそれぞれ独立に研究されてきた。このため現状では、それらのリンクマイニング手法を相互に連携させて利用することは困難である。そこで本稿では、さまざまなリンクマイニング手法や従来のデータマイニング手法を統合的に扱うことができる、「ネットワークマイニング」のためのフレームワークNMFを提案する。NMFは、入出力の形式が統一された7種類の機能ブロックによって構成され、これらの機能ブロックを自由に接続することにより、さまざまなネットワークマイニング手法の実現を可能とする。さらに本稿では、NMFの利用例を示し、NMFによって高度なネットワークマイニングが可能となることを示す。
著者
中山 浩太郎 原 隆浩 西尾 章治郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.128, pp.115-122, 2006-11-30

Wikipediaは,WWW上に構築された百科事典であり,誰もが簡単にWebブラウザを通じて編集可能であるために,膨大な数の記事が投稿,公開されている.しかし,2005年末から2006年初頭にかけて,虚偽の記事が投稿されるような事件が発端となり,コンテンツの信頼性が大きな問題となってきた.筆者らは,これまでの研究でWikipediaにおける記事同士の関係性を抽出する手法について提案し,その有効性を証明してきたが,このように不特定多数のユーザがコンテンツを管理するような環境においては,信頼性を考慮した解析手法が重要となる.本研究では,Wikipediaのダイナミクスと信頼性の問題を分析するとともに,リンク構造解析アルゴリズムについて検討し,記事関連性抽出における信頼性の高い情報抽出方法を模索する.Wikipedia is a Web-based dictionary that can easily be edited through Web browsers by any Internet user. Thus huge amounts of articles are published and managed on it. However, after a number of article reliability issues, the trust problem on Wikipedia is still in controversy. In previous works, we proved the effectiveness and potential of the article association extraction based on Wikipedia mining. In this paper, we first analyze the link structure of Wikipedia and dynamics of Wikipedia. Then, we present an effective method for link structure mining for Wikipedia and describe how link structure mining for Wikipedia is helpful for extracting trusted information.